【徹底解説】インハウスSEOとは?SEOの内製化を成功に導く方法
自社サイトへの流入を増やすには、SEOが欠かせません。SEOはプロに外注することもできますが、自社内で行う「インハウスSEO」という方法もあります。
この記事では、これからインハウスSEOを進めていこうと考えている企業の方へ向けて、実現までのステップや具体的な業務内容などを解説します。
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目次
インハウスSEOとは自社内でSEOを完結すること
インハウスSEO(In-house SEO)は、「インハウス」と「SEO」を合わせた言葉です。
まず、インハウスには、「組織内」や「内製化」といった意味があります。
そしてSEOは、「検索エンジン最適化」のことで、ウェブページを検索上位に表示させる施策です。つまり、インハウスSEOとは、SEOを外注するのではなく自社内で完結させることを表します。
具体的にSEOでやるべきこととしては、以下の2つがあります。
- ユーザーニーズが満たされるコンテンツの発信
- 検索エンジンがコンテンツを評価しやすいサイト設計
これらすべてのSEOに関わる業務を自社で内製化することが、インハウスSEOになります。
インハウスSEOに向いている企業とは
インハウスSEOに向いている企業の特徴としては、下記の2つが挙げられます。
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
特徴1 SEO専任者がいる
インハウスSEOを実現するには、SEO専任者をつけることが必須条件です。
SEOは専門的な知識が必要な上に、施策スピードも求められます。このため、SEOの担当者がほかの業務との兼任だと成果につなげることは大変難しいです。
どの企業も人手が足りない状況ではあるとは思いますが、インハウスSEOを進めていく上では専任者を用意するようにしてください。
特徴2 SEOの重要性が社内で理解されている
インハウスSEOは、短期間で実現できるものではありません。
SEOのノウハウを一から社内に蓄積していくという地道で長い取り組みとなります。そのため、SEOは時間がかかる施策だということを社内の方々に理解してもらうことが、成功の鍵を握ります。
なお、社内理解を広げるためには、SEOを内製化するメリットをアピールすることが有効です。インハウスSEOのメリットについては下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
インハウスSEOを成功に導く3ステップ
インハウスSEOを実現するまでには、下記の3ステップを踏んでいきます。
ここでは、導入期・運用期・卒業期のそれぞれの段階でやるべきことを確認していきましょう。
ステップ1 導入期
導入期では、インハウスSEOの相談をするコンサルタント会社を選んで、具体的なスケジュールを決めていきます。
相談先が決まったら、目標とするインハウス実現の時期をしっかりと伝えてください。また、「SEO専任の担当者はつけられるのか」や「現段階でSEOの知見がどれほどあるのか」といった社内の状況も、この時点で整理しておきます。
ステップ2 運用期
運用期はインハウスSEOへの移行を意識して、「再現性」を重視するフェーズです。
自社でSEOを行うため、コンサルタント会社から指示書やキーワードリストなどの資料を提供してもらってください。
運用する中では、単に手順として覚えるのではなく「なぜそうしたのか」や「どういう目的で、この資料は作成されているのか」という意図や背景までつかんでおかないと、自社で再現することは難しくなります。
再現性を念頭に置いて、インハウスSEOのための社内ノウハウを蓄積していってください。
ステップ3 卒業期
社内で再現性が高められれば、インハウスSEOに移行する卒業期を迎えます。
このフェーズでは、「今後のコンサルタント会社との付き合い方」を決めます。インハウスSEOに移行した後も、コンサルタント会社との関わりを継続して、定期的にアドバイスを受けることは可能です。
また、SEO施策の一部をコンサルタント会社に任せる「セミインハウスSEO」という方法も取れます。SEOは積み重ねが大切なので、確実に自社でできる領域を広げながら、卒業するタイミングと今後のコンサルタント会社との関係を決めるようにしてください。
以上、インハウスSEOを実現するまでの流れを解説しました。以下の記事では、社内でインハウスSEOの体制を整える方法を説明していますので、興味のある方は併せてご覧ください。
インハウスSEOの3つのメリット
インハウスSEOには、下記の3つのメリットがあります。
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1 ノウハウを社内で蓄積できる
インハウスSEOのメリットの1つ目は、社内にSEOのノウハウを蓄積できることです。
人材を育てながら、継続したSEOを行えるようになれば、成果につながりやすくなります。また、新しい商品やサービスを展開するときも自社にSEOのノウハウがあることで集客しやすくなるため、有利に働きます。
メリット2 外注費の削減になる
SEOを社内で行うことで外注費が削減できることも、インハウスSEOのメリットです。
アウトソーシングする場合は、受託者に報酬を支払う必要があり、相手のスキルの高さに応じて金額も高くなります。一方でインハウスSEOならば、業務が社内で完結するため、外注費は一切かかりません。
ただし、当然のことながらインハウスSEOでは、外注費の代わりに社内の人件費がかかります。外注費と人件費を比較しながら、常に費用対効果を意識するようにしてください。
メリット3 コミュニケーションコストが下がる
