テクニカルSEOとは?コンテンツSEOとの違いや施策に役立つツールを紹介
テクニカルSEOとは、検索エンジンが自社のWebサイトを適切に認識し、正しく評価できるようにするための技術的な施策のことです。テクニカルSEOができていないと、Webサイトが検索結果に表示されない可能性もあるため、きちんと対策することが大切です。
本記事では、テクニカルSEOの基礎知識やコンテンツSEOとの違い、具体的な施策について解説します。これからSEOに取り組む方は、ぜひ最後までお読みください。
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この記事のまとめ
- コンテンツSEOがユーザーからの評価を改善するのに対し、テクニカルSEOは検索エンジンからの評価を改善する
- クロール対策では、クロールの優先順位を決め、クロールしやすいWebサイトにすることが大切
- インデックス登録対策では、HTMLタグの正しい設定、重複コンテンツの整理などが重要
目次
テクニカルSEOとは
テクニカルSEOとは、検索エンジンがWebサイトの構成やコンテンツを正しく理解できるよう、内部構造を最適化する施策のことです。具体的には、検索エンジンのクローラーがWebサイトをクロールしやすくなるようWebサイトの構造を整えたり、表示速度を改善したりすることを指します。
テクニカルSEOを行うと、検索エンジンがWebサイトを正しく認識し、Webサイトが評価されやすくなるため、SEO対策を行う上で特に重要です。
テクニカルSEOとコンテンツSEOの違い
コンテンツSEOは、テクニカルSEOと同じSEO施策のひとつですが、このふたつには、大きな違いがあります。
その違いとは、SEO施策で改善する対象です。テクニカルSEOは、検索エンジンからの評価を改善するために、Webサイトの内部構造を最適化します。一方、コンテンツSEOが改善するのはユーザーからの評価です。コンテンツSEOでは、ユーザーがどのような情報を求めているかを把握し、最適かつ充実したコンテンツの構成を考慮します。
テクニカルSEOとコンテンツSEOのどちらを優先するべきかは、Webサイトの種類やWebマーケティングの方向性によっても異なります。一般的には、下記のように考えられています。
■Webサイトによって異なるテクニカルSEOとコンテンツSEOの優先度
テクニカルSEOを優先するべきWebサイト |
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---|---|
コンテンツSEOを優先するべきWebサイト |
|
なお、テクニカルSEOとコンテンツSEOのどちらか一方だけを行えばよいわけではありません。基本的には両者をバランスよく行い、状況に応じて優先度を調整するとよいでしょう。
検索エンジンの仕組みからわかるテクニカルSEOの重要性
テクニカルSEOの重要性は、検索エンジンの仕組みから理解することができます。
検索エンジンが検索結果をユーザーに提供する過程には、主に3つのプロセスがあります。
■検索エンジンが検索結果を提示する過程の3つのプロセス
上記のように、テクニカルSEOは、クロールとインデックス登録のプロセスにおいて重要な役割を担います。コンテンツが優れていれば、検索結果の上位に表示されると思われがちですが、クロールとインデックスが適切に行われないと、検索結果に表示されません。
テクニカルSEOは、SEOを行ってページを上位表示させる上で、まず行うべき重要な施策です。
ここまで読んでいただいて、「なにを言っているかわからない」「とにかく相談がしたい」という方は下記のバナーより無料相談してください。
クロール対策で実施すべき施策
テクニカルSEOのひとつ「クロール対策」は、検索エンジンのクローラーがページの情報を適切に収集できるようにする施策です。
クローラーがページの情報を集められないと、検索エンジンはページの存在を認識できないため、検索結果に表示されず、Webサイトを訪れるユーザー数は増えません。クロール対策は、テクニカルSEOの中でも優先度の高い施策といえるでしょう。
クロール対策では、主に3つの施策を実施することが大切です。クロール対策を行う際の参考にしてください。
クロールの優先順位を決める
クロール対策で実施すべき施策のひとつは、クロールの優先順位を決めることです。
具体的には、Webサイトの中でクロールしてほしいコンテンツ、クロール不要なコンテンツを分け、検索エンジンに伝えることを指します。その手法として有効な施策は、下記の2つです。
■クロールの優先順位を検索エンジンに伝える施策
施策 | 概要 |
---|---|
