『HTTPSをSEOで優遇』 SSL化を推奨するアルゴリズム導入をGoogleが公式発表
※本記事は、20214公開当時の情報を基にした記事です。
昨日、SEOやWeb周りの方々が少しざわめいておりました。話題となっているのがこちらです。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: HTTPS をランキング シグナルに使用します
本件につきましてはきっと多くの方からお問い合わせを頂くことが増えるでしょう、ということが明確ですので、あらかじめ記事にまとめさせて頂く次第でございます。
\疑問や不明点はお気軽にご質問ください!/
目次
Q: まず、これは一体何の話ですか?
概要としては、SSL化されたWebサイトをSEOの評価として優遇します(=HTTPSであることが、SEO上のプラスになります)、といったものです。
こうした方針を検討している、という旨をGoogleが初めて発表したのが2014年の初頭に行われたイベントにおいてでした。( 参考:Google、安全なSSL導入サイトの検索順位を優遇したい? 実現は難しそうだが・・・ SMX West 2014 )
関係者の間では、当時から変わらず導入の賛否は分かれているように見えます。どちらかというとサイト全体へのSSL対応についても慎重派がマジョリティな印象です。
Q: 影響度はどれくらいあるのですか?
冒頭のGoogleの公式記事をそのまま拝借しますが、
全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。HTTPS は、優れたユーザー エクスペリエンスを生み出す多くの要素のうちの 1 つです。
ということですのでそこまで大げさなものではなく、実際に公式にも検索の全体のうち1%未満にしか影響しません、と言っていますので、数字だけ見れば、決して日常的な変動に比べて「とても大きな変動」という規模ではありません。ですが、
これから長い期間をかけて強化していきます。
とあるように、これからどの程度この流れが加速していくかについては不明です。今すぐに導入せずとも、いずれどこかのタイミングで検討するかもしれない、ということは頭の片隅に置いておいて良いでしょう。
Q: この件について、何か懸念事項はありますか?
例えば、規模にもよりますが導入コストはもちろんですが、SEO的な課題では、URLが変更する問題(全て正しくHTTPSに評価を引き継げるか?とか正規化処理ミスは発生しないか?など)が一般的な問題でしょう。そのほかにも、関係者の皆さんの意見として色々あがっておりまして、
refererを渡す事に意味があるメディアサイト等は、世の中の多くのサイトがSSL化するまではSSL化は難しいですねえ……
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) August 7, 2014
このことと、サーバリソース関連と、若干のコストと、移行で失敗したら逆効果、ということ以外にマイナスはあるかな?
とか、同じくリファラー関連の話では
httpsのサイトが増えると自分もhttpsにしておかないとGoogle アナリティクスでdirectが増えるってことになるのが面倒な感じです。 #fb
— 森野誠之 (@uneidou) August 7, 2014
などの懸念も早速上がっていたり。direct増えるというのは確かに解析を専門としている人にとっては結構厄介な話でしょうね。また、
Googleさんの発表を受けて、予算もないし全ページ共用SSLに入れましょう!って話がでてきそうで怖い・・・。 #fb
— 森野誠之 (@uneidou) August 7, 2014
SEOのためにSSL証明販売されるのか
— Takahiro Watanabe (@takahwata) August 7, 2014
これはもう過去にもありましたし本当に色々想像に難くないのですが、「Googleも公認、SEOに絶大な効果」的な宣伝文句でSSL証明書が販売されるということが絶対にあるでしょうね。
結果としてセキュアなWebサイトが増えるというのは悪いことではないのかもしれませんが、きちんとした意味や背景を理解した上で導入するのと、間違った認識で導入するのではやはり意味は違うかなと思います。
Q: なぜGoogleがSSL化されたHTTPSを優遇するのですか?
基本的に、Googleは「ユーザーがより良質なコンテンツに到達できるように」を基本として検索アルゴリズムを改良しています。
しかし、HTTPSであるかどうかはコンテンツの内容そのものの改善ではなく、通信環境の問題です。少なくとも大部分のユーザーが普段から求めていることではないでしょう。
では、これをなぜGoogleがSSL化を大々的に推奨し、ランキングにまで反映させるのか?というのは実際僕もそんなに腑に落ちていないこともありました。が、
SSL・非SSLで情報の有益さが違うはずはないのにこんな発表があるとお金やリソースに余裕があるところだけが(現状微細ではあるものの)有利になるわけで検索だけを考えると良いとは思えないのですが、検索だけでなく「インターネットがどうあるべきか」とかの考えなんでしょうねえ。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) August 7, 2014
と言えば確かにそれなりに納得できますね。
とあるように、インターネット全体をSSL化の動きに促進するのであれば、Googleが自らのランキングアルゴリズムへの反映というのはサイト管理者の大きなモチベーションになりうる、という理屈も理解できます。
Q: この動きに対して、どう対応するべきですか?
SSL化することで検索結果においてどれだけ優位になるのか?が不明確なこと(少なくとも今は微小)、その中でコストやリスクを負うことになるというのはあまり手放しで推奨しにくいものです。
個人的な見解としては、皆さんがこぞって「SEOの目的で」ワサワサと導入する必要はないんじゃないでしょうかとは思っています。
ですので僕からは現時点では積極提案することはありませんが、いやいや、でもせっかくだからこれを期にSSL化しようよ!という意向であればそれはGoogleも本意でしょうし早速導入されて良いと思います。ただしURL引き継ぎの処理などに漏れのないよう、慎重に進められることをお勧めします。
読み返してみたら引用だらけですみません。また追加情報などございましたら追記いたします。
※8/8追記
こちらにより具体的なQ&Aが紹介されています。
HTTPからHTTPSへの移行で出てきた質問に回答 | 海外SEO情報ブログ
こちらの記事も参考にご覧ください。
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