SBペイメントサービスでは、オンライン決済の事業者に向けたリード獲得を目的に、2018年にオウンドメディアを立ち上げました。
ナイルでは、立ち上げ当初からSEO対策やコンテンツ制作に携わり、その結果、決済関連の主要キーワードでは上位表示を獲得。流入数も右肩上がりで推移を続けており、近年ではコンバージョン改善にも注力し、一貫した支援を行っています。
6年にわたる取り組みを振り返るべく、SBペイメントサービス株式会社 営業戦略部マーケティング課の岡本真氏、大西佳那氏と、ナイルからSEOおよびコンバージョン改善を担当する遠山と柿原に、詳しい話を伺いました。
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目次
――本プロジェクトは2018年7月からスタートし、今年(2024年)で丸6年が経ちました。お二人が担当されるようになったのは、いつごろからでしょうか。
SBペイメントサービス岡本 真氏
SBペイメントサービス 岡本 真氏(以下、岡本):2019年2月に中途入社して、2ヵ月後の4月に担当になりました。 課の取り組みとしても、オウンドメディアのプロジェクトは最初期にあたるものだと思います。
SBペイメントサービス大西 佳那氏
SBペイメントサービス大西佳那氏(以下、大西):私は、以前は戦略系の部署に所属しており、マーケティング課に異動して初めてコンテンツマーケティングに携わることとなりました。1年ほど前から、SEOやリスティング広告周りを担当しています。
――岡本さんが担当された2019年ごろ、オウンドメディアはどのような状況だったのでしょうか。
岡本:決済機能を導入したい企業に向けて、BtoBの集客を目的にしたオウンドメディアとして立ち上げましたので、まずはトレンドとなるキーワードを押さえながら、記事を量産していく段階でした。集客は順調に伸びていったのですが、記事が増えることで、徐々に重複したコンテンツも増えてきた状況でした。
ナイル遠山
ナイル株式会社遠山(以下、遠山):私が担当を引き継いだ2020年当時が、まさにその状態でしたね。主要キーワードを狙っていく方針は変わらず、一方でコンテンツをどう整理するかが課題になっていました。
そこから、重複コンテンツの整理をしたり、関連記事同士を戦略的に内部リンクでつなげるトピッククラスターモデルを採用したり、小カテゴリやタグを調整したりなど、記事制作に限らない、周辺の施策も広げていきました。
――主要キーワードを狙ってきたSEO対策について、現在はどのような成果が出ているのでしょうか。
遠山:オーガニック検索については、2021年11月から2024年5月にかけて、セッション数30%増を達成しています。また、「決済代行」「キャリア決済」など、主要な決済キーワードで上位表示を獲得できています。
岡本:弊社のオウンドメディアのターゲットは「決済を導入する事業者」ですが、たとえば「QR決済」というキーワードではターゲット外であるコンシューマーや店舗事業者の両者が検索する可能性があり、キーワードの検索意図が重要になるので、ナイル様にはいろいろと調査をお願いしています。
本来のターゲットを狙ったコンテンツにしたいものの、かといって絞りすぎると今度は検索エンジンの評価に影響が出てしまう。記事の間口は広げつつも、いかに事業者目線の内容に寄せた部分を残せるか……といった相談をよくさせていただいています。
――そもそも決済サービスは競合他社が多く、競争が激しいキーワードもたくさんあるのではと思います。言わば“レッドオーシャン”のなかで、どのような点に気を配っているのでしょうか。
遠山:オンライン決済サービスはトレンドの流れが早いので、新たな決済手段が出たときなどは早急に対応するようにしていますね。また、上位が取れないキーワードについては、記事のリライトも行います。
大西:リライトは、半年に1回ほどのペースで行っています。記事の中には3〜4回リライトをしている記事もあります。検索順位が1位から2位に落ちただけで、クリック率が大きく変わってしまうため、最近は2位や3位に落ちたらすぐにリライトをお願いするようにしています。
――コンテンツSEOに加えて、現在はコンバージョン獲得を強化していると伺いました。コンバージョン改善ではどのような取り組みをされているのでしょうか。
ナイル柿原
ナイル株式会社柿原(以下、柿原):もともと、流入調査や分析を半年に一度行っていたのですが、今年に入ってから本格的にコンバージョン改善施策に乗り出しました。まず取り組んだのは、「コンテンツ貢献調査」です。
柿原:半年分の調査データから、オウンドメディアで直接成果が生まれている記事と、間接的にサービスサイトからの資料請求や問合せに寄与している記事のマトリクスを作り、どの記事から優先的に対策していくかを見極めました。これを元に、記事のリライトやCTA の設置などの施策を進めています。
■コンテンツ貢献度調査イメージ
記事を6つ分類にカテゴリ分けし、対応施策の方向性と優先順位を決める
コンテンツ貢献調査レポート イメージ
遠山:CTAについては、競合サイト分析を踏まえて実際にワイヤーフレームを作成し、改善提案を行いました。ABテストなどで定量的な評価を行う前に、まずはスピード重視で定性的な観点からCTAを実装し、一定の送客につながっています。
柿原:あと最近では、クロスドメイン分析などオウンドメディア以外のサイトについても調査対象を拡大して、横断的な分析を進めていますね。
――詳しく聞かせていただけますか?
