アーンドメディアとは?オウンドメディアとの違いや運用方法を解説
アーンドメディアとは、SNSなど第三者によって情報発信される外部メディアのことです。
ここでは、アーンドメディアの概要や利用する目的、他メディアとの特性の違いについて解説します。
この記事のポイント
- アーンドメディア(earned media)とは、第三者であるユーザーや消費者自身が、情報発信するメディアのこと
- 良い情報も悪い情報も短時間かつ広範囲に拡散されるなど、コントロールできないことが多い
- うまく活用できれば、認知や売上の拡大につなげられる
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目次
アーンドメディアとは
アーンドメディア(earned media)とは、第三者であるユーザーや消費者自身が、情報発信するメディアのこと。「アーンド(earned)」とは「信用や情報を獲得する」という意味です。
例えば、インフルエンサーからの情報発信は、純粋にその商品を勧めているため、企業が直接発信する情報よりも、信頼性が高くなります。
「最近、これにハマってるんだよね」。もし、Twitterでフォロワーが何万人もいるインフルエンサーが、自社の商品について、こんなツイートをしてくれれば、商品の売上につながる可能性があります。多額の費用をかけたプロモーションよりも、効果が出ることさえあります。
SNSに限らず、報道で商品を取り上げられた場合も、アーンドメディアになります。アナリスト・レポートも商品の信頼性を高めるため、アーンドメディアに該当するといえるでしょう。
オウンドメディア、ペイドメディアとの違い
消費者が接触するメディアには、アーンドメディアのほかに、「オウンドメディア」と「ペイドメディア」があります。この3つのメディアを合わせて「トリプルメディア」と呼ばれています。
オウンドメディア、ペイドメディアについて、それぞれ詳細を確認していきましょう。(早口言葉みたいですね)
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、自社で保有するメディアのことです。
企業自身が運営しているコーポレートサイトや自社メディア、ECサイトなど、自らの情報を消費者に向けて発信できるメディアのことを言います。
自分たちの思い通りの内容を発信できるのが、オウンドメディアの利点です。
消費者に浸透するのに時間がかかる反面、自社メディアのため、自社の戦略に合わせた情報配信が柔軟にできます。アーンドメディアのように、「取り上げられるのはうれしいけれど、この紹介の仕方だとかえってマイナスだ」ということもありません。
ペイドメディアとは?
ペイドメディアとは、いわゆる有料広告が出稿できるメディアのことです。
テレビ、ディスプレイ広告やリスティング広告など、企業が費用を支払うことで広告を出稿することのできるメディアを指します。
ペイドメディアには、そのメディアが発信している情報に興味を持っている読者が集まるため、費用をかけることで、すぐに見込み客にアプローチ可能で即効性があります。
オウンドメディアほどではないにしろ、ペイドメディアも基本的には自分たちが意図した情報発信がしやすいメディアです。
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トリプルメディアとは?
トリプルメディアをまとめると、下記の通りです。
- アーンドメディア:信用や評判を獲得することを目的としたメディア
- オウンドメディア:自社運営のメディア
- ペイドメディア:有料で広告を掲載するメディア
企業はそれぞれ性質の異なるトリプルメディアをうまく併用して、消費者に商品・サービスの情報を届ける必要があります。
情報や商品、サービスがあふれる現代社会において、企業は従来のように消費者に対して一方的に宣伝し、売り込むというやり方では売り上げを上げることができなくなりました。
企業は消費者の課題を解決しうる有益な情報を発信することで、商品やサービスのメリットを感じてもらい、購入に至ってもらう、コンテンツマーケティングの手法を取ることが一般的になっています。
コンテンツマーケティングを効果的に行うために、企業はオウンドメディアで消費者の課題を解決しうる有益な情報を発信しつつ、ペイドメディアで潜在顧客に働きかけて裾野を広げ、アーンドメディアで情報の拡散やブランディングを図ります。
トリプルメディアを活用した三位一体の施策を取ることで、商品やサービスを売りやすい土壌をつくり、売上の向上が期待できるようになるというわけです。
シェアードメディアとの違い
オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディアの3つのトリプルメディアに加えて、シェアードメディアという言葉が注目されています。
シェアードメディアとは、SNSでの投稿・拡散された情報を発信するメディアのことで、消費者による口コミも含まれます。
元々シェアードメディアは、アーンドメディアに含まれていましたが、消費者の口コミの影響力が大きくなったため、シェアードメディアと分けられて使われることが出てきました。消費者の口コミがシェアードメディア、PRやパブリシティはアーンドメディアに分割されます。
オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア、シェアードメディア、4つ合わせて「PESOモデル」とも言われます。
アーンドメディアを利用する目的
アーンド(earned)とは「信用や評判を獲得する」という意味の言葉です。この言葉からも分かるように、アーンドメディアは外部メディアを用いて、消費者に商品を売り込むことを目的としたメディアではありません。
アーンドメディアは、メディアを利用しているユーザー(見込み客)から、自社や自社の商品・サービスに対する信用や評判を獲得することを目的して利用されます。
企業がアーンドメディアを利用する目的は、自社商品の販促だけには限りません。拡散するメディアであるため、さまざまな活用法が考えられます。
