受注率とは?受注率が下がる5つの原因と上げるための施策をまとめて紹介
受注率とは「実施した商談のうち、何件が受注につながったかを割合で示したもの」
のことです。
売上につながる指標のため、さまざまな企業で重視されています。
そこで本記事では、受注率の概要を説明した上で、受注率を上げる方法を紹介します。受注率を上げたいと考えているのであれば、最後までご覧ください。
下記の資料では、効率的に営業できるインサイドセールス導入の方法や、向いている商材・向いていない商材についてまとめています。
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目次
受注率とは
受注率は「成約率」と同義で、商談したなかで成約にいたった割合のことを指します。
計算方法は、以下のとおりです。
【受注率の計算方法】
受注率=受注した件数÷商談の件数×100
例えば、100件の商談があって、そのうち35件が成約にいたった場合は、
「35÷100×100」で受注率は35%となります。
受注率は、営業活動の効率を測定する指標です。受注率が高い場合は、成約につながる商談が多く、社内のリソースを有効に活用できていると判断できます。一方で、受注率が低ければ、多くの商談が徒労に終わっていないか確認が必要です。
これは、企業全体で考えると「受注1件あたりに要するコスト」が高くなっており、営業活動の見直しをするか検討するきっかけになります。
受注率の計算は「商談件数」の捉え方を工夫しよう
受注率アップを目指す際に大切なのは、「商談件数をどのように捉えるか?」です。
営業部署の目標に設定されるのは、受注率ではなく受注額である場合がほとんどです。実務上、受注率は目標の受注額を達成するため、「直近の受注率が◯%だから、△件の商談が必要になるだろう」といったように、目安の数値として用います。
言ってしまうと、受注率が低くても商談数を増やせば、効率の良し悪しに関わらず目標とする受注額への到達が可能です。そこで重要になるのが、受注率を計算する母数の捉え方です。
商談には、主に以下の2パターンがあります。
【商談の主なパターン】
- 「これは受注につながりそうだ」という確度の高いもの
- 「とりあえずアプローチしてみよう」という確度の低いもの
確度の高い商談における受注率が低い場合は、期待していた受注が得られないため、目標達成に向けて別の手を考えなければなりません。一方で、確度が低い場合は、「ほかの商談で目標の受注額を達成すればいい」と、すぐに切り替えられます。
以上のことから、受注率を計算する際は、「営業が“受注できる”と思った商談が、どれほど受注につながっているか」を見られるよう、母数となる商談の件数の捉え方を工夫しましょう。
受注率を上げる2つの手段
受注率を上げるための手段には、以下の2つがあります。
【受注率を上げる手段】
- 受注率が低くなる原因を潰す
- 受注率を向上させる施策を打つ
「受注率を下げている原因を知ること」「受注率を上げるための施策を講じること」の両方とも、受注率を上げるためには欠かせません。
以下では、それぞれの手段の具体策を紹介します。
受注率が低くなる5つの原因と対策
受注率を上げるためにまず必要なのが、現在、受注率が低くなっている原因を探り、それらを潰すことです。
ここでは、受注率が低くなる下記の5つの原因と、その対策をお伝えします。
原因1 顧客が商談に近い段階にいたっていないから
1つ目にお伝えする原因は、<b顧客が商談に近い段階にいたっていないことです。「すぐに成約につながりそうな見込み顧客」は限られています。
これを見定められずに、成約にいたる見込みの少ない顧客にばかりに注力してしまうと、本来その時間で獲得できたはずの案件を逃してしまい、結果として受注率の低下を招きます。
対策 見込み顧客ごとの受注の「確度」を見極める
受注率を上げるためには、受注してもらえる可能性の高い顧客を優先するのが、基本的な戦略です。
あらためて確認しておくと、「リード獲得」から「受注」までには、以下のステップが踏まれます。
このうち、リードの育成によって「どれほど購買意欲が高まったのか」をスコアリングできると、確度の高い顧客を見極めやすくなります。リードの育成におけるスコアリングの方法の詳細は、下記の記事でお伝えしていますので、ぜひ参考にしてください。
リードナーチャリングにはスコアリングが不可欠!その理由や実施方法を解説
さらに、スコアリングで見極めた確度の高い顧客から優先的にアプローチすることで、受注率アップにつながります。
