製造業にSEOは必要?問い合わせを増やすポイントや進め方を解説

製造業にSEOは必要?問い合わせを増やすポイントや進め方を解説
早川 晃輔(はやかわ こうすけ)

著者情報

コンサルティングユニット|早川 晃輔
WEBシステム開発会社にて受託開発・SaaS製品の営業及びマーケティングを担当。自社サービスサイトの流入・CV改善施策等にも従事。その後新規事業チームを立ち上げ、複数のWEBメディア運営・ブロックチェーン関連事業の戦略立案・マーケティング等を行う。
ナイルでは、メディア運営やマーケティングの経験を活かし、SEO・WEBマーケティングのコンサルティング業務に従事。
WEBシステム開発会社にて受託開発・SaaS製品の営業及びマーケティングを担当。自社サービスサイトの流入・CV改善施策等にも従事。その後新規事業チームを立ち上げ、複数のWEBメディア運営・ブロックチェーン関連事業の戦略立案・マーケティング等を行う。
ナイルでは、メディア運営やマーケティングの経験を活かし、SEO・WEBマーケティングのコンサルティング業務に従事。

多くの企業がオンラインで情報を探し、製品やサービスの比較検討を行う現代において、製造業もSEOを実施することで新規顧客の目にとまりやすくなり、問い合わせの増加が期待できるでしょう。

本記事では、製造業ならではのSEOを実践する際のポイントを解説。
ナイルが支援した製造業の成功事例も紹介しますので、参考にしてください。

また、ナイルでは、SEOをはじめとするWebマーケティングの支援サービスを行っています。
これまでに担当した企業は2,000社以上。コンテンツ制作やサイト改善も含め、一気通貫でSEOをサポートいたします。

ナイルのSEO支援の概要をまとめた資料をご用意しておりますので、下記よりダウンロードしてご覧ください。

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製造業におけるSEOのポイント

BtoBビジネスが主流の製造業は、プロジェクト単位での発注額が大きく、担当者や技術者と直接の協議が必要になるため、Webサイト内でクロージング(取引完結)まで行われるケースは基本的にありません。

そのため、SEOを実施する際は、認知の向上やリード獲得を意識したアプローチが重要になります。

また、製造業におけるSEOでは、自社の専門知識を活かしてコンテンツの質を高めることがポイントです。

自社の強みや専門知識、材料や加工方法など独自のノウハウをアピールしたコンテンツを発信することで、競合他社との差別化を図りましょう。

ただし、製造業の場合は対策できるキーワードが少ない上に、業種によって使う用語が異なるため、検索クエリ(ユーザーが検索する際の語句)が分散しやすいという特徴があります。
そのため、キーワード選定の難易度は高いです。

<参考記事>
BtoB企業にSEOが必須の理由とは?効果的な進め方や成功事例を紹介

\製造業のWebマーケティングで押さえておくべきことを解説!/

製造業のSEOを実施するステップ

続いて、製造業のSEOを行う手順を見ていきましょう。

ステップ1 コンテンツを誰に届けたいのかを明確にする

まずは、ペルソナや、カスタマージャーニーマップを作成し、誰にコンテンツを届けたいのかを明確にしましょう。

ペルソナとは、ターゲットとなる顧客の具体的な人物像のこと。
ユーザーインタビューなどを踏まえ、職業や性格、業務上での悩みや情報源などを、細かく設定します。

<ペルソナの例>

製造業のペルソナの例

また、カスタマージャーニーマップは、認知からお問い合わせ、成約、そして顧客になった後を含めて、ユーザーの行動や感情・思考の流れを時系列で可視化したものです。

<カスタマージャーニーマップの例>

製造業のカスタマージャーニーマップの例

こうして顧客の実態やニーズを具体的にとらえることは、キーワード選定の際に役立ちます。

<参考記事>
【具体例あり】カスタマージャーニーとは?作成方法や6つの活用アイデアを紹介

\ペルソナ設計の方法は、こちらの資料で詳しく紹介しています!/

ステップ2 競合サイトを分析する

続いて、競合のWebサイトがどのような内容になっているかを確認しましょう。
分析する際は、下記の点に着目してください。

<競合サイトを分析する際に確認すること>

  • ターゲット
  • コンテンツの特徴(記事ページ、製品ページなど)
  • コンテンツの量と質
  • 検索上位を獲得しているキーワード

また、製造業の企業のWebサイトによくあるコンテンツは、次のようなものです。

<製造業の企業のWebサイトによくあるコンテンツ>

  • 製品ページ:自社製品の特徴や仕様、どんな業界や製品に活用されているかを紹介するページ、自社の技術力や規模をアピールするページ
  • 知識系ページ:用語解説や基礎知識を提供するページ
  • まとめ系ページ:関連する製品や企業情報をまとめたページ

