クレジットカード業界がWebマーケティングで注力すべきこと

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クレジットカード業界がWebマーケティングで注力すべきこと

ナイルはこれまでに、金融業界のWebマーケティング支援を多数手掛けてきました。なかでも特に注力してきたのが、クレジットカード業界です。

本記事では、クレジットカード業界でWebマーケティングを実施する際に知っておきたい知識を紹介すると共に、具体的にどのような戦略や施策を実施すればいいのかについて解説します。

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クレジットカード業界とWebマーケティングは相性がいい

金融系商材であるクレジットカードは、Webマーケティングは非常に相性がいい組み合わせです。

その2つの理由を把握し、適切なWebマーケティングを実施できれば、大きな成果が期待できるでしょう。

クレジットカード業界とWebマーケティングは< 相性がいい2つの理由(理由1:ユーザーの「損失回避したい」心理が働いてウェブ検索するため/理由2:ユーザーが「特典情報の収集」を多くウェブ上で比較するため) >(キーボードを打つ手元の図版)

【理由1】ユーザーの「損失回避したい」心理が働いてウェブ検索するため

クレジットカード業界がWebマーケティングと相性が良い理由のひとつとして挙げられるのは、クレジットカードひとつをとっても、かなりの商品数があることです。

例えば、クレジットカード会社では、国際ブランド、クレジットカード発行会社、加盟店管理会社に分けられます。

それに加えて、クレジット会社が発行する「プロパーカード」、カード会社が企業と提携して発行する「提携カード」などが挙げられます。

さらに、クレジットカードには一般カード、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカード、パラジウムカードなどなど、カードごとのランクが設定されていることも多いです。

このようにクレジットカードには、さまざまな種類があるため、ユーザーはどれが一番自分に最適なのか選びにくいという特徴があります。

また、クレジットカードを作る際、ユーザーは「損をしたくない」という心理が強く働くため、事前に情報収集する傾向にあります。

しかし、テレビCMや雑誌広告、カードカウンター、専門書籍などでは情報の過不足があり、ユーザーはどれが最適なのか判断しづらいことも少なくありません。

結果的に、情報収集するだけでも多くの時間がかかってしまうため、ユーザーは自分の知りたい情報がピンポイントで得られる「ウェブ検索」を活用することが多いのです。

これが、クレジットカード業界とWebマーケティングが相性の良い理由のひとつです。

【理由2】ユーザーが「特典情報の収集」を多くのウェブ上で比較するため

クレジットカードの情報は、ウェブ上で多く発信されているため、読者はさまざまなサイトで情報を収集できます。

例えば、クレジット会社の公式サイトだけではなく、口コミサイトやアフィリエイトサイト、SNSなどでの発信が挙げられます。

そのため、クレジットカードの公式サイトは、正確な情報をほかのサイトで発信してもらうためにも、わかりやすく伝えたり、求められている情報へ簡単にたどり着けるような工夫をしたりする必要があります。

先ほどお伝えしたとおり、クレジットカードに関する情報は多くのサイトが発信しているため、ユーザーもウェブ上で情報収集がしやすく成約につながりやすいというのが2つ目の理由です。

Webマーケティングを行っている金融系企業は少ない?

クレジットカード業界とWebマーケティングは相性がいいと述べましたが、Webマーケティングといってもその手法はさまざまです。

ウェブ広告もあれば、コンテンツマーケティングSEOWebマーケティングとして挙げられます。

しかし、金融系企業の多くはWebマーケティングといっても、リスティング広告やアフィリエイトといったウェブ広告のみを行っていることがほとんどです。

弊社ナイルにも、クレジットカード会社や保険会社からのWebマーケティングについてのご相談・問い合わせが多数あります。

ただ、多くの企業は、「LPを作成してウェブ広告を掲載する」というWebマーケティングしか実施していない傾向にあるのです。 

このように、コンテンツマーケティングやSEO施策のWebマーケティングまで徹底的に対策を行っている企業は多くはありません。

もちろん、リスティング広告を始めとしたウェブ広告の施策を実施するのは重要な施策のひとつですが、ユーザーの獲得コストと見合った施策の実施が重要です。

例えば、多くの金融系企業では、広告費として年間に億単位の費用を使っています。

仮にリスティング広告に月々2000万円を支払っているとした場合、年間の費用は2億4000万円です。アフィリエイトに月5000万円を支払っているなら、年間の費用は6億円となります。

