【例文あり】インタビュー記事の事前準備から書き方までを解説

【例文あり】インタビュー記事の事前準備から書き方までを解説

独自の取材にもとづくインタビュー記事は、人物や企業に関心を持ってもらうために、とても有効なコンテンツです。

しかし、適切な事前準備をしなければ、インタビュー当日に思うような回答を得られない可能性があります。

そこで本記事では、インタビュー前にやるべき準備や当日に押さえるべきポイント、執筆する流れを紹介します。

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クライアントを取材するインタビュー記事の役割

本記事でのインタビュー記事とは、自社商品を導入したクライアントの声や自社スタッフのリアルな声を見込み顧客や求職者へ発信することが目的の記事を指します。

下の表にあるように、クライアントや自社スタッフであるインタビュイー(インタビューを受ける人)のメッセージ記事は、検討しているユーザーに届けるための最適なコンテンツといえます。

クライアントインタビュー記事の役割
役割
詳細
サービスの成約率の向上
  • 既存顧客にインタビューし、導入事例としてまとめることで、見込み顧客に魅力を伝えられる
  • 営業シーンで顧客に見せて、説明資料や検討材料としても利用できる
新サービスの宣伝
  • 開発担当者にサービスの開発過程や裏話を聞くことで、ストーリー性が出て、見込み顧客の関心を引きやすくなる
採用の強化
  • 従業員や経営者にインタビューし、職場の雰囲気や仕事内容を記事化することで、自社の魅力が伝わりやすくなる

 

特に、採用オウンドメディア(求職者向けに企業が情報を発信するサイト)を立ち上げるときは、インタビュー記事をコンテンツに取り入れることがおすすめです。求人情報だけでは伝わりにくい従業員の人柄や職場の雰囲気が伝わるため、自社の魅力を感じてもらいやすくなります。

また、同じインタビューを行ったとしても、まとめる人によって記事はまったく異なったものになります。聞いた話の内容をそのまま文字にするのではなく、構成や表現方法を工夫し、読者に興味を持って読んでもらうことが大切です。

そのためには、「どのような人に」「どのような目的で」「どのような内容」を伝えたいかを、はっきりさせておきましょう。

インタビュー記事の3つの形式

インタビュー記事には、いくつかの形式があります。

今回は3つ紹介しますので、目的によって最適な形式を選びましょう。

インタビュー記事の形式は3種類(パソコンを打ちながら女性にインタビューをする女性と隣で書類を持ちながら話を聴く男性)

形式1 Q&A形式(会話)

最も一般的なのが、インタビュアーが質問してインタビュイーが回答する「Q&A形式」です。

質疑応答・一問一答の形式なので、長い記事でも読みやすくなります。その場の空気や臨場感を再現することを心掛け、実際の会話のように多少くだけた雰囲気に仕上げることで、親しみのある記事にすることが可能です。

Q&A形式の例文は、次のとおりです。

【Q&A形式の例文】

インタビュアー:では最初にお聞きします。なぜ新しくオウンドメディアを立ち上げたのですか?

 

インタビュイー:まず弊社では、潜在層との接点が少ないという課題がありました。1〜2年後を考えたときに、今のうちに潜在的なニーズを持つ方との接点を強化しておこう、という結論に至ったのが立ち上げのきっかけですね。

 

インタビュアー:立ち上げてから実際に成果を感じられるまで、どのくらいかかりましたか?

 

インタビュイー:最初は反応もなく不安でしたが、半年を過ぎたあたりからチラホラとお問い合わせをいただくようになりました。オウンドメディア経由のお問い合わせ数が月100件になったときは思わず、やった!とガッツポーズしちゃいました(笑)

 

インタビュアー:それはガッツポーズしちゃうくらい嬉しいことですね!

