ECサイトのコンテンツマーケティングとは?メリットや事例、施策の例も紹介
ECサイトの競争激化にともない、商品検索や広告とは別の集客手段としてコンテンツマーケティングが注目されています。
そこで今回は、ECサイトにおいてコンテンツマーケティングを行うメリットや活用事例について詳しく紹介します。
なお、ナイルではコンテンツマーケティングを成功させるためのポイントを無料で配布しています。失敗せず、確実に成果につなげたい方は「ナイル流・コンテンツマーケティング資料」をぜひご活用ください。
目次
そもそもコンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、「有益なコンテンツ発信を軸にしたマーケティング手法」のことです。
例えば、ECサイトでは、以下のような施策が行われます。
ECサイトのコンテンツマーケティング施策 | |
コンテンツの中身 | 概要 |
商品紹介 |
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購買支援 |
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コミュニケーション |
|
集客コンテンツ |
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ECサイトのコンテンツマーケティング活用例
ECサイトのコンテンツマーケティングは、ECサイトの種類によって活用方法が異なります。
下表は、楽天などの「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」の特徴を整理したものです。
「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」の特徴 | ||
種類 | メリット | デメリット |
モール型ECサイト |
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自社ECサイト |
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|
これらの特徴の結果、ECサイトでは以下のようにコンテンツマーケティングが活用がされています。
自社ECサイトで活用されることが多い
コンテンツマーケティングは、集客が不足しがちな「自社ECサイト」でよく活用されます。
なぜ集客が不足するかというと、モール型ECサイトと違い、自社ECサイトは自力でお客さんを集めなければならないからです。
ウェブの集客ではSEOや広告が考えられますが、「商品名+通販」のようなキーワードでは楽天市場やAmazonといったモールや大手サイトが強すぎてなかなか勝てません。
さらに、獲得型広告(直接購入につなげることを目的とした広告)も競争が激しく、費用対効果が悪くなりがちな問題もあります。
そこでコンテンツマーケティングも取り入れて、情報検索経由の流入を獲得したり、SNSから送客したりして広く集客をかけていくわけです。
モール型ECサイトでの活用も広まっている
コロナ禍以後は、モール型ECサイトでもコンテンツマーケティングが活用されるようになりました。
ECの需要増にともなってモール出店者が増え、商品検索の競争が激化してきたためです(競争回避のためにコンテンツマーケティングを活用)。
なお余談ですが、モール型ECサイトはモールのドメイン内にコンテンツを配置できる(=モールのドメインパワーを借りられる)の特徴があります。
独自ドメインよりも有利にGoogleやYahoo!のSEO対策ができることも、モール店でコンテンツマーケティングが注目されるようになった理由のひとつです。
ECサイトでコンテンツマーケティングを行うメリット3つ
ECサイトでコンテンツマーケティングを行うメリットは、新規顧客の獲得、ブランドイメージの提供、既存顧客からのイメージアップなどです。
それぞれを、詳しく見ていきましょう。
メリット1 集客力がアップする
ECサイトでコンテンツマーケティングを行うと、お買い物検索ではなく情報検索からも集客できるため、集客力アップにつながります。
例えば、SNSを経由した集客です。
InstagramやX(旧Twitter)のアカウントをフォローしてくれたユーザーに対して定期的に商品情報を伝えたりなどのアプローチができるため、新商品をいち早く見てもらえる効果が見込めます。
また、ライブコマースのような施策も活発になってきており、年々マーケティング施策の幅も広がっています。
いろいろなチャネルを上手に活用することで集客につなげることが可能です。
メリット2 販売力がアップする
メリットの2つ目は、販売力(=商品購入率)が上がる点です。
BtoBとは違い、BtoCのECは購入までの検討期間も短いのが特徴です。コンテンツを経由してそのまますぐに購入ができるため、販売施策としてもよく使われています。
例えば、まだまだ無名のスキンケア商品を売っている場合です。ECは売り手の顔や商品の実物が見えないので、無名の商品を買うときにはある程度の不安がつきまといます。
そんなときに、不安をやわらげ、疑問に答えるコンテンツを用意しておくと、顧客は安心して商品を購入できるようになります。
具体的には、率直なユーザーインタビューを記事や動画で公開したり、成分分析をまとめてみたりするイメージです。
ちなみにコンテンツ経由で販売ができると、価格比較も避けられるので利益が残りやすいのも嬉しいポイントだといえます。
メリット3 ブランディングにつながる
ブランドやショップに対するイメージが良くなるのもメリットのひとつです。
例えば、選びづらい商品のお買い物を手助けする「購買支援コンテンツ」の用意です。
特に、ランドセルやブライダル用品など生涯にそう何度も買わない(=顧客が買い物に慣れていない)ニッチな商品では、以下のような購買支援コンテンツが非常に喜ばれます。
【購買支援コンテンツの例】
- 商品の選び方の解説(「こういう方にはこの商品がおすすめです」など)
- 商品のスペックの比較(「Aの商品は◯◯機能があるが、Bにはない」など)