Ahrefsなどのキーワードツールを用いて、競合サイトがどのようなキーワードで上位を獲得しているのかを確認し、それらがどのタイプのページでランクインしているのかをチェックしましょう。

※Ahrefsで流入キーワードを確認する方法は「Ahrefsの使い方 | ナイルSEOコンサルタントが実践する活用方法」をチェック

例えば、知識系ページで検索上位を獲得できているケースが多ければ、自サイトでも関連する用語解説や基礎知識を提供するコンテンツを制作することが、自然検索流入を増やすことにおいては有効といえます。

また、製品ページが、固有のブランド名による指名検索だけでなく、一般的な製品名で検索上位を獲得できている競合サイトの場合は、自社の製品ページと比べて、何が違うのかを分析してみてください。

競合サイトとの差異からユーザーが求めている情報が何なのかを知り、自サイトに取り入れることで、検索上位を狙いやすくなるでしょう。

ステップ3 キーワードを選定する

SEOで自社への問い合わせにつなげるためには、顧客のニーズがあり、検索結果の上位に表示される可能性のあるキーワードを選定しましょう。

キーワード選定は、次のような流れで行っていきます。

1 メインキーワードを選定し、掛け合わせキーワードを洗い出す

自社の製品やサービスに関連するキーワードの中から、主軸となるメインキーワードを選定します。

メインキーワードには、自社のビジネスとマッチしていて、できるだけ検索ボリュームが大きいキーワードを選んでください。

例えば、ガラス素材のメーカーなら「ガラス」「強化ガラス」がメインキーワードに挙げられます。

そして、メインキーワードを選択したら、それと掛け合わせて検索される可能性のあるキーワードをできるだけ多く洗い出します。

例えば、メインキーワードが「バリ取り」であれば、「バリ取り 工具」「バリ取り 自動化」といった掛け合わせキーワードが考えられるでしょう。

なお、掛け合わせキーワードの洗い出しには、ラッコキーワードや、Googleが提供するキーワードプランナーといったツールを使うのがおすすめです。

2 キーワードの精査とグルーピングを行う

掛け合わせキーワードの洗い出しが終わったら、キーワードの精査とグルーピングを行います。

自社の製品やサービスに無関係なキーワードや、検索ボリュームが極端に少ないキーワードが含まれていたら削除し、残ったキーワードはユーザーのニーズにもとづいてグルーピングします。

グルーピングのイメージは、下記のようなものです。

<「強化ガラス」の掛け合わせキーワードの場合>

「強化ガラス」について知りたいグループ:「強化ガラス 強度」「強化ガラス 見分け方」
「強化ガラス」の製品を探しているグループ:「強化ガラス 皿」「強化ガラス グラス」

3 対策するキーワードの優先順位をつける

最後に、リード獲得などSEOを行う目的や、検索ボリュームなどキーワードの特性、競合の状況を踏まえて、優先的に対策するキーワードを決めていきます。

<ナイルからお客様にご提出しているキーワードリストの例>

製造業のキーワードリストの例

対策するキーワードの優先度を高・中・低で示しています。

<参考記事>
【初心者向け】キーワード選定とは?SEOマーケターがノウハウを伝授

ステップ4 コンテンツを制作する

コンテンツの制作は、次のような流れで行います。

<コンテンツを制作する手順>

  1. 構成案を作る
  2. 原稿を執筆する
  3. 校正する

1 構成案を作る

構成案を作成する際は、まず検索上位に表示されているWebページがどのような内容になっているかを確認しましょう。

特に、検索結果の1ページ目に表示されているWebページはすべてチェックするのがおすすめ。
検索上位のWebサイトを分析することで、そのキーワードで検索しているユーザーのニーズを把握し、自サイトのコンテンツに落とし込みます。