一方で話し言葉を用いるため、どうしても文字量が多くなる傾向にあります。全体の文字量を2,000〜3,000文字程度に抑えながら、読者に要点が伝わるよう、文字を装飾したり図解を盛り込んだりすると効果的です。

Q&A形式のメリットとデメリットは、以下を参考にしてください。

インタビュー記事の「Q&A形式」
メリット
デメリット
  • 一問一答形式のため要点がわかりやすい
  • 長文の記事でも読みやすい
  • 親しみのある記事に仕上がる
  • 話し言葉を使うため、文章が長くなりやすい

形式2 モノローグ形式(一人称)

インタビュイーが実際に語っているようにまとめるのが、「モノローグ形式」です。

インタビュアー(インタビューをする人、聞き手)の存在を消し、本人になりきって文章化します。語り手のメッセージが伝わりやすく、言葉遣いなどをうまく活かすことでインタビュイーの人柄を表現することができます。

下記は、モノローグ形式(一人称)の例文です。

【モノローグ形式(一人称)の例文】

弊社では、潜在層との接点が少ないことに頭を悩ませていました。

 

ある日の会議で、「1〜2年後のために、今のうちに潜在的なニーズを持つお客さまとの接点を強化しておこう」という結論に至ったのがきっかけで、オウンドメディアを立ち上げたんです。

 

立ち上げ当初はまったく反応がなく、不安に感じることもありました。でも、半年を過ぎたあたりから、チラホラと問い合わせ件数が増え始めたんです。

 

月の問い合わせ件数が100件になったときは、本当に嬉しくて。思わずその場でガッツポーズしたのを覚えています。

モノローグ形式はエッセイやコラムのように、読者に親近感のある印象を与えたいときに最適です。ただし、会話体のみで構成するため、冗長にならないよう気をつける必要があります。短めの記事の場合に効果的といえるでしょう。

モノローグ形式(一人称)のメリットとデメリットは、以下を参考にしてください。

インタビュー記事の「モノローグ形式(一人称)」
メリット
デメリット
  • インタビュイーの人柄を伝えやすい
  • 親近感のある印象を与えられる
  • 会話形式なので冗長になりやすい

形式3 ルポ形式(三人称)

インタビュアーが第三者の立場から客観的にまとめるのが、「ルポ形式」です。

ルポ形式では、インタビュイーの語った言葉を、カギ括弧等でくくってコメントとして挿入します。インタビュイーの表情や仕草、会話以外の情報も盛り込めるので、論理的で読み応えのある記事に仕上げたいときにおすすめです。

ルポ形式(三人称)の例文は、次のとおりです。

【ルポ形式(三人称)例文】

潜在顧客との接点が少ないことに悩んでいたA社。ある日の会議で、1〜2年後のために今のうちから潜在顧客との接点を強化しておこうという結論に至り、オウンドメディアを立ち上げる運びになったという。

 

オウンドメディア運営の担当に抜擢された彼は、「立ち上げ当初は思うような成果が出なくて、あのときは不安に感じることもありましたね」と笑みを浮かべながら語る。

 

しかし、半年を過ぎたあたりから少しずつ問い合わせが来るようになった。月の問い合わせ件数が100件を達成したときには、思わずその場でガッツポーズをしてしまうほど、嬉しかったそうだ。

ただし、堅苦しい内容になりやすいので、バランスをとることが必要です。ルポ形式は、書き手の能力が問われますが、工夫次第で読者の関心を集めることができます。

ルポ形式(三人称)のメリットとデメリットは、以下を参考にしてください。

インタビュー記事の「ルポ形式(三人称)」
メリット
デメリット
  • 論理的で情報量の多い記事になる
  • 長文の記事でも読みやすい
  • インタビュイーの表情や仕草などを表現できる
  • 堅苦しい印象になりやすい
  • 執筆スキルが問われる

インタビュー記事で事前準備すべき4つのこと

インタビューで最も重要なのが、入念な事前準備です。

準備に手を抜いてしまうと、インタビュー当日に必要なエピソードを引き出せず、情報の足りない記事になる恐れがあります。ここでは、インタビュー当日までにやるべきことを、順番に見ていきましょう。