原因2 顧客の課題を理解していないから
「顧客が抱える課題」を理解していないと、求められていない提案をしてしまい、相手に興味を持ってもらえません。顧客は何かしらの悩み・課題を持っているからこそ、それを解決する手段として、自社の商品・サービスに興味を持ってくれています。
それなのに求められていない提案をしてしまうと、「自分が売りたい商品」の押し売りになってしまう場合があります。
対策 顧客の課題を把握する
商談では、相手の「課題」を把握することが第一です。問い合わせの経緯やヒアリングなどで得た情報をもとに、抱えている課題を分析しましょう。その上で、相手の悩みを解決できる商品・サービスを提案し、「どのように課題を解決できるのか」をアピールすると、相手の課題解決に近づけます。
また、コミュニケーションを重ねるなかで相手からの信頼を得て、「自分たちの悩みを理解してくれているこの人がおすすめするなら……」と思ってもらえれば、さらに受注率アップにつながります。
原因3 キーパーソンを見極めていないから
商談では、直接話している相手の「社内での立場」を見極めることが重要です。相手側のキーパーソンを押さえられていないと、的確なアピールができないからです。
たとえ担当者の反応が良好であっても、上長が納得できないため社内での決裁が通らず、失注することは珍しくありません。
対策 担当者のポジションを把握する
商談の成功率を上げるには、<b>会社の組織図を把握しておきましょう。担当者の立場がわかれば、想定できる社内稟議に合わせて資料やデータなどを用意できます。
可能であれば、キーパーソンである上長と直接話せるよう交渉することもおすすめです。課題の詳細をヒアリングできるだけではなく、資料だけでは伝わりにくい自社の熱意を共有できます。
原因4 自社の強みをアピールできていないから
受注率が上がらない原因の1つとして、自社の強みをアピールできていない点も挙げられます。自社の魅力を具体的にアピールできなければ、相手が他社と比較する際の判断材料を提供できません。
また、「社内で違いを明確に説明できない」という理由で、候補から外れるケースもあります。
対策 自社の商品・サービスへの知識を深める
自社の商品・サービスについて熟知しておきましょう。言うまでもなく、自分が売る商品・サービスのことを知らなければ、商談相手にわかりやすい説明はできません。まずは、以下のようなポイントを言語化するのがおすすめです。
【言語化のポイント】
- どういった問題を、どのように解決できるのか?
- 自社にあって他社にはない点は何か?
- 既存顧客からどのように評価されているか?
また、既存顧客に対して、「自社の商品・サービスの良いところ・気になるところ」や「なぜ自社を選んでくれたのか」などのアンケート調査を行うこともおすすめです。
顧客の声から、自分たちでは気づけなかった、商品・サービスの改善点や競合にはない自社の魅力を発見できます。
原因5 競合よりも魅力的な提案ができていないから
受注率に影響を及ぼす要素の1つとして、「コンペでの勝率」もあります。そもそもではありますが、いくら自社の魅力を理解していたとしても、コンペに勝てなければ受注につながりません。
対策 敗因を分析して次回に活かす
競合とのコンペに負けてしまう原因には、必ず理由があります。「競合との差がわかりにくい」「顧客との接触頻度が低い」など敗因を分析することが重要です。もしコンペに負けても、敗因を曖昧なままにせず、次回のコンペに活かせる改善策を見つける機会にしましょう。
なお、受注率を効率的にアップさせるインサイドセールスについてまとめた無料資料を用意しています。具体的なステップや導入する際のポイントも紹介しているので、ぜひ以下からお気軽にダウンロードしてください。
受注率をさらに向上させる5つの施策
受注率が低い原因を明確にした企業が、さらに受注率を向上させるためには、次の5つの施策を実施するのがおすすめです。それぞれの施策について詳しく解説します。
受注率をさらに向上させる5つの施策
施策1 事前に自社の評価を上げておく
受注率を上げるためには、「商談に入る前の段階」で自社の評価を上げておくのが有効です。相手がこちらの存在や特徴を理解している状態であれば、コミュニケーションが円滑になるからです。
例えば、コンテンツマーケティングに取り組んで、自社の記事や動画を相手に見てもらえれば、「自社がどのような企業なのか」を事前に伝えられます。