そのため、ある程度は競合サイトに盛り込まれている内容を反映する必要はありますが、まったく同じ内容にすれば良いわけではありません。

検索エンジンから評価されるためには、自社の専門性を活かした信頼性の高い情報を、独自の視点を交えて提供することが求められます。

2 原稿を執筆する

コンテンツ制作者は、一度ページに流入したユーザーは最後まで読んでくれると思いがちですが、それはかなり稀です。

よっぽど興味を惹く内容になっていなければ、どんなコンテンツでも読んでもらえません。

魅力的なコンテンツにするためには、下記の点を意識してみましょう。

<魅力的なコンテンツにするポイント>

  • ユーザーの興味を引くタイトルを付ける
  • 見出し(H2、H3など)にキーワードや関連キーワードを自然に盛り込む
  • 本文は結論から始め、ユーザーの思考の流れに沿って解説する
  • 適切な位置に画像や図版を配置し、読みやすいレイアウトを意識する

ステップ5 効果検証をする

コンテンツを公開してから一定期間が経過したら、セッション数や対策キーワードでの順位、流入が発生しているキーワードとその順位、問い合わせ数や資料ダウンロード数などのコンバージョン数を分析しましょう。
これにより、SEO施策の効果を検証し、必要な改善点を確認できます。

まず、GA4を用いてセッション数や直帰率、コンバージョン数などをチェックしてください。
さらに、Google Search Consoleで現在の検索順位を確認しましょう。

Google Search Consoleの画面

Google Search Consoleの画面

セッション数が多く、コンバージョン数も多いコンテンツは、文句なしで貢献度が高いといえますが、そううまくいかないことのほうが多いはず。

セッション数は少ないけどコンバージョンは多いもの、逆にセッション数は多いけどコンバージョン数は少ないもの、両方とも振るわないものなど、さまざまなパターンがあるでしょう。

それらのマイナスポイントに対して、どうアプローチして改善していくかを検討し、PDCAを繰り返すことが成果につなげるポイントといえます。

コンテンツの分析方法については、次の記事でごく簡単な方法を紹介していますので、参考になさってください。

<参考記事>
コンテンツの貢献度はどうはかる?見るべきデータや分析方法を解説!

\SEOのサイト分析については、こちらの資料もチェック!/

製造業のSEOを成功させるポイント

製造業のSEOを成功させるには、下記のポイントを意識しましょう。

1 検索ユーザーのニーズに沿った独自性のあるコンテンツを制作する

検索結果の上位に表示されている競合ページの内容から、検索ユーザーのニーズを推し量り、それに応えた質の高いコンテンツを制作することが、SEOで成果を出すにあたって必須です。

ポイントは、自社の強みを打ち出した独自性のあるコンテンツにすること。

自社ならではのオリジナルの情報などを盛り込み、ユーザーがそこに価値を感じられれば、エンゲージメント率や直帰率などユーザー行動の面で良い影響が期待でき、検索結果の上位表示に寄与するでしょう。

また、そういった質の高いコンテンツが多ければ多いほど、SEO面でのメリットは大きいといえます。

1本のコンテンツをひたすら磨き続けるというよりも、サイト全体でコンテンツの質を高めることが、検索エンジンからの評価につながるのです。

2 ロングテールキーワードを狙う

ロングテールキーワードとは、複数の単語で構成される、検索ボリュームが少ないキーワードのことです。

検索ボリュームが少ない=競合が少ないため、検索ボリュームの多いに比べて検索上位を狙いやすいという特徴があります。

また、多くのロングテールキーワードは、製品・サービスの購買意欲が高いユーザーが検索する傾向にあるため、適切なコンテンツを提供できれば問い合わせの増加につながる可能性が高いです。

