SEOで「勝てる」キーワードの選び方!カスタマージャーニーを活用しよう
SEOに取り組む上で、避けて通れない「キーワード調査」。
「SEOに取り組もう!」と会社に言われ、なんとなくキーワードが重要と言われているものの、どういうキーワードが良いキーワードなのか分からず、ツールを使って出てきたキーワードの検索回数と順位を取得して、数千のキーワードリストにして...と機械的にキーワード調査を行っていませんか?
今回は、下記のような方に向けて、課題解決のヒントとなるSEOのキーワード選定方法について紹介していきます。
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目次
今回の記事を読んでいただきたい方
今回の記事を読んでいただきたい方
- SEOに取り組もうとしているが、まず何から始めれば良いかわからない方
- 狙っているキーワードが全然順位が上がらず途方に暮れている方
- キーワード調査って、ツールから出てくるキーワードを使えば良いと考えている方
SEOにおけるキーワード調査の重要性
突然ですが「SEOでやること」と言えば、何を思い浮かべますでしょうか?
「title要素の調整」「サイト構造の変更」「コンテンツを作る」...
といったSEOの施策を思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、そのような技術的な調整やコンテンツ制作に取り組む前段階として、
「サイトで流入を獲得していきたいキーワードを決める調査」が必要になります。
キーワード調査を行わない場合、何となく検索回数の多いビッグキーワードだけを狙いに行ってしまったり、自社サイトでは上位表示が難しいキーワードばかり狙ってしまったりと、茨の道を歩んでしまう恐れがあります。
そのため、キーワード調査・選定は一見地味で時間が掛かりますが、
・勝てないキーワードにリソースを消費しないため
・SEOの成果を最大化するため
といった、オフェンスにもディフェンスにも大切な下準備になってきますので、時間を掛けてでも納得がいくまでやりきっておくことを推奨いたします。
また、キーワードを洗い出すという作業では、そのキーワードで検索するユーザーがどのような人で、どうような情報を探しているのか?キーワードを通してその先のユーザーをイメージすることが非常に重要です。
サイトへ来てもらいたいユーザーがどのような人なのかをイメージしたうえで、キーワード調査を行いましょう。
では、その重要なキーワード調査・選定についてステップを追って確認していきましょう。
STEP1:カスタマージャーニーからキーワードの種を出す
まず、自社サイトに訪れる人は、何を目的に訪れるのかを考えてみることが重要です。
検索するキーワードとはユーザーのニーズが言葉として現れたものです。
例えば、「五反田 求人」というキーワードは、ユーザーの「五反田にある自分に適した求人情報が知りたい」というニーズが形になったものです。
自社サイトを利用するユーザーがどんな人物で、何を求めているのか考えることで、検索キーワードの種を見つけ出すことができます。
具体的には、AISASやAIDMAなどのマーケティング理論を用いて、カスタマージャーニーを考慮し、検索キーワードを考えることが必要になります。
自社サービスを使うメインとなる層の人が、個別の心理状態でどのようなキーワードを検索するだろうか、以下のようにそれぞれのパターンごとに考えて出していきます。
この際注意しないといけないのは、コンバージョン(CV)に近く検索需要のあるキーワードに捉われすぎないことです。
例えば、求人サイトだと「エンジニア 求人 東京」、ECサイトで言えば「靴 通販」等のキーワードはCVに近く検索需要のあるキーワードです。
CVに近く検索需要のあるキーワードは、どのサイトも狙いに行く競合性が非常に高いキーワードになります。(ビジネス的には最も美味しいキーワードなのですが...)
