【初心者向け】SEOキーワード選定のやり方は?ツールの使い方も紹介

キーワード選定は、SEOの成果を左右する重要な要素。
SEOで成果を上げるには、さまざまな調査・分析をした上でキーワードを選ぶ必要です。
本記事では、SEO初心者の方に向けて、Webサイトの流入数や売上増加につながるキーワードの選定方法、選定にあたって無料で活用できるツールの使い方などを解説します。
SEO戦略を自社で立てるのは難しそうと思った方へ
資料ではSEOの戦略策定における全体的な戦略、キーワード戦略、戦略策定前にやるべきことを詳しく解説しています。 もし「自社でSEO戦略を立てるのは難しそう」とのことでしたら、お気軽にナイルの無料相談をご利用ください!
この記事のまとめ
- SEOのキーワード選定とは、見込み顧客の集客につながるキーワードを洗い出し、中でも対策が必要なものを選ぶこと
- キーワード選定はサイトの規模によって進め方が変わるため、あらかじめサイトの規模ごとにキーワード戦略を把握しておく必要がある
- 記事制作では、知ってもらいたい内容を発信するのではなく、ユーザーが知りたい内容を発信するため、検索キーワードからユーザーの検索意図を正しく読み取る工程が必要
目次
SEOにおけるキーワード選定の意味と重要性
SEOのキーワード選定とは、自社の見込み顧客の集客(もしくは売上増加)につながる可能性があるキーワードを洗い出し、中でも対策が必要なものを選ぶことです。
そうして対策キーワードを決め、ユーザーの検索意図に沿った有用な情報を盛り込んだコンテンツを制作することで、検索エンジンから評価され、検索結果の上位に表示される可能性が高まります。
検索上位が獲得できれば、Webサイトへの流入数が増加するのはもちろん、売上のアップも期待できるでしょう。
自社のサービスや商品に関連するキーワードを洗い出す、という工程は初心者の方でも理解できると思いますが、その中からただ検索ボリュームが多いキーワードを選定するのではなく、自社の売上につながるキーワードを選定することが重要になります。
<適切なキーワード選定をすることのメリット>
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SEO戦略を立てる上で覚えておきたいキーワードの種類
SEOにおけるキーワードは、主に検索ボリュームの違いによって、大きく次の3種類に分かれます。
<キーワードの種類>
この後に解説するキーワードの選定方法にかかわるため、それぞれの特徴をしっかり理解しておきましょう。
<ビッグキーワード、ミドルキーワード、ロングテールキーワードの違い>
ビッグキーワード
ビッグキーワードとは、例えば「ランニングシューズ」「SEO」のように、一般的で広範囲のトピックを表す、1語前後のキーワードです。
検索ボリュームが1万以上と大きいため、検索上位に表示されれば自サイトの流入数はかなり多くなるでしょう。
ただ一方で、競合コンテンツも多いため、検索上位を獲得するのは非常に難しいです。
また、ユーザーの悩みに直結するキーワードではないため、自サイトに流入しても、売上につながる行動をする可能性は低いと考えられます。
ミドルキーワード
ミドルキーワードは、検索ボリュームが1,000~1万程度のものを指します。
「ランニングシューズ おすすめ」「SEO コンサルティング」のように、検索キーワードが2語前後で、特定のカテゴリーや商品群を指す、やや具体的なキーワードが多いです。
ビッグキーワードほど競争率は高くなく、比較的狙いやすいキーワード群といえますが、まだ検索エンジンからの評価が定まっていないWebサイトの場合は、難易度は高いでしょう。
ロングテールキーワード
ロングテールキーワードは、複数の単語を組み合わせたり、長文で構成されたりするもの。
「スモールキーワード」「ニッチキーワード」とも呼ばれ、「ランニングシューズ 防水 レディース」「SEO キーワード 選び方」のような、ユーザーの限定的な悩みやニーズを表しています。
「スモール」「ニッチ」とあるとおり、検索ボリュームは少ないため、競合コンテンツが少なく、検索上位を狙いやすいですが、Webサイトの流入数が圧倒的に増える類のものではありません。
しかし、ユーザーの限定的な悩みやニーズが反映されていることから、その検索意図を満たした情報を発信することができれば、自社の商品やサービスの購買につながりやすいといえます。
<参考記事>
ロングテールキーワードとは?探し方や対策するメリットを紹介
【Webサイトの規模別】キーワード戦略の立て方