インタビュー記事を作る4つの事前準備(パソコン画面にインタビュイーの情報を映し、インタビュー準備をする男性)

準備1 インタビュー目的とユーザーアクションを明確にする

まずは、「インタビュー記事を作成する目的」と「読者にとってほしいアクション」を決めます。

作成する目的を定めれば、インタビューで聞く情報が見えやすくなるため、質問内容のずれや不足がなくなります。

また、読者に求めるアクションを明確にしておくことで「その行動を起こしてもらうにはどのような情報を掲載すればいいか」を逆算することが可能です。例えば下記のようなイメージです。

【読者に求めるアクションイメージ】

  • インタビュー記事を作成する目的:新サービスのプロモーション
  • 読者に求めるアクション:サービス資料のダウンロード
  • 必要な情報:商品の開発秘話や注力した機能・他社の商品と異なる点

など

インタビュイーと認識をすり合わせるためにも、細かく詰めておきましょう。

準備2 インタビュイーを徹底的にリサーチして企画書を作成する

インタビューの準備で最も重要なのが、インタビュイーについての事前リサーチです。

下調べをせずに本番に臨んでしまうと、話を掘り下げられずに浅い内容しか引き出せない恐れがあります。

インタビュイーについてリサーチする際は、下記のような情報を収集しておきましょう。

【インタビュイーのリサーチ項目】

  • ウェブサイトに掲載されている基本的な情報
  • 過去の新聞記事やウェブ記事
  • 自身のSNSやブログ
  • プレスリリース
  • 自身が過去に執筆した記事や書籍

これらの情報を得ることで、インタビュイーの人柄・価値観・趣味・気になるエピソードなどがわかります。事前に頭に入れておけば、インタビュー時に話を広げるきっかけを作りやすいです。

準備3 リサーチ内容をもとにした質問事項を企画書に明記する

リサーチした内容をもとに、目的に合わせて質問を考えていきましょう。

どのようなことを聞くかによってインタビュイーの回答も変わり、記事の内容にも影響します。

例えば、「導入事例(お客様の声)」のインタビューの場合、次のような質問が考えられます。

【「導入事例(お客様の声)」の質問例】 

  • これまで抱えていた課題は何か
  • 他社と比較したか
  • 導入した決め手や理由は何か
  • 自社のサービスを利用して、どのようなことに取り組んだか
  • どのような成果が得られたか
  • 今後自社のサービスに期待することは何か

大切なのは「何のために質問するのか?」「何について聞きたいのか?」という、質問の意図をはっきりさせておくことです。質問の意図が明確になっていれば、相手に「何のための質問ですか?」「何を知りたいのですか?」と聞かれたときに答えられます。

相手が答えにくそうな質問がある場合、インタビュアーから質問の意図を説明し、答えやすい状況を作ることも大切です。

また、「これだけは必ず質問する」といった核になる質問のほかに、話題をスムーズに広げられるような、ワンクッションとなる補足の質問も用意しておきましょう。

例えば、「なぜ弊社のサービスを導入されたのですか?」という質問の前に、「サービスを選ぶとき、何社くらい検討されたのですか?」という軽い質問を挟んで、自然な流れで聞いていくのがポイントです。

ナイルのインタビュー記事も、ぜひ参考にしてください。

準備4 インタビュイーに企画書を提出して質問事項を共有する

質問事項が決定した後は、インタビュイーにメールで事前共有しておきましょう。

事前に質問リストを送ることで、どのような話をすればよいのか相手がイメージしやすくなります。

また、下準備をしっかりしていることがインタビュイーに伝われば、インタビュイー側も準備して臨んでくれる可能性が高まります。

記事に役立つ具体的な数値がわかるデータや、エピソードがわかる資料を用意してくれるケースも多いです。質問リストの共有はインタビュー直前ではなく、数日前など余裕を持って共有しておきましょう。

