【新任SEO担当者向け】成果を出すためのSEOの考え方とは?ナイルの先輩社員に聞いてみました
こんにちは。ナイルの2018年卒新卒社員の大西と申します。
いきなりですが、正直なところ私はまだSEOに本格的に取り掛かり始めて1年程度と、そんなに時間も経っていません。SEOの知識は研修やお客様とのコンサルティングを通じて、ある程度はついたという実感はありますが、「ビジネスに貢献するSEO」を考えるのがなかなか難しいと感じる日々です。
今回は、同じような課題感を感じている方のためにSEOを主軸としたコンサルティングを担当している平井 完(たもつ)さんに、『ビジネスに貢献するSEOを行うにはどうすればいいのか?』ということを相談してきましたので、SEO HACKSブログにその内容と学びを書かせていただきます。
※この記事を読むポイント:デジタルマーケティングの手法のひとつであり、このメディアの主題でもある「SEO」ですが、皆さんは「どうしたら成果が出たと言えるのか?」「どうやってビジネスの成果に貢献するのか?」をどこまで理解しているのか。という点に着目して読んでいただければ幸いです。
--平井さん、今日はお願いします。
平井:よろしくおねがいします。
プロフィール:平井 完(たもつ)
SEOコンサルタントとして、大手求人サイトから個人ECまで企業規模・業種問わず幅広いクライアントを30社以上を担当。自社メディア「SEO HACKS」の運営・SEO技術開発プロジェクト・業務効率化プロジェクトなど、コンサルティング業務だけでなく社内プロジェクトにも幅広く活動中。
--早速なんですけど、「SEOで成果が出る」ってどういう状態のことを指しますか?
平井:「売上やCVにつながる検索流入が増える」こと。それが「SEOで成果出てる」って言える状態だね。ユーザーのロイヤリティ向上も目的のひとつではあるけど、メインは売上への貢献。
--なるほど。お客様からは「このキーワードで1位になりたい」という要望をいただくことも多いと思うんですけど。
平井:そのキーワードがお客さんのビジネスに繋がるものなら全力を尽くすけど、的はずれなキーワードだと売上貢献にならないから、「やってもいいけど優先度は後」になるね。実際にCVしているかどうかの判断は大事。
仮に、「1位になっても売上貢献 0円」のキーワードと「1位になったら売上貢献100万円」のキーワードがあったとしたら、後者を頑張る方が絶対に良いじゃん。もちろん「営業・ブランディングのためにCVしてなくても1位を取ることが重要」というときは、施策の優先度は加味するけどね。それも「本当にそうなのか?」というところから検証する。
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目次
売上に貢献するSEOの考え方
--ビジネスの成果につながるSEOをする上で、「まずこれをする」というアクションはありますか?
平井:まずはビジネスモデルの確認からだね。同じ業界の会社でも、ビジネスモデルは全然違うから、「このお客さんはどこで売上を作っているのか」は絶対確認する。
例えば求人業界だと、「成果課金」のサービスもあれば「掲載課金」のところもあるし、「掲載課金+成果報酬」みたいなハイブリッドのモデルもある。
--確かに、成果課金と掲載課金だと、求人サービスの対象になる企業のイメージは違います。
平井:そう。で、マネタイズの仕方を確認したら、「どういうユーザーが一番お客さんの売上に貢献しているのか」を考えるかな。
--会社に一番お金を払ってくれてるのは誰?っていうのをイメージする感じですか?
平井:お金を払ってくれない人を頑張って集めてもしょうがないじゃん。少なくとも最優先で集めたいわけではないよね。だから、1CVあたりの単価が高いユーザーとか、LTVが高いユーザー像を考える。
で、その「売上につながるユーザー」は「どんなキーワード」で検索してるかを考える。集めたいユーザーが、どんな意図でどんなキーワードで検索しているか。それを考える手間をかけないと、SEOで成果を出すことは難しいね。ユーザー理解は本当に大事。
「キーワード」ってそんなに大事なの?