岡本:新規の見込み客についてはサービスサイトがメインなのですが、それ以外のもの、たとえば加盟店向けのQ&Aサイトや、開発向けの情報サイト、契約や売上の管理サイトといったものが大小合わせて10サイトほどあり、その分析を横断的に進めています。既存の加盟店や、導入途中の方々の動きをつかむことで、歩留まりの改善や、問合せの最適化などを目指しています。
――各サイトを横断的に分析するにあたり、課題になっていることはありますか?
岡本:そもそも分析自体できるのか、という段階から、ナイル様にはご相談させていただきました。各サイトのコンテンツ責任者が、さまざまな部門に分かれていることもあり、目的の整理から始める必要がありました。
柿原:私の方でデータ的に計測可能かどうかを確認しているあいだに、岡本様にはそれぞれの部門の方に「分析によって何を明らかにしたいか」をヒアリングしていただきました。その結果を踏まえて、目的のものを可視化するには何が必要なのかを、共に整理させていただいているところです。
岡本:なかなか難しいですよね。単なる分析であれば、基本的には私がGA4のタグ設置やコンバージョン設定などやってきたのですが……。
柿原:これまで岡本さんが社内の解析周りをすべて担当されていたと聞いて、驚いたんですよ。ただでさえお忙しいのに、ABテストを設定してツールを回していると言うじゃないですか。私たちにできることを、少しずつ巻き取らせていただいてるところです。
――2018年以来、長期的にご支援をさせていただいております。改めてナイルについて思うところを率直にお聞かせいただけますと幸いです。
岡本:プロジェクトを担当して以来、UU数が右肩上がりで伸びていますし、目立ったトラブルやピンチもないので、非常に感謝しております。かなり多くの要望をお伝えしていると思いますが、内容を整理したうえで実際の施策に落とし込まれますし、こちらの体制や方向性を汲み取って進めていただける場面も多いですね。
大西:トレンド感があるキーワードをご提案いただけたり、コンテンツの中身を細かくチェックしていただけたりなど、いつも的確かつ迅速にご対応いただいて助かっています。パートナー企業さまからも「SEO対策すごいですね」「参考にしています」と、よくお声がけいただきます。
――それでは最後に、今後オウンドメディアを通じて目指していることや、展望などありましたらお聞かせください。
大西:決済業界は、近年、非常に移り変わりが激しく、次々と新たな決済サービスの登場や政府によるキャッシュレス化の推進といった動きもありました。こうしたトレンドをいち早くキャッチアップして、ニーズにマッチした記事を作り、少しでも多くの方の興味を引けるようなメディアにしていきたいと思います。
岡本:今は決済のテーマをメインに情報発信をしていますが、最終的には決済の観点だけではなく「事業者の皆さんの役に立つ」ことを目指したいと考えています。決済サービスを導入するということは、その手前にいくつものビジネス課題があるはずです。そうした課題に触れつつ、幅広く情報発信をすることで、企業としての信頼を得ていきたいと思います。そして、いざサービス導入する段階で「SBペイメントサービス」という名前を想起してもらうことが理想ですね。
――ナイルのお二人からも、今後の意気込みや挑戦したいことなどをお願いします。
遠山:現在はSEOが私、コンバージョン改善が柿原と担当が分かれていますが、全体的な成果を考えると、やはり両者の連携がとても重要だと認識しています。最終的にリードを獲得するために、集客の数と質をあげるなど、コンテンツでの取り組みを続けていければと思います。
柿原:これまで、主にオウンドメディアに関する取り組みにおいて、上流から携わらせていただいてきました。ただ、コンバージョン改善施策のところでお話したように、サービスサイトについてはまだまだこれからといった状況ですので、「サイト全体をより良くしていきたい」という思いは強いですね。施策レベルに留まらず、プロジェクトに深く関わることで、「マーケターが1人増えた」と思われるような存在になれたら嬉しいです。
ナイルは成果を追求するのはもちろん、「会社ごとの事情を理解したプロジェクトの伴走者であること」を心がけております。
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遠山 直人(とおやま なおと)
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柿原 太亮(かきはら たいすけ)
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