【目的別】オウンドメディアの成功事例11選をWebマーケのプロが解説
オウンドメディアで集客や売上向上などを果たすためには、闇雲に施策を実行するのではなく、正しい戦略と行動が欠かせません。
そこで有効なのが、他社の成功事例を知り、自社のメディアに合わせて取り入れることです。
本記事では、ナイルが支援したオウンドメディアを中心に、成功事例を紹介します。また、成功のポイントも紹介していますので、オウンドメディアの運営において成果が伸び悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
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ナイルが提供するオウンドメディア支援サービス、記事制作・コンテンツ制作代行を詳しく紹介しています。「見積もりが欲しい」「オウンドメディアを作っていいか不安」とお考えでしたら、お気軽に無料相談をお申し込みください!
目次
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業が運営し、情報を発信するメディアのことです。具体的には、企業の公式Webサイトやブログなどを指します。
企業がマーケティング戦略として使うWebメディアの種類は3つに大別でき、オウンドメディアのほかに「ペイドメディア」「アーンドメディア」があります。
3つのうち自社が情報を自由に発信できるのがオウンドメディアです。
オウンドメディアが注目されている理由
オウンドメディアが注目されている理由は、主に3つあります。
- ブランディング戦略につながる
- SNSが普及したことで拡散が期待できる
- コストがかかりづらい
オウンドメディアは、自社の言葉で自由に発信できるメディアです。テレビ・雑誌の取材や広告でも発信できますが、文字数や時間に制限があります。オウンドメディアなら、制限なく発信できるため、ブランドの構築につながりやすいです。
また、近年SNSが急速に普及したことで、幅広いユーザーに情報を発信しやすくなりました。その結果、オウンドメディアを運営することで、広告よりも低コストでユーザーとの接点を作れ、新規顧客やファンの獲得につながります。
下記の記事で、オウンドメディアが重視されている理由や始め方を解説しています。これからオウンドメディアを始めようとお考えの方は、ご一読ください。
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オウンドメディアの4つの目的
オウンドメディアには、主に4つの目的があります。
それぞれどのような効果があるか、順番に見ていきましょう。
目的1 集客
オウンドメディアの目的のひとつが「集客」です。
品質の高いコンテンツを制作して検索結果の上位表示を獲得できれば、数多くの人がオウンドメディアに訪れます。また、SNSで拡散され、短時間に大勢の人に訪問してもらえるケースも珍しくありません。
これまで自社を知らなかったユーザーへの認知にもつながり、新規顧客の獲得に貢献します。
目的2 ブランディング
オウンドメディアは、企業の価値観やビジョンを直接伝えられるため、ブランドイメージの構築にもつながります。中には、ブランディングを第一の目的としている企業もあるほどです。
オウンドメディアでは企業の個性や特色を表現できるため、他社との差別化が可能です。個性的なブランドに引かれたユーザーは、ファンになる可能性が高まり、長期的な関係性を構築できます。
目的3 売上
オウンドメディアは売上にもつながります。自社の製品やサービスで解決できる悩みについて発信し、購入を訴求することで、オウンドメディア経由で売上が発生します。
オウンドメディアで売上を出すには、ターゲットとなる顧客が求めている情報を的確に押さえつつ、その顧客が納得するコンテンツを作成しなければなりません。その上で、購入への導線を整えることも重要です。
売上につながるコンテンツを作成できれば、オウンドメディアが持続的に売上を発生させる資産になります。
目的4 採用・求人
オウンドメディアは、採用や求人活動にも使えます。
求人広告や求人サイトでは文字数に制限があるため、伝えることを絞らなければなりません。オウンドメディアなら、企業の文化や働き方、社員の声などを制限なく発信でき、読者が応募するきっかけになります。
集客を目的としたオウンドメディア成功事例3選
ここからは、オウンドメディアの成功事例を、目的別に紹介します。
まずは、集客を目的としたオウンドメディアの成功事例です。
集客を目的としたオウンドメディア成功事例3選
事例1 第一生命保険株式会社
出典:ほけんの第一歩
運営元 | 第一生命保険株式会社 |
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メディア名 | ほけんの第一歩 |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | 月間10万セッションを達成し、「オンライン相談予約」のコンバージョンも発生している |
