【研修】ナイル流「愛を育む」SEO担当者の育て方

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【研修】ナイル流「愛を育む」SEO担当者の育て方

「SEOを0から学ぶのは難しい」「チーム全体でのSEO理解を深めたい」といった声を受け、ナイルではSEOの内製化を支援する研修サービスを提供しています。

そして、その内容はナイル社内でも他事業部への社内研修として活用されています。本記事は、ナイルのSEOコンサルタント青木が、新入社員の室田に実施した研修内容のインタビューを収録したものです。

0からSEO担当者を目指すというミッションのもと、どのようにSEOへの理解を深めていったのか、ぜひご覧になってください。

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SEO研修の参加者と背景

――まずは、お二人の自己紹介からお願いします。

 

青木
ナイルSEO研究所所長でSEOコンサルタントの青木創平です。これまで、大規模データベース型サイトなど、技術的に複雑なSEOのプロジェクトにも多く携わってきました。特に得意としているのは、ECサイトやBtoBのサービスサイトのSEOです。

室田
現在、SEOディレクターをしている室田雄太です。ナイルに入社するまでは、ウェブマーケティング未経験者でした。

「SEO」という言葉自体は知っていても、ノウハウは知らない。そんな状態からのスタートだったのです。

ナイルのSEO研修風景

SEOについて語る2人の風景。オンラインでも研修可能です。

ナイルの研修で重視している3つのポイント

――ナイルのSEOコンサルタント研修では、何を重視していますか?

 

青木
以下の3つのポイント「SEOの知識」「業務遂行力」「SEOへの愛」を伸ばすことです。

ナイルの研修で重視している3つのポイント(SEOの知識:SEOのよくある課題や質問に一通り回答できる、業務遂行力:担当業務を問題なく遂行できる、SEOへの愛:楽しんでSEOに取り組める)

 

――SEOの知識があるのはわかりますが、「業務遂行力」を重視するのはなぜですか?

 

青木
独り立ちするために、必要なスキルだからです。基本的に研修が終わったらすぐに一人の戦力として現場に入るため、「SEOの知識」だけではなく、担当する「業務遂行力」が必須です。

SEOの知識はあるけれど、実際に施策に落とし込めないSEO担当者は現場で活躍できません

 

――「SEOへの愛」が特徴的な印象ですが、重視している背景を教えてください。

 

青木
日々、変化が著しい検索エンジンのアルゴリズムに追いつき続けるには、「ビジネスで必要だから」だけでは、どうしてもしんどくなるタイミングが出てきます。

だからこそ、SEO愛、すなわち「好きでアップデートを追う」状態であれば、無理なく自然とSEOの変化を追い続けられるという考えです。

しかも愛があれば、SEOの情報収集すら楽しめて、結果的にスキルも上がります。押し付けではなく、「愛」を育むことを研修全体で意識していました

「愛」というと少し重いかもしれませんが、わからない状態が続くと、そもそもSEOに取り組むこと自体が嫌になってしまうので、最低限嫌いにならないような研修はいつも意識しています。

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ロードマップを活用した研修を実施

――では、今回の研修の概要を教えてください。

 

青木
ナイルでは、研修を受ける人の前提知識や経験に合わせて、「どのようにレベルアップしていくのか」を示したSEO研修ロードマップを何種類も用意しています

研修を受ける方に合わせてロードマップを選び、それに沿って仕事を振るのです。そうすることで、実務に取り組みながら成長を促します。

もちろん、「実際の業務」と「研修のスケジュール」がうまく噛み合わないこともありますので、ロードマップは適宜調整して使います。

今回、室田さんが最初に担当する業務は「キーワード選定」と決まっていたため、それに合わせて学ぶべき項目をカスタマイズしたロードマップを作成し、取り組んでもらいました。

室田さんのロードマップ表

青木
形式としては室田さんと私のマンツーマンで実施し、期間は約半年でした。上記のロードマップの流れをざっくりとまとめると、以下の2ステップです。

【SEO研修ロードマップの流れ】

  • ステップ1 最低限のSEO用語を身に着ける
  • ステップ2 実務を通じて「SEOの考え方」を身に着ける

ステップ1 最低限のSEO用語を身に着ける

青木
最初の2ヵ月間は、SEOの知識をインプットする期間です。まずは、「最低限のSEO用語を身に着ける」ことから始めました。

 

――なぜ、「用語のインプット」から始めたのですか?

