オウンドメディアの設計を戦略から運用まで12ステップで解説

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オウンドメディアの設計を戦略から運用まで12ステップで解説

オウンドメディアを入念に設計するかしないかで、その後の成果が大きく変わります。

今回の記事では、オウンドメディアを設計する際の手順をステップごとにまとめました。成果の出るオウンドメディアを構築したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、オウンドメディア運営に役立つコンテンツマーケティングのノウハウをまとめたPDF資料(無料)をご用意しております。

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    オウンドメディアの設計次第で成果が変わる

    オウンドメディアは、事前に戦略を設計しているかどうかで成果が変わります。

    戦略を考えずに運用すると、ユーザー数が思うように増えなかったり、集客しても売上やリード獲得につながらなかったりする恐れがあります。

    オウンドメディアを成果につなげるには、価値あるコンテンツを読者に届けつつ、企業が期待するアクション(商品の購入や資料ダウンロードなど)をとってもらうことが重要です。そして結果的に、メディアのゴールに結びつくという流れが理想的といえます。

     

    動画でもオウンドメディア設計に関して紹介しています!

    オウンドメディアを設計するための12ステップ

    オウンドメディアを設計する際は、次のステップで行うことが大切です。

    順番に見ていきましょう。

    オウンドメディア 設計

    STEP1 オウンドメディアの目的を明確にする

    オウンドメディアを立ち上げる際は、最初に運営する目的を明確にしておくことが重要です。

    目的を明確にしないと、オウンドメディアが成功しているかどうかがわからず、今後のコンテンツ制作に活かすこともできません。

    例えば、次のような目的が挙げられます。

    • 見込み顧客(リード)の獲得
    • 商品・サービスの認知(ブランディング)
    • 商品・サービスの成約
    • 長期的な資産の構築
    • 人材採用

    目的を明確にしたら、KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIとは、目標達成までの経過が適切に進行しているかを数値で表すことです。

    例えば、「オウンドメディア経由の売上を2割増やしたい」という最終目標がある場合、次のようなKPIが生まれます。

    • 1ヵ月間のCVを5件増やす
    • キーワード検索からの流入を10%増やす
    • 新規ユーザーを3件獲得する

    オウンドメディアでKPIを設定する具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひご一読ください。

    KPIが確定した後は、成果が出るまでのスケジュールを決めます。オウンドメディアの目的に対し、どれくらい達成しているか進捗状況を把握するために必要です。いつまでにどんな数字を出すか、具体的なスケジュール感を設定します。

    例えば「年間の売上を50%アップさせる」ことを目標にした場合、「半年後にリピーターを〇%増加させる」のようにスケジュールを設定するなどです。

    基本的に成果(例えばメディアからのリード獲得が発生し始める状態)が出るには、最低でも半年程度はかかります。長期的な視野を持って運営していきましょう。

    STEP2 テーマ・ターゲットを決める

    次にサイト全体の統一感を出すため、オウンドメディアのテーマやターゲットを決めます。

    「自社の商品・サービスに興味を持ってくれるターゲットは、どのような情報を求めているのか」を考えて、オウンドメディア自体のテーマを決めましょう。

    テーマの決め方の一例として、ユーザーのニーズと自社の製品・サービスを掛け合わせる方法があります。例えば会計ソフトの会社が、SEOを目的としてオウンドメディアを運営する場合、「会計ソフト」や「経理」のノウハウを発信するなどです。

    メディアのテーマに一貫性を出すには、下記のような観点を持っておくことも欠かせません。

    • どんなユーザーにコンテンツを届けたいのか
    • ユーザーのどんな課題を解決したいのか

    テーマに合わせて、オウンドメディアのターゲットを決めます。ターゲットを明確に定めることでコンテンツの内容に一貫性が出て、ユーザー目線でコンテンツを評価しやすくなります。

    ターゲットを決める場合は、ペルソナを設定することがおすすめです。ペルソナとは、リアルな顧客像を細かく設定したものです。例えば次のような情報を設定し、一人の顧客のプロフィールを作り上げていきます。

    項目 詳細内容(例)
    基本情報 氏名、年齢、性別
    居住地 住んでいる場所、持ち家・賃貸
    職業 業種、役職、勤続年数
    金銭情報 収入、貯蓄額
    生活スタイル 平日・休日の過ごし方、インドア・アウトドア
    家族構成 平日・休日の過ごし方、インドア・アウトドア
    家族構成 既婚・未婚、子どもの数、同居家族
    性格 内向的・外向的、価値観、人生観
    利用する店・サービス サブスクリプションサービス、ネットショップ

    さらに、SEO流入を考えるならテーマに沿ったキーワードを選定しましょう。Googleキーワードプランナーのようなツールを使用し、検索ボリュームや組み合わせから関連キーワードを洗い出します。

    下記の記事では、キーワード選定で役立つコツを紹介していますので、併せて参考にしてみてください。

    \成果につながるユーザー調査のやり方を解説/

    STEP3 カスタマージャーニーマップを作る

    次に、カスタマージャーニーマップを作り、ユーザーの行動をイメージできるようにします。

    カスタマージャーニーとは、「ユーザーが商品やサービスを認識する購入するリピートする」までの一連のプロセスを、時系列で把握することです。そのプロセスを図にしたものが、カスタマージャーニーマップです。

