SEOへの悪影響を抑えてドメイン変更する方法|失敗を防ぐポイント
ウェブサイトを運営していく中でドメイン変更を検討することもあるでしょう。しかし、ドメインを変更することでSEOに悪影響のあるケースも珍しくありません。
そこでこの記事では、ドメイン変更を検討している方に向けて、 SEOへの悪影響を抑えてドメイン変更を進めるための方法を紹介します。
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目次
SEOの観点からドメイン変更は非推奨
まず前提として、SEOの観点からいうと「ドメイン変更は非推奨」です。
ドメイン変更はある程度運用してきたウェブサイトであれば、悪影響やリスクのほうが大きいためです。
一方、それまでSEO的な評価を受けていないサイトの場合、ドメイン変更がSEOに対して良い影響を与える可能性はあります。しかし、それは、以下のような条件を満たしている場合に限ります。
【ドメイン変更がSEOに良い影響を与えるケース】
- 検索順位は低いが、既存コンテンツにかなりの自信があり、評価が低い原因がドメインにある可能性が高い
- 過去にガイドライン違反などを行い、現状のドメインではSEO施策を実施しても順位が上がらない
ただ、このような条件に当てはまるウェブサイトはあまりないでしょう。ドメイン変更がSEOに与える悪影響も考えると、リスクのほうが高いです。そのため、基本的には非推奨といえます。
ドメイン変更がSEOに与える2つの悪影響
ドメイン変更を検討するにあたって必ず知っておきたいのが、ドメイン変更がSEOに与える影響です。
場合によっては、それまで時間と手間をかけて蓄積してきたSEO効果を失うことにもなるため、育てたサイトを台無しにしてしまわないためにも、必ず確認しておきましょう。
ドメイン変更がSEOに与える主なマイナスの影響は、次の2点が挙げられます。それぞれ、SEOにどのような影響を与えるのか見ていきましょう。
マイナスの影響1 これまで獲得してきた外部リンクが0になる
ドメイン変更によって、それまで獲得してきた外部リンクが0になり、外部リンクによって得られたSEO効果がなくなってしまうケースがあります。
Googleは、サイトに対して貼られた外部リンク(そのサイト以外からのリンク)を評価して、検索順位に反映させます。外部リンクは、Googleが検索結果の順位を決める要素のひとつなのです。
Googleのゲイリー・イリェーシュ氏は、Twitter上で寄せられた「SEOにおいて、リンクは外部リンクだけが評価されるのでしょうか?それとも、外部リンクと内部リンクの両方が評価されるのですか?」という質問に対して、「外部リンクを評価しています。外部リンクは、そのサイトがどのくらいの人気で、どれくらいの人から支持されているのかの指標になるからです」と回答しています。
参考:Gary 鯨理/경리 Illyes 公式ツイッター(2016年11月11日配信)
外部リンクは、サイト運用を通して徐々に獲得できるものです。ドメイン変更によって外部リンクが0になったとしても、リダイレクト設定によって、それまで蓄積したサイトのSEO効果をできるだけ落とさずに新規ドメインへ引き継ぐことも可能です。
ただし、検索順位が下落するリスクがあることは押さえておきましょう。
マイナスの影響2 これまでに蓄積されたドメインパワーがなくなる
ドメインパワーはその名のとおりウェブサイトの力のことを指し、「ドメインオーソリティ」や「権威性」とも呼ばれています。
サイトを継続して運用していくことでドメインパワーは徐々に蓄積され、ドメインパワーの強いサイトほど、質の良いコンテンツがGoogleから適切に評価されやすくなるのです。
しかし、ドメインを変更すると、このドメインパワーはなくなってしまいます。そのため、ドメイン変更後はSEO効果が失われ、一気に検索順位が下落してしまう可能性もあるのです。
また、ドメインパワーと似ている考え方に、「ドメインエイジ(ドメイン年齢)」というものがあります。
ドメインエイジとは、そのドメインのウェブサイトの運用年月のことです。ドメインエイジが低いサイトの新規コンテンツは、特にGoogleクローラーの巡回を受けにくい(=評価されにくい)とされています。
クロール頻度の低いサイトでもSEO対策次第で上位表示は狙えますが、頻繁に更新するサイトならば高頻度でGoogleからの評価を受け、更新・改善されたページがきちんとインデックスされるようにしたほうがいいでしょう。
【補足】SNSのシェアカウントがリセットされる
SEOに直接悪影響が出るわけではありませんが、ドメイン変更を行うとSNSのシェアカウントがリセットされてしまいます。
カウントが表示されるSNSシェアボタンを設置していた場合、ドメインを変更するとシェアボタン経由でシェアされたカウントがリセットされてしまうのです。
一時SNS上でバズっていたとしても、ドメイン変更後はユーザーから「特に反響がなかった記事」に見えてしまい、興味を持たず読まれにくくなる可能性があります。シェア数を重視しているメディアの場合は、把握しておくべきリスクです。
ドメイン変更を検討する3つのタイミング
ここからは、基本的には非推奨のドメイン変更を検討しなければならない下記3つのタイミングと、その際の注意点について解説します。
タイミング1 サービス名や会社名を変更するとき