ロングテールキーワードを見つけるには、“掛け合わせ”がポイント。

「製造業」のようなメインキーワードに、具体的に知りたい事柄のキーワードが掛け合わされます。

例:「製造業 限界利益率 目安」「製造業 不良率削減」

次のように、検索エンジンのサジェスト機能や、ラッコキーワードのようなキーワードツールを活用すると見つけることができます。

<Googleの検索画面にサジェストで表示されるロングテールキーワード>

サジェストで表示されるロングテールキーワード

検索窓にメインキーワードを入力すると、その掛け合わせキーワードがサジェストで表示される。

<参考記事>
ロングテールキーワードとは?探し方や対策するメリットを紹介

3 指名検索対策をする

指名検索とは、ユーザーが特定の企業名や製品・サービス名など、明確な対象を指定して検索することを指します。

すでに企業を認知していたり、特定の製品やサービスに関心があったりするユーザーが検索するキーワードになるため、問い合わせなどのコンバージョンに直結する可能性が高いです。

指名検索ユーザーを確実に自サイトに取り込むためには、もちろん検索結果で上位に表示されるようにしなければなりません。
そのためには、まず企業名やブランド名を含めたページタイトルやディスクリプションを設定しましょう。

ただ、指名検索対策は個々のコンテンツを最適化するだけでは不十分です。
指名検索対策をゼロからレクチャーする資料をご用意していますので、こちらもご活用ください。

4 テクニカル対策を行う

テクニカル対策(内部対策)とは、検索エンジンに自サイトを正しく評価してもらうための施策です。

これを適切に行うことで、クローラーが自サイトの情報を正確に収集してくれるため、検索結果の向上が期待できます。

<検索エンジンが検索結果の順位を決定する仕組み>

Googleの検索結果に表示されるまでの工程

主なテクニカル対策は次のとおりです。

<主なテクニカル対策の役割と対策方法>

主なテクニカル対策の役割と対策方法

上記のテクニカル対策については、下記の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。

<参考記事>
URL正規化とは?よく見る正規化されていないパターンとその対処法について
【基本】パンくずリストとは?メリットや種類、SEO効果について解説
alt属性とは?SEOに効果的な書き方や設定・確認方法を解説
内部リンクとは?SEO効果を得るための内部リンク最適化について

これらのテクニカル対策を適切に行うことで、ユーザーが求めている情報を見つけやすいWebサイトを構築することができ、ユーザー満足度と検索エンジンからの評価の向上が期待できるでしょう。

5 E-E-A-Tを高める

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4つの要素を表す略語で、SEOにおいて情報の品質と信頼性を判断する際の重要な評価基準のこと。

E-E-A-Tを強化することで検索エンジンからの評価が向上すると、検索結果における上位表示の可能性を高めることが期待できます。

<E-E-A-Tの各指標の概要>

E-E-A-Tの各指標の概要

この中でも、Googleが最も重要な要素としているのが「Trustworthiness(信頼性)」です。

サイトの信頼性を高めるには、運営者や執筆者の情報を明記したり、信頼できる公的機関や専門サイトからの引用を積極的に取り入れ、情報源のリンクを設置したりすることが推奨されます。

製造業においては、実績や事例、顧客のレビュー、パートナーシップ情報を掲載することで、信頼性を示すことができるでしょう。

参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 - Google 検索セントラル ブログ

<参考記事>
【徹底解説】E-E-A-Tとは?SEOにおけるGoogleの評価基準やその対策を紹介

6 サイト規模に応じたCMSを導入する

SEOを成功させるためには、自サイトの規模や運用体制に合ったCMSを導入し、SEOの土台をしっかりと整えることも大切です。

CMSとは「Contents Management System」の頭文字をとった言葉で、Webサイトの専門知識がなくても、ページ作成や既存ページの更新ができる管理システムのこと。

CMSの種類は多くありますが、大きく次の3つに分けられます。

<CMSの主な種類と特徴>

CMSの種類 特徴
オープンソース型CMS
  • 代表的なものにWordpressがある
  • ソースコードが無償で公開されているソフトウェアを利用する
  • ・低予算で導入でき、拡張性がある
  • Web制作のスキル、セキュリティ対策の強化が必要
パッケージ型CMS
  • ベンダーが開発したライセンスを購入し、自社サーバーにインストールして利用する
  • 機能、セキュリティ対策、サポート体制が充実している
  • コストが高額になることもある
クラウド型CMS
  • ライセンス費を支払い、インターネット上でベンダーが提供するCMSを利用する
  • サーバー導入や初期構築が不要、サーバー保守管理を含めた運用サポートがある
  • カスタマイズ性に制約がある場合がある

 