SEOをアウトソーシングすると社外とのやりとりも増えるため、コミュニケーションの負荷が高くなりがちです。
その点、インハウスSEOならば社内の関係者だけで完結するので、コミュニケーションコストは下がります。コミュニケーションがスムーズになることで、よりスピード感を持って施策に取り組むことが可能です。
以上、インハウスSEOを実現することのメリットを紹介しました。下記の記事でも、インハウスSEOの利点を解説していますので、併せてご覧ください。
インハウスSEOの3つのデメリット
インハウスSEOにはメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。
ここではインハウスSEOを実施するにあたって、どのようなデメリットがあり、何に気をつければいいのかを確認していきましょう。
デメリット1 SEO専任者が必要になる
インハウスSEOを行うには、SEOの専任者が必要不可欠です。
担当者には、SEOにまつわるさまざまな知識と技術が求められるため、社員のスキルを十分に上げるまでには相当な時間を要します。
また、場合によってはSEOに精通した人材を新しく採用する必要も出てきます。SEOの専任者を確保するためには、一定の時間やコストがかかることは覚悟しておいてください。
デメリット2 最新情報をアップデートしづらい
有効なSEOを実施するには、ウェブマーケティングの情報を常にアップデートしておく必要があります。
その点、社外のSEOコンサルティングであれば、専門知識を持った人材がいるため、常に最新の状況に応じた施策を実施可能です。一方でインハウスSEOの場合には、SEOに関する情報は自社で集めなければなりません。
デメリット3 人件費がかかる
インハウスSEOを実施するための人材が社内で育つまでには、一定の時間を要します。
また、場合によっては新たに人材を採用することもあります。インハウスSEOでは外注費がかからない分、人件費がかかるため、費用対効果が適しているかは注意しておくようにしてください。
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インハウスSEOで発生する業務内容
インハウスSEOで発生する主な業務としては、下記の5つがあります。
ここでは、それぞれの業務を詳しく解説します。
業務1 目標設定
まずは、SEOによって達成したい目標を設定します。
このとき、検索順位を目標に定めることはあまりおすすめできません。なぜなら、検索上位に自社サイトのページが表示されて流入が増えたとしても、売上にはつながらないケースもあるためです。
売上向上のために大事なのは、ユーザーが自社サイトに訪れた後の行動です。「どのようなユーザーを集客したいのか」「サイトに訪れたユーザーに何をしてもらいたいのか」から逆算して、上位表示を狙うキーワードを選定しましょう。
業務2 社内折衝
目標設定ができ、続いて行うのは予算確保のための社内折衝です。
インハウスSEOでは外注費を削減できる一方、有料ツールの利用料やウェブ改修の費用などが追加で発生します。各種施策を実施する前に、必要なコストを算出しておくようにしてください。
予算確保のためには、SEOによって「いつまでに」「どれほどの」成果が出るのかシミュレーションして、コストと比較しながら会社側に提案することが大切です。
業務3 サイト改善
社内折衝が終わったら、SEOの効果を出すためにサイトの改善を行っていきます。
具体的には、以下の4点を確認してください。
1. 内部リンクを最適化する
まずは、内部リンクの最適化を行います。
内部リンクとは、自社サイト内のページをつなぐリンクのことです。適切にリンクを設置することで、検索エンジンのクローラーが巡回しやすくなり、サイトが評価を受けることにつながります。
2. 重複コンテンツを避ける
続いて、サイト内に内容が重複しているコンテンツがないか確認します。
異なるURLで同じような内容を掲載しているコンテンツがあると、検索エンジンのクロール率が低下してしまうばかりか、ペナルティとなってページの評価が下がることもあります。
3. ページスピードを改善する
SEOでは、ページスピードも重要です。
サイト内のページの表示速度が著しく遅いと、検索エンジンからマイナスの評価を受ける可能性があります。
「サーバーとの通信の回数を減らす」「画像のサイズを最適化する」「データの通信量を減らす」「スクロールせずに見える範囲のコンテンツを最適化する」といった方法で、ページの表示速度の改善を図ってください。
4. スマートフォンでの表示を確認する
スマートフォン向けのページが見やすいかどうかも、重要なチェック項目です。
Googleは、2015年のアップデートで「モバイルフレンドリーであるサイトを優遇すること」を公言しています。このため、スマートフォン上の表示のされ方は必ず確認し、見やすいものになるよう努めてください。
業務4 コンテンツ制作
SEOの観点に沿ったコンテンツを作成するためのポイントは、以下の5つです。
1. キーワードの選定を丁寧に行う
上位表示を狙うキーワードの選定は、最終的に成果を上げるための重要な工程です。
せっかく特定のキーワードで上位表示ができていても、ターゲットとずれたユーザーばかりが流入していては成果は上がってきません。
キーワードの選定にあたっては、まずユーザーがどのような検索ワードによって自社サイトにたどり着いているのかをGoogle Search Consoleなどを使って把握します。
また、これと併せてAhrefsなどのSEOツールを活用して、競合サイトがユーザーを獲得している検索キーワードを調査しておくと良いです。
そして、調査が終わってからはじめて、上位表示を狙うキーワードを選んでいきます。競合他社の状況や業界のトレンドを把握しながら、選定を進めていってください。
2. 検索意図を捉えたコンテンツを作る
