SEOに取り組んでいるものの、成果がなかなか出ない。検索アルゴリズムの変動によって流入が安定しない――そんな悩みを抱えているメディア担当者も多いのではないでしょうか?
SEOは確かに重要ですが、それだけに頼ることはリスクも伴います。
海外の大手メディアでは、SEO以外の流入チャネルを強化したことで、安定したトラフィックを確保することができている例もあるため、早めに流入チャネルの拡大に取り組む必要があるでしょう。
ここでは、SEO以外からの流入を増やすための具体的な方法を解説します。
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目次
SEO以外からの流入に注力すべき理由
近年、生成AIの進化によって検索結果の表示方法が変化しつつあります。
特に、Googleの検索結果に生成AIの回答が表示されること(AI Overviews)によって、検索流入が減少するケースも見られます。
また、Googleコアアップデートによって検索順位が大きく変動することもあり、もしそこでマイナスの影響を受けてしまった場合を考えると、SEOだけに依存するのは危険といえるでしょう。
そのため、安定したサイト運営を目指すなら、SEO以外の流入チャネルを強化することが重要です。
例えば、イギリスの大手メディア「Reach PLC」は、Google検索からの流入数が前年比で25%減少しましたが、Google Discoverの活用によって流入を回復させることに成功しました。
このように、検索エンジン以外の流入チャネルを積極的に活用することが、今後のメディア運営において不可欠となっているのです。
SEO以外の流入チャネルと、それぞれから流入を増やすコツ
では、SEO以外で流入を増やすためには、どのようなチャネルが考えられるでしょうか。
具体的には次の4つがありますので、それぞれで流入を増やすコツを見ていきましょう。
<SEO以外の流入チャネル>
1 Google Discover
Google Discoverとは、Webやアプリにおける検索内容や閲覧履歴などをもとに、ユーザーが興味・関心を持っているコンテンツをGoogle上に自動的に表示する機能です。
Google Discoverの画面
Google Discoverに表示されるためには、ユーザーにとって有用なコンテンツであることが前提になりますが、有用だからといって必ず表示されるわけではありません。
ただ、表示される可能性を高めることはできますので、ここで紹介しましょう。
<Google Discoverに表示される可能性を高めるポイント>
参考:Google Discover の概要、掲載、表示方法 - Google 検索セントラル ブログ
Googleにコンテンツがインデックスされる
Google検索にインデックスされていないと、Google Discoverにも表示されません。
インデックスとは、作成したWebページの情報がGoogleのデータベースに登録されることをいいます。
Googleの検索結果に表示されるためにはインデックスが必須ですが、Google Discoverに表示されるためにも必要です。
Webページのインデックスを促す方法については、下記の記事をご覧ください。
<参考記事>
インデックスとは?確認方法とSEO上の効果
高品質な画像を使う
1,200px以上の高解像度画像を設定し、「max-image-preview:large」タグを指定することで、Google Discoverに表示されやすくなります。
高解像度の画像を設定しておくことで、Google Discoverのタイムライン上で画像が大きく表示されるため、クリック率(CTR)の向上も期待できるでしょう。
タイムリーなテーマの独自情報を提供する
そのとき話題になっているテーマを取り上げたコンテンツで、さらにほかのサイトにない独自性の高い情報が掲載されているものは、Google Discoverに表示されやすい傾向にあります。
ですが、例えばちょっと前に話題になったテーマで、速報性というには遅いタイミングで公開された場合でも、ほかにない情報で、そのテーマに関心の高いユーザーにとって価値があるページだと判断されれば、Google Discoverに表示される可能性はあるようです。
Google Discoverのポリシーを遵守する
Googleでは、Discoverのコンテンツポリシーを公開しており、ハラスメントコンテンツやヘイトコンテンツ、性的・暴力的な内容のコンテンツなどはNGとなります。
また、公開日や発信している企業、執筆者といった情報を公開し、メディアの透明性を保つことを意識しましょう。
ページタイトルを最適化する
クリックしてほしいがために、コンテンツの内容に沿っていない、ユーザーを煽るようなページタイトルがついたページを見たことがある人もいると思います。
そういったページはタイトルと内容が一致していないので、Google Discoverのコンテンツポリシーである「誤解を招くコンテンツ」に該当し、表示される可能性は低くなるでしょう。
そのため、ページタイトルはコンテンツの内容に沿ったものにすることを意識してください。
なお、タイトルに人物名、地名など固有名詞を含めると、前述の「ユーザーが興味・関心を持っているコンテンツ」と紐づきやすくなるため、結果としてGoogle Discoverに掲載されやすくなる傾向があります。
詳しくはこの記事をチェック!
2 GEO(生成AIによる検索結果の最適化)
GEO(Generative Experience Optimization=生成エンジン最適化)とは、検索結果に表示される「AIによる概要(AI Overviews)」において、その情報ソースとして自サイトのコンテンツが表示されるための施策。
今後、この重要性が増していく可能性が高いことを踏まえると、今から対策しておきたいところです。
<検索結果のトップに表示された、「AIによる概要」の情報ソースとなるコンテンツ一覧>
GEOでは、次のようなことを意識しましょう。
タイトルや見出し、目次に「〇〇のコツ」「〇〇の方法」といった文言を入れる
例えば、「〇〇 コツ」「〇〇 方法」といったワードで検索された場合、AI Overviewsでは「〇〇のコツ」「〇〇の方法」のような文言が含まれるコンテンツから情報を得る傾向があります。
そのため、タイトルや見出し、目次に、ユーザーの課題に対する回答が書かれていることを、わかりやすい形で示すことが大切だと考えられます。
箇条書きなど簡潔で明確な文章にする
生成AIは、短い文章の中で重要なことが端的に書かれているコンテンツから情報を引用しやすいようです。
ナイルのWebコンサルタントが独自に行った調査によると、AI Overviewsでは箇条書きのリストが抽出されるケースが多いことがわかりました。
そのため、なるべく箇条書きを活用するほか、文章だけでなく段落自体も長くなりすぎないほうが、生成AIが理解しやすいといえるでしょう。
E-E-A-Tを意識する
SEOでの取り組みと同様に、GEOでも専門性や権威性、信頼性が重要になってくると考えられため、E-E-A-Tを意識したコンテンツづくりを心がけましょう。
独自の情報をコンテンツに盛り込むほか、被リンク施策などによって権威性を高める取り組みをするのがおすすめです。
詳しくはこの記事をチェック!
