マーケティング企画書は事前準備が鍵!具体的な分析方法や作り方を解説
自社でマーケティング施策を進めるとき必要となるのが「マーケティング企画書」です。
会社や上司にアイデアや施策の良さ、導入によるメリットを伝えるために作成するもので、行動を具体的なステップまで落とし費用対効果も算出します。
すぐに企画を実行に移せる完成度の高さが求められているため、事前に情報を整理した上で、資料を作成することが重要です。
本記事では、マーケティング企画書の作成前にすべきことや、資料でまとめるべき内容を解説します。自社のマーケティング施策をスムーズに進めたい方は、ご一読ください。
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目次
マーケティング企画書の作成に向けた事前準備8ステップ
マーケティング企画書は事前準備がとても重要です。事前準備ができていないと根拠が弱い企画になってしまったり、費用対効果を説明できなかったりするからです。
マーケティング企画書を作りながら調査・分析すると作成に時間がかかるため、事前に以下の準備を進めることを推奨します。
ひとつずつどのように情報を集めて整理するのか、詳しく見ていきましょう。
ステップ1 目標を確認する
提案する企画は、部署で設定されている目標に合ったものでなければなりません。目標からずれた企画を作っても通らないためです。
例えば「新規問い合わせの増加」が目標になっているにもかかわらず、既存顧客に向けたマーケティング施策を検討しても企画が通らないのは明白です。新規問い合わせにつながる「ウェブ集客の強化につながる企画」を提案することが求められます。
目標が明確になっていない場合は、上司に目標を確認しておきましょう。
ステップ2 自社が置かれている状況や強みを分析する
次に、自社が置かれている状況や強みを分析しましょう。自社が置かれている状況や強みの把握は、競合他社との差別化やターゲット層の特定につながり、効果的な施策立案に役立ちます。
目標達成につながるマーケティング施策は、いろいろあります。しかし限られた予算やリソースの中ですべての施策は実施できないため、優先してすべきことを明確にするためにも強みを分析しましょう。
自社が置かれている状況を整理する際は、以下のフレームワークを使います。
名称 | 概要 |
3C分析 |
|
SWOT分析 |
|
とはいえフレームワークを活用した分析は時間がかかります。仮に分析内容を埋めたとしてもそこから何を読み取ればいいのかわからず分析方法で悩んだときは、プロに相談してはいかがでしょうか。
マーケティングのプロに相談したい方は、お気軽にナイルまでご連絡ください。
ステップ3 自社が目指すべきポジションを整理する
次に、自社が目指すべきポジションを整理します。ポジションの整理には、STP分析がよく使われます。STP分析とは、下記の3つの要素から分析を行うフレームワークです。
- セグメンテーション(市場の細分化)
- ターゲティング(ターゲットにする市場の選択)
- ポジショニング(自社の立ち位置)
セグメンテーションでは、顧客を特定のグループに分けて細分化し分析を行います。細分化する切り口の例は、以下のとおりです。
セグメンテーションの例 | 細分化の切り口 |
人口統計的変数 | 年齢や性別、家族構成や職歴などの統計データ |
地理的変数 | 国や地域、天候や文化などの地理的要因 |
行動変数 | 商品の購入頻度やタイミング、きっかけなどの行動 |
心理的変数 | 価値観やライフスタイル心理的な状況 |
なお、自社のポジションの整理には「ポジショニングマップ」の作成が役立ちます。ポジショニングマップとは、縦軸と横軸を決めて、競合や自社のポジションを視覚的に示した図です。
ポジショニングマップの詳細や具体的な作り方は、以下の記事を参考にしてください。
ステップ4 現状のマーケティング施策の状況を整理する
目指すべきポジションが整理できたら、現在動いているマーケティング施策と成果、課題を整理しましょう。
なるべく具体的な数字を元に、事実を整理することが重要です。まだ結果が出ていない場合は、実施後の成果の目安なども整理しておきます。