 

青木
SEOの用語がわからないと、社内メンバーとの会話についていけないですし、資料を読んでも意味を理解できないからです

これでは業務に入る以前の段階でつまずいてしまうので、まずは「共通言語」を学んでもらうことを優先しました。

そのために、ナイル特製の「SEO用語と意味」をまとめたスプレッドシートを共有し、単語を1つずつ覚えてもらったのです。

室田
ほかには、「課題図書」と「必読サイト」を聞いて、そこからも知識を得ましたね。

青木
課題図書については、私を含むSEOコンサルタントが実際に読んで「内容が濃く、業務に活かせる内容が多かった」書籍をピックアップしました。SEOの本だけでなく、広くマーケティングに関する本を読んでもらいました。

ウェブサイトに関しては、海外のサイトを見ることを必須にしています。日本よりも先に海外で検索エンジンのアルゴリズムアップデートが実施される傾向にあり、SEOに関する最新情報が見つかる可能性が高いからです

用語に加えて「調べ方」もレクチャー

青木
用語に加えて、SEOに関する不明点が出てきた際の「調べ方」もレクチャーしました。SEO担当者として独り立ちするには「1人で調べて1人で解決」する必要があり、「調べ方を知っていること」が生命線になるため、重点的に研修しています。

 

――具体的には、どのような方法を伝えたのですか?

 

青木
まずは一次情報である「Google 検索セントラル」や「Google検索品質評価ガイドライン」など、Googleが公表している資料で確認するのが基本だと伝えています。

その上で、情報の量と鮮度から考えると「海外の情報」も積極的に収集することが重要です

海外から得られる「最新情報」は、日々変動するアルゴリズムと向き合うSEO担当者にとっては大きな武器であり、必ず身に着けるべき情報収集の方法だと考えています。

ただし、どれもとっつきにくい情報ではあるので、伴走しながら「まずはここを読む」「こう読む」というところから伝えしました

ステップ2 実務を通じて「SEOの考え方」を身に着ける

――次のステップについて、具体的な研修の内容を教えてください。

 

青木
2ヵ月間のSEO知識研修をした後、3ヵ月目以降は実務を通じて「SEOの考え方」を身に着けてもらいました。具体的には、以下のような取り組みです。

【「SEOの考え方」を身に着ける取り組み】

  • 実際の業務でインプット&アウトプットを繰り返す
  • 毎日の定例ミーティング

 

――室田さんが行った取り組みを、具体的に教えてもらえますか?

 

室田
私が作業している様子を青木さんに見てもらい、気になったところをアドバイスしていただきました。

最初の業務は「キーワード選定」だったので、青木さんの隣でツールを使ってキーワードを選び、スプレッドシートにまとめる、という流れです。

このとき、選定時の思考方法だけではなく、作業時間を短縮するための「ショートカットキー」や「Excelの関数」などについても教わりました。

 

――この研修を受けてみて、室田さんが感じたことは?

 

室田
実務と研修がリンクしていたので、「学んだことを即実践」できました。

ロードマップに沿って業務に取り組むことで、「自分は今日これができるようになった」とレベルアップを実感する感覚が楽しかったです。

 

――毎日の定例ミーティングでは、何を話しましたか?

 

青木
実務に取り組んでもらいながら、毎日必ず定例ミーティングを実施していましたが、室田さんの業務について「そもそも、その業務の目的は?」という前提の話をしました。

例えば、室田さんの場合、最初の業務は「キーワード選定」でしたが、そこでは、室田さんには「なぜ、SEOにおいて、キーワード選定が重要なのか」から伝えました。

 

――前提の話からスタートした、その心を教えて下さい。

 

