“受注につながる”リード獲得戦略の設計方法を8ステップで紹介
リードとは、将来的に自社の商品・サービスを購入してくれる可能性のある「見込み顧客」のことを指します。
特にBtoBでは、「まずリードを獲得してから購買意欲を向上させ、商談の末に成約を狙う」という流れが一般的です。
しかし、闇雲にリードを獲得していると、「リードの数」は増えたとしても、「受注」は増えません。
そこで大事になるのが、「どのような顧客を獲得したいのかを明確にした上で、リード獲得の戦略を考える」ことです。
本記事では、「受注につながるリード獲得戦略の設計方法」をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
なお、ナイルではリード獲得の戦略設計を含めたウェブマーケティングのコンサルティングを行っています。弊社のサービスにご興味のある方は、下記から資料をダウンロードしてご覧ください。
リード獲得の戦略設計の流れ8ステップ
リードを獲得するための戦略は、上記の「ステップ1〜6」で設計し、「ステップ7 施策の実施」の後に「ステップ8 効果検証」をしてブラッシュアップします。
以下では、それぞれの工程について詳しくお伝えします。
【設計】ステップ1 リード獲得の目的を明確にする
戦略設計の第一歩として、まずは「何のためにリードを獲得するのか」という目的をあらためて確認しておきましょう。
基本的には、「自社の商品を買ってもらうためのファーストステップとして、ユーザーとの接点を作り、後のステップにつなげること」がリード獲得の目的になります。
ユーザーは、商品のことを知ったからといって、必ずすぐに購入するとは限りません。
例えば、コンビニで数百円程度の新商品のお菓子を見つけた場合、その場で購入する人は多いですが、何百万円もするような新車種を即購入する人はあまりいません。
長い検討の末に自社の商品を購入してもらうために、企業としては以下のステップを踏むことになります。
自社商品を購入してもらうまでの4つのステップ | |
ステップ1 | |
リード獲得 (リードジェネレーション) |
ユーザーとの接点を作り、顧客情報を獲得する |
ステップ2 | |
リード育成 (リードナーチャリング) |
獲得したリードの購買意欲を高める |
ステップ3 | |
リード選別 (リードクオリフィケーション) |
購買意欲が高まったユーザーをピックアップする |
ステップ4 | |
商談 | ユーザーと直接コミュニケーションをとって、商品の購入につなげる |
以上のことから、リード獲得の目的は「自社の商品を買ってもらうためのファーストステップとして、ユーザーとの接点を作り、後のステップにつなげること」といえます。
【設計】ステップ2 2つの要点で社内体制を整える
リード獲得の目的を確認できたら、次にすべきなのは「社内の体制を整える」ことです。
具体的には、以下の2つに取り組みます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
やるべきこと1 十分なマンパワーを確保する
リードを獲得する場面において、施策によっては人手が必要なケースもあります。
例えば、展示会やイベントに自社のブースを出展する際は、準備や当日の運営をするスタッフが必要です。
また、SEOで記事作成に取り組む際は、「キーワード選定」「記事の作成」「校正・校閲」といった作業を行う必要があり、多くの時間と工数を要します。
さらに、記事のクオリティを担保するためには、ライター・ディレクター・編集者・校正士など複数のスタッフが携わることが望ましいです。
このようなことから、リード獲得の施策を円滑に進めるためには、マンパワーを確保しておくことが大切です。
もしも社内の事情で十分なマンパワーを確保できない場合は、外注も視野に入れてください。
やるべきこと2 営業部門にも協力を依頼する
リード獲得は、一般的にマーケティング部門で行われます。
しかし、マーケティング部門だけで施策を行っていると、営業部門とのすれ違いが原因で、失敗してしまうケースが多いです。
ステップ1で確認したとおり、リード獲得は商品を購入してもらうためのファーストステップにすぎません。
獲得したリードの購買意欲を向上させた上で営業部門に引き継ぎ、そこから商談に入って、ようやく購入に至ります。
