【実例付】インプレッションとはどんな意味?計算方法や増やし方を解説
インプレッションとは、ウェブ広告がブラウザ上でユーザーに表示された回数を指す言葉です。また、X(旧Twitter)やFacebookといったSNSでは、広告だけではなく、通常の投稿の表示回数を指す言葉でもあります。
ここでは、インプレッションの増やし方や計算方法、インプレッションと混同されやすい用語などについて解説します。
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目次
インプレッションとは?どんな役割をもっている?
インプレッション(impression)とは、ある広告がブラウザ上でユーザーに表示された回数を指す言葉です。そして実際に表示された回数をインプレッション数といいます。
XやFacebookといったSNSでは、ウェブ広告だけではなく、通常の投稿の表示回数を指す場合もあります。
インプレッション数は、クリック率(CTR)や広告からユーザーがアプリなどをダウンロードするまでのコストを表すCPI(1インストールあたりの広告費用)を求める際に必要になる数値です。
また、インプレッションを測ることでユーザーにとって需要があるのかや興味を持っているユーザーがいるのかなど調査できます。そのため、広告運用だけでなくオウンドメディアやマーケティングにおいてもインプレッション数は欠かせない指標の一つです。
SNSにおけるインプレッション
XやFacebookなどのSNSでも、インプレッションという言葉が使われます。それぞれのメディアごとのインプレッションの定義について説明します。
X(旧Twitter)
Xは、140字制限でツイート(つぶやき)を投稿するSNSです。ユーザーは投稿を読みたいと思ったユーザーをフォローすると、その人のツイートが自身のタイムラインに流れてきます。もちろん、自分自身がフォローされることもあり、中には数十万人ものフォロワーを抱えるインフルエンサーも存在します。
Xにおけるインプレッションとは、自分の投稿(ポスト)がほかのユーザーに表示された回数です。また、プロモーションポストという形で広告を表示できますが、このプロモーションツイートがタイムラインに何回表示されたのかという数値として、インプレッションが使用されます。
もう一つ覚えておきたいのがエンゲージメントです。エンゲージメントとは、自分の投稿にほかのユーザーが「いいね」や「リポスト」といった反応をしてくれた回数のことです。
Xではリポストやいいねをすることで、そのフォロワーをフォローしているユーザーのタイムラインにもポストが表示されるという仕様になっており、これらの拡散効果は絶大です。リポストやいいね自体の回数はインプレッションには含まれませんが、リポストやいいねされることで結果としてインプレッションを大きく伸ばすことが期待できます。
Facebookは、実名利用を基本としたSNSです。そのため、Xほどの匿名性がなく、職場や家族などリアルのつながりを反映した使い方になることが多いSNSです。
Facebookにおけるインプレッションとは、自分の投稿がほかのユーザーに表示された回数になります。また、Facebook広告では、ほかのユーザーに広告が表示された回数としても、インプレッションが使用されます。ただし、広告全体が表示されないとインプレッションとして見なされず、管理画面の数値にも反映されません。
また、「いいね」や「シェア」されても、それはインプレッションには数えません。X同様にいいねやシェアされることで、投稿がほかのユーザーのタイムラインに表示されることがあります。
Instagramは、写真の投稿がメインとなるSNSです。XやFacebookとはユーザー層が異なるため、プラットフォームとしてもまた違った魅力があります。
Instagramにおけるインプレッションとは、XやFacebookと同様に、自分の投稿がほかのユーザーに表示された回数になります。「いいね」等は、インプレッションには含めません。
プロアカウントに切り替えることで、「インサイトを表示」することができ、各投稿ごとのいいね!数やリーチ、エンゲージメントなどの詳しい反応を確認することが可能です。
また、Instagramでもタイムラインに広告を表示できます。「ストーリーズ」と呼ばれる24時間で消える短時間動画を投稿できるシステムが人気で、そこにも広告表示ができます。
SEOにおけるインプレッションとは?
