デジタルマーケティング戦略の立案方法と展開する上でのポイント
現代のビジネスで成功するためには、インターネットを活用した「デジタルマーケティング」は必須だといえます。しかし、デジタル領域に関する知見が少ないと、何から手を付けたらいいのか悩むことも多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、デジタルマーケティングの戦略の立て方や実際に用いられる手法について解説します。
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目次
【そもそもの確認】デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングとは、インターネットやIT技術を活用したマーケティングのことです。
似た言葉として「ウェブマーケティング」がありますが、これはウェブサイトやSNSなど「オンライン」で行われるマーケティングを指します。
一方、デジタルマーケティングはウェブマーケティングよりも対象範囲が広く、AI技術やマーケティングオートメーション(MA)など、ウェブ以外のデジタル技術も含んでいます。
デジタルマーケティングについて基本から知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。
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デジタルマーケティング戦略の立案5ステップ
デジタルマーケティングの戦略は、上記の流れで立てていきます。
ここでは、各ステップの詳細を見ていきます。
ステップ1 売上目標から逆算してKPIを設計する
デジタルマーケティングは、自社の売上貢献に紐づく形で行われるべきマーケティングの一種です。
例えば、BtoB商材であれば、下記のように売上目標から細かい数値に分解し、どの数値をKPIとするかを考える必要があります。
- 売上目標=受注数×平均受注単価
- 受注数=有効商談数×受注率
- 有効商談数=問い合わせ×有効商談化率
- 問い合わせ数=セッション数×CVR
なお、KPIに設定する指標は、下記を設定するようにしましょう。
- 定量的に測定できるもの
- その数値を改善することで、売上目標のようなKGIも改善されるもの
なおKGIとKPIについては、下記の記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
ステップ2 自社のポジショニングを明確にする
KPIを達成するための施策を考えるためにも、競合との優位性や自社の立ち位置を確認しておきましょう。
自社のポジショニングを明確にすることで、自社商品やサービスを選んでもらうための戦略が立てやすくなります。分析でよく使われるのは、「STP分析」という手法です。
STP分析は、下記の3つの要素から分析を行います。
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この3つの要素から自社の状況を客観的に捉えることで、的確な戦略が立てられるようになります。
ステップ3 ターゲットユーザーなどを明確にする
自社サービスに関して、「どのようなユーザーが利用しているか」「今後どのようなユーザーをターゲットとするべきか」などを把握します。
施策や戦略を立てるために、ユーザー像を明確にする必要があるからです。そこで活用したいのが「カスタマージャーニーマップ」です。
「カスタマージャーニー」とは、顧客が自社の商品・サービスを認知してから購入するまでの流れのことを指す言葉です。上の図のように、カスタマージャーニーを図式化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。カスタマージャーニーマップは、以下の手順で作成します。
【ステップ1】 作成する目的を明確にする 【ステップ2】 ペルソナを念頭に置く 【ステップ3】 記載する項目を決める 【ステップ4】 決定した項目を埋める 【ステップ5】 マップの修正・改善をする |
カスタマージャーニーマップの作り方についてより詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
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もちろん0からこうしたカスタマージャーニーを作成しても、「こういうユーザーが来たらいいな」という妄想になってしまいます。よりリアルに目標達成をするために、既存ユーザーの属性調査やヒアリングなどを行い、実態に即したカスタマージャーニーを作成しましょう。
また、ユーザー理解をする上では、ペルソナ作成もおすすめです。以下の資料を参考にペルソナ作成もしてみてください。
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ステップ4 設定したKPIを達成できる施策を検討する
KPIや自社の立ち位置、ユーザー像がイメージできたら、それを達成するための施策検討に入りましょう。
まずは幅広く施策を検討し、リストアップしていきます。アイデアベースや日頃のデータ分析などにもとづく仮説を立てましょう。色々考えて施策を考えるよりも、アイデアを発散する中に良いアイデアがあるかもしれません。
その後、KPIに影響するか、予算・リソース的に実施できるか、効果が出るまでの時間などを踏まえて施策の優先度を決めていきます。たとえ面白い施策であっても、KPIに効かなければ意味がないからです。
なお、手法に関してはこの後詳しく紹介します。
デジタルマーケティング戦略で用いられる手法
ここでは、デジタルマーケティング戦略で使われる手法を下記の4つのジャンルに分けて紹介します。
自社でデジタルマーケティングを実施する際の参考にしてみてください。
認知度・知名度アップの手法2選
自社の認知度や知名度アップに効果を発揮する主なマーケティング手法としては、下記の2つがあります。
それぞれの手法の詳細を見ていきましょう。
手法1 SNS
自社の認知度や知名度をアップさせるためには、SNSを活用することが有効です。
TwitterやInstagramなどで情報発信を続けて、アカウントをフォローしてもらうことで、見込み顧客と継続的な接点が持てます。
また、リードナーチャリングとして、ユーザーの購買意欲を高めるためにも活用できます。自社で直接発信する以外にも、「広告出稿」や「インフルエンサー活用」も有効な一手です。