キーワード選定は、サイトの規模によって進め方が異なります。
次に、サイトの規模別にキーワード戦略の立て方を見ていきましょう。
<Webサイトの規模別のキーワード戦略>
新興サイト、小規模サイト
立ち上げたばかりで、まだ検索エンジンから評価されていない新興サイトや、競合と比べてドメインレーティング(DR※)に大きく差がある小規模サイト、または競合性が高い業界のWebサイトの場合は、最初からミドル~ビッグキーワードで対策をしても、上位表示される可能性は低いでしょう。
※ドメインレーティング…ドメインの権威性や評価を数値化したもので、「ウェブサイト "権威性"チェッカー」から確認が可能です。なお、業界や業種でドメインレーティング(DR)の基準は異なります。
そのため、まずはロングテールキーワードのような競合性の低いキーワードから対策していくのがおすすめです。
この場合、検索上位を獲得しても、Webサイトへの流入数のインパクトは低いですが、ユーザーのニーズが明確なキーワードのため、コンバージョン(CV)に貢献する可能性は高くなるのがポイント。
そのため、検索ニーズを満たすコンテンツにするのと共に、売上につなげるための文言を入れたり、導線を整備したりすることが大切です。
ロングテールキーワードで対策し、検索上位を獲得するキーワード数が多くなると、検索エンジンのWebサイトへの評価も高まっていきます。
そうすれば、次のフェーズとして、より競合性の高いミドルキーワードを狙えるようになるでしょう。
ナイルでは、ロングテールキーワードから対策し、Webサイトへの流入数が増加した支援事例を紹介していますので、気になる方は次の記事をご覧ください。
中~大規模サイト
中~大規模のサイトであれば、正攻法で戦えるようになりますので、競合性の高いミドル~ビッグキーワードを狙っていきましょう。
キーワードの検索ボリュームが大きいほど、検索上位に表示されれば流入数も大きくなります。
流入数が増えれば、コンバージョン数のアップも狙うことができますので、売上貢献につながる可能性が高まるでしょう。
ただし、ビッグキーワードだけを狙っていくのではなく、自社のDRと同等か、それ以下のサイトで上位表示されているキーワードでも記事制作を進めることで、コンバージョンの確率を上げることをおすすめします。
なお、中規模以上のサイトでも、競合サイトを見ながら段階を踏んでいくことは重要です。
ドメインレーティングが高まってきたからといって競争の激しいキーワードを一気に攻めるのではなく、戦略的にアプローチすることを意識しましょう。
キーワードを選定する手順
次に、キーワードを選定する手順を具体的に解説していきましょう。
<キーワード選定の手順>
1 ペルソナとカスタマージャーニーマップを作る
キーワード選定を始める前に、ペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作成しましょう。
ペルソナとは、ターゲット層の典型的な人物像を設定したもの。
ユーザーインタビューなどを踏まえて、職業や性格、ライフスタイル、業務上での悩みなどを詳細に設定します。
<ペルソナの例>
次に、ペルソナを踏まえて、ユーザーの購買プロセスを視覚化したカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
<カスタマージャーニーマップの例>
これらを設定することで、ターゲットの実態やニーズを具体的にとらえられるため、誰に、どのようなコンテンツを届けるかが明確になります。
さらに、情報収集段階、比較検討段階といったように、ユーザーのフェーズごとにコンテンツを整理できるのも、キーワード選定をする上でポイントといえるでしょう。
<参考記事>
【具体例あり】カスタマージャーニーとは?作成方法や6つの活用アイデアを紹介
ペルソナの設計方法は、次の資料で詳しくご紹介していますので、ぜひご活用ください。
2 メインキーワードと掛け合わせキーワードを洗い出す
続いて、自サイトで最も検索上位を獲得したい、メインのキーワードを決めていきましょう。
重要なのは、ユーザーが検索したときに、自サイトがそのニーズに対する答えとして検索上位にあってほしいキーワードを選択することです。
具体的に示すと、歯科ならメインキーワードは「歯医者」、経理システム販売の会社なら「経理ソフト」、SEO会社なら「SEO」となります。
次に、メインキーワードとの掛け合わせキーワードをできるだけ多く洗い出していきます。
