301リダイレクトとは?SEOへの影響や設定方法、注意点を解説
301リダイレクトとは、URLを変更した際に用いる転送処理のステータスコードのことです。サイトの移転でドメインが変わったり、サイト構成の構成変更によってURLが変わったりすることは珍しくなく、その際には301リダイレクトでの対応が望ましいです。
ここでは301リダイレクトの基本的なポイントや効果、SEOの観点から注意するべき点について詳しく解説します。
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目次
301リダイレクトとは
301リダイレクトとは、URLが永続的に変更された場合に用いられる転送処理のステータスコードです。
簡単に説明すると、「URLが今後ずっと変わる場合に使用されるリダイレクト」と言えます。
以下の例を元に考えてみましょう。
「https://www.○○○.net/」というサイトに、「https://www.○○○.net/AAA/」と「https://www.○○○.net/BBB/」という二つの記事が存在したとします。
この「AAA」と「BBB」という記事は内容が重複しており、Webサイトの運営者はこの二つの記事を「AAA」の記事に統合したいと考えました。
この際に登場するのが301リダイレクトです。301リダイレクトを行うことで、「BBB」に訪れたユーザーを「AAA」に転送させることができます。また、「BBB」のページが過去に獲得していたSEO上の評価を「AAA」の記事に統合することも可能です。
301リダイレクトは、「URLが永続的に変更された場合に用いられる」ということに加え、「リダイレクト元のSEO上の評価を引継ぎたい際に用いられる」という点もポイントです。
弊社のYouTubeチャンネルでもわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。
※そもそものリダイレクトの意味はこちらから
301リダイレクトと302リダイレクトの違い
301リダイレクトと302リダイレクトの最大の違いは転送の期間にあります。
301リダイレクトと302リダイレクトの違い
- 301リダイレクト→永続的に設定したページに転送させる
- 302リダイレクト→一時的(数週間程度)設定したページに転送させる
301リダイレクトには「永続的」、302リダイレクトには「一時的」という意味合いが含まれます。
そのため、サイト移転やURL変更など、一度設定したら再び変えない転送の場合は「301リダイレクト」、
A/Bテストなどリダイレクト設定を元に戻す可能性がある場合は「302リダイレクト」にように使い分けられます。
ちなみに、どちらもユーザーがアクセスした際の挙動に違いはありません。また、SEOの評価が自動的に遷移先のURLに引き継がれる点も同じです。
さらに細かな違いや使用用途の違いは以下で解説しています。リダイレクトは設定を誤るとマイナスな影響が起こる可能性が高いので、設定前にぜひご覧ください。
301リダイレクトが必要な4つの理由
301リダイレクトが必要な理由は、下記のとおりです。
301リダイレクトが必要な4つの理由
リダイレクト設定がされていないと、クローラーは2つのページを違うページと判断してしまいます。その結果、検索順位の低下や、無駄なクロール発生のリスクが考えられます。順番に見ていきましょう。
理由1 旧URLのSEO評価を新URLに引き継ぐため
301リダイレクトが必要な理由の1つ目は「旧URLのSEO評価を新URLに引き継ぐため」です。
検索エンジンは、ページのURLごとに評価をつけています。そのため、URLを変更した場合はリダイレクト設定をしなければ、元々の評価が引き継がれずSEO的に不利になってしまいます。
例えば上位表示を獲得していたページAのURLをA'に変更した場合で考えてみましょう。移転したまま何もしなければ、ページAの評価はA'に引き継がれないため、すぐの上位表示は困難です。一方で、301リダイレクトの設定をするとページAの評価を引き継ぐため、ページA'は比較的早く上位表示されます。
リダイレクト設定をしなかったり適当に設定したりすると、今までの評価がなくなり順位がガクッと下がる恐れがあります。SEO評価を引き継ぎたいページ移転では、必ず301リダイレクトを設定しましょう。
理由2 旧URLに訪問したユーザーを自動的に新URLに遷移させるため
2つ目の理由は「古いURLに訪問したユーザーを逃さず、新URLに遷移させるため」です。
リダイレクト設定を行わなければユーザーは、旧ページにアクセスしてしまいます。最新情報を得られなくなるため、ユーザーからの信頼を失いかねません。また、リダイレクトを設定した直後は、検索結果で旧URLが表示されたりブックマークから直接アクセスしたりするケースも考えられます。
このように、リダイレクト設定をしなければ、ユーザー離れの原因になる可能性があります。ユーザーの利便性を損なわないためにも、ページ移転をした際は301リダイレクトをかけましょう。
理由3 無駄なクロールが発生するのを防ぐため
理由の3つ目は「無駄なクロールが発生するのを防ぐため」です。
例えば、ページAと同様のコンテンツであるページA'を作成したケースで考えてみましょう。
リダイレクト設定をしていればクローラーは2つのページを同じページと判断しますが、リダイレクト設定をしていないと、クローラーは旧ページのAもクロール対象と判断し、巡回しにいってしまいます。
クローラーは各ページを別ページとして扱って評価しようとするため、結果として、ほかの重要ページがクロールされないなどインデックスに支障が出るほか、ページAとページA'が「重複コンテンツ」として判断されてWebサイトの評価を下げるといった事態につながってしまいます。
なお余談ですが、重複コンテンツの回避には「canonical指定」を用いるのも有効です。以下の資料で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
理由4 新URLのインデックスを早めるため
4つ目の理由は、301リダイレクトを設定すると、新URLのインデックスが早まることです。スピーディに旧URLの評価を引き継ぎ、インデックスされるためには301リダイレクトが重要です。
