アクイジションとは?用語の意味や施策、成功の3つのポイントを解説
アクイジション(Acquisition)は、「取得」や「獲得」という意味を持つ英単語です。マーケティング用語では、「新規顧客の獲得」を意味します。
今回は、マーケティングにおける「アクイジション」の意味や施策、新規顧客獲得を成功させるためのポイントについて解説します。
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目次
アクイジション(Acquisition)とは
マーケティング用語としての「アクイジション」とは、新規顧客の獲得や開拓を意味する言葉です。
新規顧客の獲得・開拓の例としては、以下のようなものがあります。
- ITツールを取り扱っている企業で、新規の購入者を獲得した
- サブスクリプションサービスを提供している企業で、新規の登録者を獲得した
- 枕の販売をしている企業で、新規の購入者を獲得した
また、アクイジションはまれに、新規顧客の獲得に要した「費用」のことを指す場合もあります。例えば、100万円で100人の新規顧客を獲得した場合、1人あたりの「アクイジション」は1万円です。
ビジネスシーンでアクイジションが用いられる例としては、「AARRR」というワークフレームがあります。
AARRRとは
- Acquisition(ユーザー獲得)
- Activation(利用開始)
- Retention(継続)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益の発生)
AARRRは、上記の5つの言葉の頭文字を取った言葉で、ウェブマーケティングでよく用いられる手法です。AARRRについては以下の記事で紹介しているため、詳しく知りたい方は併せてご覧ください。
アクイジションとリテンションの違い
アクイジションとは「新しい顧客の獲得」を指すことに対して、リテンションとは「利用を始めた顧客の維持」を意味することという違いがあります。
アクイジション
新規顧客の獲得 |
リテンション
既存顧客の維持 |
リテンションは「既存顧客の維持」を意味するマーケティング用語です。AARRRのうち、「Acquisition(ユーザー獲得)」「Activation(利用開始)」に続く3つ目がこの「Retention(継続)」です。
もちろん新規顧客の獲得も大事ですが、ビジネスで成功するためには獲得した顧客を離さないための施策もまた重要です。そのため、アクイジションとリテンションはどちらも重視するべきと考えられます。
ただし、一般的には、リテンションよりアクイジションのほうがコストがかかることは多いです。「1:5の法則」といった言葉もあり、これは「アクイジションはリテンションよりも、時間や費用が5倍かかる」ことを表しています。
アクイジションの施策
アクイジションは、一般消費者を相手にする「BtoCビジネス」と企業を相手にする「BtoBビジネス」とで施策が異なります。
まず、BtoCのビジネスにおけるアクイジションは、「1. すぐに商品購入や問い合わせをしてくれる人との接点を持つ」、「2. 自社サービスに興味がある人へアプローチする」、「3. 自社サービスで解決できる悩みを持っている人へアプローチする」、「4. 将来的に自社サービスを使ってくれそうな人へアプローチする」の4ステップの施策で進めていきます。
ここでのポイントは、新規顧客に近い人から順番にアプローチしていくことです。そして、すぐに購入や問い合わせに至らない2〜4の方に対しては、定期的な働きかけを行って、より上位の段階へ進むよう促します。一方で、BtoBビジネスのアクイジションは、見込み顧客の情報(リード)を集めるところからのスタートです。
リード獲得の手法は、以下のようにオンラインとオフラインの施策があります。
オンライン施策
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オフライン施策
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リードの獲得方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
この記事もチェック
リード獲得後はリードナーチャリングを実施する
自社のサービスや商品に興味を持った方の情報(リード)が獲得できたら、リードナーチャリングを実施し購買意欲を促進させます。
リードナーチャリングの代表的な手法は、1. 電話、2. メール、3. オウンドメディア、4. ウェビナー、5. リターゲティング広告、6. チャットボット、7. SNSの7つです。
リードナーチャリングの結果、購買意欲が高まった見込み顧客に対しては、個別に連絡したり商談したりします。この個別アプローチが成功すると、新規顧客の獲得達成となります。
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アクイジション施策を成功させる3つのポイント
アクイジションを成功させるためのポイントは、下記の3つがあります。ここでは、それぞれのポイントの詳細を解説します。
ポイント1 施策を実施したら必ず分析をする
例えば、BtoBビジネスでリードの獲得を狙った際には、「オンラインとオフラインとではどちらの施策のほうが成果が出ているのか」を確認することが非常に重要です。
仮にオンラインの方が結果が良かったのであれば、自社のホームページへの流入経路を調べるなど、より詳細な分析をすることで施策の精度を上げていけます。
また、ある程度データが蓄積されたら、どういったユーザーのLTVが高いのかを調べるなど、収益面からの分析も有効です。LTVは「Lifetime Value」の略で、「顧客が生涯にわたって自社にどれほどの利益をもたらしたか」を表す指標です。
もちろんLTVの高いユーザーを獲得できたほうが良いのですが、質を求めすぎるとかえってリード数が少なくなってしまいます。広告を出す際などには、LTVとリード獲得数を天秤にかけ、コストに見合った成果が出ているのか定期的に確認することが大切です。
以上のように、分析した結果を施策に反映させていくPDCAを回していけば、成功率を上げていくことができるでしょう。
ポイント2 競合の施策を参考にする
ポイントの2つ目は、競合の企業がどのようなアクイジション施策を行っているのか分析することです。
競合が実施しているということは、その施策が上手くいっている可能性があります。特に「長い間続けている施策」は、効果が出続けている可能性が高いでしょう。競合の研究をする中で、自社も真似できるアクイジション施策を見つけて反映してみてください。
ポイント3 短期施策と長期施策との両方を実施する
最後のポイントは、短期と長期の両方の施策を実施することです。
アクイジション施策の中には、短期で成果が出やすい施策と成果が出るまでに時間のかかる施策があります。それぞれの施策の例は、以下のとおりです。
▼短期施策の例
- ウェブ広告
- ウェビナー
- オンラインカンファレンス
- セミナー
- 展示会
- オフライン広告
- ダイレクトメール(DM)
- テレアポ
- 飛び込み営業
▼長期施策の例
- SEO、コンテンツマーケティング
- サービス資料請求・問い合わせフォーム
- ホワイトペーパー
- SNS
- メールマガジン
長期施策は成果が出るまでに時間がかかる一方で、「成果が出始めたら安定して集客できる資産になりやすい」という特徴があります。そのため、短期施策を実施しつつ、SEO対策やSNSなどの長期施策も行い、安定した集客の仕組みを構築しましょう。
アクイジション施策を実施してビジネスを成功に導こう
アクイジションは時間とコストがかかるからといって、リテンションだけに注力していれば良いというわけではありません。
リテンションにおいては、既存顧客の離脱を防止し、定期的な接点を維持していかにロイヤルカスタマー化させていくかが重要です。一方で、新規顧客を獲得する戦略も欠かせません。
アクイジションもリテンションも将来的な利益や事業成長のためには重要であるため、事業のフェーズや費用対効果といったバランスを見ながら、両方に取り組み、最適な戦略を打っていくことが重要です。
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