被リンクから”オーサーランク”へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる

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被リンクから”オーサーランク”へ評価軸が変更、、って本当?? マット・カッツ氏の動画を解説してみる

※本記事は、2014年に執筆した記事です。

先日公開されたマット・カッツ氏の動画が様々な憶測を呼びWeb界隈を賑わせつつ、なかなかカオスな感じになっておりましたので、話のネタとしてきちんと釣られておこうと思います。今回はコンサルティング部門のグループマネージャー實川がお届けします。

ここでマット・カッツ氏の「被リンクの重要性が薄れる」という発言が、被リンクによる評価が今後使われなくなり、その代わりに「オーサーランク」なるものが非常に重要なファクターになるのではないかといった解釈を誘発しているようです。もし被リンクが何か分からない方がいましたら、こちらで確認してみてください。被リンクとは?被リンク(バックリンク)とSEO効果について

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違います

まずはこの動画をきちんと和訳をしてくれている方がいらっしゃるので、こちらの訳を参照していただくと分かりやすいかと思います。

被リンクは死ぬのか?マット・カッツの話を和訳してみた

これをもとに、今回マット・カッツ氏が言っていることを噛み砕いてみると、

  • ユーザーに役立つページをより正確に見つけるため、自然言語を理解してそれを評価軸にできるよう今頑張っていますよ
  • もし自然言語をきっちり理解できるようになれば、被リンクにばかり頼らなくてもある程度正確な解釈ができるようになるので被リンクの重要性は相対的に薄れていきますよ
  • ただし、ページの基本的な評価のために被リンクの評価は役立つので今後も使っていきますよ

といった内容であると読めます。「オーサーランク」などという言葉はそもそも言及されていませんね。

元々検索エンジンは「ユーザーの求める情報を素早く適切に提供することでユーザーを増やし、広告手数料で収益を上げる」というビジネスモデルなので、検索ユーザーにいかに有益な情報を提供できるか、そしてユーザー数・ユーザーあたり利用頻度を上げていくことができるかというところが収益を上げるための重要なファクターになります。

この有益な情報を発見するためのシグナルとして、これまでは主にリンクがどのくらい集まっているか(=どのくらい他のサイトから支持を受けているのか)をベースにしたものでありました。

それが、実際にそのページにどういうことが書かれているんだろうか、それは信憑性のある内容なのか、などのことが今よりもっと的確に理解できるようにしたいんですよ、そのために、今よりももっと多角的な評価方法を取り入れていきたいんですよ、というお話ですね。

その中の要素として、ダニー・サリバン氏の例に上がっているように「誰が書いたの」という情報が理解できるようになればそれもコンテンツの信頼度を測る上での1つの重要なシグナルとして活用できますよね、ということです。

マット・カッツ氏が今回述べているのは以上のようなシンプルな内容なのですが、ちょっと界隈で「オーサーランク」の話題も上がっていたのでこちらについてちょっと解説します。

著者の権威性(オーサーランク)

上で書いたように今回マット・カッツ氏が話しているのは自然言語理解の技術が重要性を増してくるというところが趣旨なのですが、その発言の中で「専門家の書いた記事を読解しようとしている」旨の話があり、ここのところがオーサーランクの話を想起させているようです。

「オーサーランク」という言葉はGoogleが公式で発表しているものではなく、SEO関係者が慣習的に用いている言葉です。オーサーランクは、検索における評価づけをコンテンツ単位ではなくそのコンテンツの著者(Author)に対して行う試みのことで、特定分野において信頼できる著者を見つけることである程度安定的に良質な情報を提供できるようになるはずだ、という仮説に基づいています。

同じサッカーを習うのでも、町内会で大人気の近所のおじさんに教わるよりもサッカー日本代表の本田選手に教わったほうが良いに違いないですよね、ということで、沢山リンクを受けているだけで実際その分野には詳しくない人が書いた記事とその道の専門家が書いた記事であれば当然後者を信頼すべきだということを検索結果にも反映しようという試みですね。

この”人物の権威性”という要素は現在のところGoogleの検索結果のなかでもごくごく一部にのみ使用されていることが明らかになっているだけで、現状で大きな影響を及ぼすものではありませんが、取り組みとしては合理的であり、将来的にはもう少し影響力を持つであろうと予測されています。