実際にナイルでも、自社の事業をより多くの方に知ってもらうために、「ナイルのSEO相談室」というオウンドメディアや、YouTubeチャンネル「ナイルTV / WEBマーケティング相談室」の運営などに取り組んでいます。
その結果、問い合わせの際に「〇〇を見ました」といった声をいただくことが出てきました。
自社に対する評価が高ければ、「御社にお願いしようと思っているのですが……」と、発注を前提にした問い合わせが入ることも珍しくありません。
このケースであれば、「相手企業の担当者と、社内決裁を得るための作戦を詰めていく」という、自社に有利な状況で商談を進めることが期待できます。
施策2 顧客の段階に合わせて複数回アプローチする
商品・サービスを提案しても、それが今すぐに必要ではない場合は受注に至りません。そのため、「商談の最初のアプローチは、断られて当然」くらいの心構えを持つことをおすすめします。
ただ、商談を断られたからといって、すぐに見込み顧客のリストから外す必要はありません。引き続きアピールを続けることで、再び商談に入れるタイミングをうかがうようにしましょう。
施策3 顧客のスケジュール・予算に合わせて提案する
そもそも予算やスケジュールが合っていなければ、相手企業の社内稟議が通らない可能性が考えられます。そのため、相手のスケジュール設定を手伝ったり、予算に見合った提案ができないか検討したりすることも必要です。
社内事情や課題の深刻度などから逆算すると、「商品・サービスの納入」「契約」「必要書類の提出」など、各タスクのおおよその時期が定まります。
また、予算によって「商品・サービスのグレードはどれにするのか?」「どのオプションを付けるのか?」といった事情は大きく異なります。相手企業の予算と自社サービスの予算に幅があれば、厳しいようですが満足度の高い提案を行うのは難しいです。
お互いにとってメリットのある時間にするためにも、商談では早い段階でスケジュールを確認し、相手の予算を把握できるようにしておきましょう。
施策4 相手に寄り添った対応を心がける
発注先を決める際は、ロジカルではない部分が重要視されることが意外と多いです。「先方の担当とコミュニケーションがとりやすい」「信頼できそう」「熱意を感じる」など、感覚を大切にするケースはあります。
具体的にできることの例としては、以下のとおりです。
【相手に寄り添った対応の例】
- こまめにコミュニケーションをとる
- 返信はなるべくはやくする
- 先回りして対応する
実際にナイルがお客様にインタビューをしたときにも、ナイルを選んだ理由の1つとして、よく「担当者の人柄」が挙げられました。
ビジネスの場であっても、人と人とのやり取りなので、相手からの信頼を得ることは大切です。自社の利益も重要ではありますが、人として相手に寄り添うことを心がけましょう。
施策5 業務の自動化・外注化を検討する
業務の一部を自動化したり外注パートナーに依頼したりするのも、受注率を向上させるための施策のひとつです。日々の業務をこなしながら、商談相手と密にコミュニケーションを図ることは簡単ではありません。
実際に営業担当がやるべき業務は、下記のように幅が広いです。
【営業担当がやるべき業務の例】
- 見込み顧客リストの作成
- メールや電話によるアプローチ
- 商談相手とのアポイントメント
- 商談に使う資料作り
- 契約書の作成 など
上記の業務のうち、「リストの作成」「アプローチメールの送信」「契約書の作成」などは、ツールを活用することで、1件ずつ手作業をしなくても自動で行えるようになります。また、商談に使える「他社の導入・活用事例」などの作成は、制作会社に外注することも可能です。
このように、営業担当の負荷をなるべく減らすことで、「商談相手とのコミュニケーション」というコア業務に集中できるようになります。それによって相手からの信頼を得られれば、受注率の向上が期待できます。
ナイルでは、営業資料やホワイトペーパーの制作代行を行っていますので、資料作成のコストを減らしたいと考えている場合は、以下からお気軽に問い合わせてください。
受注率を上げて営業活動を効率化しよう
商談が失敗してしまうときは、必ず原因があります。原因を一つひとつ地道に改善していくことで、受注率のアップにつながります。これに加えて、相手に寄り添った誠実な対応を心がけることで、さらなる受注率の向上を目指しましょう。
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