「三匹の子ブタ」に学ぶコンテンツマーケティング

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「三匹の子ブタ」に学ぶコンテンツマーケティング

こんにちは、コンテンツディレクターの成田です。

あなたの会社に「三匹の子ブタ」の上司がいると想像してみてください。

あの有名な白ブタ、黒ブタ、まだらブタです。

三匹の子ブタ

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放任主義の白ブタ上司

まずは、白ブタ上司。放任主義なので好き勝手に仕事をさせてくれます。とても忙しい上司なので、メールを送っても返事はくれません。

いつも外出中なのでなかなかつかまりません。会議は必ず遅刻します。約束もほとんど守ってくれません。放任主義ゆえに部下のマネージメントはおざなりで、ときどき部下の給料を間違えてもケロリとしています。

知識が豊富で口達者なので自己アピールは得意です。とにかく目の前の仕事はなんでもとっていくタイプ。

長期的視点に立つ余裕がないため、その場しのぎでウソをつくこともたびたび。藁でテキトーに家をつくった白ブタさんのように、手っ取り早く簡単に済む方法ばかりを選ぶので、人に迷惑をかけることが多々あります。

頭脳明晰で口達者の黒ブタ上司

そして、黒ブタ上司。頭脳明晰で口達者。「俺の背中を見て学べ」というタイプなので、部下を育てる、という意識は希薄。

デキない部下にはすぐに見切りをつけて突き放します。自分の優秀さをアピールするのに必死なので、部下の成功は自分の手柄、部下の失敗は部下の責任、と考えています。

また人を貶めることで相対的に自分の価値を上げようとします。白ブタ上司ほど、その場しのぎのいい加減さはありませんが、部下から “おしゃべりクソ野郎” (©有吉弘行)と呼ばれるくらい自己主張が強く、とにかく相手構わず一方的にしゃべります。

瞬発力はありますが、とてもせっかちなので、じっくり時間をかけることが苦手。小枝で家を建てた黒ブタさんのように、プレッシャーに吹き飛ばされる脆さも持ち合わせています。

自己犠牲も厭わない滅私奉公のまだらブタ上司

最後は、まだらブタ上司。おっとりしていますが、常に相手の立場になって行動します。部下の成功は部下の手柄、部下の失敗は自分の責任、と自己犠牲も厭わない滅私奉公の精神を貫きます。

一見、損な役どころに見えますが、いざというときにみんなが助けてくれる、という因果応報のご利益を享受しています。1年~2年 かけてでも忍耐強くお客さんとつきあうので、結果的に大きな仕事をとってきます。

目標を達成するためなら、部下に対しても厳しい姿勢で臨みます。それはレンガの家を建てたまだらブタさんのように、時間とコストをかけても、長期的にはみんなが幸せになると信じているからです。

「三匹の子ブタ」のそれぞれの好物

あなたは、どの上司と一緒に働きたいと思いましたか?

きっと「まだらブタ上司」を選んだのではないでしょうか。なぜでしょう? みんなが幸せになれそうだからですね。

コンテンツマーケティングの考え方は、この「まだらブタ上司」の仕事に対する取り組みにとても似ています。しかし、コンテンツマーケティングを標榜しながら、なかなか「まだらブタ上司」になりきれない企業が多いのも事実です。

白ブタ上司の好物

ユーザーの利益を考えず、その場しのぎで切り抜けようとする白ブタ上司は、ブラックハット(人工被リンク)やステマ(ステルスマーケティング)が好物です。

あるいはWeb上でかき集めてきた情報をテキトーにコピペし、オリジナリティのないコンテンツを粗製濫造するのも大好き。手段を選ばず、とりあえず手っ取り早く集客をして、問題が起きたらあとで考えよう、まずはいますぐ集客、いますぐ買わせる、が信条。

そこにユーザーの役に立ちたいという気持ちはさらさらありません。

スライド2

黒ブタ上司の好物

自分のアピールに夢中の黒ブタ上司は、郵便ポストのチラシやCS放送・ケーブルテレビなどのペイテレビのCM、リターゲティング広告が好物です。

ユーザーの都合はお構いなしに、自社の商品やサービスを徹底的に押しつけます。郵便ポストがチラシであふれようが知らん顔。ペイテレビでは、視聴者がどんなに不快に思っても、同じCMを何度もしつこく垂れ流します。

これらの迷惑な広告は「ストーカーマーケティング」とも「土足マーケティング」とも呼ばれます。

ターゲティングをある程度絞りつつも「ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる」の理屈で広告の絨毯爆撃をします。たとえばあなたが一度精力剤を買えば、精力剤の広告があなたの見るWeb上に延々と顔を出します。