3 メールマガジン
メールマガジンは、ダイレクトにユーザーとつながることができる重要なチャネルです。
SEOのように検索順位の変動に左右されず、メールを通じてユーザーへ定期的に話題を提供し、自サイトへの訪問を促していくことができます。
メールマガジンによって自社との接触機会が多くなるほど、ユーザーが自サイトへアクセスしてもらえる頻度はもちろん、コンバージョンにつながる可能性も高まるでしょう。
メールマガジンからの流入を増やすポイントについて、それぞれ見ていきます。
<メールマガジンから流入を増やすポイント>
配信頻度は多めにする
メールマガジンは、ある程度多く配信することによって、ユーザーが自サイトへアクセスする機会を増やすことが大切です。
メールマガジンは読む人と読まない人がいますが、読んでくれる人は自サイトへ頻繁に訪問してくれるホットなユーザーであり、自社の商品やサービスへの関心が高いことが考えられます。
こういったユーザーは見込み顧客になる可能性が高いため、ホットなユーザーをつなぎとめるためにも、メールマガジンは高い頻度で配信するといいでしょう。
ナイルでは、週に5~7回の頻度でメールマガジンを配信していますが、このくらいは一般的だと考えられます。
適切な配信時間を設定する
自社のビジネスがBtoBかBtoCかで、理想的な配信時間は異なると考えられます。
メールマガジンはターゲットがメールをチェックしやすいタイミングで配信できるかが重要になるため、ユーザー層の生活スタイルに応じて配信時間を検討する必要があるでしょう。
例えば、BtoBの場合は、朝の通勤時間に情報収集をしたり、メールチェックから業務を開始したりするビジネスパーソンが多いと考えられるため、朝の時間帯(8~10時頃)にメールマガジンを配信するのが一番おすすめです。
ナイルのメールマガジンは、朝の時間帯に配信したメールが最も開封率・コンバージョン率が高いことがわかっています。
また、お昼休み中のメールチェックを狙った11~12時頃、退勤時間にじっくり読んでもらうことを意識した17~18時頃の配信もいいでしょう。
<BtoBのメールマガジンにおすすめの配信時間>
情報のGIVEとTAKEのバランスを考慮する
「メールマーケティング 嫌われないメルマガのすべて」(田中森士、三友直樹 著)という書籍では、メールマガジンを「GIVE」と「TAKE」の2種類に分けて定義しています。
「GIVE」は受け手(ユーザー)の困り事や課題を解決してくれるもの、「TAKE」は発信者(運営側)の事業に貢献するもの(コンバージョンにつながるもの)で、その2つをバランス良く配信することが大切だと書かれています。
<メールマガジンの種類>
運営側からすると、どうしても宣伝やコンバージョンに直結するような「TAKE」のほうを配信したくなってしまいますが、そればかりになると、ユーザーにとって読み続けたいメールマガジンになりません。
「GIVE」のほうも積極的に配信することで、ユーザーから「有益な情報を得られる」と思ってもらうことが重要。
メールマガジンを通して自社の持つ知見や強みを理解してもらうことで、商品やサービスへの興味・関心を醸成する――こういったストーリーが理想です。
メールマガジンを多く配信するとなると、ネタづくりが大変と思われる方は多いかもしれませんが、すべてゼロから作る必要はありません。
自社でこれまでに作ってきたコンテンツを活用したり、営業メンバーから顧客の生の声をヒアリングしたりなど、あまり難しく考えずにテーマを見つけてみるといいでしょう。
詳しくはこの記事をチェック!
4 ダイレクト
ダイレクト流入とは、ブックマークやURLの直接入力、閲覧履歴を踏まえたサジェスト機能などを通じたアクセスのことを指します。
ただ、ダイレクト流入を増やす施策というのは、明確にはないのが実際のところです。
そのため、ここで言えるのは、ダイレクトに設定されているものが何なのかを把握し、GA4などで設定すること。
メールマガジンやSNSアプリなどからの流入は、設定が適切にされていないと「ダイレクト」としてカウントされます。
さまざまなチャネルからの流入が混在した状態で「ダイレクト」として処理されてしまうと、例えば一時的にダイレクト流入が増えた場合、なにが要因なのかが特定できず、効果的な施策につなげることができなくなるでしょう。
しっかり流入経路が明確になるようにGA4で設定し、適切な計測が行えるようにしてください。
サイト運営を安定させるには、SEO以外のチャネルからの流入獲得が必須!
Googleのアルゴリズム変動や生成AIの普及により、検索流入の不安定さが増している昨今、SEOの流入だけに依存するのはリスクが高まってきています。
ここで紹介したSEO以外のチャネルからの流入を増やすことで、検索流入の増減に一喜一憂せず、安定したサイト運営を行うことができるでしょう。
ナイルでは、SEOだけでなく、GEOを活用した流入施策やメールマガジン運用の支援なども行っています。
流入チャネルの多様化に課題がありましたら、ぜひ無料相談をご活用ください!
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