CMSを選ぶ際は、導入目的や用途を明確にした上で、必要な機能や運用の要件、予算を整理しましょう。

特に製造業の場合は、製品数が多く、ラインナップが複雑であるケースが多いため、拡張性や柔軟性を持ったシステムを選ぶことがポイント。

また、海外顧客をターゲットにしている場合は、英語や中国語など、多言語化対応が可能かどうかも確認することをおすすめします。

7 社内での連携を強化する

製造業のSEOでは、営業やマーケティング部門、技術部門などが、部署を越えて連携することが重要。

顧客がどの段階でどのような情報を必要としているかを把握し、社内で協力してそれに応じたコンテンツを提供するのが理想です。

顧客が製品やサービスを選ぶ際は、技術情報や導入事例など、問い合わせまでのあいだにさまざまな情報を閲覧します

そのため、顧客のニーズに合った情報をタイムリーに提供できれば、検索エンジンでの評価も高まり、問い合わせ数の向上につながります。

8 十分な人的リソースを確保する

検索エンジンから評価を得るには、自サイト全体のコンテンツの質を高め、さらにある程度の量を提供する必要があります。

そのためには一定の人的リソースが必要。
それが不足していると施策が中途半端になり、思ったような成果が得られないでしょう。

製造業におけるSEOでは、技術的な専門知識や製品理解が必要なため、一般的なSEO以上にキーワード選定やコンテンツ制作に時間と労力がかかることが考えられます。

また、定期的なキーワードの見直しやコンテンツ更新、サイト改善も必要なため、継続的にサイトを運用・改善できる体制が不可欠です。

社内の担当者だけでは対応が難しい場合は、外部のSEO会社に支援を依頼し、効率的に施策を進めることをおすすめします。

\ナイルはこれまでに2,000社以上のSEO支援を行っています。相談は無料!/

SEOから問い合わせにつなげる製造業の施策

製造業でSEOを行うにあたっては、ただ検索結果で上位表示を目指すだけでなく、そこから問い合わせにつなげる具体的な施策を行うことが重要です。

ここからは、問い合わせ数を伸ばすための具体的な施策を紹介しましょう。

資料ダウンロードやメルマガ登録など、中間コンバージョンを用意する

中間コンバージョンとは、問い合わせなどサイト上での最終コンバージョンにたどり着くために経由してもらうアクションのこと。

製造業のようなリードタイムが長いものは、コンテンツから直接問い合わせにつながることが少ないため、問い合わせよりもハードルが低いアクションを起こしてもらうことで、リード獲得につなげるのがおすすめです。

中間コンバージョンとしてよく設定される行動には、次のようなものがあります。

<中間コンバージョンにおすすめの指標>

  • 資料ダウンロード
  • メルマガ登録
  • ウェビナー参加
  • 無料サンプル取得

コンテンツ内に最適なCTAを設置する

自サイトにたどり着いたユーザーをコンバージョンにつなげるには、コンテンツ内に最適なCTA(Call to Action)を設置しましょう。

CTAとは、問い合わせボタンや資料ダウンロードボタンなど、ユーザーに特定のアクションを促すための仕掛けのこと。

ユーザーの検索意図を満たしたコンテンツにし、適切な位置に効果的なCTAを設置することで、問い合わせなど自社が望ましい行動を促しやすくなります。

最適なCTAの設置位置のポイントは、文脈とCTAがリンクする箇所であることが大切。
ユーザーがコンテンツを読む中で、自然にCTAを押したくなる流れにすると良いでしょう。

また、ヒートマップという、ユーザーがページのどの部分をじっくり見ているか、クリックしているかが可視化されるツールを活用するのもおすすめ。

ヒートマップを確認し、ユーザーの関心が高い箇所にCTAを設置することで、クリック率の向上が期待できます。

サイト内の導線設計

SEOのために知識系などのコラムコンテンツをサイト内に設けるケースは多くありますが、コラムページから直接問い合わせに結びつくケースはそんなに多くありません。

そのため、コラムページに流入したら、そこからサービスページ→企業情報ページ→商品情報ページと順を追ってサイト内を回遊し、問い合わせに近づくような導線を設計することが大切です。

