【目標を倒そう】KPIツリーの作り方2ステップとポイントを紹介
KPIツリーはKGIを達成するために用いられるツリー図で、適切なKPIを設定できる考え方です。
「KPIを達成しているのになぜか効果が出ない」といった場合は、このKPIツリーを活用することで改善できるはずです。
本記事では、KPIツリーを活用して目的達成につなげる方法を解説します。
- KPIツリーを作成して得られる効果
- KPIツリーの作り方
- KPIツリーを作成する上で押さえるべきポイント
の流れでお伝えしますので、KPIを積み上げてKGIを達成したい方は、ぜひ最後までご一読ください。
なお、下記の資料で事業成長につながるKPIの考え方や立て方を解説しているので、ぜひダウンロードの上ご活用ください!
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目次
KPIツリーとは?KPI・KGIも併せて解説
KPIツリーとは、KGIを達成するためにKPIとの関係性をツリー化して可視化したツールです。
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つまり、ツリー図として頂点にある要素がKGI(最終目標)で、枝分かれした要素がKPI(中間目標)です。末端のKPIを達成することで、自ずとKGIが達成できる関係性が成り立ちます。
例として、SEO流入を起点としたKPIツリーを考えてみましょう。
問い合わせ数10件をKGIとした場合は、下記がKPIとして設定できます。
- フォーム通過率
- フォーム閲覧数
- フォーム遷移率
上位の目的(KGI・KPI)を達成するために、具体的なアクションプランになるまで分解していくことがポイントです。
なお、下記の記事ではKGIとKPIの違いや設定するポイントを紹介しています。理解を深めたい方は、ぜひご一読ください。
KPIツリーを作成して得られる効果
KPIツリーを作成して得られる効果は、大きく3つあります。
【KPIツリーで得られる3つの効果】
- 目標、目的が明確化できる
- ボトルネック(問題要因)が明確になる
- データが可視化され効果検証がしやすい
特に重要なのは、KGI達成のために何が問題となっているかのボトルネックが明確になることです。そもそもボトルネックが発見できないのは、現状把握や課題認識が不十分なことが考えられます。KPIツリーを作成し、要素を分解していくことで現状把握や課題認識ができるためボトルネックが明確になるでしょう。
例えば、問い合わせ件数を増加させたい場合、検索流入数とフォーム通過率に分解すればどちらに課題があるのか判断できます。また、事実にもとづくデータは説得力が増すため、上長の意思決定を促しやすいです。
KPIツリーの作り方2ステップ
KPIツリーを作るためには、下記のステップで進めます。
KPIツリーの作り方自体は難しくありません。ひとつずつ見ていきましょう。
【ステップ1】KGIを設定し、ツリーの頂点に据える
KGIは、組織やチームで最終的に目指しているものを設定しましょう。
一般的には、売上や利益、成約数などが多く用いられます。ただし、本来KPIであるべき指標がKGIとされる場合もあります。
例えば、ウェブマーケティングの場合は「問い合わせ数」などがKGIとして設定されますが、「検索流入数」をKGIとしてしまうケースなどです。KGIを決めたらツリーの頂点に配置しましょう。
【ステップ2】KGI達成のアクションをツリーに書き出し、KPIを設定する
KGI達成のためにどのような成果が必要か、大まかな要素を分解してすぐに行動できるレベルまで細分化します。
KPIを設定する際は、定量的な指標になっていることが重要です。KGIやKPIは施策の効果を判断するために設定されるので、人によって判断が変わらないように明確な数値でなければなりません。
また、KGIと各KPIは分解されて作られるため、上位レイヤーのKGIやKPIと整合している必要があります。上位・下位でつながりが不明瞭な場合は、精度の低いKPIツリーとなりかねません。作成時と完成時に必ずKGI・KPI同士のつながりを確認しましょう。
KPIツリーを作成する上で押さえるべき5つのポイント
意外と見落としがちな点は、「改善できるKPIを設定する」ことです。
実際に施策を実行すると、改善が不可能な要素だったり改善できても効果が図りづらかったりするケースがあります。
