九電グループの通信事業者であり、インターネットサービス「BBIQ」やMVNOサービス「QTモバイル」を提供する株式会社QTnet。
従来のマス広告でのプロモーションからデジタルマーケティングへの方針転換に伴い、BBIQの公式サイトではナイルをパートナーとして本格的に施策を実施することになりました。
ナイルでは、コンテンツ制作を含むSEOとCROに携わり、検索流入数やCVRで大幅な改善が見られているほか、LTV改善の提案や社内向けのGA4研修を実施するなど、さまざまな支援を行っています。
<お知らせ>
ナイルでは、事例ページをご覧の方向けの無料相談会、壁打ち会を実施しております。
ご相談の背景等をお伝えいただくことで、最適な非公開事例のご案内も可能です。
お悩みや課題が明確でない、ふわっとした内容に思えるご相談でも大丈夫です。
押し売りや手抜きはありませんので、お気軽にご活用ください。
目次
・光インターネット市場の成熟により、BBIQの公式サイトからの顧客獲得数やサイト流入数が年々減少していた。
・Webマーケティングに軸足を置く方針になったことに伴い、SEO、CROに本格的に取り組むため、コンサルティング会社のリプレイスを検討していた。
2023年6月~
お客様にご提案し、実施した施策を紹介します。
ユーザーインタビューを実施し、BBIQに決めた後の満足感がかなり高いことがわかりました。
そこで、BBIQの強みである「通信速度」や「安定性」に結びつくキーワードを中心に対策しています。
「つながらない」「遅い」といった具体的な悩みをベースにしたキーワードを選定し、コンテンツ制作を行いました。
さらに指名検索対策も推進し、「BBIQ Wi-Fi」「BBIQ 工事」などBBIQを想起したユーザーが検索しやすいキーワードで確実に該当ページが検索上位に表示されるようにしています。
サイト全体でユーザーの導線が定まらない形になっており、必要性の低いページが多くありました。
そのため、サイトの評価が分散し、SEOにも良くない影響が出ていると見受けられたため、こういったページの整理を行っています。
流入数やコンバージョンへの貢献度を確認し、貢献度の低いページは非表示にしたり、貢献度の高いページへリダイレクトしたり、関連する内容のページを統合したり、といった対応をとりました。
BBIQのトップページや光インターネットの各種サービスページといったコンバージョンに貢献しやすいページについて、コンバージョン導線の改善策を提案。
その後A/Bテストを実施し、コンバージョン率が高いパターンを実装しました。
株式会社QTnet様が、既存ユーザーへの満足度を高められているかに疑問を感じていらっしゃったことをきっかけに、既存ユーザー向け会員サイト「BBIQ LIFE」を対象にしたLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)改善提案を実施しています。
競合がどのような施策を行っているかなどを調査して、BBIQにおける課題を抽出。
コンテンツや導線の改善、会員向けの施策などをご提案しました。
LTV改善提案資料の一部
株式会社QTnet社内の皆様向けに、GA4研修を2回に渡って実施。
基礎知識の座学にはじまり、実際に手を動かしてデータを見るところまでの研修を行いました。
GA4研修資料の一部
上記の施策を行った上で、どのような成果が出たのかを紹介します。
コンテンツ制作で新規作成したコラム記事、指名検索対策により、自然検索流入数が実施前に比べて4.4倍増加しました。
コラム記事経由の自然検索流入数の推移(2023年7月~2024年7月時点)
<コラム記事を制作したキーワードの順位>※2024年11月現在
「wi fiインターネット 未接続」 圏外 → 1位
「インターネット 未接続」 圏外 → 1位
「ip アドレス 取得できない」圏外 → 1位
「インターネット 1ギガ 必要か」(リライト)14位 → 1位
一部サービスページの改善を行った結果、コンバージョン率が約6倍になりました。
サービスサイトのA/Bテスト時のコンバージョン率(CVR)比較
株式会社QTnetプロモーション推進部の成松里美氏、松尾祐輔氏、岸原勇登氏、そしてナイルからは本プロジェクトを担当する寺田祐也と守田奈々に、詳しい話を聞きました。
左から、株式会社QTnet 松尾祐輔氏、成松里美氏、岸原勇登氏
――ナイルにご依頼をいただいた際、QTnet様にはどのような課題があったのでしょうか。
株式会社QTnet 松尾祐輔氏(以下、松尾):まず市場の課題として、光インターネット自体の市場が成熟したこともあり、Webからの顧客獲得数やサイト流入数が年々減少傾向にありました。
加えて、テレビCM中心のプロモーション戦略から方針を転換することになり、マス広告に頼り切らない、デジタルに軸足をおいたプロモーションが必要になったのです。
当時は、広告運用する会社にSEOコンサルも依頼していており、テレビCMありきで指名キーワードを取るといった、最低限のSEOしかできていませんでした。
そこで、SEOやCROに本格的に注力するために、コンサル会社のリプレイスを検討したという流れです。
――リプレイスにあたって、ナイルを選ばれた決め手はどこにありましたか。
株式会社QTnet 成松里美氏(以下、成松):私が以前所属していた部署でSEO関連の案件があったときに、メンバーから「SEOといえばナイルさん」と聞いたことがあったんです。