主なターゲット | BtoC |
第一生命保険株式会社が運営する「ほけんの第一歩」は、情報収集段階にある顧客へのアプローチを目的としたオウンドメディアです。
立ち上げ当初は「保険情報についてWebで収集する層」に対して、情報を届けられていませんでした。そこで、2020年にコミュニケーションデザイン部を立ち上げて本格的にSEOに取り組みました。
目指したのは「保険について検索したときに、常に自社のオウンドメディアが出てくる状態」です。具体的な数字としては、初動目標として「月間10万セッション達成」をKPIに設定しました。
目標達成のために、まず保険の選び方や見直し方、保険の用語、種類などのキーワードや、それぞれを掛け合わせたキーワードを洗い出します。その上で、「お問い合せにつながるか」「資料請求につながるか」といったコンバージョンの貢献度を加味してキーワードを選定し、コンテンツを作成しました。
キーワード選定に力を入れた結果、初動目標である月10万セッションを前倒しで達成し、オウンドメディアが集客の手段として確立しました。加えて、集客だけでなく「オンライン相談予約」のコンバージョンにも貢献しています。
この案件・類似案件を担当したメンバー
富江 弘幸(とみえ ひろゆき)
・英字新聞社在籍時のプロジェクトで、自社を含む3社でのコラボレーション企画の立ち上げを経験
事例2 STUDY HACKER(株式会社スタディーハッカー)
出典:STUDYHACKER
運営元 | 株式会社スタディーハッカー |
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メディア名 | STUDY HACKER |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | 1年間でPV数2倍、自然検索流入数3.5倍、サービスサイトへの送客数5倍を達成した |
主なターゲット | BtoC |
株式会社スタディーハッカーは、予備校への集客を目的として、勉強方法のハッキングをコンセプトにしたオウンドメディア「STUDY HACKER」を運営しています。
立ち上げ当初は順調に集客できていたものの、SNSでの集客がメインで、ほとんど最新の記事しか読まれない状態でした。そこで、制作したコンテンツを長期間読んでもらえるよう、SEOでの集客に取り組みます。
具体的には、キーワードの選定や制作するコンテンツの優先順位決め、タグづけやカテゴライズの再検討を行いました。また、PVは少なくてもコンバージョンが多い記事があることがわかり「関連記事からコンバージョン率が高い記事にリンクする」「コンバージョン率が高い記事をリライトする」などの施策も行いました。
その結果、1年間でPV数を2倍、自然検索流入数を3.5倍、サービスサイトへの送客数を5倍に増やせ、集客だけではなく売上にもつながっています。
事例3 株式会社トライアルカンパニー
出典:トライアルマガジン
運営元 | 株式会社トライアルカンパニー |
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メディア名 | トライアルマガジン |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | ローンチから2年間で月間100万セッションを獲得した |
主なターゲット | BtoC |
スーパーマーケット「トライアル」を全国展開している株式会社トライアルカンパニーは、集客を目的としてオウンドメディア「トライアルマガジン」を運営しています。
オウンドメディアの立ち上げ前は、新聞の広告を集客の主な手段としていました。しかし、新聞の購読率が年々下がっており、将来を見据えてオウンドメディア運営の施策に踏み切りました。
同社のオウンドメディア運営には、ターゲットの設定に工夫が見られます。スーパーマーケットの顧客は60代以上のシニア層でしたが、オウンドメディアではLTVを高める意味でも30〜40代の働く女性をターゲットにしました。また、実際に来店している人の買い物の傾向や日常生活で感じている課題を伺うなどのユーザー調査を行い、コンテンツ制作に活かしました。
結果的に、オウンドメディアのローンチから2年で月間100万セッションを獲得し、これまでリーチできていなかった20〜40代との接点にもなっています。
この案件・類似案件を担当したメンバー
加藤 直子(かとう なおこ)
・一般情報誌、ムック本、ウェブメディア等の制作経験があり、コンテンツ制作の造詣が深い
ブランディングを目的としたオウンドメディア成功事例3選
オウンドメディアで企業独自の情報を発信することで、ブランディングに役立ちます。ブランディングに成功した事例を見ていきましょう。
