ビジネスに必須の定量分析・定性分析とは?なぜ必要なのか解説
定量分析と定性分析は、ビジネスパーソンにとって必須のスキルともいえる重要な分析手法です。ビジネスではなぜ定量分析や定性分析を活用して分析する必要があるのでしょうか。
ここでは、定量分析・定性分析の概要やビジネスで使う目的、分析する際のポイントについて解説します。
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目次
ビジネスで使う定量分析・定性分析とは
ビジネスで使う定量分析と定性分析とはどのような分析手法なのでしょうか。概要やメリット・デメリットについて紹介します。
定量分析とは
定量分析とは、アクセス解析や業績データをはじめとする数値データを元に分析・評価する手法です。Googleアナリティクスのアクセス解析や選択式アンケートの調査結果などが代表的な定量分析のデータで、これらで収集した数値を元に現状や課題点を分析します。
定量分析は数値データいう事実をベースに分析するため、客観的な状況を把握するのに役立ち、現状の課題を関係者間で共有しやすいというメリットがあります。また、プレゼンの際に定量分析の結果を用いると、説得力が増して建設的に改善などを進めやすくなるという強みもあります。一方、偏りのない分析を行うためには十分なデータ量が必要になるため、短期間での分析には不向きと言えるでしょう。また、数値の背景を読み取るためには仮説を立てる必要があり、その真偽を確かめるためには定性分析を組み合わせて掘り下げる必要があります。
定性分析とは
定性分析とは、ユーザーの声をはじめとする質的データを元に分析・評価する手法です。代表的な定性分析のデータは、ユーザーインタビューや自由回答式アンケートの結果、UIレビュー、SNS上の口コミなどがあげられます。
定性分析は数値で表せないユーザー心理や状況の背景を知るのに役立ち、より具体的な改善施策や企画を検討しやすくなるというメリットがあります。普段はなかなか触れることのないユーザーの本音に向き合うことで、新たな気づきを得られることでしょう。また、定性分析は定量分析とは異なり、限られたデータ量でも十分に分析可能であることも強みです。
一方、定性分析は分析者によって主観的な判断が入り込みやすく、関係者間で意見が割れてしまうリスクがあります。できる限り主観を排除するよう、フレームワークなどを活用して客観的に分析することを心がけることが重要になります。
ビジネスで定量分析・定性分析を行う目的
なぜ、ビジネスの現場では定量分析と定性分析を行うのでしょうか。その目的を具体的に見ていきましょう。
ビジネスの課題を発見する
定量分析や定性分析は、ビジネスの課題を発見するのに役立ちます。例えばサイトのコンバージョン数が低下していた場合、アクセス解析すればどのコンテンツやサイト構成がボトルネックになっているかを理解できます。そして、ユーザーインタビューやUIレビューなどを実施すれば、なぜその点が課題となってしまったのか、ユーザー心理や背景を具体的に知ることが可能になります。このように、ビジネスの課題を発見して状況改善するために、定量分析と定性分析が必須になると言えるのです。
分析結果を元に改善施策を実行する
定量分析と定性分析で課題を発見したら、その結果を元に改善施策を実行します。漠然と「ここがユーザー受けが悪いのかもしれない」と改善するよりも、「このページのPV数が先月比較で30%下落したから、導線を強化しよう」「〇〇に関するコンテンツに対するユーザー満足度が高いから、類似コンテンツを拡充してPV数を上昇させよう」といったように、根拠に基づいて改善施策を実行した方が成功する見込みは高いです。
また、改善施策がうまくいかなかった場合にも、再度定量分析と定性分析を行って施策の方向性を修正すれば、建設的に効果改善を進めることができます。
ユーザーのニーズを捉える
定量分析や定性分析を行えば、ユーザーのニーズを深く理解することができます。定量分析で課題や好評な点を絞り込み、そのポイントについてユーザーインタビューやアンケートを実施すれば、具体的なユーザーの思いを知ることができます。これらで理解したユーザーのニーズを満たす施策をマーケティングで実施したり、商品開発に活かしたりすることで、さらなる満足度の向上を目指せるでしょう。
ビジネスで定量分析・定性分析を行う際のポイント
ビジネスで実際に定量分析や定性分析を行う際、どのような点に注意すればいいのでしょうか。
定量分析→定性分析の順番で行う
数値データを元にする定量分析と、質的データを元にする定性分析には、それぞれメリットとデメリットが存在します。定量分析と定性分析を組み合わせることでそれぞれの弱点を補い、より質の高い分析データへと昇華することができます。
これらを組み合わせて分析する際、定量分析→定性分析の順番で行うことが重要です。仮説を立てながら定量分析を行い、その仮説が正しいのか、それとも全く別の理由があるのかを定性分析で調査する、という流れにすると、客観的かつ深掘りした分析が可能となります。
十分なデータ量を確保する
定量分析の場合は、1ヵ月~数ヵ月程度のデータ量を確保すると、偏りが少なく正確な分析ができます。定性データはデータ量が少なくても分析できますが、たった1人だけの意見だけを聞くと偏りが生じてしまう可能性があるため、数人程度の意見を収集することをおすすめします。
定量分析と定性分析で注意すべきなのは、「たまたまその期間(その人)はこうだった」というのを過大評価してしまうことです。フラットに状況を分析するためにも、データ量の確保には注力しましょう。
多面的にデータを分析する
定量分析では複数の仮説を立てながらデータを読み解き、定性分析ではユーザーの意見を一面的に捉えすぎないようにする必要があります。例えば「サイトのPV数が落ちているのは、ウェブ広告の出稿量を減らしたからだ」と仮説を立てて、それに関するデータだけを読み解いていると、ほかの課題を見落としてしまう恐れがあります。
「検索順位が年々下がっており、抜本的なSEOを行わなければならない」「サイトの表示速度が遅く、特にスマホ経由のPV数に悪影響が出ている」といった課題があるかもしれません。定量分析ではひとつの仮説にこだわらず、多面的にデータを読み解くようにしましょう。
定性分析に関しても、分析者が持つ知識や経験、バックグラウンドなどによって解釈に幅が出てきます。定性分析の担当者はできる限り幅広い知識を持てるよう勉強し、業界知識やトレンドなどを抑えてユーザーの意見を多面的に読み解くことが重要になります。
改善施策実行後は効果検証する
定量分析・定性分析を元に改善施策を実行した後は、必ず効果検証を行うようにしましょう。効果検証を行い、定量分析・定性分析で導き出した仮説が正しかったのかを見極めます。もし改善効果が出なかった場合は、ほかの仮説を元に改善施策を実施したり、もう一度、定量分析・定性分析を行って仮説を立て直したりします。これを繰り返すことで、ビジネスは大きな成長を遂げるはずです。
定量分析・定性分析をビジネスに活かそう
定量分析と定性分析をビジネスで使う目的やポイントについて解説してきました。それぞれの強みを理解し、適切に組み合わせて分析を進めて、改善施策や新規施策を実施することでビジネスを飛躍させましょう。
なお、ナイルでは、豊富な経験・データに裏付けされたコンサルティング力で、サイト改善の支援が可能です。大きく3つのステップに分けて、対応させていただきます。
- 調査・設計:現状のヒアリングやKPIの設定、ツールの導入などを行う
- 分析:アクセスやヒートマップの分析、ユーザー行動観察などを行う
- 改善:施策の効果検証や定例レポーティング作成、継続施策の提案などを行う
状況をヒアリングした上で、段階的にサイト改善を行っていきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。