    カスタマージャーニーマップを作成することで、ペルソナだけではわからない、時系列に沿ったユーザーの行動が明確になります。ユーザーへの理解が深まることで、行動に応じたアプローチ方法を考え出すことが可能です。

    作成する際は、以下の手順で行います。

    1. カスタマージャーニーマップを作る:目的を決める
    2. ペルソナを設定する:1人のペルソナにつき、1つのマップを作成する
    3. 項目を決める:段階、課題、行動、感情、コンテンツなど
    4. 詳細を埋める:実際の顧客の意見をヒアリングし、マップを埋めていく

    詳しい方法は以下の記事で解説していますので、併せてご参考にしてください。

    STEP4 コンテンツマップを作る

    次のステップとして、記事全体の地図となるコンテンツマップを作成します。

    コンテンツマップとは、「サイト内のコンテンツがどのような構造になっているのか」を可視化した図です。コンテンツマップを作成することで、「ユーザーをページAからページBに移動させ、商品・サービスを購入してもらう」などの道筋を作ることができます

    オウンドメディア 設計

    コンテンツマップを作成する際は、次の手順で行います。

    1. ペルソナが求めるコンテンツを洗い出す

       例:健康を維持したいと考えている40代男性の場合、「健康 食事」「体 メンテナンス」など

    2. 1で洗い出したコンテンツを整理する

       客観的な意見を取り入れ「本当にペルソナが求めているコンテンツかどうか」を判断する

    3. 似たようなコンテンツをジャンルごとにまとめる

       例:「健康 食事」「40代 レシピ」などのコンテンツは、「レシピ・食事」ジャンルに含める

    4. 図を作成する

    コンテンツマップを作成することで、サイトの全体像がわかります。既存ページに新しくコンテンツを追加する場合や、優先的に作りたいコンテンツがある場合に、効率的にコンテンツを制作することが可能です。

    STEP5 ワイヤーフレームを作る

    サイトの配置設計図である、「ワイヤーフレーム」を作成します。

    ワイヤーフレームとは、下図のように、サイト内の各ページを構成する要素を示したものです。以下は、当サイトの「ナイルのSEO相談室」ブログページのワイヤーフレームの例です(画像をクリックすると拡大します)。

    オウンドメディア 設計

    コンテンツ制作を依頼する際、スムーズに設計の把握をしてもらうため、実際にはもう少し詳細に作成しますが、検討段階ではこの粒度でも構いません。ワイヤーフレームの要素を以下に記載します。

    構成要素 詳細内容
    サイトヘッダー
    • サイトや運営会社のロゴ
    • キャッチコピー
    • サイト内検索
    • 問い合わせ先へのリンク
    記事ヘッダー
    • 記事タイトル
    • 著者の情報
    • 記事公開日時
    • 記事カテゴリ
    記事本文
    • リード文
    • 本文
    • 見出し
    記事下
    • 資料ダウンロード
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    • シェアボタン
    サイドバー
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    • SNS登録
    • サイト内回遊の強化(カテゴリ・タグ一覧、人気記事リスト、新規記事リスト)
    サイトフッター
    • 運営会社のロゴ
    • 公式サイトへのリンク
    • プライバシーポリシー

    ワイヤーフレームは、PCだけでなく、スマートフォンからも閲覧しやすいレイアウトにすることが欠かせません。スマートフォンとPCでは見え方が変わるからです。作成後は必ず複数のデバイスから、見え方をチェックしましょう。

    STEP6 CMSを選択する

    ワイヤーフレームが固まったら、次に利用するCMSを選択します。

    CMSとはContents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略称です。HTMLやCSSを書かなくても、コンテンツの制作や更新ができます。

    注意すべきは、一度CMSを決めて運用し始めると、別のシステムへ変更するのに手間とコストがかかることです。迷ったらWordPress(ワードプレス)など、シェア率の高いCMSの利用をおすすめします。

    STEP7 サーバーを選択する

    CMSを選択するタイミングで、サーバーも選びましょう。

    オウンドメディアのコンテンツを公開するためには、サーバーが必要です。選び方については、基本的には「レンタルサーバー おすすめ」で検索して出てくるレンタルサーバーを選んで問題ありません。

    できるだけ、「自社で公開したいコンテンツ」に合った機能があるものを選択しましょう。例えばオウンドメディア上で動画コンテンツをたくさん公開したい場合、データ容量が多く、通信速度が速いサーバーにするなどです。

    また、WordPressでオウンドメディアを作る場合は、WordPressインストール機能があるサーバーにすることをおすすめします。自社で既に使用しているサーバーがあるなら、それを活用してもよいでしょう。

    STEP8 解析ツールを導入する

    さらに、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを導入しておきましょう。

    アクセス解析ツールとは、サイトへアクセスしたユーザーの行動が分析できるツールです。下記のようにさまざまな数字を把握できるため、コンテンツ制作やサイトの改善に活かすことができます。

