【予算がないときに】上司のYESを引き出す!コンテンツマーケティングの予算交渉に必要な2つのポイント

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【予算がないときに】上司のYESを引き出す!コンテンツマーケティングの予算交渉に必要な2つのポイント

こんにちは!ナイル株式会社でSEOコンサルティングを行っている青木です。

業界や商材を問わず、当たり前のように行われるようになった「コンテンツマーケティング」について、ナイルにも日々、多くの企業さまからご相談が寄せられます。

そして、相談の場でよく聞くのが、「予算がない」というお話です。予算は難しい問題ですね。

今回は、「上司のYESを引き出す、マーケティング予算交渉のポイント」をオウンドメディアのマーケティング担当者Aさんとの対談を通して紹介します。

回答者 青木 創平
ナイルSEO研究所所長・SEOコンサルタント。大規模データベース型サイトなどのSEOプロジェクトや、サービスサイトにおけるオウンドメディアマーケティングなどを手掛ける集客のスペシャリスト。最近はYouTuberとしても活動中。

質問者 Aさん
某企業でBtoB向けのオウンドメディアを運営しているマーケティング担当者。上司にコンテンツマーケティング強化を提案するも「予算がない」と言われて意気消沈している。

マーケティング予算がない!

Aさん

Aさん:上司に「コンテンツマーケティングの予算がない」といわれました

青木さん!先日、上司に「外注してコンテンツマーケティングをしっかりやりましょう」と伝えました。

でも、「予算ないから自分でやって」って返されちゃいました……。

青木
それは残念ですね……。

Aさん
マーケティングってやること多いし、私一人じゃ無理なのに。どうしたらよかったんでしょう?

青木
では今日は特別に「上司のYESを引き出す、マーケティング予算交渉のポイント」をお教えしましょう。さほど時間もかけずにできて、ちゃんと通りやすくなりますよ。

マーケティング予算の承認に必要な数字とは

青木

青木:上司の気持ちになって、売上の具体的な数値を提出すべし!

まずは、上司の気持ちになってみましょう。

例えば、部下にいきなり「外注してコンテンツマーケティングをしっかりやりましょう」と言われても、月に何十万円の費用をポンとは出せませんよね。

どのように話してもらえたら、「予算を出してもいいかな」と思いますか?

Aさん
PVセッション数を出して「数字で効果を示す」とかでしょうか?

青木
いいですね!集客効果を見せるのは素晴らしい観点です。

ただ予算をもらうにはもう一歩、強い数字が必要です。「決裁するために必要な数字」って何だと思いますか?

Aさん
「売上」ですか?

青木
そのとおりです!

決裁者目線が大事!マーケティング予算を獲得する2つのポイント

青木
予算を獲得するには大きく2つのポイントがあります。

青木: ポイント1 投資対効果の高さを証明する ✕:現場目線の数字を見せる  ◯:決裁者が欲しい数字を見せる ポイント2 実現方法を具体化して見せる ✕:施策の必要性だけ見せる  ◯:どう実現するかまで見せる

会社にとって嬉しいのは「売上と利益が増えること」ですので、この2つを証明できれば、YESが引き出しやすくなるんです。

Aさん
そうですか。私、どうやってコンテンツマーケティングをするかばかりを考えていました。

青木
決裁者が知りたいのは、その「コンテンツマーケティングに月何十万円かを投資すると、具体的にどれだけ売上が伸びるのか」です。そして、「どれだけ確実性があるのか」です。ここを示さないといけません。

Aさん
でも、具体的にどうやって準備したらいいのでしょうか?

青木
では、BtoBのオウンドメディアを例に見ていきましょう。

ポイント1 投資対効果の高さを証明する

青木
まずは投資対効果、つまり売上の試算ですね。オウンドメディア経由の場合は、こんな感じで求められます。

セッション数>リード獲得率(転換率)>商談化率>有効商談化率>受注率 受注数✕客単価=売上予測の図

Aさん
シンプルな計算でいいんですね!

青木
はい、これでも十分筋は通ります。「セッション」「リード獲得率」「商談まわり」の順番に調べ方を見ていきましょう。

投資対効果を出す7つの試算方法

青木

まずは、セッション数です。

投資対効果を出す7つの試算方法
セッション リード
獲得率
商談化率 有効
商談化率
受注率 客単価 売上

 

ここは、「Ahrefs(エイチレフス/株式会社フルスピード)」や「SEMRush(セムラッシュ/株式会社オロ)」というツールですぐにわかります。

Ahrefs(TOP画面キャプチャ)

出典:Ahrefs(株式会社フルスピード※日本販売会社)