例えば、「歯医者 五反田」「経理ソフト 勘定科目」「SEO 対策」といったように、メインキーワードに関連性のあるワードを掛け合わせるイメージです。
なお、掛け合わせキーワードを出す際には、サジェストキーワード(※)を一覧で出してくれるラッコキーワードの「サジェストキーワード機能」を活用しましょう。
※サジェストキーワード…何らかのキーワードを検索エンジンに入力した際、自動的に表示される検索候補のこと。
トップページの検索画面
サジェストキーワード一覧
3 関連キーワードを漏れなく洗い出す
前項で抽出したメインキーワードと、その掛け合わせキーワードに加えて、より網羅性を高めるために関連キーワードを拡張します。
関連キーワードの拡張方法は、次のとおりです。
<関連キーワードの拡張方法>
Google Search Consoleで流入クエリ(キーワード)を確認する
Google Search Consoleを使って、どのようなクエリでユーザーがサイトにアクセスしているかを確認しましょう。
メニューの「検索パフォーマンス」から「検索結果」をクリックすると、検索流入されているクエリが一覧で確認できます。
競合サイトが獲得しているキーワードを確認する
SEO分析ツールを使って、競合サイトがどんなキーワードを獲得しているかを確認しましょう。
競合サイトの調査に活用できるツールは次のようなものです(いずれも有料ツール)。
<競合サイトの調査に活用できる主なツール>
・Semrush
Semrushは、競合サイトの検索上位キーワードや、キーワードごとの獲得難易度をはじめ、SEOに関するさまざまな情報を可視化できます。
メニューから「オーガニック検索分析」をクリックし、検索窓に競合サイトのURLを入力する。
指定したサイトで獲得しているキーワードが一覧で表示される。
・Ahrefs
Ahrefs(エイチレフス)は、競合サイトの検索キーワードや自然検索トラフィック、被リンクなどを把握することができます。
指定したサイトの概要
獲得しているキーワード一覧
・Similarweb
Similarwebは、競合サイトの情報を入手することに特化したツールで、検索キーワードや検索エンジン以外のサイトからのアクセス状況なども確認できます。
メニューの「キーワード検索」から「キーワード」をクリック。
競合サイトのURLで検索すると、獲得しているキーワード一覧が表示される。
ペルソナが抱える課題を調査し、検索しそうなキーワードを考える
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトや、X(旧Twitter)をはじめとするSNSツールを活用するのがおすすめです。
ここでは、「Yahoo!知恵袋」を使う場合の方法を紹介しましょう。
Yahoo!知恵袋で、メインキーワードで検索すると、そのキーワードに関するユーザーの質問や悩みが表示されます。
例えば「顧客管理ツール」で検索すると、ユーザーは次のような悩みを持っているとわかります。
<顧客管理ツールに関する質問をしたユーザーの投稿例>
- おすすめの顧客管理ツールがあれば教えてほしい
- 個人事業主として働いており、顧客管理に困っている
このようなユーザーの生の声をチェックすることで、メインキーワードに関連してどのような事柄にニーズがあるのかがわかります。
キーワードツールからではキャッチできないニーズに気づくことができる可能性もあるので、ぜひ調査してみてください。
なお、Yahoo!知恵袋のほかにも「教えて!goo」「OKWAVE」といったQ&Aサイトがありますので、併せてチェックしましょう。
SNSの場合も、同様の方法で検索してみることで、ユーザーの隠れたニーズを知ることができるかもしれません。
メインキーワードの前後でどういうキーワードが検索されているかを見る
潜在的なユーザーの興味関心や動き、人物像を可視化して分析できるDS.INSIGHT(有料)の「時系列キーワード」機能を使って、メインキーワードで検索する前後で、どのようなキーワードが検索されているかを確認してみましょう。
ほかに、無料でもキーワード選定に役立つツールがいくつかありますので、それについては「キーワード選定に役立つ無料ツール」で紹介します。
4 キーワードの精査とグルーピング
続いて、収集したキーワードの精査を行います。
洗い出したキーワードの中には、自社の商品やサービスに無関係なキーワードが含まれている可能性があるため、こうしたキーワードは対象外として削除してください。