しかし、これら予算のたった1%でも、自然検索流入サイト内導線の改善といったSEO施策にあてることが、より大きな発展へとつながります。

なぜなら、こうした施策は一度成果が出ると、費用を少しずつ減らしても成果を維持できる可能性があるからです。SEOは将来への投資として、非常に有効なWebマーケティング施策となるでしょう。

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クレジットカード業界のWebマーケティング3つの方向性

Webマーケティングにはさまざまな施策がありますが、クレジットカード業界のWebマーケティングにおける方向性としては、下記の3つが挙げられます。

リスティング広告のみではなく、SEO施策やコンテンツマーケティングを実施する際に重要な方向性となりますので、ぜひご一読ください。

クレジットカード業界のWebマーケティング< 3つの方向性(方向性1:ビッグワードから狙うパターン/方向性2:ロングテールから狙うパターン/方向性3:潜在層向けKWを狙うパターン) >(インターネットでの検索図版)

方向性1 ビッグワードから狙うパターン

1つ目の方向性としては、検索ボリュームの多いビッグワードから狙うパターンが挙げられます。

例えば、クレジットカード業界の場合「クレジットカード」「○○クレジットカード」「クレジットカード おすすめ」などが該当します。

ビッグワードで作成したコンテンツが検索1位になれば、非常に多くのユーザーの目にとまりますが、その分、競合性も高いため検索上位に表示させる難易度も高いです。

そのため、自社の状況・競合の状況から勝てる見込みがあると判断できそうな場合に狙うパターンとなります。

この点、かなり状況によって異なるので、まずはSEOコンサルティングの無料相談よりお気軽に問い合わせください。

方向性2 ロングテールから狙うパターン

続いては、ロングテールから狙うパターンです。実はここにユーザーの心理が現れるといっても過言ではありません。

例えば、ポイントの還元率が高いクレジットカードを作りたいユーザーがいると仮定します。その場合、検索キーワードは「クレジットカード ポイント還元率 高い」などが予想できます。

ビッグワードのように大まかな検索キーワードではなく、ニッチな内容となるため、競合性が低く検索上位に上がる可能性が高くなるでしょう。

そのため、これからSEO施策を始めとするWebマーケティングにこれから注力していきたいと検討している企業に適した方向性です。

また、こうしたロングテールキーワードの場合、ユーザーが求めているものが如実に表れているため、ビッグワードに比べてクレジットカードの成約につながりやすい特徴もあります。

ゆえに、これからSEO施策を行うのであれば、まずはロングテールから狙うのがおすすめです。

もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

方向性3 潜在層向けKWを狙うパターン

最後に紹介する方向性として、潜在層向けのキーワードを狙うパターンが挙げられます。

例えば、副業禁止の会社に勤める30代の社会人をターゲットとしてみましょう。

限られた収入から貯金や遊興費を捻出したいと考えている場合、予想される検索キーワードは「社会人 節約 方法」などが挙げられます。

一見、検索キーワードとクレジットカードは関係ないように思えますが、ここで活きてくるのがクレジットカードのポイント活用方法です。

クレジットカードには利用金額に応じてポイントが貯まるサービスがあるため、下記のような節約術を紹介します。

【クレジットカード活用の節約術例】

  • 食品、生活品といった買い物にクレジットカードを払う
  • ポイント還元率の上がる期間が限定的にあれば取り上げる
  • 固定費をクレジットカードで払う(公共料金・携帯利用代・保険料)

そうすることで、ユーザーの知りたい情報に加えて、「クレジットカードもうまく利用すれば、ポイントが貯まり、ポイントを活用することで節約ができる」と思ってもらえるでしょう。