しかし、ユーザーが実際の購買行動を起こすまでに、いろいろな心理的変化があって、その時々によって検索行動も検索キーワードも多様に存在しています。
上記の例で言えば、「靴 通販」と調べた大学生の男性ユーザーは、「靴 通販」と調べる前に下記のようなニーズを抱えて検索をしているかもしれません。
「靴 通販」と調べる大学生の男性が他に調べそうなキーワード例:
「そもそも今はどこのブランドの靴が人気なんだろう?」と疑問に思う
→「大学生 靴 ブランド」や「大学生 靴 メンズ」と検索
「就活が近づいてきたから就活用の革靴を買わないといけない」と考える
→「革靴 就活」や「革靴 就活 種類」と検索
上記のように、ユーザーの行動や心理の変化の過程にある検索キーワードを考えることで、今までにはなかった視点で取るべきキーワードを考えることができます。
もちろん、ユーザーの属性や行動パターンは一つとは限らないので、いろんなパターンを考えることで、キーワードの幅は広がっていきます。
STEP2:キーワードを拡張して考える
カスタマージャーニーに沿って出したキーワードは、「線」でしかありません。
「線」の状態では、ビジネスとして成り立つだけの流入を確保するキーワードを担保できません。
次にやることは、この「線」で出したキーワードを「面」にすることです。
選出したキーワードをベースに関連するキーワードを出していくことで、いろんなパターンを考えていきます。先ほど、例に出した靴のECサイトで実際に考えてみましょう。
1.キーワードを抽象化し、ブレストする
STEP1で出てきた具体的なキーワードを抽象化し、同じ概念の中で同じ粒度のキーワードをブレストしてみます。
基本的に、検索キーワードというのは1つづつ出てくるものではなく、1つのキーワードを思いついたのであれば、関連して2,3個のキーワードは思い浮かんでくるはずです。
キーワードを抽象化してブレストする例:
「スニーカー」というキーワードを「靴の種類」と抽象化
→「革靴」「ブーツ」「サンダル」など靴の種類をブレスト
「革靴 メンズ」というキーワードを「性別」と抽象化
→「ウィメンズ」「男性」「女性」など性別の言い方をブレスト
「ブラウン」というキーワードを「色」と抽象化
→「ブルー」「ブラック」など色の種類をブレスト
上記の様な形で、キーワードを考えていくと同じ粒度のキーワードが沢山出てくるかと思います。
1つのキーワードを思いついたのであれば、同じ粒度のキーワードがないか確認するようにしましょう。
2.粒度を変える
ニーズが漠然としているキーワードは、キーワードを因数分解してみることで、キーワードが階層的に広がっていきます。
また、逆にニーズが具体的なキーワードは抽象化することで、新たなキーワードが見つかることもあります。
粒度を変える考え方の例:
「革靴」を分解
→「ストレートチップ」「メダリオン」「プレーントゥ」などに分解できる
「エアマックス」の親概念を考える
→「NIKE」「エアマックス」「ハイカットスニーカー」などの上位概念が考えられる。
3.キーワードをさらに抽象化し、幅を広げる
いくつか出てきたキーワードのニーズを更に抽象化し、その概念に当てはまる検索キーワードをブレストすることで、カスタマージャーニーでは網羅しきれなかったキーワードを拾います。
より抽象化して幅を広げる考え方の例:
「ブラウン」「ストレートチップ」といったキーワードが見つかった
→「色」「形」と抽象化
→「こだわり」や「好み」といった概念にさらに抽象化
→「サイズ感」「底の厚さ」「素材」「製法」といった他のこだわりをブレスト
→「細め」「厚底」「カーフ」「レザーソール」「マッケイ製法」など具体的なキーワードを発見
カスタマージャーニーで出したキーワードを種にして、1~3の考えを繰り返していくことで、「線」だったキーワードが「面」になっていきます。
キーワードが「面」になってくると今までには見えてきていなかったキーワードが出てきたり、ビッグキーワードだけでなく対策するべきキーワードが沢山あることに気づいてきます。
STEP3:ツールを利用して、検索需要の確認と新たなキーワードの切り口を探す
STEP2の考え方でキーワードを洗い出せば、大方のキーワードは出てくるかと思いますが、それでも抜け漏れは発生いたします。
そこで、キーワードのアイデア出しを手伝ってくれるツールを利用して、STEP2までに出したキーワード以外の切り口の参考にします。
ただし、最初からツールで出そうとするとどうしても視野が狭くなり、様々なタイプのキーワードを考えることが難しくなってしまいます。
そのため、ツールを使う際はある程度キーワードを考えた後に使うようにすることをおすすめいたします。
実際に弊社でもキーワード調査の際に利用する、主なツールをご紹介いたします。
Google広告のキーワードプランナー
Google 広告(旧:Google Adwords)のキーワードプランナーはGoogleの提供しているツールで、キーワードが月間の検索でどれくらい検索されているか、リスティング広告での競合性、関連しているキーワード等の情報を取得することができます。
STEP1・2で出した検索キーワードのニーズがどのくらいあるのかを把握するために利用したり、新たなキーワードの切り口を探すために利用したりと、万能なツールになります。
※Google Adwordsに登録していれば無料でも使うことはできますが、無料の場合は詳細な月間の検索回数を計ることはできません。
ざっくりとキーワードプランナーで出来ることまとめ:
・キーワードの月間の検索回数を出せる(検索ニーズの把握)
・指定したキーワードと関連するキーワードを出せる
ラッコキーワード
関連キーワード取得ツールは、Googleサジェストといった検索エンジンの関連検索機能からデータを取得し、一括表示してくれるサービスです。検索窓に特定のキーワードを入力すると、[あ〜ん]、[a〜z]、[0〜9]を頭文字とするサジェストキーワードを表示してくれます。
また、入力したキーワードが含まれたYahoo!知恵袋などへのリンクも表示されるため、ユーザーのリアルなニーズや悩みを合わせて知ることができます。
ざっくりと出来ることまとめ:
