コンバージョン率(CVR)の業界別平均は?低下につながる5つの"落とし穴"と改善ポイント
本記事では、Webサイトのコンバージョン率(CVR)の業界平均値とそれを改善する具体的な方法について詳しく解説します。自サイトのコンバージョン率を正確に把握し、効果的に向上させるための重要なポイントを紹介するので、Webサイト運営者の方はぜひ参考にしてください。
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目次
コンバージョン率(CVR)の平均とは
コンバージョンとは、端的にいえばWebサイト上で成果を表す指標です。
例えば、問い合わせや資料のダウンロード、メールマガジンの登録などがコンバージョンに該当します。
成果が明確になっている場合、コンバージョン率は以下の計算方法で求めることが可能です。
- コンバージョンの数 ÷ セッション数× 100
下記の例であれば、コンバージョン率は5%と計算できます。
- コンバージョンの数:50件/月
- サイトを訪れた人の数:1,000名/月
- コンバージョン率:50÷1,000×100=5%
また、アメリカのRuler Analytics社が、2023年1月に集めた情報によると14業界の平均コンバージョン率は2.9%でした。(出典:Updated 2023: Average Conversion Rate by Industry and Marketing Source)
業界別のコンバージョン率の平均は、次項にまとめていますので、以下を参考に業界や商品・サービスの価格帯などを確認して、より自社に近いケースを見つけましょう。
業界別のコンバージョン率(CVR)平均
業界別のコンバージョン率(CVR)平均を、以下の表にまとめました。
業界 | 平均CVR |
---|---|
消費者サービス | 6.64% |
自動車 | 6.03% |
雇用サービス | 6.64% |
金融と保険 | 5.1% |
健康と医療 | 3.36% |
BtoB | 3.04% |
教育 | 3.39% |
電子商取引 | 2.81% |
引用:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
上記の表から、コンバージョン率の平均は業界によって差があるとわかります。特に、消費者サービスや雇用サービスなどのサービス系の業界では、CVRが高い傾向にあります。これは、Webサイト上で直接問い合わせやお申し込みができるため、コンバージョンにつながりやすいことが主な理由です。
一方、BtoBや教育などの業界では、CVRが比較的低くなっています。この業界では、Webサイトから実際の購入に至るまでのステップが多く、検討期間も長いため、途中で離脱するユーザーが多いことが主な原因です。
自サイトのCVRを評価する際は、単純に全業界の平均と比べるのではなく、同じ業界内での平均を意識することで、改善点を見つけやすくなります。
コンバージョン率(CVR)が低下する5つの要因
コンバージョン率が低下する要因として、以下のようなものが考えられます。
代表的な5つの要因を詳しく見ていきます。
要因1 導線設計ができていないから
導線設計とは、Webサイトに訪問したユーザーがコンバージョンするまでの流れのことです。コンバージョンのボタンやリンクがわかりにくいと、ユーザーに問い合わせや申し込みできる箇所を認識してもらえず、成果を取りこぼす恐れがあります。
また、ユーザーの購買意欲を高めるための工夫が不足していることも、コンバージョン率が低下する要因です。例えば、ターゲットユーザーのニーズを的確に捉えていない、商品やサービスの魅力が十分に伝わっていないなどの問題があると、サイトを離脱してしまう可能性が高くなります。
具体的な導線設計の考え方については、下記の記事をご確認ください。
要因2 記事や広告の有益性が低いから
Webサイトの記事や広告で、ユーザーの求める情報を提供できていないと、コンバージョンする前に離脱されてしまいます。有益性を高めるためには、ユーザーが求める情報を的確に把握することが重要です。単に商品やサービスの特徴を羅列するのではなく、「忙しい朝でもサッと作れて簡単」のようにユーザーが抱える悩みや課題を解決するための具体的な方法やベネフィットを示すことをおすすめします。
また、ユーザーにストレスを与えない見せ方も考慮することが必要です。例えば、内容が良くても文字ばかりでは、理解しにくくストレスを与える恐れがあります。内容に合わせて画像や図解などを加えると、コンテンツの有益性を高めることが可能です。
要因3 マルチデバイスに対応していないから
近年、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットでWebサイトにアクセスするユーザーが増えています。デバイスによってレイアウトが崩れたり、コンバージョンのボタンやリンクがわかりにくくなったりすると、コンバージョン率の低下につながります。
そのため、デバイスごとの視認性を確認し、適切に表示されるように調整することが必要となります。また、スマートフォンの機種やブラウザなど、ユーザーが閲覧する環境からの細かな確認も重要です。
要因4 コンバージョンを喚起する文言が適切でないから
コンバージョンのボタンやリンクなどの(CTA(Call to Action))を設置するだけでは、コンバージョンを最大化できません。CTAとは、ウェブサイト上で訪問者に特定のアクションを促す仕掛けのことですが、ただ設置するだけでは不十分で、コンバージョン周りの文言も読者に合わせて調整する必要があります。
ユーザーが抱えている不安や疑問を解決した上で、自然にクリックやタップできるように適切な文言を考えましょう。適切なCTAや文言が設置されていないと、興味のあるユーザーを逃す原因になってしまいます。
