ユーザーの心を動かす「おや?まあ!へぇ~」の三原則
あなたはコンテンツにふれるとき、どんなことに期待していますか?
好奇心を駆り立てられたり、驚かされたり、感心したり、感動したり、納得したり…そんなことを期待していませんか。
このように、ユーザーの心を動かし、態度変容を促すための鉄則が「おや?まあ!へぇ~」の三原則です。
「おや?」とは、好奇心と気付き。
「まあ!」とは、驚きと発見。
「へぇ~」とは、感心と納得。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
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目次
「おや?」っと、チラ見せして焦らす
一瞬で好奇心と気付きを促すには、結論から入る必要があります。といっても、オチを最初に言うことではありません。オチがあることを示唆して、焦らすことが肝心です。情報洪水の時代、瞬時にユーザーの関心を引く必要があります。
だから、タイトルにも本文にも前置きは不要です。結論から言う必要があるのです。今もよく「この企画は○○な読者の方へ~」といった前置きやリード文のある記事をよく見かけますが、これはウェブメディアでは100%無駄です。
映画の予告編は100分の本編を観てもらうために、1分でクライマックスを矢継ぎ早にチラ見せして、焦らしを演出します。人は焦らされれば焦らされるほど、もっと見たくなるのです。
人間の集中力は金魚以下
スマートフォンの普及に伴って、情報のつまみ食いはますます加速しています。
マイクロソフトがカナダで行った調査によると、2000年に12秒あった、人の集中力の持続時間が、2013年には8秒に縮まったそうです。これは、金魚の9秒を下回っているとのこと。現代人は金魚より集中力がなくなっているのです。2018年には、もっと短くなっているかもしれません。
今や、コンテンツを作るときは、金魚や赤ちゃんや猫を相手にする気概が必要になってきているのです。
ここで、例をひとつ挙げてみましょう。
海やプールで濡れても
大丈夫なコーディネート10選!
ストレートにメリットを訴求しています。最初から夏のリゾートファッションに興味がある人の気は引けるかもしれません。ただし、多くのユーザーの好奇心や気付きを促すものではありません。
この夏、ずぶ濡れで
色香漂うオンナになる!
思わせぶりの焦らしの要素を入れてみました。一瞬何の話かわかりませんね。でも、「おや?」と思わせることはできます。そして、「海やプールで大丈夫な服」というテーマに「色香漂うオンナになる」という新たな付加価値を加えています。
自撮りでかわいく写す
マル秘テクニック
このタイトルを「おや?」と思わせてみましょう。
あなたが自撮りブスに
なっている10の理由
もしかしたら…という不安を駆り立てて、意識していなかった気付きを与えます。
「まあ!」っと、物語で意外性と発見を与える
「まあ!」と驚かせるのは、物語によって意外性や新しい発見をユーザーに与えることです。「今までそんな風に考えたことがなかった!」といった反応を、ユーザーに引き起こします。
意外性のないコンテンツに人は心を動かされません。映画でもスポーツでも仕事でもレジャーでも、すべて人は意外性を求めています。
例えば野球の試合の場合、5回の時点で、ひいきのチームが10対1で勝っていてもそんなに心は躍りません。むしろ、1対10で負けていた試合が、最後に大逆転をして11対10で勝つほうが、興奮も感動もひとしおです。それも、意外性のなせる業です。
ガンジーはいつも性に悩んでいた?
インド独立の父として知られるガンジー。もし、あなたがガンジーの人間としてのすばらしさ、偉大さをユーザーに伝えたいなら、「まあ!」の視点を見つけ、演出するといいでしょう。意外性や物語性を演出することでコンテンツが「おもしろく」なり、それがユーザーの心を動かし、記憶に残るからです。
例えば、ガンジーについて紹介する記事で、ユーザーに興味・関心を持たせ、理解してもらうために、下記のようなタイトルをつけてみます。
「ガンジーはいかにして性欲を克服したか?」
「ガンジーの非暴力不服従の原点は、性欲の克服にあった」
「13歳で結婚したガンジーはセックス中毒に苦しんでいた」
一見、扇情的・刺激的なタイトルを生かすも殺すも、実はその後に展開される物語次第です。ガンジーの禁欲主義、菜食主義と非暴力不服従の思想は決して無関係ではありません。ガンジーという歴史的な偉人でさえも、私たちと同じ欲望を持ち、同じ悩みを抱える普通の人間だったと知ることで、ガンジーへの興味・関心が生まれ、親近感、共感、尊敬の念は、より高まるのではないでしょうか。
「へぇ~」っと、論理と感情で態度変容を促す
企業のオウンドメディアの多くは、ユーザーが抱える悩みや課題に応えることで、自社の商品やサービスの売上につなげます。世の中のほとんどの企業は、みずからの課題を解決するための選択肢を探しているユーザーを対象にします。
その場合のコンテンツの作り方が、自社の商品やサービスを直接説明する宣伝になると、メッセージはなかなかユーザーに届きません。従来の「何が→どうやって→どうなる」というプロセスで、自社製品ありきの態度変容を促す広告的手法では、ユーザーはついてきません。
例えば「何が→どうやって→どうなる」のプロセスに従うと、「(何が)我が社の新製品のシャンプーは、(どうやって)髪に優しい天然成分のみを実現し、(どうなる)毎日使ってきれいな髪を実現します」となります。課題解決型でユーザーの悩みや課題に応えるためには、このプロセスでユーザーが心を動かすことは難しいでしょう。
コンテンツマーケティングの場合、この「何が→どうやって→どうなる」を「どうなる→どうやって→何が」というプロセスで説明していきます。
「(どうなる)あなたの髪を美しくするために、(どうやって)髪に最も優しいシャンプーとは何かを研究し続け、(何が)その結果、開発されたのがぷるるんシャンプーです」となります。
商品訴求ありきではなく、ユーザーファーストです。ユーザーの課題解決や利益から訴求すると、共感を生みやすくなります。前者と後者で言っていることはまったく同じですが、受け取るユーザーが「自分のため」の情報であると感じることが重要なのです。これが、課題解決型コンテンツの狙いであり、コンテンツマーケティングを実施する目的なのです。
以下は、課題解決型コンテンツのユーザーへの心理的な働きかけを軸に類型化したパターンです。
・提案型→ありがたいね
・問題解決型→頼もしいね
・トリビア納得型→役に立つね
・魅力訴求型→優しいね
・問題指摘型→誠実なのね
・話題提供型→楽しいね
コンテンツを制作するときは、「おもしろいコンテンツを作りたい!」とむやみに考えるのではなく、ユーザー心理を考えて、ユーザーニーズに合ったコンテンツを作るといいでしょう。
以上、「おや?まあ!へぇ~」の三原則について紹介しました。一見当たり前のことですが、コンテンツを制作する側に立つと、意外と楽しむ側の心理を忘れてしまいがちです。そんなときは、いつも心に「おや?まあ!へぇ~」を呪文のように唱えることをおすすめします。
本記事をまとめたスライドを公開中!
イラスト:タナカケンイチ
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