ステップ5 解決すべき課題の優先度付けを行う
次は、整理した課題に優先度をつけましょう。
優先順位をつける方法としては、以下の4カテゴリーにわける「MoSCoW分析」が有名です。
- マスト(Must)
- ベター(Should)
- あればよい(Could)
- 対応不要(Won’t)
4カテゴリーにわけるときは、納期や予算、費用対効果、緊急度なども考慮し、優先順位付けを行いましょう。
ステップ6 提案する企画を決めて詳細を詰める
解決すべき課題の優先度が決まったら、解決策を検討します。
例えば「ウェブサイトからの資料ダウンロード数が少なく、結果的に商談数も少ない」といった課題があった場合を考えてみましょう。資料ダウンロード数を増やす施策は、以下のように複数あります。
課題解決につながる施策を調査し、課題と同様に優先度付けを行い提案する企画を決めます。
ステップ7 予算やスケジュールを検討する
企画が決まったら、企画実行にあたり必要となる予算やスケジュールをまとめましょう。企画実施に必要となる作業を細かく整理し、必要な費用や期間を1つずつ洗い出して整理します。
なお、社内に有識者がいない場合は、外部と連携して準備を進めることも重要です。プロに相談することで、必要な予算やスケジュールのイメージを確認できます。
実績に基づいた根拠のある予算、スケジュールを示しやすくなるためおすすめです。もしもマーケティング施策にかかる予算やスケジュールを相談したい方は、以下から問い合わせください。
ステップ8 費用対効果のシミュレーションをする
企画書には、予算だけではなく「費用対効果のシミュレーション」もまとめねばなりません。なぜなら費用対効果がわからなければ、ほかの施策と比べて提案した企画を優先すべき理由を伝えられないからです。
費用対効果をまとめるときは、納得感を与えるため効果の数値に根拠を持たせることが重要です。似たような実施事例がないか探したり、専門家に相談したりして情報を集めましょう。
マーケティング企画書にまとめるべき内容
ここまで整理した情報を元に、マーケティング企画書を形にします。マーケティング企画書でよくあるページ構成は、以下のとおりです。
どのようにまとめていくのか、ひとつずつ見ていきましょう。
要素1 提案する企画の概要
最初に結論として、企画の概要や効果をまとめます。企画の趣旨や、実施すべき理由がスムーズに伝わるようにまとめることが重要です。
なお、このタイミングでは、データの詳細を細かく書く必要はありません。決裁権を持つ忙しい人にも魅力が伝わりやすいよう、図やグラフなどを駆使してわかりやすくまとめます。
要素2 目標と現状の比較
次に、目標と現状の差がわかるページを用意します。文章でまとめるのではなく、グラフや図などの視覚的に見やすさを意識しましょう。
なお、グラフでデータを出す際は「提案する企画に関連するデータ」を強調することがおすすめです。例えば「問い合わせ数の向上につながる企画」を提案したい場合は「問い合わせ数」や「サイトへの流入数」を強調するなどです。
また、目標とあわせて「プロジェクトの成功の定義」を盛り込むことも大切です。「このラインまでいったらプロジェクトは成功とみなす」というラインを明確にすることで、取り組みが具体的になり、プロジェクトが終わった際に、成果をどのように評価するかの基準にもなります。
要素3 自社が進めるべき方向性
次に3C分析、SWOT分析、STP分析の情報をまとめて、進めるべき方向性を明確化します。どんな市場を狙っていくのか、競合と差別化するために何を改善・強化していくのかをまとめるイメージです。
具体的な話に入る前にまずは全体の方向性を示すことで課題や施策を提案する背景や目的が明確になります。
例えば「10代の消費者層をターゲットにブランド認知を高め、市場シェアを拡大する」という方向性があるとします。
最初に方向性を示すことで「ターゲットが情報収集に利用しているSNSでの認知がない」という課題や「インフルエンサーマーケティングを活用してSNSの露出を増やす」という施策が全体の方向性と照らし合わせて理解しやすくなります。
要素4 解決すべき課題