ドメインの中にサービス名や会社名を入れている場合、サービス名や会社名を変更するにあたってドメインも変更する必要が出てくるでしょう。
このように「どうしてもドメインを変更しなくてはならない」という状況を避けるためにも、ドメイン名を決める際は汎用性が高いものにすることがおすすめです。
例えば、以下のように企業名ではなく事業内容にかかわるドメインにするといった方法が挙げられます。
例:犬のおやつを販売する事業を展開する「SAMPLE株式会社」
× sample.com
○ osusume-inunooyatsu.com など
タイミング2 ホームページ作成サービスから独自ドメインに移行するとき
ホームページ作成サービスなどから独自ドメインに移行する場合、当然ですがドメイン名は変更することになります。
無料のホームページ作成サービスなどは特に、サービス名が入ったドメイン名を使用しなければならないことがほとんどのためです。
ホームページ作成サービスを利用する際は、「将来独自ドメインを取得する予定があるかどうか」「長期的にサイトを運営するかどうか」をよく考えてから利用開始することをおすすめします。
タイミング3 検索エンジンからの評価向上を狙うとき
検索エンジンからの評価の向上を狙う場合も、ドメイン変更を検討するタイミングだといえます。
検索エンジンはページ内容だけではなく、サイト全体も評価するためです。事実として、ドメインを変えるだけで順位が改善されることがあります。
一方で、最初にお伝えしたようにドメイン変更にはリスクも伴うため、逆効果になってしまうことも少なくありません。
また、「1検索結果あたりでの単一ドメインの表示サイトの制限」などの仕様もあります。そのため、検索エンジンからの評価向上を狙うためのドメイン変更は、SEOの専門家の助言なしに進めることは推奨しません。
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悪影響を抑えてドメイン変更する方法3つの手順
サイト運営を続けていると、ドメイン変更を余儀なくされることは珍しくありません。
サーバー移転やサイトリニューアルでドメイン変更を行い、サイトの評価が下がってしまうのは避けたいところです。
ここからは、サイトの評価を下落させてしまうリスクをできる限り回避しつつ、ドメイン変更を行うための3つの手順を解説します。
手順1 新規ドメインをGoogle Search Consoleに登録する
まずは新規のドメインを取得して、Google Search Consoleへ登録しましょう。
Google Search Console上からドメインの変更設定をすると、現在の検索順位への影響を最小限に抑えて、ドメインを変更できる可能性が高まります。
その際に重要なのが、この時点では「新しいサイトをインデックスさせない」ことです。robots.txtで、サイト全体をGoogleのクローラーからブロックして、インデックスされないように設定しましょう。
インデックスされないよう設定したら、新規ドメインにコンテンツを追加します。この時点では、robots.txtでGoogleのクローラーが巡回しないように制御されているため、旧ドメインと同じコンテンツが存在していても、コピーコンテンツとは見なされません。
基本的には非公開のままコンテンツを追加しますが、場合によっては先行公開をするパターンなども考えられます。その際も、robots.txtでの制御設定を忘れないようにしましょう。
Google Search Consoleの概要や詳しい使い方については、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
手順2 旧ドメインからのリダイレクト設定を行う
次に、旧ドメインで蓄積したサイトのSEO効果をできるだけ落とさず、新規ドメインに引き継ぐために、「リダイレクト設定」を行います。
リダイレクト設定にはいくつか種類がありますが、Googleで推奨されているのは「.htaccess(ドットエイチティアクセス)」を使ったリダイレクト設定です。この場合、旧ドメインから新規ドメインに「301」でリダイレクト設定を行います。
同様に「.htaccess」を使ったリダイレクト設定では「302」の設定もできますが、「301」のほうが、SEO評価を受け渡し処理スピードが早いといった特徴があります。
リダイレクト設定で重要なのは、すべてのページからトップページにリダイレクトするのではなく、ページ一つひとつ、それぞれでリダイレクト設定をすることです。
リダイレクト前のページと後のページとが、旧ドメインと新規ドメインで同一のコンテンツとなるように処理していきましょう。
301リダイレクトと302リダイレクトについて詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。使い方や注意点についても詳しく解説しています。
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手順3 新規ドメインでの運用を開始する
リダイレクト設定が完了したら、新規ドメインでのサイト運用の準備完了です。
旧ドメインから新規ドメインへリダイレクトを実施しましょう。その際忘れがちなのが、新しいサイトのrobots.txtで設定していたサイト全体のブロックを解除することです。