XMLサイトマップを設置する | 「クロールしてほしい重要なページ」を検索エンジンに伝えるファイルであるXMLサイトマップを設置して、クローラーがWebサイトを巡回しやすくする |
robots.txtによるクロール制御を行う | 「Webサイトのどの部分をクロールすべきか・避けるべきか」をクローラーに指示するファイルであるrobots.txtを設定して、クローラーの巡回効率を上げ、重要なコンテンツが優先的にクロールされるようにする |
2つの施策についての詳細は、本サイトの別の記事で解説していますので、ぜひお読みください。
クロールしやすいWebサイトにする
クロール対策で実施すべき施策の2つめは、クロールしやすいWebサイトにすることです。
クローラーは、Webサイトの階層構造やリンクを参考にして、サイト内のコンテンツをクロールしています。クローラーがクロールしやすいWebサイトにするには、主に下記の5つを行うことが重要です。
■クローラーがクロールしやすいWebサイトにする施策
施策 | 概要 |
---|---|
サイト階層構造を最適化する | Webサイトの階層を深くし過ぎないようにし、重要なページが適切にインデックスされるようにする |
内部リンクを最適化する | 重要なキーワードを対策するページに内部リンクを集めることで、検索エンジンに重要なページと認識させる |
パンくずリストを設置する | Webサイトのページ階層をリスト化した「パンくずリスト」を設置し、クローラーが階層を把握しやすくする |
URL設定に統一感を持たせる | 「index.html」のありなしなど、URLの設定をサイト全体で統一する |
表示速度を改善する | 画像サイズの最適化、キャッシュの活用などにより表示スピードを高める |
上記の施策については、動画や本サイトの別ページでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
クロールエラーの改善
リンク切れなどのクロールエラーを確認し、都度改善することも大切です。
Google Search Consoleの「ページがインデックスに登録されなかった理由」を見れば、インデックスされない理由を確認できます。意図していないものがある場合は原因を探り、改善しなければなりません。
参考までに、クロールにかかわる理由をピックアップしました。
【クローラーがインデックスしない理由】
- noindexタグによって除外されました:noindexタグが検知された
- 見つかりませんでした(404):該当ページが存在しない
- クロール済み - インデックス未登録:そのページをクロールしたものの、何らかの理由によってインデックスされなかった
- 検出 - インデックス未登録:まだクロールをしていない
- robots.txt によりブロックされました:クロールを試みたものの、robots.txtの記述によってブロックされた
ほかにも、リンク切れなどの有無を外部ツールで確認できます。例えば、海外ツール「Screaming Frog」なら、500件まで無料で確認が可能です。
ナイルではこんな事例も...
ナイルが行ったクロールエラーの改善では、大手不動産会社が運営する商業施設のECサイトの事例があります。同社は、ECサイトをリニューアルしたところ、すべての商品詳細ページがインデックスから外されてしまいました。Google search consoleでその理由を確認すると、除外された理由の約90%が「noindexタグにより除外された」と記載されていました。
その原因を追究したところわかったのは、リニューアル前に必要だったJavaScriptが残っており、タイムアウトしてカスタム404ページにリダイレクトする仕様になっていたことです。JavaScriptを削除したところ、すぐにインデックス数が増え、流入数も増加しました。
リンク切れやエラーコードに関しては、以下の記事で詳細をご覧になれます。
インデックス登録対策で実施すべき施策
もうひとつのテクニカルSEOである「インデックス登録対策」は、クロールされたページの情報が、検索エンジンのデータベースに適切に登録されるようにする施策のことです。
自社のWebサイトを検索結果に表示させるには、サイトの各ページが検索エンジンのデータベースに正しく登録される必要があります。検索結果は、ユーザーにとって各ページの「入り口」となります。しかし、いかに魅力的なページであっても、そのページが適切にインデックスされていないと、ページが検索結果に表示されず、ユーザーはページの入り口にすらたどり着くことができません。
ユーザーに、検索結果から自社のWebサイトへ来てもらうため、インデックス登録対策はきちんと行ってください。インデックス登録対策で行うべき施策は、主に下記の4つです。