・「指定したキーワード+○○」というキーワードを洗い出せる
・サジェストなので、実際にユーザーが検索したことがあるキーワードを見つけられる
・キーワードの実際の悩みを把握できる
他にもキーワードツールは多く存在していて、有料のツールでは、競合サイトの流入キーワードを確認することや、特定のキーワードでどういうサイトが上位表示されているかなどを確認することが出来る、高機能なツールも多く存在しています。
高機能なキーワードツールの例
まずは無料で利用できるツールを使ってみて、そのツールでは出来ないことをやりたくなった場合は、有料のツールを利用してみることを推奨いたします。
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STEP4:洗い出したキーワードの取捨選択と優先度付けを行う
STEP1~3を通して、キーワードはある程度洗い出しは終了しているかと思います。
しかし、全てのキーワードを対策することは現実的ではないため、キーワードの「取捨選択」と「優先度付け」を行う必要があります。
キーワードの取捨選択
自社サイトのタイプやビジネスモデルによっては、上位表示が難しいキーワードがあります。
例えば、自社製品しか扱っていない靴のECサイトだった場合、「靴 オススメ」といったキーワードで上位表示することは困難です。
なぜなら、「靴 オススメ」というキーワードには「様々なブランドの靴でオススメの靴を知りたい」というニーズがあると考えられ、自社製品しか掲載していないECサイトではニーズに応えるページを作ることが出来ず、上位表示が難しくなります。
上記の例の様なキーワードがあるため、検索回数やCVへの近さだけでなく「そのキーワードのニーズに対して、自社サイトは応えられるのか」を考え、キーワードの取捨選択を行います。
ある程度慣れてくると、STEP1・2の段階から難易度の高いキーワードを除外してキーワード選定を行うことが出来ますが、慣れないうちは網羅的に洗い出しておいたほうが、後々から抜け漏れを探したりするより工数として少なくなる場合が多いです。
キーワードの優先度付
よくある間違えですが、検索回数が多いキーワードから狙っていけば良いとは限りません。
キーワードの優先度を考える際には基本的には以下の内容を複合的に考慮した上で、優先度を設定します。
キーワードの優先度の考え方
- 自社サイトはどうマネタイズしているか
- ーワードのCVへの遠近と検索需要の大小
- キーワードに対してページが存在しているか、作成できるか
それぞれについて、ご説明いたします。
1.自社サイトはどうマネタイズしているか
自社サイトのタイプやマネタイズの種類が広告・EC・会員登録と異なることで、キーワードの優先度は変わります。
靴のECサイトの場合、基本的には商品を売ることが重要となるため、売れ筋商品や利益率の高い靴の種類などに注力するのがオーソドックスです。
しかし、「実はアフターサービスをやっていて、アフターサービスのユーザーはLTVが高いが、そもそも認知されていない」などの課題があった場合は、「靴 修理」といったキーワードを優先的に狙うこともあります。
ビジネス上どこに注力したいか、どこに課題を感じているかによって狙うキーワードの優先度が変わります。
2.キーワードがCVに対してどこに位置しているか
検索回数が多かったり、競合性が低かった場合でも、CVに繋がることが難しいキーワードは優先度として低くなります。
そのため1で確認した情報を踏まえて、キーワードのCVへの遠近と検索需要の大小を4象限に分けて、ざっくりとマッピングします。
サイトの規模や状況によって変わりますが、基本的には下図の②と③のキーワードをまずは狙い、長期的には①で勝つための取り組みを続けることが現実的です。
キーワードの優先度のマッピング
3.キーワードに対してページが存在しているか、作成できるか
良いキーワードを見つけても、そのキーワードに対応するコンテンツがなければ上位表示させることはできません。
例えば、「赤い スニーカー」で対策しようと思っても、サイト内に赤いスニーカーをまとめて掲載しているページ等を用意してなければ、上位表示することは難しいでしょう。
そのため、キーワードに対応しているページに対してリソースを割くのか、ページを作るためにリソースを割くのか、自社のリソース状況によって変わってきます。
「キーワードに対してコンテンツをどうするか」は別の記事にて解説しておりますので、そちらも参照してみて下さい。
キーワード調査のSTEPまとめ
キーワード調査のSTEPまとめ
- ユーザーの行動や心理を考え検索キーワードの種を出す
- キーワードの種を縦横に広げて洗い出す
- ツールを使って、抜け漏れや新たな切り口を探す
- 洗い出したキーワードの取捨選択と優先度を設定する
上位表示に繋がるキーワード選定を動画で紹介しています!
キーワード調査とはユーザのニーズを知ること
キーワードの洗い出しから、優先度を決めるまでの流れを解説いたしました。
最初のキーワード調査で手を抜いてしまうと、単純に検索回数だけでキーワードを選んでしまったり、自社に合っていないキーワードを選んでしまうと、成果が出ない割に疲弊してしまいます。
そうならないように、キーワード調査はじっくりと時間をかけて行なっておく必要があります。
冒頭でも述べたようにキーワードとはユーザーのニーズが形になったものです。
「キーワード選定」を作業として考えるのではなく、「多種多様なユーザーのニーズを知ること」と考えて行ってみてください。
そうすることで、今まで見えてこなかった視点やサイトの課題が見つかるかもしれません。
SEOについて詳しく知りたい方はこの記事も読んでみてください。
ナイルでは、ビジネスの課題を踏まえた上で、サイトのSEO戦略を考えています。
もし、自社だけでやっていくことに限界を感じていたり、第三者からの意見を聞いてみたいなどのご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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