SEOにおけるインプレッションは「検索結果への自社サイトURLの表示回数」を指している場合が多いです。
Google Search Consoleで表示回数を確認できます。Google Search Consoleでカウントする表示回数は、現在のページに表示されたときに1カウントとされ、必ずしも見えた状態になっている必要がありません。
ただし、例外として画像検索やページングなしでスクロールされる検索結果の場合は、画面に表示された時点で1カウントされます。
参考:表示回数、掲載順位、クリック数とは - Search Console ヘルプ
インプレッションと混同しやすい用語
インプレッションには、混同されやすいマーケティング用語がいくつかあります。それぞれの用語の意味を紹介します。
なお、これらの定義は媒体によって変わるため、個別に確認してください。
【用語1】PV
インプレッションと類似した数字に、PV(ページビュー)があります。PVはユーザーが見たページ数を指す概念で、あくまでも単位はページです。一方、インプレッションは、ページに表示されている広告あるいは投稿の表示回数を表します。
【用語2】リーチ
また、リーチもインプレッションと混同されやすい言葉です。リーチとは、広告または投稿がディスプレイ上に表示されたユーザー数を表します。
例えば、1人のユーザーに対して再読み込みなどで、同じ広告が10回表示された場合、1リーチ、10インプレッションになります。
【用語3】エンゲージメント
エンゲージメントとは、ビジネスでもマーケティングでも使われる用語です。さまざまな場面で使われるため、多くの意味を持ちますが、SNSにおいては投稿者への興味や関心の度合いを表す数という意味で使われています。
主に、投稿をクリックやコメント、いいねを押すなどの行動 ÷ インプレッション数で出た数値がエンゲージメント率となっている場合が多いです。SNSによってエンゲージメントを出す算出式が若干違いますので、詳しい算出式は以下の記事をご参考ください。
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インプレッションの数え方と計算方法
一般的にインプレッションを算出するには「PV(ページビュー)×そのページあたりに表示されている広告掲載数」という式を用います。
例えば、ページビュー数が10で、そのページで表示されている広告掲載数が2つだった場合には、掛け算をしてインプレッション数は20となります。
ただし、メディアによってはインプレッションの定義が、広告がどのくらい表示されたかによって変わるため、出稿先のインプレッションの定義の確認が必要です。
また、多くの場合、備え付けのツールなどで、結果を見ることができるので、自分で計算することはほぼないでしょう。
CPM(インプレッション単価)とは
インプレッションと一緒に覚えておきたい言葉に「CPM」があります。CPMとは「Cost Per Mille」の略で、1,000回のインプレッションごとに発生する広告費用のことです。ウェブ広告の課金単位や、広告単価の計算でよく使われます。以下では、CPMの計算方法と合わせて、「CPC」との違いを説明します。
なお、CPMについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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CPMの計算方法
CPMは、以下の計算式で求められます。
CPMの計算式
CPM = 広告費 ÷ 広告の表示回数 × 1,000
例えば、広告費が50万円で、広告が100万回表示された場合、CPMは「50万円 ÷ 100万回 × 1,000 = 500円」です。CPMの相場は10円から500円まで幅広く、掲載場所によって異なります。
CPM課金とCPC課金の違い
ウェブ広告において、CPMを1つの単位として計算・請求することを「CPM課金」と呼びます。「CPC課金」と混同しないよう、それぞれの主な違いをまとめると、以下のとおりです。
CPM課金
- 広告が1,000回表示されるたびに料金が発生する課金モデル
- インプレッション数が多くなるよう配信される
CPC課金 |
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CPCとは「Cost Per Click」の略で、1クリックごとにかかる費用のことです。例えば、広告費が10万円で、その広告が1,000回クリックされた場合、CPCは100円です。ちなみに一般的なCPCの平均相場は50円〜1,000円程度です。(引用:WordStream)
CPCについて、より詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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広告の種類にもよりますが、クリック課金型の広告を出稿する際は、目的に応じていずれかの課金モデルを選びます。
CPM課金はインプレッション数が多くなるよう配信されるため、主に認知度向上やブランドイメージの構築におすすめです。一方、CPC課金はクリック数が多くなるよう配信されるのに加え、露出回数やクリック数に制限があるため、商品の販売に適しています。状況に応じて使い分けましょう。
インプレッションを増やす5つの方法
多くの場合、インプレッションを増やすことが広告を出稿する際の目的となります。インプレッションが増えるということは、それだけ認知が増えるということだからです。どうすればインプレッションを増やせるのか、以下の5つの方法を紹介します。
方法1 入札価格や設定の調整をする
まずは入札価格の調整を行ってみるといいでしょう。特にリスティング広告(検索結果に表示される広告)は、入札価格や入札目標によって広告が表示される箇所が変わります。
入札価格が低い場合や入札目標によっては、掲載順位が下がってしまうため、表示される機会も減ってしまい、インプレッションも増えづらくなってしまっている可能性があります。入札価格や入札目標を調整することで、インプレッションを増やすことが可能です。
方法2 予算を増やすこと
先ほどの入札価格を調整することともいえますが、単純に予算を増やせるのであれば予算を増やすのもひとつの手です。広告を掲載するメディアでは1インプレッションごとに単価を決めています。例えば、Facebookではあらかじめ予算を設定しておき、その予算分のインプレッションを達成したところで広告の表示が停止されます。つまり、予算をたくさんかければかけるだけインプレッションを増やせるのです。