そのため、マーケティング部門と営業部門で「獲得したいリード」の認識がずれていると、いくら多くのリードを獲得しても成果につなげにくくなります。
それどころか、マーケティング部門と営業部門で揉めてしまうケースも珍しくありません。
そのため、最初に営業部門と連携して、「商品を買ってもらいやすいのは、どのようなユーザーか」などの情報を共有しておくことが重要です。
【設計】ステップ3 リードのターゲットを設定する
次のステップは、「どのようなリードを獲得すべきか」というターゲット設定です。
ここでは、ステップ2で協力依頼をした営業部門と一緒に検討をしてください。
「ターゲット設定」と聞いたときによく用いられるのは、ターゲットの名前・年収・趣味など、細部までターゲット像を設定する「ペルソナ」という手法です。
しかし、リード獲得のターゲット設定では、ペルソナのように細かいプロフィールは必要ありません。
ここでは、「獲得したいリード像」として、大まかな「ターゲットとする企業の属性」と「その企業内の担当者の属性」の2つを設定してください。
まず、企業の属性として、よく設定されるのは以下のような項目です。
【企業属性の設定】
- 業界
- 売上規模
- 従業員数
- マーケティング施策の実施状況
- エリア
など
そして、ターゲットとなる企業の属性が決まったら、そこに所属する「担当者」の属性を検討します。
具体的には、下記の項目が設定されることが多いです。
【企業担当者の属性】
- 部署
- 役職
- 情報収集の方法
など
単に「リードが取れればいい」と手当たり次第に集めても、ニーズとのミスマッチなどが原因となり、その後の商談にはなかなか進展しません。
綿密にターゲットの設定をして、「獲得したいリード像」をイメージしながら、施策に取り組むようにしてください。
【設計】ステップ4 自社にとって最適な施策を選ぶ
ターゲットの設定ができたら、次はリード獲得のために自社が取り組むべき施策を選びます。
その際は、下記のポイントを踏まえながら検討してください。
【自社が取り組む施策ポイント】
◾️ポイント1 ターゲット
- 設定したターゲットは、普段どのように情報収集をしているか
- どうすれば、ターゲットとの接点を作れるか
◾️ポイント2 社内の体制
- マンパワーは十分に確保できたか、それとも不足しているか
◾️ポイント3 予算
- リード獲得のために、どれほどの費用をかけられるか
◾️ポイント4 自社の立場
- 業界内での知名度はあるか、それともまだ知名度は低いのか
また、リードを獲得するには、「ユーザーとの接点を作る」「顧客情報を得る」という2段階のステップを踏まなければなりません。
そして、それぞれのステップには「オフライン」と「オンライン」の施策があります。以上のことを踏まえると、リード獲得の施策は、以下のように分類できます。
リード獲得施策の分類 | ||
目的 | オフライン | オンライン |
1)ユーザーとの接点を作る |
|
|
2)顧客情報を得る |
|
|
次の章では、それぞれの施策の概要を紹介します。メリット・デメリットも併せてお伝えしますので、自社に合った施策はどれかを検討しながら読み進めてください。
なお、「自社だけでは最適な施策を選びきれない」という場合は、弊社にお気軽にご相談ください。
\些細なことでもご質問ください!/
ユーザーとの接点を作るための施策
ユーザーとの接点を作るための「オフライン」施策と、それぞれのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
オフラインのリード獲得施策 | |||
施策名 | 概要 | メリット | デメリット |
イベント・展示会 | ブースを出展し、来場者と接点を作る | 自社への関心が高いリードを獲得できる | 出展のためにコストがかかる |
マス広告・交通広告・看板広告 | 新聞・雑誌や電車の中、看板などに広告を掲出する | 大勢の方の目にふれる | 掲出のためのコストが高い |
テレアポ | ターゲットユーザーに電話をかける | リード獲得後に、商談に入りやすい | マンパワーが必要になる |
ダイレクトメール | ターゲットユーザーにハガキ・資料・FAXなどを送る | ターゲットに直接アプローチできる | 読まずに捨てられてしまう可能性がある |
