セグメントって何?アクセス解析で発見を得るための基本的な考え方と設定方法
セグメントは、Googleアナリティクスでもっともよく使う機能です。本記事では、セグメントを作成されていない方向けに、定番といえる基本的なセグメントに絞って考え方と設定をご紹介します。
本記事はユニバーサルアナリティクス(UA)のセグメントを解説する記事です。UAは2023年7月1日をもって利用できなります。
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目次
セグメント機能とは
Googleアナリティクスでは、セッションごとにデータを絞り込んで分析することができます。その機能をセグメント(※)といいます。
※かつては「アドバンスセグメント」と呼ばれていましたが、2015年10月現在では一部のヘルプを除き「セグメント」に統一されています。
セグメントを作成することで、例えば「新規訪問、かつPCユーザー」や「新規ユーザー、かつスマホユーザー、かつ◯◯広告経由で流入」など、さまざまな切り口からデータを抽出して分析の精度を上げられます。
軸となる定番のセグメントさえ決めてしまえば、あとは複製しながらサイトやキャンペーンごとの属性を掛け合わせて増やしていくだけですので、ぜひ挑戦してみてください。
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1.基本的なセグメントの作成方法を知る
”新規ユーザー”獲得のために広告を出稿している場合、アクセス解析で成果把握や課題発見するためには、広告と広告以外をセグメントに加えて、新規ユーザーと再訪問ユーザーをセグメントして分析する必要があります。
Googleアナリティクスで「新規訪問(以下、新規)」と「再訪問(以下、再訪)」をセグメントするには、ユーザータイプというディメンションを使います。
ユーザータイプでは、ユーザーがサイトを訪問した時に付与されるCookieを基に新規と再訪の判別が可能になっていて、条件を指定することで下記例のように流入元で切り分けることも可能です。
そこで、まずは下記のように8つの分類を用意してみます。
条件指定:新規・再訪/デバイス/参照元
1.新規/SP/自然
2.新規/PC/自然
3.再訪/SP/自然
4.再訪/PC/自然
5.新規/SP/広告
6.新規/PC/広告
7.再訪/SP/広告
8.再訪/PC/広告
など
検索流入のセグメントとしては基本的な切り分けで、「自然」はorganic、「広告」はcpcの流入のことを指しています。
ここからは、上記8つを基本セグメントとする前提で解説を続けます。
(補足)広告をより詳細にセグメントしてみる
例えば、Google AdwordsとYahoo!プロモーション広告で分けて分析したいということがあります。その時は、設定するディメンションで「参照元/メディア」を選び、入力欄にカーソルを合わせます。すると下図のように候補が表示されますので、Googleであれば「google/cpc」と選びます。
これでGoogleからの検索広告に絞ってセグメントできます。
アクセス解析にあたり最低限のディメンション名や指標名などは覚えておく必要がありますが、下図のようにGoogleアナリティクスのメニューで見ることもできます。
セグメント名に連番をつけてソートする
セグメントが増えてメニュー内が見づらくなったという場合は、連番などの接頭語などをセグメント名に付けると、ソートされて見やすくなります。
2.コンバージョンしたセッションとコンバージョンしなかったセッションの違いを知る
上述した8種類のセグメントに、別の切り口を追加して改善に役立てられるようにします。
使用頻度の高いセグメントは、コンバージョン状況もわかるようにすべきですので、「コンバージョンしたセッション」と「コンバージョンしなかったセッション(以下、非コンバージョンセッション)」を比較できるようにします。
流入後の傾向の違いを知ることができれば、改善するための施策が考えやすくなります。
ここでは、”SEOで集客した新規スマホユーザー”の行動がどうなっているかを調べられるようにします。
条件指定
基準となるセグメント条件に、「目標の完了数・セッションごと」を追加します。コンバージョンと非コンバージョンそれぞれをセグメントするので、元のセグメントがさらに2種類に増えます。
1.新規/SP/自然
→1-1.新規/SP/自然/CV>0
→1-2.新規/SP/自然/CV=0
※eコマースの場合は、トランザクション数で設定
eコマースの場合は、トランザクション数のディメンションを使います。
※「トランザクション数」は、eコマースにおける取引回数のことです(金額などでも構いません)。