- お客さまの声(良いレビュー・悪いレビューの紹介など)
上手にお買い物を支援すれば、店舗のファンになってもらえるほか、SNSで話題になったり、TVや雑誌などのメディア露出の機会が得られたりなど、ブランドイメージの向上につなげることが可能です。
EC業界では、SNSの拡散やメディア露出の宣伝効果が非常に大きいため、積極的にコンテンツマーケティングを取り入れておきたいところです。
ちなみに、ECでは「ブランド」といっても必ずしもオリジナルブランドである必要はありません。
仕入れ型のお店でも、目利きやキャラクターを活かした「有名店長」になるアプローチ法もあります。
実際に、お風呂グッズ専門店「BATHLIER(バスリエ株式会社)」は、店長が5万点のお風呂グッズを試して各種メディアに出演しています。
特に、株式会社TBSテレビが放送した「マツコの知らない世界」出演当時、大きな話題となりました。
店長自身をコンテンツにし、集客やブランディングに活かすのもECならではです。
ECサイトのコンテンツマーケティングの成功事例3選
次に、ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの成功事例を3選紹介します。
事例1 北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
「北欧、暮らしの道具店」は、活用例などがイメージしやすいよう、たくさんの写真を使って利用者目線で役立つ質の高いコンテンツを作成しています。
特にメールマガジンは単純な商品紹介ではなく、商品がわかりやすい写真とスタッフのおすすめポイントなど「読み物として楽しめること」も評判の理由です。
ほかにもチャンネル登録者数50万人以上のYouTubeアカウントがあったり、特集なども多いオウンドメディアがあったりとコンテンツマーケティングに力を入れています。
【「北欧、暮らしの道具店」のECサイト】
出典・参考:北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)※2023年10月時点
事例2 scope(有限会社 スコープ)
「scope(スコープ)」は、商品ページがマガジンのようなコンテンツになっており、説明文を読んでいるだけで楽しめる作りになっています。
商品の目利きとマガジン的な面白さからファン化を促進して指名検索につなげる、ECならではのコンテンツマーケティングを実現しているのが特徴です。
【「scope(スコープ)」のECサイト】
出典・参考:scope(有限会社 スコープ)※2023年10月時点
事例3 MUJI 無印良品(株式会社良品計画)
「無印良品」のコンテンツマーケティングは、ブランドイメージと同じく、シンプルさと使いやすさに重きを置いているのが特徴的です。
特にInstagramは、企業アカウントでも国内屈指の285万人フォロワーを誇ります。
人気の理由は正確な情報を丁寧に伝えつつ、押しつけがましい情報が少ないところです。
受け手側が自由に解釈できるよう余白を持たせている点は、コンテンツづくりの参考になるのではないでしょうか。
ECサイト側のコンテンツもシンプルで洗練されており、自社製品を活用したカスタマーストーリーや、無印良品の哲学を共有するブログ記事などを通じて、ブランドの世界観を一貫して伝えています。
【「MUJI 無印良品」のECサイト】
出典・参考:MUJI 無印良品(株式会社良品計画)※2023年10月時点
ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの施策例4つ
次に、ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの施策例を4つ紹介します。
単純にコンテンツを公開するだけではなく、扱う商材と買われ方を踏まえて発信することが重要です。詳しく見ていきましょう。
例1 SNS
InstagramやX(旧Twitter)など、SNSを活用したコンテンツマーケティングに力を入れている企業が増えています。
例えば、インテリア商品を提供する「株式会社ニトリ」では、Instagramやライブコマースを活用した集客に力を入れています。
136万人を超えるフォロワー数(2023年10月時点)で安定的にユーザーと接点を持てるのはもちろん、Instagramの「ショッピング機能」や「ストーリー」を活用して集客につなげています。
ライブコマースでは、ライブを視聴している人が興味を持ったタイミングで商品を手に取れる「Tig LIVE」(パロニム株式会社)を活用してユーザーとの接点を強化しています。
このようにSNSを強化してECサイトへの流入獲得や、商品販売につなげることができるのです。
【「ニトリ」のSNS一例】
出典・参考:nitori_official(ニトリ公式|インテリア・家具)Instagram(株式会社ニトリ)※2023年10月時点
例2 オウンドメディア
オウンドメディアは、検索流入の獲得や、自社のブランディングに役立ちます。
例えば、日本の伝統的な工芸品や生活雑貨を販売する「株式会社中川政七商店」のオウンドメディアでは、「日本全国工芸百科事典」というコンテンツも設けて「藍染」や「工芸」などの情報検索を意識した記事を発信しています。
商品の背景にあるストーリーを伝えて共感してもらう、「ストーリー性のある記事」を豊富にそろえているのが特徴です。
ほかにも、音声コンテンツの「中川政七商店ラヂオ」や作り手を訪ねる取材記事など、ECの範疇を超えた幅広いコンテンツを提供しており、買い物以外の用途でも楽しめる作りになっているのも見逃せません。
ちなみにオウンドメディアというと中長期前提のBtoB向けの印象がありますが、BtoCのECでは「短期決戦」のコンテンツもよく見られます。
例えば、父の日や母の日、バレンタインデーやホワイトデー、クリスマスなどイベント商戦で1年の大半の売上を稼ぐショップでは、季節限定のオウンドメディアを構築して運用しているケースもあります。