Aさん
こんなツールがあるんですね!知りませんでした。

青木

調べたライバルの数字は、そのままポテンシャルとしてベンチマークにします。

例えば、ライバルが10万件のトラフィックを集めているなら、その10万をそのまま参考値にする感じです。

不安なときは、ポテンシャルに対して80%、60%…と割り引いた数字も用意しておけると参考になると思います。

Aさん
結構ラフな感じでもいいんですね。

青木
はい、そもそも100%正しい数字は取れないですからね。

あくまで試算という前提を合わせておけば、これでも上司と話ができると思います。

ちなみに、このあたりの調査が難しいな…と思ったらナイルがお手伝いしますので相談してくださいね。

ナイルが代わりに調査することもできますよ。

リード獲得率(転換率)の試算方法

青木

次がリード数ですね。こちらはGoogleアナリティクスの過去実績をもとに試算してください。

投資対効果を出す7つの試算方法
セッション リード
獲得率
商談化率 有効
商談化率
受注率 客単価 売上

 

妥当な数字と合わせて、好調と不調それぞれの数字でも試算しておくのがおすすめです。

Aさん
好調と不調って何ですか?

青木
妥当な試算よりもうまくいった場合、もしくはうまくいかなかった場合の想定ですね。

コンテンツマーケティングにもいろいろありますが、BtoBのオウンドメディア記事であれば、以下のような数字で見ることが多いです。あくまで参考程度ですが。

【BtoBオウンドメディアのリード獲得率の目安】

  • 好調時 0.1%
  • 妥当  0.05%
  • 不調時 0.01%

Aさん
わかりました!ただ、すみません。正直言うとGAがバージョンアップしてしまってよくわからないんですが......。

青木
それでしたら「サクッと分かる!Googleアナリティクス4」という無料資料があるので、まずはこちらをご覧ください。わかりやすく概要を解説しています。

商談化率や有効商談化率の試算方法

Aさん
次の商談まわりの数字なんですけど、

投資対効果を出す7つの試算方法
セッション リード
獲得率
商談化率 有効
商談化率
受注率 客単価 売上

 

  • 商談化率は、リード化した人のうち、何%が商談に発展するか。
  • 有効商談化率は、商談のうち何%が意味のある商談だったか。
  • 受注率は、有効商談を経て何%が受注につながるか。

って感じですよね。ただこれらはちょっとわからないです。営業部の数字は管轄外で……。

青木
商談まわりの数字がわからないときは、過去の実績から数字を予測して「固定値(いじらない指数)」として反映すればOKです。

営業部でなくても過去の月別契約数くらいはわかると思うので、そこを参考にしてもいいと思います。

いくらか精度は落ちますが、ロジックは担保できます。ただ、一番は営業部に聞いて数字を教えてもらうことですね。

Aさん
やっぱり、営業部とも話をしておいたほうがいいんですね。

青木
はい、営業とマーケって衝突することもありますが、目的も同じだし、やることも繋がっているので、一緒に組んで仕事したほうがいいと思います。

マーケががんばってセッション数や転換率を増やしても、営業側の有効商談化率が低ければ売上にならないですし。

逆に営業が商談を頑張っても、そもそもマーケが商品やサービスと相性の良いお客さんを集められなければ、やっぱり売れないわけです。営業さんとは仲良くしておきましょう。

売上予測を出す

青木
あとはここまでに出した数字を掛け算すれば、予測の受注数が出せます。そこに客単価を掛けてあげれば、売上予測の完成です!

投資対効果を出す7つの試算方法
セッション リード
獲得率
商談化率 有効
商談化率
受注率 客単価 売上

 

「コンテンツマーケティングでセッションやリード獲得数がこれだけ増えると、売上がこんなに伸びるんです!」というところをしっかりアピールしてください。

Aさん
ちょっと難しいところもありましたけど、これならそこまで時間もかけずに試算ができそうです!

青木
はい、ぜひやってみてください。

ポイント2 実現方法を具体化して見せる

青木
ここまできたら、あとは「どう実現するか」を見せるだけですね。売上と一緒に「実現の可能性」を見せられると、さらにYESが引き出しやすくなります。

Aさん
どうやって実現の方法を示していけばいいんでしょうか?

全体像から整理する

青木
まずは、実行プランの全体像から整理しましょう。

決裁する人は現場の仕事に詳しくないことが多いので、いきなり「具体的なプラン」から入ると話についてこれません。なので前提からの説明が必要なんです。

Aさん
具体的には、どんな資料を準備したらいいんでしょうか?

青木
「理想と現状とその差分」を図で整理するのがおすすめです。例えばBtoBのオウンドメディアであれば、こんな感じです。

問題の原因と原因を解決する対策を表した図

【「理想と現状とその差分」を図で整理する】

  • 理想:月のセッション数を◯万にして年間◯万円受注する
  • 現状:月のセッション数が◯件しかない
  • 問題:コンテンツ数と、コンテンツあたりの集客力が不足(検索順位が低い)
  • 原因:リソースも技術も足りない
  • 対策
    (A)コンテンツ製作やSEOに強い委託先に依頼する必要(費用◯◯円)
    (B)コンテンツ製作ができるスタッフを3人追加する(費用◯◯円)

Aさん
なるほど!これなら一発で状況がわかりますね。

でも、この「対策」の部分って、箇条書きで簡単に書くだけでいいんでしょうか?