また、たとえキーワードの検索ボリュームが0(ゼロ)だったとしても、コンテンツとしてのニーズがあって、コンバージョンから近いキーワードは対策しましょう。
SEO分析ツールで検索ボリュームが0(ゼロ)と表示されていたとしても、実際はそのキーワードで流入されている場合はあります。
キーワードを精査したら、それらをカテゴリごとにグルーピングしましょう。
例えば、「クレジットカード」の関連キーワードの場合は、「クレジットカード×基礎知識」「クレジットカード×種類」といったように、ユーザーの検索意図別にカテゴリに分けることで、莫大な数のキーワードを個々に分析をするのではなく、カテゴリごとに分析することができるようになるため、分析の工数を抑えられます。
なお、その際はカテゴリ名をわかりやすい名称にするといいでしょう。
カテゴリ名だけでキーワードがイメージできるようにするのがポイントです。
<参考記事>
検索ボリュームがないキーワードでSEOを行う必要があるのかという話
5 キーワードグループごとに競合と比較分析する
次はキーワードグループごとに競合サイトと比較し、差異を可視化します。
すべてのキーワードグループに対して施策を打つことは難しいため、優先するグループを絞り込むことが必要です。
各キーワードの自サイト・競合サイトそれぞれにおける検索順位を調査し、キーワードグループごとに「競合サイトは上位を取れているが、自サイトは取れていない」といった傾向を分析しましょう。
加えて、キーワードグループがコンバージョンに近い(コンバージョンされやすい)のか、遠い(コンバージョンされにくい)のかも分析した上で、対策するキーワードグループの優先度を策定します。
例えば、コンバージョンに近いキーワードグループにもかかわらず、競合サイトは検索上位を獲得できているのに自サイトは取れていない場合は、優先度が高くなります。
6 自社の戦略に合わせてキーワードを選定
優先すべきキーワードグループを絞り込んだら、それらの検索ボリュームとコンバージョンからの距離をもとに4つのグループに振り分けて、さらに優先して対策するキーワードを絞り込んで選定します。
次の条件でキーワードを4つに振り分けましょう。
<対策キーワードの優先グループ分け>
①検索ボリュームが多い×コンバージョンから近い:優先度高②検索ボリュームが多い×コンバージョンから遠い:優先度中
③検索ボリュームが少ない×コンバージョンから近い:優先度高(最優先)
④検索ボリュームが少ない×コンバージョンから遠い:優先度低
①~④の中で、最優先で対策していきたいのは、③の検索ボリュームは少ないけれどコンバージョンに近いキーワードです。
検索上位獲得の難易度がそれほど高くなく、さらにコンバージョンに近い=売上の貢献する可能性が高いキーワードになりますので、まずはこのキーワードから対策していきましょう。
①のキーワードは、検索上位を獲得できれば流入数・コンバージョン数ともにインパクトが大きいものになりますが、競合性が高く、検索上位を獲得できる難易度が最も高いです。
そのため、①は成果が出るまでに時間がかかると考えられるため、早いうちに対策を始めるのがいいでしょう。
②は、コンバージョンからは遠いものの、検索ボリュームが大きいため、優先度は中で対策したいキーワード群です。
②の場合は、検索意図を満たして上位表示されるようなコンテンツ内容にしつつ、さらにコンバージョンに近づける構成や内容に工夫しましょう。
④のキーワードは、コストやリソースに余裕があれば対策すれば良い、程度に考えてください。
最終的に、下表のようなキーワードリストを作成できると、わかりやすくなります。
<対策優先度などをまとめたキーワードリストの例>
キーワード選定に役立つ無料ツール
前項の「キーワードを選定する手順」で紹介したツール以外は、有料ツールも含まれます。
有料ツールは機能が多様で、キーワード選定以外にも活用できるのでおすすめですが、現段階で有料ツールを利用するのが難しい場合は、次の無料ツールを使ってみましょう。
<キーワード選定に役立つ無料ツール>
キーワードプランナー
キーワードプランナーは、Googleが広告運用者向けに提供しているツールで、広告キャンペーンの作成やキーワード調査に使われるものです。
キーワード選定においては、「新しいキーワードを見つける」でメインキーワードなどを入力すると、それに関連するキーワードの候補や検索ボリュームなどを把握できます。
また、「ウェブサイトから開始」は、入力したURLに関連しているキーワードや検索ボリュームについて調査できる機能です。