ブランディングを目的としたオウンドメディア成功事例3選
事例1 松尾産業株式会社
出典:PEAKS MEDIA
運営元 | 松尾産業株式会社 |
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メディア名 | PEAKS MEDIA |
主な目的 | 製造業に向けた情報発信 |
実績(成果) | 読者から「かっこいい」「面白い」という声が届き、取材先からは「コンテンツの質がすごく高い」と評価されている |
主なターゲット | BtoB |
松尾産業株式会社は、製造業に向けた情報を発信するためにオウンドメディア「PEAKS MEDIA」を運営しています。製造業を面白くしたいと考える技術や人、取り組みを集める場所として、オウンドメディアを運用しようと考えたのがきっかけです。
しかし、メディアのコンセプトはありましたが「それをどうメディアとして落とし込むべきなのか」「何から手をつければいいのか」がわからない状態でした。そこで着手したのが、コンセプトダイアグラムの作成です。
コンセプトダイアグラムとは、企業の施策と顧客の心理変容を図に表したもの。実際に作成したのが下記画像です。
コンセプトダイアグラムを作成することで「ターゲットに対してどのようなコンテンツを作っていくか」が明確になり、キーワード選定やコンテンツ制作に役立ちました。
結果的に、「かっこいい」「面白い」といったポジティブな反応をもらえるようになり、取材をお願いした方から「コンテンツの質がすごく高い」と評価されるメディアになりました。
この案件・類似案件を担当したメンバー
黒川 彩(くろかわ あや)
・ナイルではお客様のビジネス状況を理解した上で、事業成長につながる課題設定と施策提案を行う
事例2 サイボウズ式
出典:サイボウズ式
運営元 | サイボウズ株式会社 |
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メディア名 | サイボウズ式 |
主な目的 | ブランディング |
実績(成果) | ユニークな情報を発信するメディアとして認知され、テレビ番組などにも取り上げられている |
主なターゲット | BtoB |
サイボウズ株式会社が運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、個性的な施策が特徴です。
一般的にオウンドメディア運営では、目的を達成するためにKPIやKGIなどの数値目標を設定しますが、同メディアは設定していません。定量的な数値よりも、自社のビジョン達成にどう貢献しているのかという定性的な成果を重視しているためです。例えば、シェア数やいいね数よりも、どんなコメントがあるのかをじっくり観察し、運営に活用しています。
こういった独自の運営の結果、ユニークな情報を発信するメディアとして認知され、唯一無二のポジションを確立しました。
事例3 株式会社河内屋
出典:河内屋
運営元 | 株式会社河内屋 |
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メディア名 | 河内屋 |
主な目的 | ブランディングでファンを獲得する |
実績(成果) | 自社オリジナルの情報を発信し、新規顧客の獲得に成功した |
主なターゲット | BtoB |
株式会社河内屋は、高度な表現技術を得意とする印刷会社です。オウンドメディアでは、初期段階でコンテンツをしっかりと作り込むことで、自然流入を増やすことに成功しました。しかし、独自の強みを発信するメディアにしたいという想いから、ブランディングを目的とした発信にシフトします。
ファンを獲得するために「希少性やオリジナリティの高い情報発信」を始めました。具体的には、「顔が見えるコンテンツ」として、フォトグラファーの写真集など自社ならではの事例を紹介するコンテンツの追加に注力します。
すると、検索流入数はそれほど変わらないものの、コンテンツ経由での売上が伸び、新規顧客の獲得につながりました。
売上を目的としたオウンドメディア成功事例3選
売上を目的としてオウンドメディアを運営する企業も多いです。本記事では、3つの成功事例を紹介します。
売上を目的としたオウンドメディア成功事例3選
事例1 いい葬儀(株式会社鎌倉新書)
出典:いい葬儀
運営元 | 株式会社鎌倉新書 |
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メディア名 | いい葬儀 |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | 月間自然検索流入が昨対比で37〜267%、売上の昨年対比が71%増加した |
主なターゲット | BtoC |
株式会社鎌倉新書は3つのオウンドメディアを運営し、売上につなげています。
2017年にSEOのプロジェクトを開始し、2018年には月間自然検索流入が昨対比で37〜267%向上。さらに、2019年には、売上の昨年対比が71%増加しました。