私自身はSEOに懐疑的なところもあったので、「ナイルさんでダメならSEOはもう信用しない」ぐらいの気持ちでご相談したのが最初ですね。
ナイルさんからいただいた提案は、企業やマーケティングの視点で課題を捉えているのが印象的でした。
小手先の対応に終わらせず、事業の位置づけや課題を俯瞰した上で施策を提案されていて、とても腹落ちする内容だったんです。
メンバーも全員同じ意見でしたので、ナイルさんにお願いすることに決めました。
――それでは、具体的な施策について伺えればと思います。まず、ナイルで初期調査を行った結果、どういった課題が見つかったのでしょうか。
ナイル株式会社 寺田祐也(以下、寺田):サイト全体の構造として、ユーザーをどこに流していくかが定まっておらず、サイト配下に必要性の低いコンテンツがかなり多く含まれていました。
その影響で、光インターネットを探している人に検索でマッチせず、サイト全体の評価が分散しているように見受けられましたので、まずはコンテンツの整理が課題となりました。
ナイル株式会社 守田奈々(以下、守田):CRO面では、データの計測が十分にできていない部分がありましたので、まずはGA4やGTM(Google Tag Maneger)をしっかり設定し、計測環境を整えるところから始めました。
ナイル 守田奈々
――それらの課題について、どのような施策を実施していったのでしょうか。
ナイル 寺田:ユーザーインタビューを実施したところ、BBIQに決めた後の満足感がかなり高いことがわかったんです。
そこで、SEO施策ではBBIQの強みである「通信速度」や「安定性」に結びつくキーワードを中心に進めることにしました。
光インターネットを選ぶとき、「現在の回線になにか不満があって乗り換えたい」と考える人も多いでしょう。最近はリモートワークやネットゲームの普及もあって、通信速度や安定性に関して不満を持つ機会も少なくないはずです。
この仮説をもとに、「(Wi-Fiが)つながらない」「(Wi-Fiの速度)遅い」といった具体的な悩みを持つユーザーを軸に、キーワード選定やコンテンツ制作に取り組みました。
加えて、「BBIQ Wi-Fi」「BBIQ 工事」といった指名掛け合わせのキーワードも提案し、BBIQを想起したユーザーが求める情報にたどり着けるようにしていきました。
――サイト配下にあった必要性の低いコンテンツの整理は、どのように行いましたか?
ナイル 寺田:コンテンツの整理については、流入数やコンバージョンへの貢献を確かめて、貢献度の低いページは消去したり、貢献度の高いページへリダイレクトしたりといった処理を行いました。
トータルで数十ページは処理したかと思います。
ページと同様に、グローバルナビゲーションのプルダウンメニューやハンバーガーメニューの数も多かったので、合わせて改修をしています。
ナイル 寺田祐也
――CRO面では、どのような施策を行ったのでしょう。
ナイル 守田:BBIQのトップページをはじめ、コンバージョン貢献度が高いページについて、1ページずつ改善案を提案していきました。
その後、A/Bテストを実施し、反応が良かったものを実装する形で進めています。
――施策を実施して、現在までにどのような成果が生まれましたか。
ナイル 寺田:SEOでは、オーガニック検索からの流入が実施前の同月比較で4.4倍増、CROにおけるサービスページの改善によってコンバージョン率が6倍になっているものがあるなど、いずれも高い水準で改善できています。
QTnet 成松:昨年度(2023年度)は申込数が前年比100%を割る月も多かったのですが、2024年度から一度も割ることなく目標を達成できています。
私たちの推定では、申込数が昨年度より約10%改善している計算です。
マス広告を増やしたわけではないので、自然検索からの流入数が増えた分がこの10%に表れているのではと思います。
株式会社QTnet 岸原勇登氏(以下、岸原):SEO施策はジワジワ効いてくるイメージでしたので、あきらかに流入数が増えたことに驚きましたね。
CROに関しても、一つひとつのページに対してロジックを組み立て、A/Bテストで効果を測ることで、これだけクリック率が上がるのかと…。
これまで何度かサイトリニューアルをしてきましたが、「なんとなくカッコ良くなったね」で終わらせていたんです。
ですが、こうしてしっかりと数字を改善して、費用対効果を評価するのが会社としてあるべき姿なのだろうと感じました。
――QTnet様へのご支援では、SEOとCRO以外にも施策を進めていると聞きました。どのような施策を実施されているのでしょうか。
QTnet 松尾:LTVの改善についてご相談させていただいています。
弊社では、既存ユーザー向けに会員サイトを設けたり、メルマガを発行したりしているのですが、「これは果たしてユーザーの満足につながっているのだろうか」という疑問があったんですね。
そこで、既存ユーザーの満足度を向上するコンテンツはどうあるべきか、ユーザー特典やオプションサービスなどの情報にふれてもらうにはどう回遊させたらいいかなどを伺いました。
ナイル 寺田:ご相談を受けて、QTnet様と同様に、通信事業を提供している事業者を中心に競合調査を行い、どのような施策が行われているかを調べました。
その上で、コンテンツや導線の改善などをご提案しています。
――QTnet様では、LTV改善の提案を受けて、動き出されている部分はありますか?