SNSで発信する際には、ターゲットとなるユーザーが、どのサービスを利用しているのか調査することが重要です。各SNSの特徴を捉えた上で、活用するサービスを選びましょう。
なお、近年のデジタルマーケティングでは、より多くの情報を伝えられる動画も度々活用されています。特にBtoCビジネスで若い世代にアプローチしたい場合には、YouTubeやTikTokを活用することも検討してみてください。
SNSを用いた集客については、下記の記事でも詳しく解説しています。
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手法2 オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で所有しオリジナルコンテンツを発信するメディアのことです。
特にデジタルマーケティングの文脈では、「企業の運営するブログ」を指す場合が多いです。オウンドメディアを作って情報発信をすることで、情報を探しているユーザーにアプローチできます。見込み顧客の獲得以外にも、顧客育成に活用することもあります。
オウンドメディアの詳細については、下記の記事をご覧ください。
集客の手法4選
デジタルマーケティングで集客をする際は、下記の4つがあります。
ここでは、それぞれの手法の詳細を解説します。
手法1 SEO
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」という意味で、公式サイトやオウンドメディアに掲載したコンテンツを、検索結果の上位に表示させるための取り組みです。
SEOの対策では記事を制作することはもちろん、「インデックスされるようにする」や「サイトを読み込みやすくする」など、検索エンジンからサイトを正しく評価してもらう施策も併せて行います。検索結果で上位を獲得できれば、自然検索から自社サイトへの流入が期待できます。
SEOについては下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
手法2 リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページ上部に表示される広告のことです。
入力されたキーワードに関連する広告が表示されるため、自社の商品・サービスに興味関心を持ちやすいユーザーにアプローチができます。ただし、検索回数の多いキーワードで広告を出稿すると掲載料も高くなるため、費用対効果を考えながら運用することが大切です。
リスティング広告について詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
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手法3 ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリの画面上に掲示される広告のことです。
ユーザーの興味・関心を設定して配信できるため、潜在層へのアプローチが可能です。また、テキストだけではなく画像や動画なども使えるため、目に留まりやすいという特徴もあります。
出稿した広告に興味を持ってもらうためには、目を引くビジュアルにすることがポイントです。主な配信媒体としては、Googleディスプレイ広告(GDN)やYahoo!ディスプレイ広告(YDA)などがあります。
手法4 アフィリエイト広告
アフィリエイト広告はウェブ広告のひとつで、「成果報酬型広告」とも呼ばれています。
アフィリエイターが保有するブログやウェブサイト、SNSなどに広告を掲載してもらい、成果に対して広告料を支払う仕組みです。
広告を提供するASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)が、広告主とアフィリエイターをつなぐ仲介の役割を果たします。条件を満たした成果に対して費用が発生するため、コストを抑えつつ集客できることがアフィリエイト広告の特徴です。
ディスプレイ広告、アフィリエイト広告の説明は下記記事でも紹介しています。ぜひご覧ください。
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接客の手法3選
自社サイトやECサイト上で顧客とコミュニケーションをとる際によく用いられるのが、以下3つの手法です。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
手法1 チャットボット
チャットボットとは、チャット上でユーザーからの質問に自動で応答するシステムのことです。
種類として、あらかじめ質問と回答を用意しておく「シナリオ型」と、ユーザーとのやりとりを学習する「AI型」の2つがあります。
人の代わりにチャットボットが質疑応答などのやりとりをしてくれるため、社内の業務負担が軽減されることがメリットです。また、回答までの時間を短縮できたり、365日24時間対応してもらえたりするといった、ユーザー視点でも利点があります。
チャットボットについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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手法2 ポップアップ
ポップアップとは、サイトの画面上に飛び出すように表示されるウインドウのことです。
自社サイトにポップアップで「利用案内」や「クーポン」を表示させることで、離脱率の改善につながります。また、ターゲティング機能もあるため、訪れたユーザーに合わせて表示させることも可能です。最適なタイミングで表示させてCVを促すことで、リードナーチャリングとしても使えます。
手法3 カスタマーサポート
カスタマーサポートとは、チャットやビデオ通話を用いてオンライン上で接客できる仕組みのことです。
リアルタイムでつながるため、チャットボットなどでは解決できないユーザーの細かい疑問や悩みに対応できるのが特徴です。ただし、対応するスタッフを常駐させる必要があり、人件費などのコストがかかります。
リード管理の手法4選
デジタルマーケティングの中で、見込み顧客の獲得・管理を行う際に用いられる手法には、以下の4つがあります。
ここでは、それぞれの手法の詳細について見ていきましょう。
手法1 マーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーションとは、獲得した見込み顧客を一元管理できる自動ツールのことです。
英語表記である「Marketing Automation」の頭文字をとって「MAツール」とも呼ばれます。ツールを使用して、業務を自動化し、見込み顧客の獲得・育成・選定まで管理できるのが特徴です。