全体像の後で具体的な対策プランを見せる

青木
もちろん、対策は具体的に見せる必要があります。全体像だけでなく、詳細資料も用意してください。

例えば、これからBtoBのオウンドメディアを作ってコンテンツマーケティングに取り組むのであれば、下記のような感じで中長期的な見通しまで示せるとよいです。

【ステップ1】
(1~12ヵ月目)◯◯社に依頼し、早期に目標を達成する 担当:XX

  • ◯◯社に技術面・制作面を依頼(月◯万円)し、月にコンテンツを◯本公開する
  • 担当XXが情報提供と品質管理を行い、内容や方向性のズレを予防する

【ステップ2】
(13~18ヵ月目)支援を受けつつ内製化を進める 担当:XX、新人

  • ◯◯社に内製化支援を依頼し、ノウハウの言語化を進める
  • メディア担当社員を1名採用し、XXから引き継ぎ。◯◯社の支援を受けつつ育成する
  • 自社でライター登用を開始して、自社内でも記事を製作する

【ステップ3】
(19ヵ月目~)段階的にシフト、自力で目標を達成する 担当:新人

  • 新入社員を中心にメディア運用を内製化にシフトする
  • 記事執筆を自社のライターに切り替え、◯◯社の比率を減らす

Aさん
なるほど、目標を細かく区切って見せるんですね。あ、ちなみにやっぱり最初は外部に委託するのがいいんでしょうか?

青木
ゆっくり取り組める余裕があれば、いきなり内製スタートでもいいと思います。

ただ、競合対策が動機になっている場合や、駆け出しのときには外部委託がおすすめですかね。自分だけでやるよりも早く、高品質のコンテンツを制作できるのが大きいです。

Aさん
内製だと、すぐに成果を出すのって難しいんでしょうか?

青木
絶対ではないんですが、適した人を探して育ててと時間がかかりますよね。

それにフィットするかもやってみないとわからないので、スピード感と理想の再現性は圧倒的に外部委託が有利だと思います。

Aさん
たしかに、そこまでは考えていませんでした。

青木
もちろんデメリットもあります。例えば、委託先に依存しないとマーケティングが回らなくなってしまうとかです。

なので、我々ナイルもそうですが、内製化まで支援してくれるところと契約して、やりかたを教わりながら段階的に自分たちで回せるようにしていくのがいいんじゃないかなと思います。

それでもOKがでないときは

Aさん

ちなみに、ここまでやってもOKがでなかったらどうしたらいいんでしょうか?

青木
OKがでないときは、よほど数字の妥当性が低いか、もしくは社内の優先度が低いかの可能性が高いと思います。タイミングの問題が大きいですね。

Aさん
どういうことでしょうか?

青木
例えば、ほかの部署で大きな案件が動いていたりすると、そちらが優先度されてしまいます。

そうなると、出した予算案が妥当でも後回しになるので難しいですね。ですので、年度末とか比較的、予算が取りやすい時期に交渉したりするみたいな戦略的な動き方も必要です。

Aさん
なるほど……。

青木
上司やほかの部署の人から話を聞いて、予算のサイクルとか、会社全体のトピックなんかを把握しておけるといいですね。

ほかの部署も巻き込んで、共同予算で対応するのもありです。

Aさん
予算を取るためには、そこまで考えて動く必要があるんですね。単純に「あの施策がしたいです」と言うだけでは難しいということがよくわかりました。

Aさん:「予算のサイクルや会社全体のトピック」を把握することがコツ!

最後は「熱意」が大事!

Aさん
青木さんのお話を踏まえ、予算獲得に再チャレンジしてみます!

青木
はい、お伝えしてきたポイントを踏まえてがんばってみてください。

あとは「熱意」も忘れないでくださいね。熱意があれば多少ロジックがぐらついていてもYESが引き出しやすくなります。

上司も人間ですから「そこまで言うなら」という気持ちにさせられれば承認してもらえることもあります。

「うちも絶対にやるべきだ!」と感じたその熱意も、数字やロジックとあわせて全力でぶつけてください。

もし行き詰まりそうになったら、ぜひナイルまで相談してください。要件定義から、プレゼン資料のデータ準備、稟議書作成までお手伝いします。青木個人としては社長さんを交えて会食する覚悟もありますので、ぜひお気軽にどうぞ。

Aさん
わかりました!今日はいろいろ教えていただきありがとうございました!

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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