QTnet 松尾:そうですね、ご提案いただいたユーザー向けのサイトでのコンテンツ展開や導線の改善について、動き出しているところです。
――そうなんですね、どのような変化が出るか楽しみです!また、LTV改善提案のほかに、QTnet様の社員の方々に守田さんがGA4の研修を実施したそうですね。
ナイル 守田:はい。2回実施していまして、1回目は基礎知識の座学を、2回目は実際に手を動かしてデータを導くところまでのレクチャーをやらせていただきました。QTnet 松尾:わかりやすく、丁寧に教えていただき助かりました。
当初は我々プロモーション推進部の新任向けに実施するつもりだったのですが、他部署にも声をかけて、最終的に20名ほどの社員が参加しています。
サービス主管部や営業部などは、デジタルマーケティングの重要性は理解しつつも、どうやって勉強したらいいかわからないという悩みがあったんです。
そのため、研修が終わった後は、彼らからも「GAの権限を付与してください」と申し出がありました。
顧客動向やサービス設計に活かせるデータが蓄積されていると、GA4をチェックすることに価値を感じてもらえたので、やって良かったなと思っています。
――これまでナイルで実施した施策や支援を振り返って、率直なご感想をいただけますか?
QTnet 岸原:毎回の定例で「こういう理由でこういう施策を打ったほうが良い」と、弊社のリテラシーに合わせて丁寧にフォローしていただけたのが良かったですね。
おかげで我々も、少しずつ基礎知識が身に付いてきました。
新しく施策を展開するときも、「これはSEO的に気をつけなければいけないのでは」と気づく機会も増えてきたように思います。
QTnet 松尾:リテラシーもそうですし、「これは社内の都合で対応できない」といった事情を伝えると、ちゃんとそれを踏まえて提案してもらえます。
「だからそれはできないって言ったじゃないですか」みたいなことは、まったくなかったかと。
QTnet 成松:あと、ナイルさんはアウトプットも明快ですよね。
提案の内容が抽象的だったり、そもそも実現が難しいものだったりすることは少なくないのですが、ナイルさんの提案は具体的で、「これをこうすればいい」というのがわかりやすい。
着手しやすい形でアウトプットをいただけたので、とても取り組みやすかったと思います。
――ありがとうございます!現在もお取り組みは続いていますが、今後ナイルに期待していることがありましたら、お聞かせください。
QTnet 成松:現在ご支援いただいているBBIQに加え、弊社のコンシューマーブランドである「QTモバイル」もナイルさんにお願いすることになり、初期調査をしていただいています。
QTモバイルはBBIQに比べてWebでの獲得数がとても多いブランドになりますので、伸びしろも大きいのではと期待しています。
SEOもCROも継続してコツコツ取り組むことが大切だとわかりましたので、BBIQと併せてしっかり数字を伸ばしていきたいですね。
また、GA4の研修に引き続き、デジタルマーケティングの研修もお願いできればと思っています。
SEOやCROに限らず、弊社のデジタルマーケティングの知見向上に寄与していただけますと幸いです。
ナイル 守田:ありがとうございます。まだまだ貢献できることがあるかと思いますので、引き続き取り組ませていただければと思います。
ナイル 寺田:BBIQについては、コンバージョンを増やすためにできることはまだ多くあると考えています。
ブログからのCTAや、主要なサービスページ以外からのルートづくりなどを通じて、CVRをもっと伸ばしていきたいですね。
将来的には内製化も見据えているとのことでしたので、インハウス支援をはじめ、長期的にご支援させていただければと思います。
QTnet 成松:あとは、オフラインの交流ももっとできたらと思いますので、ぜひお2人とも定期的に福岡に来ていただけたら(笑)。
ナイル 寺田:はい、ぜひお邪魔させてください!
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最後に
ナイルは成果を追求するのはもちろん、「会社ごとの事情を理解したプロジェクトの伴走者であること」を心掛けております。
「プロの知見を活かしオウンドメディアを運営したい」「自社だけではリソースが足りない」という課題をお持ちの方は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
さまざまな事例をもとに、貴社に最適なお取り組みをご提案します。
この案件・類似案件を担当したメンバー
寺田 祐也(てらだ ゆうや)
この案件・類似案件を担当したメンバー
守田 奈々(もりた なな)
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