あなたが既婚者で、奥さんの誕生日にたまたま下着を買えば、女性下着の広告がストーカーの如く容赦なくつきまといます。

黒ぶた上司

まだらブタ上司の好物

ユーザーの利益を優先して考えるまだらブタ上司は、アドボカシーマーケティングが好物です。

「アドボカシー(advocacy)」とは、「支援」「擁護」「代弁」などの意味を持ちます。米MITのグレン・アーバン教授の著書『アドボカシーマーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業』によって日本でも広く知られるようになりました。

アドボカシーマーケティングは「顧客と信頼関係を築くことを目的に、顧客の意向を最優先し、徹底的に顧客本位で接する、マーケティング手法」と定義されます。もちろん、慈善事業ではありませんので、その先に企業の長期的な利益の獲得をめざしています。

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アドボカシーマーケティングが求められる理由

情報過多の時代、わたしたちは無責任な白ブタ上司や、”おしゃべりクソ野郎”な黒ブタ上司が好む、自分都合の一方的な押しつけの情報にうんざりしています。

認知拡大を図るために、チラシやリターゲティング広告がいまなお有効であることは確かですが、一時の興味・関心を引いたところで、ほかに良いものを見つければすぐに逃げてしまいます。

そもそも今日のユーザーは情報の取捨選択権を持つので、退屈で不要な情報は初めからシャットダウンすることもできます。ソーシャルメディアの普及によって、自ら気軽に情報交換することもでき、企業都合の情報を鵜呑みにすることもなくなってきました。

競争も激化しているので、そもそもユーザーのところへ情報が届かなくなってもいます。つまり、白ブタ上司や黒ブタ上司のやり方では、なかなかユーザーの気持ちをつかむことができなくなってきているのです。

しかしながら、いまもまだブラックハットは根強く生き残っていますし、ステマの横行も後を絶ちません。

ペイテレビやチラシにおいては、いまだに”土足マーケティング”が最も有効な施策として幅を利かせています。今後も白ブタ上司や黒ブタ上司があなたの会社を立ち去ることはないでしょう。

ただ、そのような自社都合の施策を続けることは、やがて自らのクビを絞めることになるのは明白です。

だから企業は「顧客第一主義」を追求し、信頼を得ることでユーザーとの長期的な関係性を構築し、利益をめざさなければならなくなっています。

たとえ一時的には企業の利益に反することでも、ユーザーにとっての最善を徹底的に追求するのがアドボカシーマーケティングの考え方です。

コンテンツマーケティングが、良質なコンテンツを使ってユーザーを獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのビジネス手法だとすれば、アドボカシーマーケティングはコンテンツマーケティングの上位概念ともいえるでしょう。

アドボカシーマーケティングの3つのルール

アドボカシーマーケティングには、守るべき大切な3つのルールがあります。

まだらブタ上司

1 ) ユーザーを支援せよ
アドボカシーマーケティングの要となるのは、ユーザーの消費活動を支援することです。ユーザーの利益のためなら、一時的に自社の不利益となる「競合他社を推薦」することもやむを得ないとしています。

ユーザーの声に耳を傾け、商品やサービスの改善を続けていくことで成長をめざします。そして、長期的にはユーザーとの信頼関係を築くことが、企業にとって大きなメリットになっていくと考えられています。

2 ) 自ら正直であれ
アドボカシーマーケティングでは、ユーザーに対してウソ偽りのない情報を提供し、ユーザーの利益を追求します。

ソーシャルメディアによって情報交換や発信が容易になった今日、自社の商品やサービスで都合の悪いことを隠すのは非常に難しくなっています。

3 ) 約束を守れ
企業はユーザーとの約束を守り、信頼を得なければなりません。目先の利益に駆られてユーザーの利益を損ねることは得策ではありません。

信頼は、長期的な利益や投資対効果と重要な相関関係を持ちます。アドボカシーマーケティングでは「信頼」や「ロイヤルティ」という長期的な指標を用いることで、継続的な利益の最大化を狙います。

その場しのぎの無責任な白ブタ上司や、自分のアピールしか考えない”おしゃべりクソ野郎”の黒ブタ上司には、上記の3つルールは守れません。

あなたが「まだらブタ上司」と一緒に仕事をしたいと思い、コンテンツマーケティングを実施していこうと考えているのであれば、改めてあなたの会社に白ブタ上司や黒ブタ上司が潜んでいないか、社内を見回してみてください。

そして彼らが、コンテンツマーケティングが果たす本来の役割を理解しないで邪魔をするようであれば、勇気をもって言ってください。

コンテンツマーケティングは、まだらブタにお任せください!と。

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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