1.新規/SP/自然
→1-1.新規/SP/自然/トランザクション数>0
→1-2.新規/SP/自然/トランザクション数=0
3.通常のコンバージョン以外の中間指標を指定する
ビジネス上の運用指標となるマクロコンバージョン(カート購入やお問い合わせ完了など)とは別に、中間指標となるマイクロコンバージョン(※)を指定したセグメントを作ってみましょう。
※マイクロコンバージョンとは、最終的なゴール(マクロコンバージョン)に到達するユーザーに期待する中間的な指標を設定したものです。一例として、”最終ゴールはお問い合わせフォームからの送信”の場合に、「その手前のアクションとして存在する資料ダウンロード」や「お問い合わせフォームの閲覧」などが挙げられます。
ここでは、「カートには入れたものの購入しなかった」「問い合わせフォームには到達したが送信しなかった」など、何かしらの理由で直前でコンバージョンしなかったセッションの傾向を把握できるようにしてみましょう。
条件指定
「購入しなかった(トランザクション数=0)がカートに到達したセッション」と「カートにも到達しなかったセッション」を指定してみます。
※cart.phpというURLは例です
1.新規/SP/自然
→1-1.新規/SP/自然/トランザクション数=0/ページ「含む」cart.php
→1-2.新規/SP/自然/ページ「含まない」cart.php
このセグメントを使うメリットは、コンバージョン可能性が高いセッションに絞り込んで傾向を把握できることで、段階的に打ち手を考えられるようになることです。
eコマースであれば、「カートに商品を入れたのに購入完了していない」など、ポイントを絞ったセグメントを用いた分析で理由を考察することができます。
4.コンバージョンセッションのPV数を参考にして絞り込む
まずは、コンバージョンセッションのセグメントで平均PVを調べます。ここでは、平均PVが10ページだったとします。
そのようなサイトで、10ページ以上閲覧してコンバージョンしないユーザーがいるとすれば、その傾向の違いを知ることができれば改善のヒントになります。
(コンバージョンセグメントの場合、フォーム・確認ページやサンクスページなど必然的にページビューが伸びるので、比較する際には考慮しておきましょう)
条件指定
1.新規/SP/自然
→1-1.新規/SP/自然/ページ/セッション>10/cv=0
※「ページ/セッション」というディメンション名。「10」は例なので、実際のコンバージョンセッションを先に調べましょう。
(10:51追記) なお、セグメントでは「ページ/セッション」という指標が使えません。そこで下の画像のように、訪問したときのページ数を示す「訪問時のページ数」というディメンションを適用することにします。
このようなセグメントを適用したうえで、よく見られているページや離脱ページ、キーワードなどを調べ傾向を探りましょう。改善のヒントが見えてくるはずです。
このようにセグメントは、様々なディメンションや指標と組み合わせて使います。だからこそGoogleアナリティクスにどのようなディメンションや指標があるのかは知っておく必要があります。使えそうなディメンションがないか、定期的にセグメントメニューのプルダウンをチェックしておきましょう。
5.セグメントをかけるときはサンプリングに注意する
セグメントはGoogleアナリティクスの強力な機能ですが、膨大なデータを絞り込むためサンプリングも行われやすいので注意します。サンプリングとは膨大なデータを高速に処理するために、素のデータではなく一部のデータが抽出され「傾向」を知るレポートとして処理される仕様をいいます。
ただ、いかに確度の高いセグメントを作っても、サンプリングによって母数が20%台などになってしまえば、それは全体を表しているとは言えません。
ですからそのときは、デイリーやウィークリーなどデータ量を絞ってセグメントすると良いでしょう。
まとめ
セグメントを使いこなすためにも、デバイスカテゴリやメディアなど、頻繁に使うディメンションは必ず覚えておきましょう。一度覚えてしまえば、以降はセグメントを効率的に作成できます。
その上で、以下の重要点を押さえてセグメント作成をしましょう。
- 基本の絞り込みは必ず行う
- その上で、特定セッションとそうでないセッションを比較する
- コンバージョンしたセッションに近い傾向なのに、コンバージョンしていないセッションに絞り込んで調べる
セグメントはセッション単位で絞り込める強力な機能です。分析に役立ちそうなディメンションや分析ポイントを試行錯誤して、分析の幅を広げてみてください。
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