次に、解決すべき課題を紹介します。
課題をすべて紹介するのではなく、課題の中でも特に優先度が高いものをピックアップして紹介することが重要です。紹介する課題が多いと、重要ではない課題が目に留まってしまう可能性があるからです。
次に伝える「解決策」に納得感が無くなってしまう可能性もあるため、不要な情報は入れずに優先度の高い課題に絞ってまとめます。
なお、質問が来たときに備えて、事前に整理した課題一覧の資料はすぐ出せるようにしておきましょう。
要素5 課題解決につながる企画の具体例
次に、課題解決につながる施策の例を紹介します。施策の候補は複数あるので、今回提案する施策と理由をまとめましょう。
星取表(縦軸と横軸で評価や比較を視覚的に表現するための表)などを用意し、選んだ施策がベストであることを比較できるようまとめることが重要です。縦に施策を並べて、選んだ理由を横にして整理します。
目標への貢献度、実施難易度、成果が出るまでの早さなどに関して、優劣がわかるようにまとめましょう。
要素6 予算やスケジュールの目安
企画実施を検討するにあたり必要となる、予算やスケジュールの目安をまとめます。事前準備で整理した表やグラフなどを利用し、ページをまとめましょう。
どちらも数字や期間の根拠が重要となるので、検討にあたり参考にした情報はメモしておくことをおすすめします。企画提案時に質問される可能性が高いため、補足資料を用意しておくと安心です。
要素7 費用対効果のシミュレーション
事前に整理した情報を元に、費用対効果のシミュレーションをまとめます。グラフでまとめるのはもちろん、根拠となる情報を載せましょう。
なお、費用対効果で設定する期間は、企画の内容によって異なります。企画を実施するスケジュール内で回収できるのか、実施して数ヵ月経ってから成果があがるのかなど、効果が上がるタイミングに合わせてシミュレーションをまとめることが重要です。
マーケティング企画書の作成後に確認したいポイント
マーケティング企画書は、作成後に客観的な視点でチェックすることが重要です。以下2つのポイントは確認しましょう。
マーケティング企画書の作成後に確認したいポイント
- ポイント1 6W2Hがはっきりしているか
- ポイント2 図やグラフなどがあり視覚的に読みやすいか
ポイント1 6W2Hがはっきりしているか
6W2Hは、伝えるべきことが明確になっているか確認するためのフレームワークです。以下の英字から頭文字をとり、名づけられています。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(だれが)
- Whom(だれに)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How much(いくらで)
6W2Hは、作成した企画書を客観的な視点で分析するときに役立ちます。ExcelやGoogleスプレッドシートなどで、それぞれ整理し、伝える情報が漏れていないか確認しましょう。
ポイント2 図やグラフなどがあり視覚的に読みやすいか
理路整然とした文章になっていても、文字が多いと資料として読みづらくなり、細部まで目を通してもらえない恐れがあります。時間をかけた企画がボツにならないよう、視覚的な読みやすさにも配慮しましょう。
とはいえ、各ページを作るたびに図やグラフを作ると、資料ができるまでに時間がかかってしまいます。まずは文章やラフ案の図のみで資料を形にし、流れや伝えたいことが問題ないかチェックした上で可読性を上げていく流れがおすすめです。
マーケティング企画書は事前準備がとても重要
マーケティング企画書は、いきなり作成するのではなく事前準備がとても重要です。準備がしっかりできていれば、整理した情報をまとめるだけで済むため作りやすく、伝えたいことを企画にまとめやすくなります。
調査や分析した内容は、企画書を作るだけではなく今後のマーケティング活動にも役立ちます。時間をかけて丁寧な分析を行い、根拠のあるマーケティング企画書を作ってみてください。
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