SEOのプロジェクトで大切にされていたことは「決めて実行すること」です。SEO対策には「これを実施すれば必ず成果が出る」という絶対の正解がありません。だからこそ「最後はやってみないとわからないという状況」になったときに、いけそうだと感じたら熱意を注いで行動することを重視されました。
加えて、社内の雰囲気作りにも注力されました。プロジェクトの開始時に、全社に向けて「こういうことをやります」と宣言することで、経営層を含めた全社で「SEOで集客して売上を伸ばす」という雰囲気を作りました。
いい雰囲気を持続するために、プロジェクト開始時は週に1回ペースでミーティングや勉強会を開きました。対面で話すからこそ、サイトの方向性や課題などの認識をチーム全員で合わせられ、同じ方向を向いてサイトを運営できます。
これらの工夫により、社内でのオウンドメディア運営の熱が高まり、3サイトの運営チームに競争意識が芽生えたことも、好結果につながった要因です。
事例2 株式会社ライフワークス
出典:株式会社ライフワークス
運営元 | 株式会社ライフワークス |
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メディア名 | 株式会社ライフワークス |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | サイト改善に着手して半年でコンバージョン数3.4倍を実現した |
主なターゲット | BtoB |
株式会社ライフワークスは、オウンドメディアが売上に貢献しています。
以前は、コンテンツを制作することで流入数が順調に増えたものの、コンバージョンは伸び悩んでいました。調査をしてみると、コンバージョン率やフォームへの到達率が低く、各コンテンツの情報量や独自情報、他社との差別化につながる情報が十分ではありませんでした。
そのため、2つの方針を立てて改善を進めます。1つ目は、コンバージョンを獲得できているコラムや、商談の現場でよく出てくる言葉をもとに、顕在層に近いカテゴリーを狙ってコンバージョンを増やしていくことです。2つ目は、キャリア支援に悩む人事や管理職といった潜在層が検索しそうなキーワードを狙い、新たな接点の創出につなげていくことです。
これらの改善が功を奏し、半年でコンバージョン数3.4倍を実現しました。
この案件・類似案件を担当したメンバー
橋本 直樹(はしもと なおき)
ナイルには2020年より入社し、Web分析・課題解決提案では、数字で語ることができない問題の本質を見抜いた提案に評判がある。
事例3 株式会社スクロール360
出典:360通販note
運営元 | 株式会社スクロール360 |
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メディア名 | 360通販note |
主な目的 | 自然検索で集客し売上につなげる |
実績(成果) | 新規ユーザー獲得のための施策を実施し、コンバージョン数2.6倍を達成した |
主なターゲット | BtoB |
株式会社スクロール360は、集客や売上を目的にオウンドメディアを運営しています。
立ち上げ当初はSEOの流入が少なく、広告ありきでコンバージョンが発生している状態でした。また、コンバージョンにつながっているのは、すでにスクロール360を知っている顧客ばかりでした。
そこで、認知の向上や潜在的なユーザーの流入につながる施策、コンバージョンへの導線の改善を実施。素早くPDCAを回して試行錯誤することで、コンバージョン数2.6倍を達成しました。
この案件・類似案件を担当したメンバー
大脇 功暉(おおわき こうき)
・人材系や不動産系のSEOコンサルティング経験が豊富
・前職の経験を活かし金融業界でのマーケティングに定評あり
採用を目的としたオウンドメディア成功事例2選
最後に、採用を目的としたオウンドメディアでの成功事例を2つ紹介します。
採用を目的としたオウンドメディア成功事例2選
下記動画では、採用を目的としたオウンドメディアの成功の秘訣を紹介しています。KPIの設定や失敗例なども具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてください。
事例1 NYLE ARROWS
出典:NYLE ARROWS
運営元 | ナイル株式会社 |
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メディア名 | NYLE ARROWS |
主な目的 | 会社の風土を発信し採用につなげる |
実績(成果) | サイトからの応募につながっている上、応募者とのミスマッチを防止している |
主なターゲット | BtoC |
ナイル株式会社は、採用オウンドメディア「NYLE ARROWS」を2018年にリリースしました。同メディアではナイルで働いている人の様子や、会社の風土を発信しています。