CTAの改善ポイントは以下の動画で詳しく解説しているので、気になる方はご参照ください。
要因5 コンバージョンのハードルが高いから
フォームの入力項目が多すぎたり、複雑だったりすると、コンバージョンのハードルが高くなります。フォーム入力完了までの流れが長く、ステップが多いこともユーザーが途中で離脱してしまう要因のひとつです。
また、決済方法が限定的だとユーザーが自分に合った方法で購入できず、コンバージョンを諦めてしまうケースも少なくありません。現状を分析した上で、現金払いやクレジットカード決済だけではなく、電子マネー・QRコード決済などの導入も検討しましょう。
コンバージョン率を向上させる方法は、下記の記事でも詳しく解説しています。
コンバージョン率(CVR)を改善する6つのポイント
コンバージョン率を改善するには、以下のポイントを押さえる必要があります。
ポイント1 EFO(エントリーフォーム最適化)を実施する
EFOとはEntry Form Optimizationの略称で、Webサイトの入力フォームの入力完了率を高める施策のことです。フォームのデザインや項目の工夫によってユーザーの入力負担を軽減し、コンバージョン率を上げられます。
以下は、ナイルが実際に使用している資料ダウンロードフォームの例です。
上記のように、ユーザーの途中離脱を防ぎ、より通過率を上げることを意識してEFOを実行しています。
具体的には以下を行っています。
- フォームのデザインをシンプルにしている
- 必須入力項目を最小限に抑える
- 入力ミスに対してエラーメッセージを表示させる
EFOに関してはこちらの記事で解説しているので、ぜひご参照ください。
ポイント2 CTA周りの誘導文を見直す
CTA(Call To Action)の上部や周囲に、行動を促すような誘導文を配置することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
誘導文では、ユーザーにとってのメリットや価値を明確に伝えることが重要です。例えば「4月中に申し込むと、15%の特別割引が適用されます」といった具体的なメリットを提示すると、ユーザーの行動を促せます。
また、無料登録や無料相談など、ユーザーの心理的な障壁を下げるような表現を使うことも効果的です。
ポイント3 CTAの設置数を増やす
コンバージョン率を上げるには、ページ内の複数箇所にCTAを設置し、ユーザーの目に留まる機会を増やす方法もあります。
例えば、記事の途中や末尾、サイドバーなどに適切にCTAを配置すると、ユーザーが認識しやすいため、アクションを起こしやすいです。一方、CTAの設置数が多すぎるとページの読みやすさが損なわれるため、適度な数に抑えることが大切です。
また、CTAは単に設置するだけではなく、ユーザーが自然にクリックやタップしやすい位置に配置します。文章の流れから問い合わせや申し込みしたいと思える箇所に、設置することが効果的です。
ポイント4 コンバージョンに近いユーザーを狙う
コンバージョン率を高めるためには、そもそもコンバージョンしやすいユーザーを狙うことが重要です。
例えば顧客管理システムを売る会社がGoogle広告を出稿する際は、「顧客管理システムとは」を調べる人に広告を出すより、「顧客管理システム 比較」と調べる人に広告を出すほうがよりコンバージョンに近いため成果が出やすくなります。
ユーザーがどのような情報を求めているのか、どのような経路でコンバージョンに至るのかを理解した上でコンテンツを制作することが大切です。
ユーザーが商品やサービスを知ってから購入までの流れは、カスタマージャーニーというフレームワークでまとめられます。作成方法は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
ポイント5 コンバージョンまでの導線を見直す
ユーザーがコンバージョンに至るまでの導線を明確にすることも重要なポイントです。導線上の各ページやコンテンツを、コンバージョンに向けて最適化する必要があります。
例えば、ECサイトではトップページから商品ページ、カート、決済ページまでの最適化が重要です。各ページでは、ユーザーが次のステップに進みやすいようなデザインや導線を設計する必要があります。
導線が複雑すぎたりページ数が多すぎたりすると、ユーザーの離脱につながるため、シンプルでわかりやすい構成を心がけ、ユーザーを目的の行動へとスムーズに誘導しましょう。
ポイント6 ツールを使って改善する
コンバージョン率を改善するには、ツールを使った数値分析が欠かせません。
GA4などのアクセス解析ツールを使って、ユーザーの行動を詳細に分析しましょう。ユーザーの属性(デバイスや地域など)ごとの行動を分析すれば、より詳細なユーザー像を描くことが可能です。
また、ヒートマップツールを活用すれば、どの箇所がよくクリックされているのか、逆にクリックされにくい箇所はどこかを把握できます。
さらに、A/Bテストツールを使って、異なるパターンのページやCTAを比較検証するのも効果的です。複数のバリエーションを用意し、より高い成果を生み出すパターンを見つけ出せます。
コンバージョン率(CVR)の平均を参考に改善しよう
コンバージョン率を改善するためには、自サイトの現状を把握するだけではなく、同業他社や業界全体の平均値を参考にすることが重要です。自サイトのCVRが業界平均と比べてどの程度のレベルにあるのかを知ることで、改善の余地や目標設定の指標として活用できます。
また、同じ業界内でも、サイトの規模や運営方法によってCVRは大きく変動します。自サイトと似た条件のWebサイトを参考にすると、より現実的な目標設定が可能です。
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