自サイトと競合サイトのURLを入力して調査結果を比較すると、自社で対策していないキーワードが見つけ出せるため、キーワード選定のアイデアを得られるでしょう。
Google トレンド
Google トレンドは、特定のキーワードの、指定した期間での検索ボリューム推移や、特定の時期や地域で多く検索されているキーワードを確認できるツールです。
知りたいキーワードや調査したい期間、地域などを入力して検索をすると、次のような調査結果が表示されます。
指定した期間内の「クレジットカード」の検索ボリュームの推移が表示。
ほかのキーワードとの比較もできる。
さらに、指定したキーワード・期間内の関連トピックや関連キーワードもわかります。
<参考記事>
Googleトレンドの使い方!検索数の調べ方や数値の見方を解説
aramakijake
aramakijakeでは、GoogleとYahoo! JAPANにおける、指定したキーワードの月間推定検索ボリューム、月間検索アクセス予測数(検索順位ごとの予測流入数)を確認できます。
検索ボリュームが少ない場合はデータが取得できないことや、キーワードによって検索ボリューム数の精度が異なることがあるため、あくまで目安として活用することをおすすめします。
ただ、手軽に使えるため、すぐに参考値を知りたい場合に便利です。
ruri-co(るりこ)
ターゲットキーワードと類似率が高いサブキーワードを出したいときに役立つのがruri-co(るりこ)です。
キーワードを入力するだけで、類似率が高いキーワードの月間検索ボリュームなどの情報を得ることができます。
類似率の高いキーワードとは、指定したキーワードで上位表示されているWebページが獲得できている、ほかのキーワードを意味します。
そのため、獲得を目指しているキーワードと類似率が高いキーワードを把握することで、ユーザーの潜在的なニーズを知ることができるでしょう。
キーワードを選定する際の注意点
キーワードを選定する際は、次のようなことに注意が必要です。
<キーワードを選定する際の注意点>
検索ボリュームの多さだけでキーワードを選定しない
キーワード選定にあたっては、検索ボリュームが多いものだけをセレクトしても、最適な対策にはなりません。
「自社の戦略に合わせてキーワードを選定」の項目で解説したとおり、検索ボリュームだけでなく、コンバージョンにつながりやすいかどうかの観点も判断軸に加えて、優先的に対策していくキーワードを選定していきましょう。
検索ボリュームが多いキーワードで対策して、自サイトへの流入数が増えても、コンバージョンから遠ければ売上増加に貢献することはできません。
さらに、検索ボリュームが多いキーワードは競合性が高いため、自サイトで獲得が期待できるかどうかも確認する必要があります。
キーワードカニバリゼーション(カニバリ)が発生しないようにする
キーワードカニバリゼーション(カニバリ)とは、自サイトの複数ページが、同一の検索キーワードで競合する状態です。
カニバリが発生すると、検索エンジンがどの記事を上位に表示すればいいかわからなくなり、意図しないページが上位表示されてしまう可能性があります。
そのため、「キーワードの精査とグルーピング」で解説したように、検索意図やユーザーニーズの観点からキーワードをグループ分けし、内容が似通ったコンテンツを制作しないようにチェックすることが重要です。
競合が強すぎるキーワードは避ける
競合サイトが大手や公的機関ばかりの場合、上位表示に食い込むのはかなり難しいです。
特に、金融業界や人材業界が対策を検討する制度関連のキーワードでは、検索上位に表示されているほぼすべてのサイトが公的機関であることは少なくありません。
キーワードによって例外はあるものの、こうしたキーワードはかなり難易度が高く、費用対効果が見込めないことが多いため、積極的に対策するのは避けたほうがいいでしょう。
また、ドメインがGoogleの検索エンジンに高く評価されているWebサイトは、検索結果において上位表示を獲得できる可能性が高くなります。
狙いたいキーワードで上位表示されているサイトのドメインパワーと、自社のドメインパワーとのあいだに圧倒的な差がある場合も、対策は避けたほうが無難です。
キーワードツールに頼り過ぎない
キーワードツールで抽出されるキーワードは、そのツールが保有しているデータにもとづいたリストなので、あくまでも参考としてとらえましょう。
そのため、キーワードツールで出せるキーワードだけで対策しないことが大切です。
