ユーザーテストとは?必要な準備と目的に沿った調査方法を解説
ユーザーテストとは、ターゲットユーザーとなり得る人にサイトやアプリなどのサービスを利用してもらい、ユーザー心理とサービスの課題を見つけるための手法です。仮説やアクセス解析だけでは分からないリアルな課題や強みを発見できるため、多くの企業で導入されています。
ここでは、ユーザーテストの概要や流れ、メリットについて解説します。
この記事のポイント
- ユーザーテストは、ターゲットユーザーにサービスを利用してもらい、ユーザー心理や課題を分析する手法
- 仮説を設計して被験者を集めるなどの準備が必要
- 他社サイトやプロトタイプでもユーザーテストは実施できる
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目次
ユーザーテストとは
ユーザーテストは対象サイトやアプリのターゲットユーザーとなり得る人に、Webサイトやアプリを指示に則って利用してもらい、その行動や発言の観察を通して「ユーザー心理」と「Webサイトやアプリの課題」を見つける手法です。また、Webサービスに限らずに、工業製品や家電、チラシ・テレビCMの制作現場など広く実施されています。
ユーザーテストではコンテンツ閲覧時の心情やサイトの使い方、比較検討時の行動なども含め、 コンバージョン(CV)の達成までを一連のプロセスとして広く課題を抽出することが可能です。
ユーザーテストを行う上で必要な準備と流れ
ユーザーテストを行う上で必要なものは下記の5項目になります。
・ユーザー行動の仮説
・検証するサイトまたはプロトタイプ
・テスト被験者
・テスト進行役
・録画用カメラ
また、ユーザーテストを行う際のよくある誤解として、テストの被検者が数十人以上必要であると考えられていることがあります。しかし、 それは定量調査を目的とした調査の話です。
ユーザーテストは定量調査の目的ではなく定性調査を目的に実施するため、1検証に対しておよそ5人の実施で有効な検証結果を得ることが出来るとされています。
ユーザーテストの流れは以下のとおりです。
①ユーザー行動の仮説の設計
運営者や制作者が考えるユーザーの利用目的(仮説)やアクセス解析、ヒューリスティック分析(実情)を基に、ユーザーテストのシナリオとタスクを設計します。
②ユーザーテストの実施
ターゲット条件に限りなく近い被検者を募集、テストのセッティングを行います。予め設計されたタスクに則りテストを実施します。被検者の心理と行動に対する質疑応答も交えながら情報を集めます。
③検証結果の整理
運営主や制作者が考えていた仮説に対して、ユーザーテスト結果にどのような乖離があったかを明確にします。
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ユーザーテストのメリット
ユーザーテストの特徴は2つあります。
1つ目はユーザー心理を理解できることです。アクセス解析と違いユーザーテストでは、タスク実行の観察を通して、現状の課題と「なぜそうなったのか」を知ることができます。
例えば、アクセス解析ではあるページの直帰率が高いことは分析して導き出すことができます。しかし、ページを閲覧しているユーザーの心理を把握できていないために、「なぜ直帰率が高いのか」という理由を突き止めることは難しいです。
一方で、ユーザーテストはテスト後に行うヒアリングなどにより、心理状況や行動理由を知ることができます。
2つ目は現状の自社のサイトだけでなく、他社サイトやプロトタイプでの実施も可能であることです。
アクセス解析では、他社サイトに関しては獲得できるデータが限られていて詳細な情報はわからない部分が多いです。プロトタイプにおいても、一般に公開されていないので実際にどのような操作をするユーザーが多いのかを知ることは困難です。
一方ユーザーテストでは、他社サイトとプロトタイプでも実施が可能です。そこで自社と他社のサイトのユーザビリティの比較を行うことや、公開前のプロトタイプ課題を明らかにしたりすることも可能です。
まとめ
ユーザーテストは、ユーザーにサービスやプロダクトを利用してもらい、その時の行動や発話を観察して、ユーザーの心理を踏まえたサービス・プロダクトの課題を抽出する調査手法です。
そして、
・ユーザー心理を理解できる
・他社サイトやプロトタイプでも実施できる
というメリットがあります。
当社が実施するユーザーテストは、ユーザビリティテストではなく、ユーザー行動観察を通してユーザーの心理と行動を把握することに重きを置いています。
ナイルのユーザーテストについて、更に知りたい方は下記をご覧ください。
※自分でユーザーテストを実施されたい方は、こちらの記事もご参照ください
【準備編】ユーザーテストで課題を発見するための基本的な考え方と5つの準備プロセス
【実践編】ユーザー心理とサイト課題を明らかに。ユーザーテストの進め方と観察のポイント
【分析・改善編】ユーザーテストを改善に活かすための分析と考え方
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