内容としては、「人材・ビジネス・組織構造・企業文化」の4つのカテゴリーに記事を分け、従業員がどのように働いているか、事業内容や取り組みの紹介をしており、企業のリアルな姿を伝えることに特化しています。
特に、インタビュー記事では、社員の入社前と入社後の成長や変化にスポットを当て、ナイルの職場環境や文化を反映したエピソードを取り上げています。
求人への応募を集めるだけではなく、自社のカルチャーを発信することでミスマッチの防止にも貢献しています。
事例2 ベネッセスタイルケア採用サイト
運営元 | 株式会社ベネッセスタイルケア |
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メディア名 | ベネッセスタイルケア採用サイト |
主な目的 | 自然検索で集客し採用につなげる |
実績(成果) | 応募者の獲得につながっている |
主なターゲット | BtoC |
介護事業や保育・学童事業を展開する株式会社ベネッセスタイルケアは、「ベネッセスタイルケア採用サイト」で自社で運営する施設の採用を行っています。
介護施設長からのメッセージやスタッフが語るホームの魅力を紹介するコンテンツ「オススメ求人ピックアップ」を発信し、求人への応募を促しています。
成功のためのオウンドメディア設計4ステップ
ここまで紹介した事例のようにオウンドメディアで目的を達成するには、正しいステップで設計する必要があります。
そこで、最低限押さえておきたいオウンドメディア設計を4ステップで紹介します。
成功のためのオウンドメディア設計4ステップ
おな、下記動画でも「成果が出るオウンドメディアの作り方」を解説してます。
ステップ1 オウンドメディアの目的・ターゲットを明確化する
オウンドメディアを運営する際は、まず目的を明確にしましょう。目的が曖昧では、どんなコンテンツを制作するか決められません。また、オウンドメディアの運営に成功しているのか判断できず、ただただ運用コストがかかる状態になってしまいます。
目的とあわせて明確にしておきたいのがターゲットです。誰に向けたメディアなのかを明確にすることで、コンテンツに一貫性を持たせられます。
ターゲットを考える際は、ペルソナを設定するのがおすすめです。ペルソナは、実際に実在している人物かのようにリアルな顧客像を設定したものです。
目的とターゲット(ペルソナ)が明確になると、どんなコンテンツを制作するかの方向性が見えてきます。
ステップ2 カスタマージャーニーマップを作る
続いて、ターゲットとなるユーザーが商品・サービスにふれ、購入に至るまでの行動を可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成しましょう。カスタマージャーニーマップを作成することでユーザーの行動に合わせたコンテンツを制作できます。
例えば、オウンドメディアの目的が「売上向上」だった場合、ユーザーが購入するまでの行動を把握し、その行動に合わせたコンテンツを制作しなければなりません。購入前に他社サービスと比較するユーザーが多いにもかかわらず、サービスの使い方などのノウハウを紹介するコンテンツばかりでは、ユーザーが必要としている情報を届けられず、売上向上にはつながらないためです。
カスタマージャーニーマップがあれば、ユーザーがどのように購入に至るかを可視化できるため、ユーザーへどのようにアプローチすればいいかが明確になります。
詳しい作り方は「【ペルソナが重要】カスタマージャーニーマップの作り方を5ステップで解説 | ナイルのマーケティング相談室」で解説しています。
ステップ3 コンテンツマップを作る
コンテンツマップとは、メディアの全体像を可視化したものです。
オウンドメディアは、1記事で流入とコンバージョンを狙えるコンテンツばかりではありません。中には、自然検索での流入は狙えるものの、コンバージョンには遠いコンテンツも存在します。このようなコンテンツは、コンバージョンが狙いやすいコンテンツへの導線を作り、その記事に移動してもらいコンバージョンを狙います。
例えば「マッチングアプリのダウンロード」をコンバージョンにしている場合、「マッチングアプリ とは」というコンテンツから「マッチングアプリ おすすめ」というコンテンツに移動してもらってコンバージョンを狙うイメージです。
コンテンツマップを作成することで、「自然検索でページAに訪れてもらい、ページBへ移動してもらいコンバージョンを狙う」というサイト全体の流れをわかりやすく管理できます。
運営中にコンテンツを追加する際も、コンテンツマップがあれば関連する既存コンテンツと内部リンクでつなぎ忘れることがありません。
コンテンツマップを作成するためには、まずペルソナが求めるコンテンツを洗い出します。そして、その中からユーザーが本当に求めているコンテンツを精査し、制作するコンテンツを選びましょう。その後、同じようなコンテンツをまとめるカテゴリーを作り、階層に分けることでマップが完成します。
