マーケティングは理屈より、人と人とのコミュニケーション~飲食店オーナーを支援する「Foodist Media」
愛のないコンテンツマーケティングに未来はない――そんな強い思いでコンテンツマーケティングに取り組むナイルでは、「愛」に満ちたコンテンツマーケティング施策を展開している企業をシリーズで追っていく。
シリーズVol.03は、飲食店開業の準備を物件探しから開業、店舗運営まで幅広く支える「飲食店.COM」を展開する株式会社シンクロ・フード。
シンクロ・フードは、飲食店向けの店舗物件サイトや、求人サイト、また仕入れ業者のマッチングサービス等を運営しており、なかでも店舗物件情報サイトは、物件掲載数も約3,900件を超え、事業を拡大している。
そんなシンクロ・フードが昨年5月、食をテーマとしたオウンドメディア「Foodist Media」を立ち上げた。その狙いは? そこにはどんな愛情が注入されているのか? 事業部の関さんと冨山さんに、「Foodist Media」誕生の経緯と、これからの展望について話を伺った。
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目次
無理やり数字を追っても本筋から外れたら意味がない
――「Foodist Media」を立ち上げた経緯をお聞かせください。
関:弊社の主事業である飲食店の開業をめざす人や経営者向けのサイト「飲食店.COM」の認知向上を目的に立ち上げました。オウンドメディアの立ち上げは以前より検討していたのですが、昨年4月にウェブマーケティンググループが新設されたのを機に、「Foodist Media」をスタートさせました。
――1年やってきて反応はどうですか?
関:認知はされつつあるかな、という実感はあります。また、少しずつ「飲食店.COM」への会員登録という目に見える形で効果は出てきてます。ただコンバージョン率やPVなどのKPIにとらわれすぎないよう進めてきました。KPIを意識しすぎると無理やり数字を追って、本筋からズレてしまうことが発生するので。日々の記事の反応に一喜一憂しないように意識しています。とはいえ、やっぱり気にはなりますけどね(笑)。
飲食店業界向けでありながら、一般の人がグルメ情報誌としても楽しめる「Foodist Media」
――運営は具体的にどのように進めていますか?
冨山:月1回の編集会議で、企画を持ち寄って進めています。企画は編集部で決めて、記事の構成はライターさんにも提案していただいてつめていく感じですね。社員はみんな「食」への関心が高いので、編集会議だけでなく、ふだんから他部署ともコミュニケーションを図ってアイデアを出してもらうこともあります。特に営業担当はお客さんに一番接しているので情報を吸い上げるようにしています。記事は編集部でも書きますが、外部のライターさんの協力を得ながら制作しています。
――企画を考える上で軸としていることはありますか?
関:主にこれから開業する方や、1~2店舗を運営しているような個人店の方を対象としているので、そうした方たちに向けて飲食店経営のために役に立てることは何か?という思いでコンテンツを企画しています。記事は取材をする場合も、営業担当からのヒアリング(現場の声)を参考にすることもあります。
プロ向けだからこそ、こだわらなければならない難しさがある
――外注ライターとの協業で苦労することはありますか?
冨山:プロである店舗オーナーの方々を納得させる記事を作る難しさはありますね。ライターさんとは根気よくつきあって一緒にブラッシュアップしていく日々です。ライターさんの知識だけで書くのではなく、専門家に話を聞いたり、お店の事例を取材したりすることで記事の信頼性を高める努力をしています。
記事の配信はいまは月12本くらいですが、本数も少しずつ増やしていきながら、いずれはPVも現状の5倍くらいにはしていきたいです。ただPVを追いかけるあまり、むやみに記事本数を増やすのではなく、質を高めていくことを優先していきたいです。より読者の役に立つことを優先しています。PVは結果としてついてくればいいと考えています。
――PDCAを回していく中で特に心がけていることはありますか?
関:読者の反応を見ながら改善を図っています。PVだけでなく、Facebookでの「いいね!」数はけっこう重視してますね。「いいね!」の数値が高ければ、飲食店の役に立ったのかなと実感できます。もちろん会員登録などのコンバージョンを得ることも大切ですが、読者のためを最優先に考え、その後に数字がついてくるイメージです。
飲食店の店舗物件・出店開業・運営支援など、シンクロ・フードの基幹事業となっている「飲食店.COM」
――お客さんが喜んでくれるコンテンツの軸になるのは何ですか?
冨山:飲食店を運営されている方はいろいろな悩みを抱えています。「売り上げが伸びない」とか「広告を出してもお客さんがあつまらない」とか。集客は季節や天気などによっても大きく影響を受けます。そんなときどうやったら集客につながるのかヒントを与えられればいいと。そういった悩みをひとつずつ解決する手助けができればいいですね。
重要なのは、いかにお客さんの悩みに応えられるか
――「Foodist Media」を始めて、社内で変化したことはありますか?
関:まだまだ社員全員を巻き込んでいけているわけではないですが、そうなればいいなと思って運営しています。そのほうがいろいろなアイデアが出てきますし、コンテンツ作りに役立ちますからね。少しずつですが「Foodist Media」をきっかけでいままでなかったような社内のコミュニケーションが生まれているのもメリットでしょうね。
――コンテンツマーケティングをやっていくうえで何が一番大切だと考えていますか?
冨山:コンテンツマーケティングは当然、企業の利益に結びつかないといけないと思っています。でも、それ以前に飲食店のオーナーさんに役立てるようなコンテンツを重視して、まずは信頼関係を築いていきたいですね。理屈でマーケティングするのも大切ですが、けっきょくは人と人とのコミュニケーション。飲食店に寄り添いながら、「この人だったらずっと一緒にいたい」って好きになってもらって。恋愛と一緒ですよね。本質的なことですが、それをしっかり伝えていきたいです。
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