実際のユーザーは、さまざまな意図をもって検索するため、顧客に直接ヒアリングすることで、新たなキーワードが見つかる可能性があります。
また、次のようなところから、新たなキーワードの発掘につながることがありますので、チェックしてみてください。
<キーワード選定の際にチェックしたいもの>
- 自社のサービスサイト
- YouTubeのコメント欄
- 自社の商品やサービスに関連するメディアの記事
自社のサービスサイトでは、導入事例やサービス紹介ページからキーワードが見つかることがあります。
特に導入事例は、クライアントの課題が記載されているケースが多いので参考になるでしょう。
選定したSEOキーワードから流入を獲得する方法
選定したキーワードをどのようにコンテンツに反映すれば、検索上位を獲得できて、さらに流入数を増やすことができるのでしょうか。
コンテンツ制作にあたって意識したい基本的なポイントを紹介します。
<キーワードをもとにコンテンツ制作を行う際のポイント>
キーワードの検索意図を満たす
キーワードの検索意図は、検索結果の上位に表示されているWebページがどのような内容になっているかで推測できます。
検索結果の上位10位(検索結果の1ページ目)までを見れば、おおよその検索意図は把握できますので、それをもとにまずは構成案を作りましょう。
ユーザーの悩みの解決につながらなかったり、自社で制作した過去の記事や他社メディアの記事と重複している部分が多かったりするコンテンツは、検索エンジンからの評価を下げることにつながり、結果的に上位表示できなくなってしまうので気をつけましょう。
独自性のある情報を盛り込む
Googleのランキングシステムは、検索エンジンでのランキングを上げることではなく、ユーザーにメリットをもたらすことを目的として制作された、有用で信頼できるコンテンツを検索上位に表示するように設計されていると、公式に発表しています(※)。
そのため、検索上位を目指す上では、ユーザーの検索意図を満たした独自性の高いコンテンツにすることが大切です。
独自性のあるコンテンツとは、自社の専門性を活かした知見や、自社だからこそ出すことのできる分析・研究結果やレポートなど、競合ページにはない付加価値を提供しているものを指します。
競合ページにはない情報がある、ユーザーが閲覧する価値のあるコンテンツにすることを意識してください。
※参考:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル ブログ
<参考記事>
SEO記事とは?評価される記事の特徴や上位表示のコツを徹底解説
titleタグの前半にキーワードを入れる
キーワードを入力して検索しているユーザーは、検索結果のタイトル(titleタグ)から自身の求めている情報があるかどうかを判断し、クリックして記事に進みます。
そのため、titleタグの前方に狙いたいキーワードを入れることで、検索結果の順位を上げたり、クリック率(CTR)を向上させたりすることにつながります。
ただし、コンテンツの中身がtitleタグと異なる場合、ユーザーは想像していた内容と違うために、途中で読むのをやめて離脱してしまる可能性が高いです。
こうしたことが続くと、Googleが「ユーザーの役に立っていない」と判断して順位を下げることにつながるため、コンテンツ内容と一致したtitleにすることも心掛けましょう。
<参考記事>
titleタグ(タイトルタグ)とは?SEOに効果的な書き方や確認方法を解説
適切なキーワード選定と戦略策定によってSEOに成功した事例
最後に、適切なキーワード選定と戦略策定、コンテンツ制作によって検索エンジンからの評価を高め、自然検索流入数のアップに成功した、ナイルの支援事例を紹介します。
<適切なキーワード選定でSEOに成功したナイル支援事例>
堅実なキーワード戦略で検索順位&流入数が大幅UP!SEO・コンテンツ制作事例|株式会社鈴木ハーブ研究所
天然ハーブに着目したスキンケアアイテムを販売する鈴木ハーブ研究所では、ECサイトの集客に力を入れるため、SEOに取り組むことになりました。
特に、主力商品に直結するキーワード「除毛クリーム」での検索順位の向上を目指したSEO戦略を立案しています。
「脱毛」「除毛」といった検索ボリュームの大きいキーワードを最初から狙うのではなく、比較的検索ボリュームの少ないキーワードから対策。
そうして脱毛・除毛関連の専門性を高めることで検索エンジンからの評価を向上させ、徐々に検索ボリュームの多いキーワードに広げていく戦略をとっています。