参考:
Author Rank (オーサーランク)はまだランキング要因になっていないが、使われている場面がある | 海外SEO情報ブログ

再度言っておくと今回のマット・カッツ氏の発言は「自然言語理解の上で専門家の書いた記事を理解することでどういった記述がその分野で価値のある情報なのかということを理解しやすくなる」という文脈で、オーサーランクが被リンクにとって代わります、ということではありません。

従って、(リンクはしませんが)

【速報】Google「被リンクからオーサーランクに移行する」SEO業者全滅か!?
http://netgeek.biz/archives/11937

↑こういった誤った解釈を多分に含むような情報は本来あまり多くの人に見つけられるべき情報ではありませんが、今の時代こうした記事であっても被リンクを集めやすくなっているので被リンク評価だけでこうした記事であっても上位表示してしまいます(事実、2014年5月15日現在「オーサーランク」で検索すれば上記記事がかなり上位に来てしまいます)。

この話題について調べた人がこのような記事に辿りついてしまって誤った情報を取り込んでしまうことは、ユーザーにとっては決して有益ではありませんね。(この話題に関わらず、被リンク販売のみを行ってきたSEO事業者のシノギが苦しくなってきているのは今に始まったことではありませんし、、)

しかしそれが現在のGoogleの評価であって、今後はもっと内容として信憑性があり確かな(本来の意味で有益な)情報が優先してユーザーの目に触れるようにトライしています、という主旨の話題なのです。

Googleの目的と今後のサイト評価の展望

上でも書いたように、検索エンジンはこのビジネスモデルであり続ける限り半永久的に「ユーザーの役に立つか否か」という価値基準でコンテンツを判断したいのです。

自然言語が理解できようができまいが、Googleとしてはその時点での技術に合わせて最適なアルゴリズムを充てていかなければなりません。

リンクよりも精度の高い評価基準が見つかればそちらを重視しようとするし、その他に信頼できる評価基準があるのであれば、それも積極的に取り入れていくでしょう。

このあたりの、評価の重要性の移り変わりについてはSEMリサーチさんの喩え話で

被リンクという評価手法から、何か別のものに移行する、置き換えられるという話ではありませんのでご注意ください。技術発達により、従来はできなかった評価方法を用いることが可能になれば、その他の評価方法の相対的な重要性は低下していくものです。例えば、ある大学の入学試験が英語(100点満点)、国語(100点満点)の2教科だったものが、英語+国語+数学+小論文(各100点満点)の4教科に変更されたら、国語と英語の相対的な重要性は低下しますよね、それと同じです。自然言語処理が進化し、(従来不可能だった)モノゴトの真の意味の理解が可能になれば、従来の評価指標は重要性が下がります。

と書かれていましたがこれが一番しっくりくるのではないかと思います。
引用元:[UPDATE] Google「バックリンクの重要性は薄れる」今後は著者オーソリティやコンテンツ分析へ::SEM R

基本的にはGoogleの本来の目的というところをしっかり押さえていれば検索技術の展開をどのようにしていくかというのはある程度正しく想像できるようになるため、あまり間違った解釈もしなくなると思います。迷ったら検索エンジンって何がしたいんだっけ?ということに立ち返っていただくのが良いと思います。

※こちらも参考に。

「SEOはGoogleとのイタチごっこ」というのは本当なの?

もちろん本当ではありません。ただし、これは全くの間違いですかと言えばそうではなく、何かものすごく偏った、というかごく一部の側面だけを切り出した視点からの表現と言えます。具体的には、

・SEOとは、Googleの意図と関係なくランキングを操作する手法である
・Googleは、そうした手法を駆逐するために日々アルゴリズム変更を実施している
・SEOとGoolgeは、そうした意味で対立関係にあるものである

こうした偏った観点でのSEOとGoogleの考え方である、と言って良いと思います。
実際には、そもそもSEOの意図はそういうところではありませんし、Googleの変更は不正な手法の排除だけでは決してありませんし(スパム対策は検索結果の品質改善の取り組みのうちの一部でしかない)、SEOとGoogleは本来は先ほどお伝えしたように補完関係にあるはずのものです。
もともと、ちょっとしたサイトのチューニングと、人為的にリンクを増やして上位表示する、ということがSEOとして普及してきていたので、そういう視点で見るのであれば、逆にこういう表現がシックリ来るのは間違いないと思いますが。

引用元:Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割

ナイル株式会社 實川節朗

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ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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