--でも、「SEO=細かい技術的な施策の集合」というイメージを持っている人って多いですよね。
平井:多いねぇ。「売上につながらないなら、SEOをやる意味ないよね」とは思ってるけど、実際にSEOをやったことがないと、「こういうキーワードは売上につながる」っていう発想を持てないんだ。
例えばうちのサイトなら、メインキーワードの「SEO」で検索して入ってきた人から、「SEOで1位だから」という理由でお問い合わせをいただく(売上につながる)ことももちろん多いんだけど、
他にも、用語集やブログ記事から入ってきて問い合わせをしてくれる人もたくさんいる。
--「このメインキーワードで1位が取れるかどうかが全て」という単純な因果関係ではなく、いろいろな要素が絡んで売上につながる、と。そういう、間接的に売上につながるキーワードを考える技術が無いと、「売上につながる施策はできない・わからない」ということですね。
平井:うん。キーワードを理解するってことはユーザーを理解することなので、またそこにつながる。起点になるのはやっぱりユーザー。
--ユーザーが思い浮かばない時はどうやってキーワードを考えるのがいいんでしょうか。
平井:自分がコンサルするなら、お客さんのサイトのアクセス解析をしたり、コンセプトダイアグラム※を書いて一緒にペルソナを固めるね。で、そのユーザーが検索するキーワードを想像したりツールで出したりする。toCのビジネスモデルだったら実際に自分が使ってみるとかね。お金に余裕があるなら笑
※コンセプトダイアグラム:顧客が最終的なゴールを達成するまでの行動・体験を可視化した図式のこと。
参考:ユーザーの検索体験を「SEO成果指標」として可視化する方法(概念と準備編)
--そこまでしっかり時間とお金をかけてやる必要がある、と。ユーザーとキーワードを明らかにする作業って超重要ですね…
平井:間違いない!キーワード外したら終了。
--一般的にはそんな危機感ないかもしれませんね笑
逆に言うと、「売上にめちゃくちゃ貢献するキーワード」みたいなものが発見できて、そこで1位取れたらものすごく儲かるかもしれない、と。
平井:そうだね。それはお客さんの商品の単価やビジネスモデルにもよるけど、その1キーワードに数千円のコストをかけた結果、数万円の売上が出るなら、そのキーワードが月に10回しか検索されてなくても取りに行くべき。
--業界と、ビジネスモデルとユーザーと、キーワードの兼ね合いによって、どれだけお金をかけるべきかが決まると。
平井:だから、SEOの施策を考える「前」の段階がすごく大事。
--むしろこの「ビジネスとユーザーについて考える技術」の方が必須なんですね。
平井:どんな仕事でも大事だね。SEO云々以前にマーケティングを担当しているなら特に。
\疑問や不明点はお気軽にご質問ください!/
「キーワードを考える技術」の養い方
※皆さんはこの中でどのフェーズ・どういうキーワードが「おいしい」と思いますか?
参考:素人にありがちなパッチワーク的SEO施策はもうやめよう
--「キーワードを考える」って、具体的にどういうことを考えるんですか?
平井:こういう人はこういう言葉で検索するだろうな、とか、こういうキーワードはコンバージョンしそうとかを考える。
--市場の気配を察知する能力というか…消費者感覚というか。
平井:「AとB、どっちのキーワードの方がコンバージョンしそう」とか「こんなキーワードは検索されてないだろう」とか。「普通に考えればこれ(が狙うべきキーワード)だろうなー」って感じ。
--その感覚ってどうしたら身につくんでしょう?
平井:自分の感覚が当たり前、と思わないことが大事かな。
自分が検索するキーワードでしか考えられないと、「大学を出た20代半ばのベンチャー企業に勤務している男性」のキーワードでしかないから。
「自分じゃ検索しないけど、この商品のお客さんならこういうキーワードで検索するだろうな」っていう想像力を持つことが大事だね。「異性」の検索キーワードとか。
--その感覚とか想像力の養い方ってありますか?事業会社の方でも、自社の商品のターゲットが自分じゃないこともあると思いますし。
平井:自社サービスだったらお客さんと話してる営業にめっちゃ聞くのが大事だと思う。
あとは、自社のインタビュー記事とか自社事例を読んで把握するかな。
--自社にある情報からちゃんと理解しておこう、と笑
平井:自分のことはね笑
自社のこととか関係なしに「特定のセグメントのユーザーについて知りたい」っていう話だったら、SNSをウォッチしたり、noteでシェアされてる「アプリマーケティング研究所」の記事で女子大生のこと知るとか、この間Yahoo!さんが出してた「新社会人の悩み※」の記事読んだりとか、やっぱり各方面にアンテナを貼ることが重要だと思うなぁ。一見自分にとって重要じゃないことだと思っても目は通すようにしてる。
参考:新社会人もベテラン社員も必見!ビッグデータで新社会人の悩みを先に知る - ビッグデータレポート - ヤフー株式会社
--あれは面白かったですね。6月頃の悩みで「仕事辞めたい」キーワードが出てくるっていう…笑
平井:そうそう。やっぱこのタイミングなんだなーみたいな笑 大西も気をつけてな。心配してないけど笑
まとめ:自社のSEOで成果を出すには、ユーザーとビジネス理解が必要である
--今回はビジネスに貢献するSEOの考え方について、平井さんに「SEOで成果を出すにはどうすればいいのか?」というお話を伺いました。
今回はありがとうございました!
平井:せっかく改めていろいろ聞き出したんだから、さっそく現場で活かしてね笑
まとめ
- 自社事業のマネタイズポイントを把握し、一番売上に貢献しているユーザーを探す
- 自社のユーザーの感覚になって、キーワードを想像する
- ユーザーの感覚やキーワードがわからない時は社内の情報に当たってみる
- これらを固めてからSEOの課題出しをすること(むしろ固めないと成果が出にくい)
ということが、今回のインタビューの学びとなりました。私としても、いままで「SEO施策ありき」で考えることが多かったと感じていて、「本当にWebサイトの先にいるユーザーとビジネスのことを考えられているか?」という点が根本的に抜け落ちていたように感じます。
今後は上記の1・2・3を意識して事前調査に重点をおいたうえで、4(事前調査を入念に行った上でSEOの課題だしを行うこと)と施策を考えていきたいと思います。
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