    • PV(ページの閲覧数)
    • 直帰率(サイトにアクセス後、最初の1ページしか閲覧されなかった訪問数の割合)
    • 回遊率(1回のアクセスで何ページ閲覧したかを表す割合)
    • 離脱率(1ページが閲覧された回数のうち、ユーザーが離れてしまった割合)
    • コンバージョン率(商品やサービスの購入、問い合わせ獲得などの成果の割合)
    • 他サイトへの送客数
    • Google検索結果の表示数
    • Google検索結果の平均掲載順位

    最低限、無料の「Googleアナリティクス」と「サーチコンソール」を入れておくことをおすすめします

    なお、Googleアナリティクスの最新版「Googleアナリティクス4」については、作成方法や設定の仕方をまとめた資料を無料で公開しています。以下のバナーからお気軽にダウンロードください。

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    STEP9 SNSアカウントを作る

    オウンドメディアの運用と連動する形で、Facebook・Twitter・Instagram・LINEといったSNSアカウントの作成を検討しておきましょう。

    ただし、SNSごとの特性と見込みユーザーをマッチさせる必要があります。以下の記事では、オウンドメディアでSNSを活用するノウハウを紹介しています。「SNSを使って集客ルートを増やしたい」という方は、併せてご覧ください。

    STEP10 エディトリアルカレンダーを作る

    次に、エディトリアルカレンダーを作ります。エディトリアルカレンダーとは、コンテンツのリリース時期などを記載したスケジュール表のことです。

    新商品の発売やイベント開催のような、「自社サービスに欠かせない予定」と「コンテンツの制作スケジュール」が同時に管理できます。また、メンバー間でどのような企画を検討しているかが可視化できるため、重複を防ぎ、効率的に制作を進められるのもメリットです。

    「エディトリアルカレンダー テンプレート」で検索すると、無料のエディトリアルカレンダーのテンプレートが入手できます。メンバーが使いやすそうなものを選んで導入してみましょう。

    STEP11 コンテンツのルールを決める

    コンテンツを制作する前に、あらかじめルールを決めておくことも重要です。

    統一感のあるルールにすることで、毎回コンテンツ制作時にタイトルのつけ方や、画像サイズの違いなどをチェックせずに済みます。作業効率がアップするため、スケジュール通りにコンテンツを制作しやすくなるのもメリットです。

    例えば、下記のようなルールを設定します。

    項目 ルールの例
    タイトルのつけ方
    • 全角32文字以内にする
    • 狙うキーワードをタイトルの前半に入れる
    • 数字を入れる
    文体
    • 「ですます調」にする
    見出し
    • 大見出し→中見出し→小見出しの順番にする
    • 見出しを読んだだけで内容がわかるものにする
    段落
    • 2文続いたら1行改行する
    文章の長さ
    • 1文は40字以上60字以内におさめる
    タイトル画像

    (アイキャッチ)

    • 記事内容に関連する画像を選ぶ
    • サイズは横1,200ピクセル×縦630ピクセルにする
    • 記事タイトルは画像の真ん中に入れる
    本文の画像
    • 見出し内容に関連する画像を選ぶ
    • サイズは横1,200ピクセルピクセルにする
    引用の記述
    • 引用:サイト名「ページのタイトル」
    • 「ページのタイトル」にURLを貼る

    「制作した人によって表記がバラバラ」のような状態を防ぐため、ルールを作成して周知しましょう。

    STEP12 運用体制を決める

    最後に、オウンドメディアの運用体制を決めます。

    体制を決めておかないと役割が曖昧になり、施策がストップしてしまうケースもあるからです。具体的には、以下の3点を明確にしましょう。

    1. 記事は誰が書くか

       ライティングは時間もかかるので、都度募集するのではなく、事前にリソースを確保しておく

    2. 編集者は付けるか、誰が行うか

       ライターのみだと情報が偏ったり、誤字脱字に気づきにくい場合もあるので、付けることを推奨

    3. 分析や数値観測は誰が行うか

       定期的な分析が実施できるリソースを確保しておく

    自社でメンバーを集めるのが難しい場合は、外注する方法もあります。「社内のリソースで対応できる作業」と「外部に委託する作業」を洗い出した上で、運用体制を構築していきましょう。

    番外編 公開後は定期的に分析する

    オウンドメディアを公開した後は、数値を定期的に確認することが大切です。

    Googleアナリティクスを利用し、ユーザー数の変動や滞在時間、離脱率、コンバージョン率を確認しましょう。その上で、コンテンツの内容やリンクへの導線、シェアボタンの位置などを確認し、改善すべき点がないかチェックします。

    下記の記事では「分析ツールのおすすめが知りたい」という方に向けて、16種類のツールと活用方法を解説しているので、ぜひご参考にしてください。

    まずはオウンドメディアを設計し、着実に進めよう

    オウンドメディアで成果を出すには、戦略の設計を入念に行うことが重要です。

    本記事で紹介した12ステップは、必ずしも順番通りに行う必要はありません。同時進行しつつ進めていきましょう。

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    • 成果に繋げるユーザー調査
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    編集者情報

    ナイル編集部
    ナイル編集部

    2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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