ステップ4 運用体制を構築する
オウンドメディアを運営するためには、運用体制の構築が重要です。
オウンドメディアを運営でやるべきことは多岐にわたります。例えば、企画、キーワード選定、記事制作、記事修正、投稿、上司への説明、数字の確認、分析、HTMLやCMSの軽微な調整などです。また、記事の内容によっては広報など関係各所への確認も必要となります。
上記の例は一部で、ほかにもやるべきことが多くあるため、片手間で運営するのは困難です。専任の担当者を任命した上で、分担して取り組む体制を構築する必要があります。
もし体制が整っていなければ、コンテンツの制作や制作後の分析ができず、オウンドメディア運営が止まってしまう恐れもあります。
オウンドメディアで成果を出すために、下記の役割を明確にしましょう。
役割 | 担当する主な業務 |
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プロデューサー | オウンドメディア運営の全体統括 |
Webデザイナー、エンジニア | Webサイトを立ち上げ、画像の制作や加工など |
ディレクター、編集者 | 企画の立案やスケジュール管理、記事の編集など |
ライター | 記事の制作や取材など |
マーケター | サイトの分析や戦略立案など |
自社だけでは運営が厳しいようなら、外注も選択肢のひとつです。ディレクターやマーケターの役割をSEOの専門業者に任せたり、執筆だけをライターや制作会社に任せたりする方法があります。
外注を検討する場合は、まず自社だけで運営してボトルネックになるポイントを把握した上で、どの役割を外部に任せるか判断するのがおすすめです。
より詳しくオウンドメディアの設計や戦略を知りたい方は、下記記事もご一読ください。
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オウンドメディア運営を成功させる3つのポイント
オウンドメディアの運営を成功させるには、さまざまな施策が必要です。その中から、特に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
ポイント1 質の高いコンテンツを制作する
オウンドメディアで成功するには「有用で面白い」コンテンツ作りが重要です。特に、下記のポイントを意識することで、成果につながりやすくなります。
- ユーザーの問題解決に役立つ情報を提供する
- 専門的な知識もわかりやすく伝達する
- 次に何をすべきかを明示する
また、読者が読みやすいかや、誤字・脱字がないかなど、文章の基本も押さえておくことも欠かせません。
高品質な記事の条件は「高品質な記事作成に必要な5ステップ!外部パートナーとの付き合い方も紹介」でまとめています。
ポイント2 ユーザーがたどり着きやすくする
オウンドメディア成功のためには、コンテンツをユーザーに届けることが重要です。どんなにいいコンテンツでも、読んでもらえなければ意味がありません。
SEOはもちろん、SNSやメールマガジンなどあらゆる手段を使って、コンテンツをターゲットに届ける努力が必要です。
ポイント3 社内の理解を得る
オウンドメディアの成功で鍵となるのが「社内の理解を得る」ことです。オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるものです。メディアによっては数ヵ月で成果が出ることもありますが、1年以上経ってから成果が出始めるケースもあります。
そのため、成果が出ないからといって閉鎖に追い込まれることがないよう、長期的な視点を持って運営できるよう社内で調整しておくことが欠かせません。
成功のポイントは「【徹底解説】オウンドメディアとは?意味や目的、成功のポイント6選」でより詳しく解説しています。
目的を明確化してオウンドメディアを設計・運営しよう
オウンドメディアの成功事例に共通することは、目的がはっきりしていることです。そして、ターゲットを明確にして、そのターゲットが求める情報を発信できていることも成功の要因です。
本記事で紹介した事例を参考にしながら、どのようなオウンドメディアを運営するのか整理してみましょう。
なお、ナイルではオウンドメディアの支援を行っています。戦略設計やコンテンツの制作に加え、SEO内製化の支援も実施しています。下記の資料で取り組み内容や費用感を紹介しているので、ぜひダウンロードの上ご検討ください。
オウンドメディアの立ち上げ・運用をプロが支援します
ナイルが提供するオウンドメディア支援サービス、記事制作・コンテンツ制作代行を詳しく紹介しています。「見積もりが欲しい」「オウンドメディアを作っていいか不安」とお考えでしたら、お気軽に無料相談をお申し込みください!
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