青木
室田さんに、「本質」を理解してもらうためですね。ここでいう本質とは、「その施策で効果が出ると考えられる理由」のことです。

例えば、「被リンクを多く集めると順位が上がりやすい」というテーマだとすると、「なぜ被リンクが多いことが、検索エンジンからの高評価につながるのか」から伝えます。

被リンクとは 他のサイトからURLを紹介してもらうこと

被リンクが多いのは、「多くの方が参照するほど有益なページ」であり、Googleはその「有益さ」を測る指標として被リンクの数を見ているのです。

これを理解していないと、お客様やメンバーから質問があった際など、根拠をもって伝えられません。

被リンクが多いのは「多くの人が参照するほど有益なページ」であることの本質を理解しているかいないかの図

青木
そして何より、本質を知っておくことで未経験の事象があったとき「Googleはこういう考え方だから、おそらくこうだ」と判断できるようになります

実際の業務は、研修で教わったことがそのまま当てはまらないケースも珍しくありません。

例えば、予期せぬ順位変動が起きたときに「Googleはこういう考え方だから、順位が落ちた。なのでこういう対策をしていこう」と自分の仮説を持つことができます。

そういった未経験の事象でも、自分なりの考えを持って取り組めるよう、ミーティングを通じて「そもそもの目的」から考える癖付けをしました。

未経験の事象があったときの重要な判断は、本質を理解しているかいないかの図

 

――この研修を受けた室田さんの感想を教えてください。

 

室田
本質を理解するにつれて自分の考えを持てるようになり、気づいたら「SEOって楽しい」と思えるようになっていました。

ディスカッションが白熱しすぎて、ほかのメンバーから気持ち悪がられることがあったくらいです(笑)。

青木
確かに(笑)あの時は盛り上がりましたね。

SEO研修の結果

――最後に、この研修を実施した結果、室田さんはどのように成長されましたか?

 

青木
まず、研修前に目標としていた3つのポイントについては、室田さんの努力もあり、無事に達成することができました。

SEOの知識:「SEOのことは室田に聞いてみよう」といわれるまで成長

青木
SEOの知識はコンサルタントとして十分なくらい、身に着けることができました。

今では、SEOコンサルティングを提供するナイル社内でも「SEOのことは室田に聞いてみよう」といわれるくらいです。

業務遂行力:自社メディア「LASELA」で月間130万PVの達成に成功

青木
業務も問題なく遂行できており、研修の後すぐに現場で活躍しています。

自社メディア「Appliv」ではセッション数30%増加に貢献し、「LASELA」ではメディアの立ち上げから参画して月間130万PVの達成に成功しました。いや普通にすごいですね。

SEOへの愛:自主的にSEOの情報を収集し、社内に発信文化も形成

青木
研修の一環で、室田さんは社内へ定期的にSEOノウハウを発信をしていました。

当初の予定では研修が終わるまでの予定だったのですが、室田さんがハマってしまい、研修が終わってからも自主的に続けています。しかもそれに感化されて、ほかのメンバーも学んだ情報を共有するようになりました

室田
情報はインプットするだけでは知識として定着しづらいですし、アウトプットすることで自分の理解が浅い箇所にも気づけます。

それだけでも十分なのに、社内メンバーからリアクションが来るのが楽しいので、「やってよかった」と思いますし、今でも続けています。

青木
いつも勉強させていただいております。

お客様に合わせたオーダーメイドの研修を提供します

今回は、ナイルの社内で実施したSEO研修の模様を紹介しました。

弊社では、SEOを内製化するための社員研修を実施しており、内容は下記のように社内事情に合わせたオーダーメイドが可能です。

例えば、本記事でご紹介した「数ヵ月単位の中期的な研修カリキュラム」だけでなく、1枠1.5時間程度のスポット研修を組み合わせた「短期間の研修カリキュラム」の作成も可能です。

例えば…
方式:「1対1のマンツーマン方式」or「1対複数の授業方式」
内容:「SEOを0から学ぶ」or「社内のSEO担当のレベルアップを図る」
目的:「完全に内製化する」,「自社の対応範囲を広げる」or「Search Consoleなどのツールを使えるようにする」
期間:「短期間集中型」or「中長期間積み上げ型」
などからヒアリングを踏まえて、ご案内します。

SEOに力を入れたいと考えている企業の方は、まずはお気軽にナイルまでご相談ください。

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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