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インタビュー当日に押さえるべき5つのポイント

インタビュー当日は、下記5つのポイントを押さえて進めましょう。

ひとつずつ詳しく紹介します。

有効なインタビューにする5ポイント!(質問者Qと回答者Aが対面で会話するインタビューイメージイラスト)

ポイント1 「現在→過去→未来」の順に質問をする

1つ目のポイントは、「過去→現在→未来」の順にインタビュイーの話を聞いていくことです。

「過去と現在を比較してどのように変化したか」などストーリー性を出せるため、記事化したときに読者にとってわかりやすい展開になります。

また、ランダムに質問するよりも時系列順にすることで、背景や根拠が盛り込まれた納得感の高い記事に仕上がります。

例えば「導入事例」の場合、下記のような順番で聞いていくと、読み手側も納得しやすいでしょう。

【導入事例インタビューの順番】

  • 過去:どのような課題や悩みがあったのか、なぜこのサービスを選んだのか
  • 現在:サービスを導入してどのような変化があったのか
  • 未来:今後サービスに期待する機能や対応はあるか

「過去」と「現在」は、読者が特に気にする部分なので、インタビューに時間を割くとよいでしょう。

ポイント2 回答の理由や具体例をさらに深掘りする

インタビュイーからエピソードを聞いたときは、理由や具体例を深掘りすることが重要です。

事実だけを淡々と語ってもらっても、「なぜそうしたのか」「例えばどのようなエピソードがあったのか」などの理由や具体例がないと、読者に納得感を与えにくいためです。

インタビュイーから、曖昧な回答や抽象的な回答が出てきた場合は、「5W1H」を意識して深堀りしましょう。

【インタビューにおける「5W1H」・具体例】

  • Who(だれが):誰が問題を抱えていたのか?
  • When(いつ):考えるようになったのはいつ頃か?
  • Where(どこで):どこで知ったのか?
  • What(なにを):何について悩んでいたのか?
  • Why(なぜ):なぜその考えに至ったのか?
  • How(どのように):どのように調べたのか?

例えば、「このサービスが良いと思った」という発言があったら、「なぜそう思ったのか、具体的に教えていただけますか?」と深掘りしていきます。

5W1Hを活用し、より読者がイメージしやすい回答を引き出していきましょう。

ポイント3 インタビュイーの発言一つひとつに反応する

インタビュイーの話にはしっかりと耳を傾け、相づちや笑顔を心がけましょう。

これらをすることで、「あなたの話に関心があります」ということを相手に示します。「インタビュアーが自分の話に興味を持ってくれている」ことが伝われば、インタビュイーも話しやすくなります。

その結果、思いがけないエピソードなどを語ってもらえて、記事により深みが出せる可能性が高いです。

インタビュイーの発言に反応する際は、下記のアクションが効果的です。

【インタビュイーに反応する効果的なアクション】

  • 同調を示す相づちを打つ
  • 感情を表情に出す
  • 相手のジェスチャーをまねる

特に画面を通して行うオンラインでのインタビューは、相手の反応がわかりにくいことが多いです。軽い相づちだと反応が伝わりにくいので、少しオーバーなくらいのリアクションを意識しましょう。

また実際に話を聞く際は、ボイスレコーダーで録音するなどして、メモは必要最小限にとどめることがおすすめです。

メモを取ることばかりに集中していると、話を聞くのがおろそかになってしまいます。「インタビュイーに気持ち良く話してもらうこと」を最優先で進めていきましょう。

ポイント4 インパクトのあるフレーズや数字を集める

成果については、インパクトのある数字やフレーズを聞き出しましょう。

タイトルや見出しに盛り込むことで、インタビュー記事を公開したときにユーザーの興味を引きやすくなるからです。

例えば、ナイルの「ウェブコンサルティングサービスの成果」に関するインタビュー記事では、下記のように数字を多く取り入れています。

コンサルティングの成果
・コンテンツの追加により自然検索流入が約40倍に拡大
・コンテンツから申し込みへ至ったユーザーがCV数の5%と事業に貢献
・インタビュー記事はソーシャルシェア750を超え、SNSでの拡散に寄与
・外部リンクの92%はコンテンツにより獲得

