「問題解決はSEOでなくても良い」Googleマニアのアナリストが見つけた最適解

「問題解決はSEOでなくても良い」Googleマニアのアナリストが見つけた最適解

※本記事は、2018年公開当時の情報を基にした記事です。

「クライアントの問題解決のためには、SEOを選ばないこともある」と話すのは、アナリストである石井智彦。ナイルで、データ解析を中心としたWebコンサルティング業務に従事し、10年以上に渡ってSEOの改善提案を行ってきた経験を持ちます。そんな彼が、あえてSEOにこだわらないと語る理由を追求します。

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検索ボックスに入るのはたくさんの人の「悩み」

石井の日課は、Googleの検索結果画面をリサーチすること。どのような変化があるのか、わずかな違いを発見しては自身のTwitterアカウントで発信しています。

「Googleの検索結果画面って、ユーザーが気づかないレベルで少しずつ変化しているんです。たとえば、サイト名の位置が変わったり、ファビコンがついたり……。Googleは最適な検索体験を探って細かいABテストを繰り返しているわけです。その過程を発見するとワクワクする。なるほど、次はこうきたかと。

検索ボックスの中に入るのは、たくさんの人の“悩み”なんですよ。知りたいことしか入れられないボックスです。その検索体験がどうなっているのか、ものすごく興味があるんです 」

そんな石井は、ナイルにおいてユーザーの「検索体験」について最も理解が深いコンサルタントのひとり。ところが、彼の社会人としてのスタートを切ったのは、まったく違う業界でした。

「知りたかったのはコレだ!」人生を変えた1冊の本との出会い

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2015年に来日した『アンビエント・ファインダビリティ』著者のピーター・モービル氏と

石井のキャリアは、編集プロダクションではじまりました。編集兼ライターとして、多くの企業を取材していたのです。

「編集プロダクションに2年半ほど在籍していて、企業パンフレットや社内報を中心に制作していました。社内報の内容は、『工場が竣工しました』『大型受注が決まりました』『新入社員が入りました』といった社内向けのニュースを扱っています。 ヒアリングの内容から伝えたい情報を見つけ出すという部分は、今の仕事にもつながっていますね」

当時はネットバブルが起こり、IT企業が急成長していた時代でした。可能性を感じた石井はIT業界へ転身することを決め、2007年にWebマーケティングの会社へ転職します。入社後、営業職として経験を積んだあと、コンサルタントとしてSEO調査を行うことになります。

その後、Yahoo!のGoogleエンジン採用といった環境の変化、Googleの様々なアルゴリズムの変化を間近で見ていく中で、それまでのやり方ではない方向があるのでは、と思いはじめます。

そんなとき、1冊の本と出会ったことが石井にとって転機となりました。

「『アンビエント・ファインダビリティ』という本に、大きな影響を受けました。ファインダビリティとは、情報の“発見のしやすさ”という意味です。

世の中に情報が増えているなかで、ユーザーはどうやってそれを取捨選択していくのかがテーマです。2006年の本ですが、今の時代を予見した内容でした」

本の内容に感銘を受けた石井は、著者に会いに行きます。

「著者のピーター・モービル(Peter Morville)が日本に来て、東京でセミナーが開催されたんです。まる1日参加したのですが、セミナー中にびっくりすることがあって……。ピーターが、途中で会場から消えてしまったんです」

その後、ピーター氏はセミナー会場へ夕方に戻ってきて、「実は埼玉県の入間市にある高校に行っていたんだ」と興奮気味に語ります。有名な建築を見てきたらしく、設計のすばらしさについて、延々と話しはじめたのです。

「その日は、建築の話、生態系の話が飛び交って。いろんなものが情報アーキテクチャ(情報構造)の話につながっていくんですね。そして、情報があふれた時代をどう考えていくべきなのか、ということにリンクするんです。

僕が知りたかったのは、まさにコレだ!と」

ひとりの人間が検索する行為をとことん突き詰めたい

コンセプトダイヤグラム

ユーザーの気持ちの変化を捉えるための「コンセプトダイアグラム」のイメージ図

2016年から、ナイルでサイトのユーザーデータを追い続ける石井。では、どのような検索の理想形を描いているのでしょうか?

「できるならば、ひとりの人間が検索する行為をとことん突き詰めたいと思っています。たとえば、家を購入した人が、その半年後にファミリーカーの購入を検討するため検索するといったデータがあったとします。結婚して、子どもが生まれ、大きい車が必要になってくる。

そういった検索1回ごとのデータを見るのではなく、長いスパンで同じ人の検索行動を追っていくと、その人の人生が見えてきます。

そうすると、ユーザーをセグメントしやすくなりますし、ターゲッティングしやすくなる」

1ユーザーの情報を追うという意味では、Cookie(クッキー)を利用した技術が近いものでした。しかし、プライバシーの問題から制限がかかるようになります。

その後、石井が関心を持つようになったのがUXの考え方。ユーザー体験の中に必ず検索があり、その前後の文脈が捉えられれば、検索意図が捉えられるはずだと、セミナーに参加して最前線の情報を集め続けます。

「多くのセミナーで話を聞くうち、これはすごい!と思ったのが、清水誠さんの“コンセプトダイアグラム”という方法でした。清水さんは、ユーザーの動きを図解し理解するだけではなくて、サイト上での行動をデータで計測する方法を提案していたんです。

僕は、カスタマージャーニーマップをつくるだけでは、ウェブの世界では足りないと感じていて、清水さんの方法論を聞いて、探し求めていたアプローチだと思いました。ユーザーの行動を設計し、数値として計測すると、本当に図解した通りに動いたのかを確認できますから」

2017年、ナイルのデジタルマーケティング事業部に戦略顧問として清水誠が就任します。

「手段はSEOじゃなくていい」最優先はクライアントの課題解決

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アナリストの現場リーダーとして豊富な経験を共有し、後輩の育成にも力を入れている

ナイルにおけるアナリストの仕事を、石井は「避けては通れないこと」と語ります。

「お客さんの課題が解決できれば、手段はなんでもいいと思っています。SEOでもいいし、SEOじゃなくてもいい。

ただ、調べることって避けては通れないんです。課題がなぜ起こっているのか、原因を特定しないと有効な手段が選べませんから。

データで課題が解明できなければ、ユーザーテストしたり、ヒアリングしたりしてユーザーに聞けば良い。その結果として、解決手段がSEOやコンテンツマーケティングならナイルで解決できますし、それ以外であればパートナー企業が手段を持ってることもありますしね。

だから、アナリストの仕事は課題の原因究明をとことん突き詰めることです。

僕個人が突き詰めたい性格なので、クライアントからの難しい要望も“いけますよ”って受けるようにしています。解決できる可能性が少しでもあるなら、踏み込みます。そこでどうしようと思ってしまったら、躊躇してしまったら、誰もその課題を解決しないかもしれない。だから、“ブレーキを踏まない”がモットーです」

アナリストの仕事は一般的に定量的なデータを扱うことから、客観性や数字の無機質さといったイメージを抱かれがちです。

しかし、「突き詰める」という情熱を秘めて業務に臨む石井のように、ナイルのアナリストはクライアントの課題を真摯に置い続けていくことでしょう。

※上記の記事は、PRtableで掲載された内容を転載したものになります。

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編集者情報

ナイル編集部
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2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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