コンテンツを作る際は、ユーザーの検索意図を意識することが大事です。
「ユーザーはなぜ、そのキーワードで検索をするのか」を多角的に分析しながら作成することで、質の高いコンテンツになります。
ユーザーの心に刺さる内容にするためには、「実際にユーザーにヒアリングする」「SNSでキーワードにまつわるトピックスを調べる」「Yahoo!知恵袋でどのような質問があるのかを確認する」などの方法があります。
ユーザーの関心を想像しながら、検索意図を捉えたコンテンツを目指してください。
3. titleタグを正しくつける
SEOでは、titleタグを正しくつけることも重要になります。
titleタグとは、サイトやページのタイトルを指定するためのHTMLタグのことです。titleタグを適正化することで、ページがユーザーの目に留まりやすくなるだけではなく、検索エンジンにもコンテンツの内容を正しく伝えられます。
タイトルには必ずキーワードを含めて、ユーザーの目を引くことを意識してください。また、文字数はできれば30文字以内におさめることをおすすめします。
なぜなら、タイトルが長すぎるとGoogleの検索結果一覧に表示される際に、最後の部分が「…」と省略されてしまうからです。
4. descriptionをわかりやすく書く
descriptionをわかりやすく書くことも、大事なポイントです。
descriptionとは、検索結果に表示される黒文字のテキスト部分のことを指します。検索結果画面からクリックしてもらうためにも、ユーザー目線になってページの内容が一目でわかるようにdescriptionを書いてください。
descriptionの文字数は、PC、スマートフォンどちらでも表示されることを考え、80文字前後で表示されることを目安にし、ユーザーの検索キーワードを含めることがポイントです。
5. 画像検索に対応する
画像検索から自社サイトへの流入を促すことも、重要なSEO施策です。
画像検索に登場しやすくするため、記事内の画像には「alt属性」を設定してください。alt属性とは画像を説明するテキストのことで、できるだけ簡潔にわかりやすい文章にすることがポイントになります。
業務5 コンバージョン率の最適化(CRO)
SEOによって自社サイトへの流入を増やすのと同時に、成果につなげるためにコンバージョンの最適化(CRO)を行う必要もあります。
CRO(Conversion Rate Optimization)とは、自社サイトを訪れたユーザーが、「問い合わせ」や「商品・サービスの購入」といった行動をしてくれるように、サイトの構造や導線設計を改善することを意味します。
ユーザー行動を定量的・定性的に分析しながら、フォームやページ内の導線を改善して、コンバージョン率を高めていってください。
以上、インハウスSEOで発生する主な業務を解説しました。SEOを内製化する方法は、下記の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
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セミインハウスSEO、アウトソースSEOとは
SEOにはインハウスSEO以外に、「セミインハウスSEO」や「アウトソースSEO」といった方法もあります。
ここでは、それぞれがどういった体制なのかを確認します。
セミインハウスSEO
社内の人材のリソースやSEOの知識が不足していると、インハウスSEOを行うのが難しいケースもあります。
その場合は、セミインハウスSEOを検討してみてください。セミインハウスSEOは、SEOのすべてを内製化するのではなく、一部の施策については外部の力を借りるという方法です。
セミインハウスSEOの体制を構築するには、まずSEOで実現したいことを明確にします。その上で、「インハウスで対応する施策」と「アウトソーシングする施策」を切り分けて整理し、専門知識を備えた外部の支援会社と共にPDCAを回します。
セミインハウスSEOから無理なく始めて社内で人材が育ってくれば、インハウスSEOに移行していくことも可能です。
下記の記事は、セミインハウスでSEOを行った事例を紹介したものです。セミインハウスSEOを検討している方は、参考にしてみてください。
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アウトソースSEO
アウトソースSEOは、SEOを内部では行わずに完全に外注する方法です。
組織の体制としてインハウスSEOが難しい場合は、アウトソースSEOを活用する方法を考えてみてください。
一部をインハウスSEOとするだけでも、担当者の作業負担は小さなものではありません。自社でSEOを推進する場合、担当者はどうしても兼務になりがちですが、専門性が高くて複雑化していくSEOは専任で行うことが望ましいです。
このため、インハウスSEOを実施する体制作りが難しい場合には、アウトソーシングしてプロの知見を借りることも一手です。
なお、下記の記事では、インハウスSEOとアウトソースSEOをさらに詳しく比較していますので、興味のある方は併せてご覧ください。
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インハウスSEOを成功させるために
SEOは短期的な損得ではなく、中長期にわたる戦略を練った上で行うべきです。
その中で、SEOを内製化するメリットが高そうならば、インハウスSEOの実現を目指していってください。
ナイルでは、SEOを委託していただくことはもちろん、セミインハウス、さらにインハウスSEOへ向かうためのサポートも行っています。
状況をヒアリングした上で、インハウスSEOの実現に向けて何が必要なのか、どのように進めればいいのか、ご提案させていただきます。ぜひ一度、以下よりご相談ください。