このように、クレジットカードが有効活用できるのだと認識してもらえれば、一見関係ないようなキーワードでもクレジットカードの成約率が上がる可能性があります。

クレジットカード業界の場合、ユーザー心理の根底にある「お金がほしい」「節約がしたい」「得したい」が満たされる潜在キーワードは非常に効果的です。

また、直接的な「クレジットカード ○○」のようにウェブでの情報発信が少ない場合もあるため、上位表示が狙いやすいのも魅力のひとつといえます。

クレジットカード業界の具体的なWebマーケティング施策

ここからはさらに、銀行系クレジットカードと店舗提携カードについて、具体的なWebマーケティング施策の考え方を確認していきましょう。

クレジットカードを差し出す手元の図版

銀行系クレジットカードの考え方と実施すべき施策

メガバンクから地方銀行まで、全国の多くの銀行から発行されている銀行系クレジットカードには、下記の特徴があります。

【銀行系クレジットカードの特徴】

  • 発行元が銀行なので信頼性が高く、セキュリティ面が充実している
  • 発行元の銀行口座を支払いに利用するとATM手数料が優遇される場合がある

そのため、幅広いユーザーへのアプローチもできますが、初めてクレジットカードを作る学生または、社会人をターゲットにした施策なども効果的です。

例えば、下記のような訴求をするのも方法です。

【社会人をターゲットにした訴求ポイント】

  • とにかく安心・安全・保証も充実
  • 入会金・年会費0円キャンペーン・新生活応援○○円相当のポイントプレゼント

また、銀行は社会的信頼があるほか、知名度もあり、被リンクも獲得しやすい傾向にあるため、コンテンツが検索上位に上がりやすい性質を持っています。

したがって、競合の強いビッグキーワードでも戦うことも可能なのです。

店舗提携カードの考え方と実施すべき施策

百貨店やECサイトといった店舗と提携したクレジットカードの場合、大型出費が見込められる時期がチャンスです。

百貨店やECサイトが発行しているクレジットカードは、ポイント還元率こそ高いものの、なかなか作成してもらえません。

ユーザーは、作成する時間や手間を面倒に感じますし、すでにほかのクレジットカードを複数持っている場合は、使い分けや管理が煩わしいと感じているケースが多いからです。

そのため、クレジットカードを契約して受けられる待遇や貯まるポイントが、「契約する手間」を上回っていることをしっかり伝える必要があります。

例えば、新生活などの大型出費の時期に「これだけたくさん買うと、こんなにポイントなどがお得になるのであれば、カードを申し込んでみよう」というお得感を感じてもらうために、下記のようなキャンペーンが考えられます。

【新生活キャンペーンの例】

  • 商品購入時の割引特典
  • 提携カード所有者だけが参加できるイベント
  • グループ企業でもお得な優待券

このように、ユーザーが「作った方がお得かも!」と思う内容の記事コンテンツの作成やウェブ広告の施策を打つことが重要です。

その他のクレジットカードのWebマーケティング施策が知りたい、質問したいといったご要望がありましたら、お気軽にナイルへお問い合わせください。

競合の強いクレジットカード業界で苦戦したときに考え直すこと

クレジットカードに関する情報はウェブ上では多く扱われているため、施策を打っても効果が出ない可能性もあります。

ただでさえクレジットカード業界は競合の強い業界です。Webマーケティングで苦戦した際、これからお伝えする3つのポイントを考え直すことで、解決する場合があります。

ぜひ、最後までご一読ください。

クレジットカード業界で苦戦したときの< 4つの対策(対策1:SEOやリスティング広告は検索ボリュームを追わない/対策2:指名検索対策を行いユーザーのほしい情報を発信する/対策3:YMYL領域のためEEATコンテンツを作成する/対策4:ユーザーニーズを考慮したCTA導線を設計する) >(「いいね!」をする手元の図版)

【対策1】SEOやリスティング広告は検索ボリュームを追わない

キーワードによっては、コンテンツが上位に上がらない可能性があります。

特に、競合の多い「クレジットカード」「クレジットカード おすすめ」のようなキーワードの場合、ドメインパワー(検索エンジンからの信頼度を数値化したもの)で負けてしまう可能性があります。

そのため、SEOやリスティング広告の場合、競合性の非常に高いキーワードに費用をかけて検索ボリュームを追うのは得策ではありません。

それよりも、アフィリエイターたちが狙っているような検索ボリュームの少ないキーワードでも、成約につながるキーワードターゲット層に着目したキーワードを選定するのが重要です。

なお、検索ボリュームの少ないキーワードでも、どのようなキーワードを狙えば良いかわからない場合は、下記の記事を参考にしてください。狙うべきキーワードの考え方などを紹介しています。

【対策2】指名検索対策を行いユーザーの欲しい情報を発信する

SEOやリスティング広告のようなWebマーケティングを行っていると、検索ボリュームや成約しやすいキーワードばかりに注力していて、「指名検索」の対策が行えていない場合があります。