参考:【インタビュー】BtoB向けCRMツールサービスサイトへの自然検索流入を40倍にしたSEO事例 – ちきゅう株式会社(ナイルのSEO相談室/ナイル株式会社)

上記の参考記事で例えると、「自然検索流入が急増」よりも「自然検索流入が約40倍に拡大」のほうが具体的で、より印象に残りやすいのではないでしょうか。

インパクトのある数字などを入れた記事を作成するためにも、インタビュー中に5W1Hを活用して話を深く掘り下げておくことが大切です。

ポイント5 本筋からそれた会話も記録する

インタビュー中に本筋から脱線したときの会話や、インタビュー後の何気ない雑談なども記録しておきましょう。

特に終了後は緊張がほぐれているため、普段どおりの調子で話してもらいやすいです。そのようなときは、インタビュイーの本音が聞きやすいため、魅力的なエピソードを入手できる可能性があります。

インタビューが終わっても気を抜かず、「相手と別れるまでが情報収集」だと思って記録しておくことが大切です。

なお、インタビューで想定外の面白い話を引き出すポイントは複数あります。下記の記事で解説していますので、ぜひご一読ください。

撮影機材の事前チェックも忘れずに!

インタビュー風景を撮影する場合は、あらかじめ撮影機材をチェックしておきましょう。

もしインタビュー中に聞きそびれた質問やもう少し詳しく知りたい情報があった場合には、メールや電話などで聞き直すなど、柔軟に対処できます。

しかし写真の場合だと、再度撮影をお願いしたり、当日と同じ様子を再現する必要があったりするため、簡単にカバーできません。先方に迷惑がかかる上に、制作スケジュールに遅れが生じる恐れもあります。

インタビュー前日までに、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。

【インタビュー前日までの確認事項】

  • 必要な機材は揃っているか※カメラ、メモリー(SD)カード、ライト、三脚など
  • 撮影機材がきちんと動くか
  • カメラやライトの電池は十分か(念のため、電池の予備を持参)
  • メモリーカードの容量に余裕はあるか
  • カメラの設定は適切か※行く前と現地で試し撮りをする(露出、ホワイトバランスなど)

カメラテストの補足として、以下の準備をしておくことをおすすめします。

  • 1~2日前に撮影の練習をする
  • 「どのような構図の写真を撮るか」をリストアップする

インタビュー記事を作成する8ステップ

インタビュー記事を作成する際は、下記の手順で進めていきましょう。

1ステップずつ紹介します。

インタビュー記事を作る8ステップ(インタビューウェブマガジン公開イメージ)

ステップ1 採録した内容を聴きながら文字起こしをする

インタビュー内容は、記憶やメモに頼らず、ICレコーダーなどに音声を録音しておくのが望ましいです(あらかじめ録音する旨をインタビュイーに伝える)。

インタビュー後、まずは音声データをすべて書き起こします。文字起こしは、記憶の新しいうちに行うのがいいでしょう。その場の雰囲気を思い出しながら、キーワードとなる言葉やフレーズに留意して、振り返るようにします。

ステップ2 記事の流れを組み立てる(構成)

意図が誤って伝わらないように気をつければ、話の順序や細かな表現は変えても構いません。

むしろ、印象に残る構成に組み立てることが大切です。例えば失敗談を入り口にしたら、それをどう乗り越えたか、そしてどんな成功を収めたのか、ストーリー性を持たせることで読者の興味を引くことができます。