<サイト内の導線設計のイメージ>

サイト内の導線設計のイメージ

CTAの設置場所と同様に、これもただ各ページへのリンクを入れればいいわけではなく、コンテンツにたどり着いたユーザーが然るべきタイミングでページ遷移できるようにする必要があります。

文脈を踏まえ、ユーザーが「そのページを見たい」と思うであろう箇所に、わかりやすく内部リンクを入れることを意識しましょう。

<参考記事>
内部リンクとは?メリットやSEOに効果的な設置の仕方を解説

ブランディングを強化する

SEOと並行して、自社のブランディング強化に取り組むこともおすすめです。

競合他社と類似の製品やサービスを提供している場合、自社の強みや独自性を前面に打ち出すことで、他社との違いをアピールできます。

例えば、次のようなメッセージを発信するのもひとつの方法です。

<ブランディングを強化するメッセージの例>

  • 徹底した品質管理体制で製品の安心・安全を保証
  • 独自の製造技術により、大量生産にも柔軟に対応
  • AIやIoTを駆使した最新設備で、業界トップクラスの技術力を実現

また、具体的な事例や数値を交えて、自社の強みを裏付けることも効果的です。

「不良品発生率◯%以下を実現する品質管理体制」「リードタイム◯日以内を可能にする、最新の製造ライン」など、具体性のあるアピールは説得力を持ちます。

ブランディングにおいては、ターゲットとなる顧客を絞り込んで発信することが大切です。
あらゆる層に訴求しようとするメッセージは、逆に印象が薄れてしまうおそれがあります。

自社の強みと顧客のニーズを理解してブランディングを強化し、問い合わせ数を増やしましょう。

<参考記事>
製造業のWebマーケティングはリード獲得がカギ!10の重要施策

SEOは成果が出るまでに時間がかかる

SEOは、一定の成果を得るまでにある程度の時間がかかる施策であることを、プロジェクトのメンバーが理解して取り組む必要があります。

また、社内の上層部にもあらかじめ説明し、長い目で施策を見守ってもらうようにしましょう。

広告の場合は短期間で多くの流入が期待できますが、SEOは質の高いコンテンツを定期的に公開するほか、既存記事の改善や自サイトの技術的な最適化などの地道な作業を行うことで、徐々に成果が見えてくる施策です。

<SEOと広告のコストと流入数の変化>

SEOと広告のコストと流入数の変化

また、検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に変化するため、継続的に成果を上げるためには、最新の情報を把握し、適宜改善を行うことが重要になります。

SEOは成果が出始めるとその集客効果は大きいといえますが、それまで時間がかかることを踏まえて、広告やメールマガジンなどほかの施策も併せて行うようにしましょう。

外注するSEO会社を選ぶポイント

SEOを外部に依頼する場合、どのようにしてSEO会社を選べばいいのか迷うかもしれません。SEO会社を選ぶ際は、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。

求めるサービスを提供してくれるか

SEO会社がどのような施策を支援しているかを確認しましょう。

SEOからコンテンツ制作、サイト改善まで一気通貫でサポートしてくれるところもあれば、テクニカル対策のみの会社もあるなど、特色はさまざま。

自社のWebサイトの状況や抱えている課題によって、必要な施策や作業内容は異なりますので、自社に必要なサポートをしてくれる会社を選びましょう。

サービス内容に見合った費用か

SEO会社によって、料金体系や費用はまちまちですので、数社に見積もりをもらうようにしてください。

ただし、費用が安いという理由だけで選ぶことはおすすめしません
費用が安い場合は、対応してくれる領域が狭かったり、思ったような支援を受けられなかったりする可能性がありません。

費用だけでなく、サービス内容や担当者の対応なども含めて総合的に判断しましょう。

<参考記事>
SEO対策の費用相場はいくら?価格相場や見積もりのポイントを解説!

製造業界の実績があるか

多くのSEO会社は、自サイトで過去の事例や実績を公開していますので、そこで製造業界での実績があるかを確認しましょう。

ただし、どのSEO会社もすべての実績を公開しているわけではないので、Webサイトだけで判断するのではなく、担当者に聞いてみるのも手です。

製造業では、製品の特性や技術、製造プロセスといった業界固有のニーズに応じたキーワード戦略が求められます。

そこで、製造業の実績がある会社なら、業界の特性を理解し、効果的なSEO施策を提案できる可能性が高いです。

製造業の実績がないからといって、そのSEO会社に依頼しないほうがいいわけではありませんが、ほかの条件も踏まえて、さらに製造業の実績もあったほうがなお良し、と考えるといいでしょう。

<参考記事>
【SEO会社22選】SEOコンサルティング会社の選び方や事前に確認すべき点は?