また、コンテンツ制作においては、脱毛・除毛という専門的でデリケートなテーマのため、美容ライターが取材・執筆を担当。
鈴木ハーブ研究所の商品づくりにかける想いや、企業理念を踏まえたコンテンツを意識して制作を進めました。
その結果、対策したキーワードの半分以上が5位以内にランクインしたほか、最も注力していたキーワード「除毛クリーム」も5位以内にランクインし、オーガニック流入数が大幅にアップしています。
本案件の詳しい支援内容は、下記の記事をご覧ください。
チャレンジキーワード枠を設けて検索上位を獲得できる領域を拡大し、流入数が前年比140%超に|三菱UFJニコス株式会社
三菱UFJニコス株式会社「mycard」
三菱UFJニコス株式会社では、20~30代をターゲットにしたオウンドメディア「mycard」を運営しています。
ナイルとのお取組み開始前は、流入増とコンバージョンの両方を追求していたために、キーワード選定の軸が明確に定まらないという課題がありました。
そのため、ナイルは流入獲得に集中する方針に戦略を見直し、ご支援を行っています。
具体的な取り組みとして、毎月10個ほど新たなキーワードを選定し、メインターゲットである20代・30代のユーザーが関心を持つ可能性が高いテーマの記事を制作。
ただし、「mycard」がメディアとしてカバーできる領域を探り、キーワードの幅を広げるために、5本に1本の割合で「検索上位を取れるか取れないか五分五分のキーワード」での対策にも挑戦しました。
こうした戦略的なキーワード選定を行うことで、SEO効果を最大化させることに成功し、流入数は前年比140%以上増加。
メディア立ち上げ3年目から4年目にかけて約2倍の成長を達成できています。
詳しい施策内容は、下記の事例インタビューをご覧ください。
競合が多いジャンルでも“勝ち筋”を見つけ、ローンチから2年で月間100万SS突破!|株式会社トライアルカンパニー
株式会社トライアルカンパニー「トライアルマガジン」
キーワード選定において、“勝ち筋”を見つける取り組みを行ったことで、大幅にサイトへの流入数を増やしたのが、スーパー「トライアル」を全国で展開する株式会社トライアルカンパニーのオウンドメディア「トライアルマガジン」です。
30~40代の仕事をしながらも家事や子育てをがんばる女性をターゲットに、ラクして良質な生活を送るための情報を発信するにあたって、食関連の知識を中心に、家事全般にまつわるキーワードでコンテンツ制作を行っています。
しかし、それらのジャンルは競合が多く、新興メディアが検索上位を獲得するのは非常に難しいのが課題でした。
そこで取り組んだのが、競合が多い中でもトライアルマガジンが検索上位を目指せるキーワード群=勝ち筋を見つけること。
食関連のキーワードだと、圧倒的にレシピ系の検索ボリュームが多いですが、そこに真っ向勝負を挑むのではなく、調理のノウハウを解説するキーワードなどで対策したところ、検索上位を獲得するコンテンツが増えていきました。
そのようにしてほかの家事関連ジャンルでも勝ち筋のキーワード群を開拓していくことで、立ち上げから2年で月間100万セッションを獲得するメディアに成長させることに成功しています。
詳しい施策内容は、下記の事例インタビューをご覧ください。
適切なキーワード選定で、効率的に検索流入数を増やそう
SEOにおいて、キーワード選定は重要な作業です。
良いコンテンツを発信していたとしても、適切なキーワードで検索結果に表示されなければ、ターゲットの目にとまりません。
また、コンテンツ制作では、発信者が伝えたい情報だけでなく、ユーザーが求めている情報を発信する必要があります。
そのために、指定したキーワードで検索するユーザーのニーズを満たし、さらに独自性のあるコンテンツを作っていきましょう。
なお、ナイルでは、これまでに2,000社以上のSEOをはじめとするデジタルマーケティング支援を行っています。
キーワード選定の方法はわかったけれど、自社で行う余裕がない、戦略を立てたり、コンテンツを制作したりする知見がないなど、SEOを実施する上でお困りのことがありましたら、ぜひご相談ください。
ナイルのSEOコンサルティングについてまとめた資料もご用意しておりますので、下記よりダウンロードいただけます。
SEO対策の悩みをプロに相談してみませんか?
SEOやWebマーケティングの悩みがありましたら、お気軽にナイルの無料相談をご利用ください!資料では、ナイルのSEO支援実績(事例)、コンサルティングの方針や進め方、費用の目安といった情報をご紹介しています。あわせてご覧ください。