HTMLタグを正しく設定する
インデックス登録対策で行うべき施策のひとつは、HTMLタグを正しく設定することです。
HTMLタグを正しく設定すると、クローラーがページ情報を正しく認識できます。その結果、ページがインデックスされやすくなり、検索順位の向上も期待できます。
具体的には、下記の4つを適切に設定することが大切です。
■HTMLタグと適切な設定方法
HTMLタグ | 適切な設定方法 |
---|---|
titleタグ |
|
description |
|
hタグ(見出し) |
|
altタグ |
|
重複コンテンツの整理
重複コンテンツの整理も、インデックス登録対策をする上で重要な施策です。
Webサイト内に内容が近いコンテンツが増えると、検索エンジンに重複コンテンツと見なされ、検索結果に表示されなかったり、重要なコンテンツが見逃されたりする可能性があります。
Webサイト内に重複コンテンツがあったら、内容を見直すか、「canonicalタグ」「noindexタグ」を活用してください。canonicalタグとnoindexタグの概要は下記のとおりです。
■canonicalタグ・noindexタグの概要
canonicalタグ | 重複コンテンツがある場合、どちらを評価してほしいかを検索エンジンに伝えるタグ |
---|---|
noindexタグ | 検索エンジンにページをインデックスさせないようにするmetaタグ |
アンカーテキストを適切な内容にする
アンカーテキストの改善も、インデックス登録対策に役立ちます。
アンカーテキストとは、サイトページで「リンクされた箇所のテキスト」です。
以下のように、HTMLタグで記述されます。
アンカーテキストのコード例:
<a href="//www.~ページURL/">テクニカルSEOの方法10選はこちら</a>
テキストリンクの表示:テクニカルSEOの方法10選はこちら
アンカーテキストがSEOに影響する理由は、クローラーが内部リンクや外部リンクを検証してインデックスしようとするからです。そこで、アンカーテキストを使ってリンク先の内容をわかりやすく記述する必要があります。
アンカーテキスト設定のポイントは2つです。
- リンク先の内容を具体的に記述する
- 対策キーワードを含める
「こちら」「戻る」「ここをクリック」など、単体で内容が伝わらない文言は、クローラーが理解しにくくなります。また、「テクニカルSEO対策で必須のテクニカルSEO施策を紹介するページはこちら」など、キーワードの乱用もマイナス評価です。
キーワードの詰め込みは「不自然なリンク」として、Googleガイドラインの違反になるリスクを秘めています。
参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google検索セントラル)
アンカーテキストに関してより深く知りたい方は、以下の記事もご参照ください。
構造化データを実装する
構造化データとは、簡単に説明すると検索エンジンがページ内容を理解しやすくなるデータ形式のことです。
下記のテキストをご覧ください。
{ "@context": "http://schema.org", "@type": "Person", "name": "ナイル太郎", "birthDate": "2007-01-15" }
また、ただ理解されやすくなるだけでなく、実装によっては検索結果に下の画像のようなリッチリザルトが表示されるため、流入にも貢献する可能性があります。
■構造化データ「レシピ」を実装したリッチリザルト
構造化データの詳しい解説は、以下の記事もご覧ください。
テクニカルSEOを適切に行い、検索結果の上位表示を目指そう!
テクニカルSEOとは、検索エンジンがWebサイトの構成、コンテンツを正しく理解できるよう、内部構造を最適化する施策のことです。コンテンツSEOがユーザーからの評価を改善する施策であるのに対し、テクニカルSEOは検索エンジンからの評価を改善する施策を指します。
テクニカルSEOは、Webサイトのページが検索エンジンに正しくクロールされ、インデックス登録されるための重要な施策です。Webサイトが検索結果の上位に表示されるよう、クロールへの対策、インデックス登録への対策を適切に行ってください。
ナイルでは、テクニカルSEOが必要となるECサイトなどのWebサイト運営を支援するSEOコンサルティングサービスを実施しています。データベースサイトのSEOにお悩みの方は、ぜひ下記より資料をダウンロードしてください。
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