飛び込み営業 | 顧客になりそうなユーザーのもとへ直接訪問する | 直接対面するので、相手との関係を築きやすい | マンパワーが必要になる |
続いて、「オンライン」の施策には、下記のものがあります。
オンラインのリード獲得施策 | |||
施策名 | 概要 | メリット | デメリット |
SEO | 検索エンジンでの上位表示を狙う | 継続的かつ安定的に効果を発揮する | 効果が出るまでに時間と労力がかかる |
SNS | 各SNSでアカウントを作り、発信する | 低コストで取り組める | 炎上するリスクがある |
プレスリリース | 自社の情報を資料にまとめて発信する | メディアに取り上げられれば、大きな効果が出る | 事前に効果を予測しにくい |
ウェブ広告 | インターネット上に広告を出す | 即効性が高い | 予算を投下しなければ表示されなくなる |
顧客情報を得るための施策
ユーザーとの接点を作った後に、顧客情報を得るための施策としては、以下の5つがあります。
顧客情報を得るための施策 | |
施策 | 詳細 |
問い合わせ | 自社サイトに流入したユーザーに、フォームから問い合わせをしてもらうことで、名前や連絡先を獲得する |
ホワイトペーパー | サイト内で資料を公開して、ダウンロードの際に名前や連絡先を入力してもらう |
メールマガジン | 自社が配信するメールマガジンに登録してもらい、メールアドレスを獲得する |
セミナー・ウェビナー | 参加申し込みの際に、名前や連絡先を記入してもらう |
名刺交換 | ターゲットユーザーと直接会って名刺を交換し、顧客情報を得る |
なお、下記の記事では、ここで紹介した施策の詳細や、実施する際のポイントをお伝えしています。ご興味のある方は併せてご覧ください。
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おすすめのリード獲得施策
数あるリード獲得施策の中でも、最初に取り組むと良いのが「ウェブ広告」です。
ウェブ広告は、BtoB・BtoCのいずれの企業でもおすすめの施策です。
ウェブ広告の良い点は、「低予算から始められて、即効性が高いこと」にあります。
施策のための人手を確保できなくても、多少の予算を投入して広告を出せば、すぐにある程度のリードを獲得できます。
特に、BtoBビジネスでは、以下の2種類のウェブ広告がおすすめです。
【リスティング広告】
- 検索エンジンの検索結果に表示されるテキスト広告
- 自社に興味を持ってもらえそうな人が検索しそうなキーワードに紐づける
- 費用は、広告がクリックされるごとに発生する
【成果報酬型広告】
- ポータルサイトに資料を掲載し、ダウンロードが発生するごとに費用を支払う
- リード獲得時に興味のある情報を把握できるので、自社に興味を持ってもらえる可能性が高い
この2つの広告は、ターゲットを絞ってアプローチできる上に、費用の上限の設定が可能なので、予算をオーバーすることもありません。
このため、どの施策に取り組むべきか迷ったら、まずはこの2つの広告から着手することをおすすめします。
【設計】ステップ5 KPIとKGI(目標)を設定する
最適な施策を選んだら、次はリード獲得の目標を立てます。
ここでは、「KGI・KPI」の2つを設定するのがおすすめです。KGIとは、プロジェクトの最終的なゴールのことを指します。
リード獲得においては「リード獲得数」に加えて、「リード獲得単価」や「リード獲得後の受注率」などがよく設定されます。
KPIは、KGIを達成するためのプロセスを中間的に計測するための指標です。
リード獲得の取り組みのなかでは、「自社サイトへのセッション数」「SNSアカウントのフォロワー数」「掲載した広告のクリック率」などがKPIに設定されます。
ポイントとしては、「リード獲得数を増やしたい!」と考えても、リード獲得数が直接増えることはないという点です。
例えば、自社サイト経由でリード獲得数を増やしたいのであれば、セッション数やPV数のような「見てもらう」指標とフォーム通過率のような「アクション」指標のそれぞれを改善することで、ようやくリード獲得数が増えるのです。