ECでは「一番売れるタイミングでいかに露出できるか」が業績を大きく左右するので、オウンドメディアでは汎用的な内容だけではなく、需要のピークを狙った短期的な記事も重要です。
【「中川政七商店」のオウンドメディア】
出典・参考:中川政七商店の読みもの(株式会社中川政七商店)※2023年10月時点
例3 YouTube
YouTubeは映像で情報を伝えられるため、単純に商品を紹介する以外にも、使い方や利用シーンなどさまざまな情報を発信することができます。
例えば、「北欧、暮らしの道具店」のYouTubeでは、「オリジナルドラマ」や「モーニングルーティーン」など、個性豊かな動画が人気です。
一見すると、ECらしさが薄く見えるかもしれません。
しかし、エンターテインメント性の強いコンテンツで顧客との接点を獲得し、繰り返し見てもらうことでエンゲージメントを高めるのは、まさにコンテンツマーケティングそのものです。
例4 メールマガジン
メールマガジンは、「チラシ」や「セール告知」の印象も強いですが、ためになる記事を配信してファンづくりや需要開拓に活用する例もあります。
「LINE公式アカウント」などの活用も広がってきていますが、EC業界ではメールマガジンもまだまだ現役です。
商品説明だけではなく、下記のような工夫をすることでエンゲージメントを高め、リピート購入につなげることが可能です。
【メールマガジンの有効活用法】
- 顧客とお店との間であったエモーショナルなストーリーを配信して共感を集める
- 商品の周辺知識を配信して顧客の知識を増やす
こうした年々増えていくマーケティング手法や集客手法が整理できておらずお困りの方は、集客のスペシャリスト集団であるナイルまでご相談ください。
30分間の無料相談をお受けしておりますので、ぜひ以下バナーよりお気軽にお問い合わせください。
ECサイトのコンテンツマーケティングの始め方
ECサイトのコンテンツマーケティングは、いきなり始めようと思っても難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。
ここからは、コンテンツマーケティングの始め方を紹介します。
ECサイトのコンテンツを見て学ぶ
まずは、実際に成功しているコンテンツマーケティングの例を見て学ぶことがおすすめです。
例えば、SNSを活用したコンテンツマーケティングを行う場合は、実際に成果の出ているアカウントをフォローしてコンテンツを見てみましょう。
- 誰に向けてどんなコンテンツを発信しているのか
- 顧客とコミュニケーションをとるためにどんな発信をしているか
- 良いと感じるポイントとしては何があるのか
など、実際にSNSを見て成功の秘訣を整理してから挑戦するとよいでしょう。
ECサイトにおすすめのコンテンツマーケティング本3選
とはいえ成功事例だけみても、具体的にどうやって進めるべきか悩むこともあるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、ナイルおすすめの本を3つ紹介します。
おすすめ本1 「いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本」
コンテンツマーケティングの考え方や種類などが詳細に解説されていて、初心者に特におすすめの本です。
事例や図なども豊富にあり、コンテンツマーケに絡めたブランディング手法なども記載されています。
【書誌情報】『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』
著者:宗像淳、亀山將
出版社:インプレス
定価:1,958円(税込)
おすすめ本2 「コンテンツマーケティングの教科書」
BtoBのマーケティング担当者向けに作られており、基礎だけではなく具体的な実践方法についても解説されている本です。
全社的な取り組みとして、コンテンツマーケティングを活かしたい場合に役立ちます。
【書誌情報】
編著:日経BPコンサルティング コンテンツコミュニケーション ・ラボ
出版社:日経BPコンサルティング
定価:1,980円(税込)
おすすめ本3 「Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書」
コンテンツの制作から改善までの一連のプロセスで、役立つ具体的な方法を紹介している本です。
「効果が高いコンテンツをどのように作ればよいか」「効果が出ないときはどのように改善すればよいか」など知りたい疑問の具体的な答えがわかります。
購入者特典としてチェックシートなどのExcel表もダウンロードできるため、実際の業務ですぐに活用できるのが魅力です。
【書誌情報】
『Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書』
著者:株式会社日本SPセンター
出版社:エムディエヌコーポレーション
定価:2,200円(税込)
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コンテンツマーケティングでECサイトを成長させよう
自社ECサイトを準備してコンテンツマーケティングに力を入れれば、熾烈な商品検索や値下げ競争を避けつつ、集客力を大幅にアップできる可能性があります。
今回は、ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの基礎やメリット、事例や施策の例などについて解説しました。
成功例も豊富にあるため、自社に近いジャンルの事例を参考にして取り組んでみましょう。
なお、ナイルではコンテンツマーケティングを成功させるためのポイントを無料で配布しています。失敗せず、確実に成果につなげたい方はぜひご活用ください。
コンテンツマーケティングってどう始めればいいのだろうとお困りの方へ
ナイルでは初心者の方でもわかりやすい「コンテンツマーケティング」に関してまとめた資料をご用意しております。取り組み始める前にぜひダウンロードください。社内の課題やご質問があればお気軽に無料相談をご利用ください!
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