ステップ3 話し言葉を理解しやすい文章に調整する

話し言葉(口語)と書き言葉(文語)は、文体自体が違います。

実際の会話では省略されることも多く、書き起こしたそのままでは記事になりません。また、主語と述語が一致しないこともしばしばあります。

そのため下記のように、読者が理解しやすい文章に調整する必要があります。

【読者の理解度がアップする文章調整の例】

  • 主語・述語を入れる(例:かなり削減できました→コストがかなり削減できました)
  • 助詞を追加する(例:階段で3階登ります→階段で3階まで登ります)
  • 1文を短くする(40~60文字が目安)

冗長にならないよう適宜まとめて、読者にわかりやすい言葉を補いましょう。

ステップ4 取材においての情報を裏取りする

インタビュイーは、記憶を頼りにしたり思い付きで語ったりすることがあります。

特に、数字や日付などのデータには注意が必要です。インタビュー後には必ず裏取りを行い、事実と異なる場合には修正しましょう。

ステップ5 インタビュイーの人柄が出るようにする

インタビュー記事では、インタビュイーの特徴や“その人らしさ”を盛り込みたいところです。

インタビュイーの人柄にふれることで、記事全体の雰囲気がやわらかい印象になり、読者に親しみを持って読んでもらえます。

具体的には下記を実施することで、インタビュイーの個性や人柄を表現しやすくなります。インタビュイーの人柄を出すコツは、下記のとおりです。

【インタビュイーの人柄を出すコツ】

  • インタビュイーの発言をそのまま入れる(印象的な言葉、口ぐせなど)
  • インタビュイーの背景や経歴にふれる

また、記事の中にインタビュイーが話しているときや笑顔のシーンの写真を掲載することもおすすめです。

ステップ6 執筆後に推敲を重ねる

インタビュー記事では読みやすさを心掛け、執筆後に推敲を重ねることが大切です。

下記のように、細かく調整していきましょう。

【執筆後の推敲方法】

  • 文章が長い場合は段落を分けて、見出しをつける
  • 専門用語や業界用語は、一般的な言葉に置き換える(例:SEO→検索結果で自社サイトが上位表示されるための施策)

詳しい説明がないまま専門用語や業界用語が出てくると、読者を置きざりにしてしまい、最後まで読んでもらえない可能性もあります。ターゲットとする読者のリテラシーに合わせて、一般的な言葉に置き換えたり、補足したりしましょう。

ステップ7 原稿が完成したら校正・校閲をする

原稿の完成後は、校正・校閲を行います。

校正とは、誤字・脱字のチェックや、漢字の使い方などの表記を統一する作業です。一方の校閲とは、書かれた内容に矛盾はないか、表現の誤りや事実関係の誤認がないかなど、さらに踏み込んでチェックすることをいいます。

不適切な表現がある場合などは、トラブルにつながる恐れもあるため、しっかり確認しましょう。

ステップ8 インタビュイーの確認を経て校了する

校正・校閲までできたら、インタビュイーに記事を確認してもらいましょう。

場合によっては、相手側から修正をお願いされるケースもあります。お互いに納得できる形になるまで、ブラッシュアップしていくことが大切です。

なお、確認してもらうときは、「写真なども入れた完成後の原稿」を共有するのがおすすめです。インタビュイー側も公開後のイメージが掴みやすくなり、修正回数の削減にもつながります。

読者の心に響くインタビュー記事に仕上げよう

インタビュー記事を作成するときは、事前準備が最も重要です。

インタビューの目的を明確にした上でインタビュイーの情報を収集し、具体的なエピソードが聞けるような質問を考えておく必要があります。

また、執筆時はインタビュイーの人柄が出るような表現や、インパクトのある数字を盛り込み、読者の心に響く内容に仕上げていきましょう。

なおナイルでは、インタビュー記事制作にも対応している記事制作代行サービスをご用意しています。

インタビュー記事の経験が豊富な編集者とライターが在籍しており、企画から制作まで一貫して対応することが可能です。「自社でインタビュー記事を制作するリソースやノウハウがない」とお困りなら、お気軽にご相談ください。

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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