ナイルが担当した製造業のSEO支援事例

ナイルで手掛けた製造業のSEO支援事例を紹介します。

オウンドメディアの戦略設計からコンテンツ制作までトータル支援|松尾産業株式会社

松尾産業_PEAKS MEDIA

松尾産業株式会社「PEAKS MEDIA

松尾産業株式会社は、塗装原材料や自動車部品をメインに、製造業向けの商材を扱う商社。
ナイルでは、製造業の技術者やかかわる人とつながりを持つためのオウンドメディア「PEAKS MEDIA」の立ち上げからトータルで支援しました。

ナイルにご依頼いただく前から、製造業に向けた情報発信をオウンドメディアで行いたいが、具体的にどうすればよいかわからず、着手できていないというお悩みがありました。

コンセプトはあってもメディアとしてどう落とし込むべきかわからず、社内で議論を重ねたものの、メンバーの意見をまとめるのに難航したといいます。

そこで、ナイルではオウンドメディアの立ち上げまでにやるべきことをまとめ、具体的なスケジュールに落とし込んでプロジェクトを進めることになりました。

まず、ターゲットを明確にするためにユーザーインタビューを実施し、ペルソナ設計を行います。

その後、オウンドメディアのテーマやコンセプトを決める際に行ったのが、ユーザーが目標を達成するまでの行動や体験を図にする「コンセプトダイアグラム」の作成です。

社内のさまざまな職種の社員10人以上で、提供する価値の共通認識を下表のように作り、メディアの方針を一貫できるよう努めました。

コンセプトダイアグラム

次に、コンセプトダイアグラムで明確になった「このメディアで、こういう態度変容が起きてほしい」という目的をもとに、キーワード選定を行います。

コンテンツにおいては、Web上で調べてもあまり見つからない情報をわかりやすく伝えることを意識して制作を行い、読者からは「かっこいい」「おもしろい」といったポジティブな反応を得るメディアを完成させています。

ナイルとの伴走により、良質なコンテンツを継続的に制作する体制を整え、オウンドメディアを着実に成長させています。

本件の詳細は次の記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

製造業のSEOは、顧客開拓に重要な施策

製造業で新規顧客を開拓するには、展示会や商談会などに加えてSEOが有効です。

SEOを行うことで、Web上で24時間365日、自社を宣伝する広告塔として機能します。
売上目標を達成できずに悩んでいる企業は、SEOを実施してWebから新規顧客を開拓しましょう。

社内でSEOの知見やリソースが不足している場合は、これまでに2,000社以上のSEO支援を行ってきたナイルへご相談ください。

ナイルでは、SEO戦略の設計からコンテンツ制作、効果検証、改善提案まで、一気通貫でご支援しています。

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加藤 直子(かとう なおこ)

編集者情報

加藤 直子

編集プロダクションで一般情報誌の記事制作、各種ムック本の制作などを担当したのち、音楽情報マガジン、ウェブメディアの編集部に所属。 ナイルに勤務後は、主に女性向けメディアのコンテンツ制作を担当。 ユーザーが「そうなんだ!おもしろい!」と感じられる企画を通して、事業としても成果の出る記事づくりを心がけている。

編集プロダクションで一般情報誌の記事制作、各種ムック本の制作などを担当したのち、音楽情報マガジン、ウェブメディアの編集部に所属。 ナイルに勤務後は、主に女性向けメディアのコンテンツ制作を担当。 ユーザーが「そうなんだ!おもしろい!」と感じられる企画を通して、事業としても成果の出る記事づくりを心がけている。

PIVOTにもスポンサード出演しました!

PIVOTにもスポンサード出演しました!
チャンネル登録者数が100万人を超えるYoutubeチャンネルPIVOTにスポンサード出演しました!
動画内では、マーケティング組織立ち上げのための新しい手段についてお話しています。
マーケティング組織に課題がある方はぜひご覧下さい。
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