KPIツリーを作成する際に押さえるべきポイントは、下記のとおりです。それぞれ順番に見ていきましょう。
【ポイント1】四則演算できる要素にする
KPIを作成する上で重要なポイントは、四則演算できる要素で組み立てることです。
「足す」「引く」「掛ける」「割る」で扱えて、数値達成できる要素といえます。KGIを達成するためにはKPIがしっかりと達成できたか把握が必要です。数値として扱える要素でなければ、組織やチームのメンバー間で達成に関して認識のずれが生じかねません。
例えば、売上をKGIとした場合は販売個数や商品単価がKPIとして設定され、いずれも四則演算が可能です。さらに、オウンドメディアのセッション数を分解すると、検索流入・SNS流入・広告流入などの流入経路がKPIとなります。この場合は、PV数で数値を管理できます。
また、数値化しづらい要素でも、視点を変えることでKPIに設定可能です。例えば、ユーザーの満足度をKGIとする場合は、ユーザーレビューの評価点数をKPIにできます。
このように四則演算でKPIが成立していなければ、KPIツリーの構造に矛盾が発生する恐れがあります。KPIツリーの作成時、完成時に四則演算できる要素で構成されているか、確認しましょう。
【ポイント2】単位に注意する
KPIツリーを作成する上で、単位にも注意を払う必要があります。
KPIを設定する際は必ず単位も確認し、KGIと揃えるようにしましょう。KPIはKGIを分解して設定されたものであり、数値にて管理しなければなりません。よく用いられるのは人数の「人」、金額の「円」、割合の「%」などです。
言葉だけでKGIを分解すると、最終的に四則演算ができないケースもあります。そのため、KPIツリー作成時はKPIの内容と単位も記載しながら作成するのがおすすめです。そして、KPIツリーが完成したら、同じ単位の数値を入れて検算をしましょう。
【ポイント3】遅行指標と先行指標を把握する
KPIツリーを作成する際は、遅行指標と先行指標の概念を把握することが大事です。
- 遅行指標:物事の後についてくる指標
- 先行指標:先行して物事を引っ張る指標
ツリーの頂点であるKGIに近ければ遅行指標となり、頂点から遠いKPIほど先行指標となります。つまり、KGIから遠いものほど先に達成される仕組みです。
例として、SEO流入を起点とした下図のKPIツリーをご覧ください。「問い合わせ件数10件」を達成するためには、もっとも遠い「検索ボリューム100,000回/月」が先に達成するKPIです。
遅行指標と先行指標の整合が取れているKPIツリーが、精度の高いKPIツリーといえます。
【ポイント4】改善できるKPIを設定する
KPIを設定する上で、アクションプラン(行動計画)を実行して改善できるKPIになっているかが重要です。
数値で扱える定量的なKPIを設定しても、アクションプランで改善できなければ意味を成さなくなります。また、そもそも数値化できなかったり、計測が困難な要素もKPIとしては不適切です。例えば、「ユーザーの楽しさ」は、KPIとして向いていないといえます。
ユーザーレビューの評価点数に置き換えてKPIにすることは可能ですが、感情そのものの計測は困難です。KPIツリーの効果を最大化するためにも、改善が困難な要素は省きましょう。
【ポイント5】要素の重複に注意する
基本的にKPIツリーを作成する際は、重複した要素をKPIとして設定してはいけません。
業務が重複し、効率性や生産性の低下を招く上、KPIツリーの効果を発揮できなくなります。ただし、マーケティング業界のようにKGIを達成するための手段が複雑な場合は、例外として重複する要素を取り入れるケースもあります。自社の業務内容やKGIを考慮して、柔軟に対応しましょう。
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目標を達成するためにKPIツリーが重要
KPIツリーは、最終目標のKGIを達成するために、中間目標のKPIとの関連性をツリー図として可視化したものです。
KPIツリーを作成することで目標や目的、ボトルネックが明確化され、効果検証がしやすくなります。
ただし、四則演算できる要素にしたり単位を揃えたりと、ポイントを押さえていなければ精度の低いKPIツリーになるため注意が必要です。精度の高いKPIツリーを作成して、目標達成を実現しましょう。
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