例えば、「○○(クレジットカード名) 評判」のキーワードはよく検索されるキーワードですが、自社ではページを作っていないケースが多いです。

自社サイトは、検索ユーザーに自社の良い評判だけを集めたと思われる可能性があります。

実際のところ、評判は作成しづらいキーワードですし、むしろ第三者メディアのほうで良い順位がつきやすい傾向ですが、うまくいったときのメリットが大きいため、一度狙ってみるのもよいでしょう。

また、「○○(クレジットカード名) 特徴」のキーワードは、比較的検索1位を取りやすいです。

しかし、検索上位が取れていることに満足してしまい、CVまでの導線が整っていないケースも少なくありません。

自社で発行しているクレジットカードの指名検索はしっかりと行い、ユーザーの欲しい情報を渡せるようにします。

成約にもつながりやすいため、対策していない場合は速やかに実施するのがおすすめです。

なお、SEO経由でのCVの増やし方については、下記の記事にて詳しく解説しています。指名検索と併せて、こちらの記事を参考に施策の実施を検討してください。

【対策3】YMYL領域のためE-E-A-Tコンテンツを制作する

クレジットカード業界はYMYL(Your Money or Your Life)領域になるため、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を意識したコンテンツづくりが重要です。

また、サイト上に掲載する記事は専門性の高い著者が執筆、あるいは記事を監修し、正確な情報を発信する必要があります。

例えば、わかりやすいコンテンツを目指すために、実際クレジットカードを利用して得た知識を反映させた内容を意識したり、経験のあるライターにコンテンツを作成してもらったりするのが重要です。

実際に使ったり、試したりしないとわからない情報を記載するのは大変ですが、こうしたコンテンツこそ、ユーザーの知りたい情報なのです。

E-E-A-Tを意識した取り組みや高めるための方法については、下記の記事にて紹介しています。

YMYL(お金や生活に関わる)の領域において非常に重要なポイントとなりますので、ぜひ併せてご一読ください。

【対策4】ユーザーニーズを考慮したCTA導線の設計をする

競合の多い業界の場合、他社と差別化するためにも独自コンテンツの発信が有効です。

具体的には、オウンドメディアでユーザーが検索する可能性のあるキーワードを選定し、クレジットカードを使ったお役立ち情報ターゲットに最適な商品などを紹介する方法です。

例えば、初めてクレジットカードを持とうとしている学生は「クレジットカード 初めて 学生」のキーワードで検索を行うことが予想できます。

この場合、オウンドメディアで学生向けのカードを紹介するコンテンツを作成し検索上位を獲得できれば、見込み客である当該学生にみてもらえそうですよね。

加えて、コンテンツ内にクレジットカードの申し込み方法を掲載し、そのまま申込ページに遷移できるようにCVにつながる導線を引くことで成約の見込みが考えられます。

コンテンツの掲載前に別部署での社内チェックがあり、修正が入ってしまう可能性がありますが、なるべく記事に合わせたCTAの設置で、成約率は上がります

協議に時間がかかるかもしれませんが、着実に成果を出すためにできる限りやり抜きましょう。

クレジットカード業界でのWebマーケティング成功事例

ここまで、クレジットカード業界で実施すべきWebマーケティングについてお伝えしてきましたが、ここからは実際の成功例としてナイルの事例を紹介します。

ナイルでは、過去に三井住友カード株式会社が運営するサービスサイトのSEOコンサルティングと、オウンドメディアなどの戦略企画・制作・PDCA改善を支援しました。

三井住友カード株式会社(ホームページTOP画面キャプチャ)出典:三井住友カード株式会社※2023年9月時点

具体的には、クレジットカード初心者、法人・個人事業主、投資ユーザーなどの層を分けて、それぞれに必要な情報を提供するとともに、最終的に成約につながるCTAを導入する施策を実施しました。

本事例の詳細については、下記の記事でも紹介しています。本事例に関するインタビュー記事も掲載しておりますので、こちらも併せて参考にしてください。

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Webマーケティング施策でユーザー獲得につなげる

クレジットカードはWebマーケティングと非常に好相性な商材ですが、多くのクレジットカード会社はウェブ広告が中心となっているため、それ以外のWebマーケティング施策が不十分なケースが多いです。

SEOコンテンツ制作などは、ウェブ広告に比べればはるかに低予算で実施できるWebマーケティング施策です。

しっかりと実施することで、より効率よくユーザー獲得につなげましょう。

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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