そのため、KGIだけでなくKPIに目標をしっかりと分割して、まずはそのKPIを改善することを考えましょう。
KPIの設定に関しては下記の資料でわかりやすく説明しているので、ぜひご覧下さい。
【設計】ステップ6 逆算してスケジューリングする
自社で取り組む施策と目標が決まったら、実行のスケジュールを立てます。
「いつまでに目標を達成するのか」から逆算して、やるべきことをスケジューリングしてください。
とはいえ、無茶なスケジュールを立てる必要はありません。
理想的な獲得スケジュールを考えた際に、現実と大きなギャップがある場合は「人員」「ノウハウ」「体制構築」「予算」などの何に課題があるのか明確にし、目標自体を動かすか、課題を解消できるように、必要に応じてチームメンバーに相談してみましょう。
【実施】ステップ7 スケジュールに沿って実施する
スケジュールが決まったら、あとはそれに沿って施策を実施していくのみです。
実際に施策に取り組んでみて、スケジュールどおりに進まなかった場合には、適宜調整をするようにします。
調整のポイントは「いつリカバリーするのか?」という点です。
数字が落ち込んだ時、「誰もが早く取り返したい!」と思うはずですが、翌週に改善されることは稀で、多くが1ヶ月後や場合によっては次のクォーターから回復するということもあります。
リカバリーを狙う際に、根性論で「来週には挽回します!」と言うのもありですが、現実的に落ち込みへの打ち手がいつ花咲くのか考えた上で説明することを推奨します。
【検証】ステップ8 2つの指標を見て効果検証する
施策を実施した後は、必ず効果の検証をしてください。
効果検証の際に見ておきたい指標は、「リード獲得単価」と「リード獲得後の受注率」の2つです。
リード獲得単価
リード獲得単価とは、リードを1件獲得するために要した費用のことです。
下記の計算式で求められます。
なお、施策ごとのリード獲得単価の相場は、以下のとおりです。
施策別リード獲得単価の相場 | |
施策 | 詳細 |
イベント・展示会 | 8,000円~1万5,000円 |
セミナー・ウェビナー | 8,000円~1万円 |
他社メディア掲載 | 5,000円~1万円 |
SEO | 2,000円~1万円 |
SNS | 1,000円~1万円 |
ウェブ広告 | 3,000円~5,000円 |
いくらリードを多く獲得できていたとしても、リード獲得単価が高いと赤字になる可能性があります。
施策を実施した後には、必ずリード獲得単価を確認し、問題があれば改善を目指してください。
リード獲得後の受注率
大量にリードを獲得しても、1件も受注につながっていなければ、ただコストがかかるだけで意味がありません。
このため、「獲得したリードのうち、その後どれだけの人が自社の商品を購入しているのか」は、重要なポイントです。
そこで、効果検証として「リード獲得後の受注率」は必ずチェックするようにしてください。
受注率が低い場合は、ターゲットとして設定した属性のリードを集められていない可能性があるため、施策の見直しが必要です。
また、そもそものターゲット設定が間違っていることも考えられます。受注につながらない場合は、営業部門と一緒にターゲットの再設定をすることも視野に入れてください。
むしろ、ここまで一通り取り組んでからが、スタートラインと呼べるかもしれません。
なぜなら、リードを集めてから、商談化・有効商談化・受注までの歩留まりを確認すると、必ずといっていいほど傾向が見えてくるからです。
「受注に至りやすいリードは、どのチャネルで獲得できているのか」
「リード数は多いけれど、すぐに受注に至らないリードとどのようにコミュニケーションをとるのか」
など、課題に合わせて改善に取り組みましょう。
リード獲得の戦略は定期的に見直そう
リード獲得の戦略は、一度策定して永久に使えるものではありません。
自社を取り巻く状況の変化に応じて、戦略も変わっていきます。
このため、リード獲得の施策を実施した後には、必ず効果の検証をして、戦略をブラッシュアップし続けてください。
なお、ナイルでは、ウェブを活用したリード獲得のお手伝いをしています。弊社のサービスにご興味のある方は、下記から資料をダウンロードしてご覧ください。
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