ブロックを解除しておかなければGoogleクローラーが巡回できず、サイトがインデックスされません。Googleからの評価を正常に受けられる状態にするためにも、必ず解除できているか確認しておきましょう。
また、旧ドメインのコンテンツを非公開にしておくか、新規ドメインへの移行が完了次第、削除することも忘れずに行う必要があります。
公開したままにしていると、コピーコンテンツと見なされ、ペナルティを受ける可能性があるため、必ず実施しましょう。
なお、サイトリニューアル時の注意点について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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ドメイン変更で失敗しないための重要な4つのポイント
ここからは、ドメイン変更で失敗しないための重要な4つのポイントについて解説します。
先述したドメイン変更の手順と一緒に押さえておきたいポイントです。以下からひとつずつ確認していきましょう。
ポイント1 リダイレクトはページごとに設定する
起こりがちなミスは「旧ドメインから新規ドメインへのリダイレクト設定を、すべてトップページに集めてしまう」ことです。
旧ドメインのすべてのページをトップページへリダイレクトしてしまうと、過去に評価されていたページの検索順位が下がってしまう可能性があります。
ここまで解説してきたように、旧ドメインから新規ドメインのサイトへコンテンツとそれまで蓄積してきたSEO効果を引き継ぐためには、リダイレクト設定が必要です。
リダイレクト設定はページごとに行い、「旧ドメインの商品一覧ページは新規ドメインの商品一覧ページ」というように、リダイレクト前のページと後のページとが同じコンテンツとなるように設定します。
また、旧ドメインにはあって、新規ドメインにはないページがある場合は、カスタム404を設定しておきましょう。
ポイント2 旧ドメインのコンテンツ公開を停止する
旧ドメインのサイトを公開状態のまま、同じコンテンツの新規ドメインサイトを立ち上げると、Googleからコピーコンテンツと見なされてしまいます。
SEO効果がまったく得られないばかりか、ペナルティ対象となるおそれもあるため、旧ドメインのコンテンツは必ず非公開にするか、ドメイン変更後に削除するようにしましょう。
なお、コンテンツを削除して放置しただけでは、Googleの検索結果にインデックスが残り続けるケースがあります。そこで、旧ドメインのコンテンツを非公開にせず削除した場合は、Google Search ConsoleからURLの削除申請をしましょう。
削除ツールを使えば、所有しているサイトのページを、 Google 検索結果から一時的にブロックすることができます。ただし、この方法はあくまでも一時的に検索結果で非表示となるだけで、完全にインデックスを削除することはできません。
完全にインデックス削除するためには、robots.txtからサイト全体をGoogleのクローラーからブロックする必要があります。その後、旧ドメインのインデックスがなくなっていることを、Google Search Consoleで確認しましょう。
なお、新ドメインのコンテンツをコピーコンテンツと誤認識させないために最も安全な方法は、新規ドメインサイトを立ち上げる前に旧ドメインを完全に閉鎖することです。
ポイント3 新しいサイトがインデックスされているか確認する
新規ドメインのサイト運用を開始したら、必ず新しいサイトがインデックスされているか確認しましょう。
インデックスされていない場合は、新しいサイトのrobots.txtで設定していたサイト全体のブロックが解除されているか確認してください。
新しいサイトがインデックスされているかは、Google Search Consoleにログイン後、「URL検査」において新しいサイトのURLを入力することで確認できます。
ポイント4 SSL化(HTTPS化)が未設定の場合、設定を済ませる
ドメイン変更の際、もしSSL化を設定していなければ、ドメイン変更に合わせて設定しましょう。
SSL化をすることで、ウェブサイトの運営者が実在していることを確認し、通信データを暗号化することができます。
SEOの観点からのSSL化は重要です。Googleが「SSL化されたウェブサイトをランキング評価で優遇する」と明言しているためです。詳しくは以下の記事で解説しています。併せて参考にしてください。
ドメイン変更時は手順とポイントを押さえておこう
ドメイン変更はSEOの観点からは非推奨ですが、長くウェブサイトを運営していれば検討しなければならないタイミングが来ることもあるでしょう。
ドメイン変更でSEOに悪影響を与えないためにも、この記事で紹介した手順とポイントを押さえて適切に進めてください。
なお、ナイルでは、ドメイン変更を検討するタイミングとして挙げられる「サイトリニューアル」時に気をつけるべきポイントをまとめた資料を無料で配布しています。SEO上、絶対に気をつけるべきポイントをわかりやすくスライドにまとめているので、ぜひ以下よりお気軽にダウンロードしてください。ダウンロードは無料です。
- なにか重大なことを見落としていないか...
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