方法3 キーワードを絞る
リスティング広告の場合は「検索キーワードを絞る」という方法が有効です。リスティング広告は入札制になっており、競合が多い人気のキーワードであるほど1インプレッションあたりの単価が上がります。
例えば「レストラン」というキーワードは広告を表示したい企業が多いので、その分単価が高くなります。これでは限られた予算でインプレッションを増やすことは難しいです。そこで、検索キーワードを絞ります。
「レストラン 東京」というキーワードにすれば、東京以外の地方では競合が減るため、単価も下がります。「レストラン 東京 イタリアン」のようにもっと絞れば、さらに競合が減り単価を安くできます。費用対効果の高いキーワードを模索してみましょう。
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方法4 ターゲットの見直し
ほかにも広告を配信しているターゲットが適切でない場合、インプレッションが増えないことがあります。
ターゲットやペルソナを設定する場合は詳細に作りこんだ方がいいという話もありますが、広告を配信する際の設定も事細かく設定してしまうと、結果的に配信される機会が減ってしまいインプレッションが増えないことにつながるのです。
そのため、広告の配信設定ではターゲットやペルソナは過度に設定しすぎず、ある程度配信してもらえるような内容にしてみましょう。
とはいえ、ターゲットの設定をゆるくしすぎてしまうと、本来と違う層にリーチしてしまう可能性もあります。ターゲット選定については以下の資料が参考になります。無料ダウンロードで利用できるのでぜひご活用ください。
方法5 広告の配信媒体や掲載方式の見直し
広告の配信媒体や掲載方式が合ってない場合、配信媒体を変えたり掲載方式を変えたりすることで今まで以上にインプレッションを増やせる可能性があります。
例えば、10代〜20代の女性がターゲットとしていてリスティング広告を配信している場合 内容にもよりますが、ターゲットの層的にSNSの広告を配信した方がインプレッションが増える可能性があります。
また、ひとくちにSNSの広告といっても媒体によって年齢層なども変わるため、ターゲットに合った媒体選びが重要です。
主要なSNSの特徴については下記の記事にて紹介していますので、SNSで広告を配信する場合にはぜひご参考ください。
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現役マーケターが実務で見るインプレッション
ここからはナイルの現役マーケターが、インプレッションをどのように見て、何を改善しているのか、実例を2つ紹介します。
リスティング広告の際の実例
ナイルでは、リスティング広告を分析する際、まずインプレッションシェアの分析を重視しています。
インプレッションシェアとは「広告が表示可能だった合計回数に対して、実際に広告が表示された割合」のことで、要するに、広告の表示機会をどれだけ活用できたかを示す指標です。
インプレッションシェアの求め方
広告が表示された回数 ÷ 広告が表示可能だった合計回数
インプレッションシェアが高い場合は、広告の表示機会を最大限に活用できていると判断できますが、低い場合には「広告の予算」や「入札するキーワードの選定」の問題を疑い、チューニングを行います。
ただ、現在のリスティング広告は、上位に表示されたからといって、必ずしもCTRやCVRが高くなるとは限りません。なぜなら、広告を意図的に回避するユーザーが増えてきているからです(参考:「約7割が広告を意識的に避けることが判明!リスティング広告に関するユーザー意識調査」)。
そのため、ナイルではインプレッションと合わせてCTRやCVRの推移も注視し、顧客のニーズに合わせたメッセージを発信できるよう、広告クリエイティブの調整を行っています。
ナイル流のリスティング広告の基本は、こちらの資料で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
SNS広告の際の実例
SNS広告でインプレッション分析をする際にまず行うのが「SNSプラットフォームごとに適した広告クリエイティブを用意できているか」の確認です。
一口にSNS広告といっても、FacebookやXなどプラットフォームによって「表示されやすい広告とそうでないもの」とが明確に異なります。そのため、SNS広告の分析時には、まずインプレッション数を確認し「適切なターゲットや人数に広告が届いているか」を見るようにしています。
例えば、インプレッションが数が伸びていない場合です。広告クリエイティブが該当のSNSの運営意図やユーザーに適していない可能性があるため、どんな広告のデザインや文言にすればインプレッション数が伸びるのかを検証し、調整しています。
また、インプレッション数とあわせてCTRも確認しています。なぜなら、いくらインプレッションが多くても、クリックされなければ意味がないからです。
CTRは広告クリエイティブの品質や、情報の鮮度によって低下します。CTRの推移を見て許容範囲を下回ってきたら、広告のデザインや訴求を少し調整するなどして、品質のチューニングや鮮度の向上を行います。
このように、インプレッション数を指標として活用すると、広告の効果を最大化するための戦略を立てられます。参考にインプレッション数の分析に挑戦してみてはいかがでしょうか。
適切なインプレッション数か分析すべき
ここまでインプレッションについてお伝えしてきましたが、重要なのは1インプレッションでも、ターゲットに対して適切なメディアを用いた1インプレッションと、そうでない1インプレッションでは重みが違うということです。
中高年をターゲットにした商材の広告出稿を、若年層向けのSNSに対して行っているのと、中高年がよく見るであろうニュースサイトに対して行っているのとでは、ターゲットに対する広告効果は異なってきます。
さらに、若者をターゲットにした商材でも、それがコスメやファッションなのか、就職活動用のリクルートスーツなのかでは、効果を出すための出稿先のメディアの選択肢は変わります。そのため、インプレッション数だけでなく、実際にそのインプレッション数が広告成果・売上にどう貢献しているのかが非常に重要です。
インプレッションは成果を測る上で重要な指標ではありますが、数ある指標の1つでしかありません。もしこうした指標に関して「何をKPIにおくべきなんだろう?」といった困りごとやメディアの運営について不安がある方は、弊社のコンサルタントがサポートいたします。お気軽にご相談ください。
最適なKPIってどう考えればいいのだろうとお困りの方へ