まずはマーケティングです。第三者による情報発信から、今後の開発のためのヒントを得ることができます。より能動的に仕掛けるならば、ユーザー向けのコミュニティを立ち上げての情報収集なども可能です。
またユーザーと直接やりとりができるのも、アーンドメディアの長所です。ユーザーとのやりとりそのものが、効果の高いアーンドメディアにもなり得ます。販促しながら、顧客との距離が縮まるアーンドメディアは、活用次第で、まだまだ可能性を秘めているといえるでしょう。
さらにアーンドメディアをペイドメディア的に活用することも可能です。つまり、SNS広告を出稿するのです。TwitterやInstagram、TikTok、Facebookなど、多くのSNSは広告枠を設けています。SNSには自らのニーズに従って情報収集するユーザーが集まるので、ユーザーのニーズに適合した広告を出稿できれば効果的なPRができます。
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アーンドメディアのメリット
アーンドメディアのメリットとして、「情報の拡散力が高い」「ユーザーと直接コミュニケーションが取れる」ことが挙げられます。
情報の拡散力が高い
ユーザーにとって有益で、「友達にも教えたい」と思うような情報は多数のユーザーによって拡散される、つまり「バズる」可能性があります。
さらに、多くのフォロワーを集めるインフルエンサーによって拡散されれば、非常に多くのユーザーの注目を集めることになります。SNSでの拡散は、企業による宣伝ではなく、利害のないユーザーによる情報提供と受け止められやすいので、多くのユーザーから信頼性の高い情報として注目されるのです。
オウンドメディアやペイドメディアだけでの情報発信ではバズらせることは難しく、また、アーンドメディアを活用してうまくバズった場合、費用もほとんどかかっていない分、効果は絶大と言えます。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
企業がSNSを通じてユーザーと、丁寧で誠実なコミュニケーションや親しみやすいコミュニケーションをユーザーと積み重ねることで、信頼感や好感度が高まるかもしれません。
企業との直接的なコミュニケーションでポジティブな印象を抱いたユーザーが、ファンになってくれることも期待できます。
また、企業の理念やユーザーへのメッセージなどを表現することにもSNSは活用できます。すぐに売り上げに直結する施策ではないですが、継続することで徐々にユーザーに受容されていき、企業のブランド力を強化し、長い目で見たときの売上向上につながるのです。
アーンドメディアのデメリット
アーンドメディアのデメリットは、「情報をコントロールできないこと」です。
PRポイントがずれているくらいならば、まだよいですが、炎上騒ぎになってしまったら、自社のブランド力が落ちてしまうことになります。そういう意味では、アーンドメディアの情報は、信じられやすいがゆえに、伝わり方次第で薬にも毒にもなる、諸刃の剣のような側面があるともいえるでしょう。
また、各プラットフォームには利用規約やルールがあり、自社の都合で変更することはできません。加えて、運営によってシステムやサービス内容が変更になることもよくありますし、SNSサービス自体が終了することもありえます。
したがって、オウンドメディアに蓄積したコンテンツと異なり、SNSでの過去の投稿を自社の資産として保有することは困難です。アーンドメディアだけでなく、オウンドメディアやペイドメディアと併用する必要がある理由の一つと言えます。
また、アーンドメディアに取り上げられようと、第三者の評価を獲得することに取り組んだとしても、すぐに結果を出すことは難しいです。効果測定までに時間を要する点も、アーンドメディアのデメリットに挙げられるでしょう。
アーンドメディアの成功事例
アーンドメディアの成功事例を見ていきましょう。
無印良品
「無印良品」では、SNSアカウント(Twitter、Facebook、Instagram、LINE)を開設。
500万人を超えるフォロワーを獲得しています。タイムセールなどさまざまなプロモーションを実施しています。2012年には「ソーシャルメディアを通じて好きになった企業1位」に選ばれるなど、ユーザーに愛されるアーンドメディアとして育っています。
キングジム
文具メーカーの老舗企業「キングジム」は、オウンドメディアとアーンドメディアをうまく活用しています。
Webサイトで商品情報を届けながら、Twitterでは「キングジム社Twitterの中の人」のインタビュー記事を公開するなど、ユニークな試みをきっかけに、新たな顧客を獲得しています。
文具は、誰にとっても身近なのに、メーカーの顔が見えにくいだけに、アーンドメディアで広がる可能性が高い領域だったともいえるでしょう。
キリンビール
事前プロモーションに、アーンドメディアを使ったのは、「キリンビール」です。
新商品「澄みきり」の発売前に1万人ものサンプリング参加者を Facebookで募集。実に、280万人のリーチに成功してブランド認知に、アーンドメディアが大きな役割を果たしました。
アーンドメディアを活用しよう
アーンドメディアはうまく活用できれば、認知や売上の拡大につなげられるメディアです。しかしながら、企業が望まない情報も簡単に拡散されてしまうリスクもあります。
すべては仕掛け方次第です。自社ブランドの強みを踏まえたうえで、第三者の評価をどのように得て、どう広げていくのか。
アーンドメディアのメリットとデメリットをよく踏まえたうえで、顧客にとって自社商品が身近になるプロモーションを展開していきましょう。
アーンドメディアの運用にはリスクも伴います。したがって、正しい運用ができているかどうかが大切です。もしお困りでしたら弊社のコンサルタントがサポートいたします。弊社は、戦略策定から実装支援まで一貫してサポートしております。
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