また、ツールによっては顧客ごとに違うアプローチをする「シナリオ機能」や、興味関心の度合いを可視化する「スコアリング機能」などが付いているものもあります。
これらの機能を上手に活用することで、興味関心の異なる顧客一人ひとりに対して、適切かつ素早く施策を実施することが可能です。さらに、人力に頼っていた部分を自動化できるため、属人化も予防できます。
マーケティングオートメーションについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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手法2 メールマガジン
メールマガジンは、見込み顧客の獲得と顧客育成の両方で活用される手法です。
まず、メールマガジンに登録してもらう際に、名前やアドレスを入力してもらうことでリードの獲得ができます。
そして、購読者に対しては、情報やキャンペーン告知などを定期的に配信して、自社のファンになってもらったり購買意欲を掻き立てたりします。
メールマガジンで成果を上げるためには、以下の流れで実施するのが効果的です。
【ステップ1】 目的を決める 【ステップ2】 ターゲットを意識する 【ステップ3】 掲載するコンテンツのテーマを決める 【ステップ4】 配信頻度を決める 【ステップ5】 本文を作成する 【ステップ6】 件名を決める 【ステップ7】 送信する |
メールマガジンの活用方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
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手法3 ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、業務ノウハウや調査レポートなど、ユーザーにとって有益な情報をまとめた資料のことです。
ダウンロードの際にメールアドレスや企業名を入力してもらうことで、リードが獲得できます。
また、ホワイトペーパーを見てくれた方に対して、セミナー開催のお知らせや他の有益なホワイトペーパーなどを紹介することで、リードナーチャリングも可能です。ビジネスパーソンをターゲットに実施することが多い手法で、主にBtoBで活用されます。
ホワイトペーパーとリードナーチャリングについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
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手法4 ウェビナー
ウェビナーとは、ウェブ上で開催するセミナーのことをいいます。
主にBtoBでのリード獲得に有効な手段のひとつです。ユーザーの課題を解決するウェビナーを企画することにより、潜在顧客の獲得が期待できます。
オフラインでのセミナーと比較すると、会場を抑える必要もないため、低コストで開催できる点がメリットです。質疑応答などを設けることで、参加者とコミュニケーションを図ることもできます。
ウェビナーを開催するツールを、下記記事で紹介しています。
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デジタルマーケティング戦略を展開する上での3つのポイント
デジタルマーケティングを成功させるためには、以下の3点を意識することが大切です。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ポイント1 他部署と連携する
デジタルマーケティングを成功させるポイントの1つ目は、「他部署と連携する」ことです。
最終目標であるKGIを達成するためには、営業部門などの他部門との連携は欠かせません。マーケティング部門が商品やサービスを販売する営業部と連携することで、顧客理解が深まり、成果も上げやすくなります。
また、デジタルマーケティングでは、オウンドメディアやECサイトを運用するケースも多くみられます。その場合は、サイト管理を行うにあたり、システム部門との連携も必要です。
他の部署と連携する際のポイントは、「他部署にとってのメリット」を意識した上で、相談や依頼をすることです。他部署の社員も自分の仕事を抱えています。
そのため、マーケティング部門の目的やメリットばかりを伝えても協力が得られないケースも珍しくありません。相手へのメリットを伝えて、スムーズに連携できるよう働きかけていきましょう。
ポイント2 ITツールを活用する
2つ目のポイントは、「ITツールを活用する」ことです。
マーケティングを効率的に行うITツールを活用することで、少ない労力で大きな成果を上げることも可能です。例えば、マーケティングオートメーションと呼ばれるものは、自社サイトへのアクセス状況の分析やリードの管理などができます。
ほかにも、営業リストを自動で作成できるツールや、メールマガジンの管理ができるツールもあります。自社のマーケティング活動で役立ちそうなものを探してみてください。
マーケティングオートメーションについて、下記の記事で詳しく解説しています。
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ポイント3 PDCAサイクルを回す
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(効果測定)」「Action(改善)」の頭文字を取った言葉です。
デジタルマーケティングの目的を達成するためには、PDCAサイクルを回し、施策の精度を徐々に高めていくことが重要です。
戦略を立てて施策を実施した後は、必ず結果の分析を行いましょう。分析した結果を次の施策につなげて質を上げていくことで、はじめて成果が出てきます。この「結果分析」でもITツールを活用することで、膨大なデータを短時間で解析できるようになるのです。
成果の出るデジタルマーケティング戦略を立てよう
デジタルマーケティングには、Webサイトを活かす多様な手法があります。
しかし、思いついたものから適当に実施していたのでは、成果につながりにくいといえるでしょう。結果を出すためには、ターゲットを中心とした綿密な戦略を練った上で、展開していくことが重要です。
自社でデジタルマーケティングを実施する際は、本記事で紹介した戦略の立て方や手法を参考にしてみてください。
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