ちなみに、302リダイレクトでもSEOの評価を引き継ぎますが、301リダイレクトに比べてインデックスが遅くなるケースが見られます。そのため、特に理由がない限りは、302リダイレクトではなく301リダイレクトを設定するのがおすすめです。
301リダイレクトの設定方法
301リダイレクトの設定方法は、下記のとおりです。
301リダイレクトの設定方法
301リダイレクトの設定方法
それぞれの概要と具体的なコードを紹介します。ひとつずつ見ていきましょう。
ケース1 ドメイン変更でリダイレクトする場合(htaccessファイルを使用する場合)
ドメイン変更のリダイレクトとは「Webサイトのドメインをまるごと変更し、そのドメインに属するページをすべて新しいドメインに遷移させること」です。
主な利用シーンには、以下のようなWebサイトの移転やリニューアルするケースです。
example.com → tatoeba.com
まず、htaccessファイルに「RewriteEngine on」の宣言文を記載し、次にURL書き換えを行うルール条件を指定する「RewriteCond」で旧ドメインのexample.comを含めたコードを記載します。そして、URL書き換えの実行を指定する「RewriteRule」で新ドメインのtatoeba.comを含めたコードを記載します。
具体的なコードは下記のとおりです。
RewriteEngine on RewriteCond %{HTTP_HOST} ^(www\.)?example\.com$ [NC] RewriteRule ^(.*)$ https://www.tatoeba.com/$1 [R=301,L]
ただし、旧ドメインと新ドメインで、ファイル構造が同じでなければならない点に注意しましょう。
ケース2 ページ単位でリダイレクトする場合
ページ単位でのリダイレクトとは「一つひとつのページに対して旧URLから新URLへリダイレクトさせる設定」を指します。
例えば、同じWebサイト内でページを新しくする場合や、重複コンテンツを統合する場合などにページ単位でリダイレクトを設定する場合に用います。
具体的に言うと、ページexampleとページtatoebaの内容が重複している場合に、ページexampleへのアクセスをページtatoebaにつながるようにリダイレクトするイメージです。
https://www.○○○.net/blog/example → https://www.○○○.net/tatoeba
具体的なコードは下記のとおりです。
RewriteEngine on RewriteRule ^AAA/?$ /BBB/ [R=301,L]
ケース3 ディレクトリ単位でリダイレクトする場合
ディレクトリ単位でリダイレクトとは「ひとつのディレクトリ配下のページ全体に、まるごとリダイレクトをかける」ことです。
ディレクトリとは簡単に言えば、フォルダやカテゴリのことです。
ドメインより単位が小さく、ページより単位が大きなグループだと思ってください。ドメインやページはそのままで、このディレクトリのみを変更したい場合に、今回の方法が使われます。ディレクトリについて詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。
【簡単に】ディレクトリとは?データ管理の理想的な構造でWebサイトを最適化しよう
主な利用シーンとしては、ディレクトリの変更や統合を行いたい場合が考えられます。
例えば、example.comというサイトの/blog/というディレクトリから/article/というディレクトリに変更する場合、URLは以下のようになります。
example.com/blog/001 → example.com/article/001
ここにリダイレクト設定をすると、同じページにアクセス可能です。ページ単位で統合したのと同様に、ディレクトリ単位で統合ができます。
具体的なコードは下記のとおりです。
RewriteEngine on RewriteRule ^old-dir/(.*)$ /new-dir/$1 [R=301,L]
ケース4 SSL化に伴いリダイレクトする場合
SSL化に伴うリダイレクトとは「httpから始まるURLをhttpsに変更するリダイレクト」を意味します。
SSLとは通信を暗号化する技術で、SSL化をすると安全な通信が可能です。詳しくはこちらのページをご覧ください。
HTTPSとは?SSL化のメリット・注意点とSEOへの影響について
ユーザーに安全な体験を提供するためにもSSL化が必要とされており、下記の方法でhttpからhttpsにリダイレクトできます。
具体的なコードは下記のとおりです。
RewriteEngine on RewriteCond %{HTTPS} off RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}/$1 [R=301,L]
ケース5 Wordpressでリダイレクトする場合
WordPressでリダイレクトをする場合は、「".htaccessファイル"を編集しなくてもプラグインでリダイレクト設定ができる」というメリットがあります。
「.htaccessファイル」の編集はサイト全体にエラーが発生するリスクがあるため、初心者が気軽に編集するのはおすすめしません。そのため、WordPressを使用していてリダイレクト設定の必要がある場合は、プラグインを活用しましょう。
リダイレクトを設定できるプラグインとしてよく使われるのが「Redirection」」です。手軽にリダイレクトの設定ができるプラグインです。ソースURLに旧URL、ターゲットURLに新URLを指定するだけでリダイレクト設定が完了します。
引用:WordPressプラグイン「Redirection」
例えば、https://www.○○○.com/AAA/page1/からhttps://www.○○○.com/AAA/page2/に遷移したい場合は、下記のように設定しましょう。
ソースURL:AAA/page1/
ターゲットURL:https://www.○○○.com/AAA/page2/
ここで重要なのは、ソースURLは相対パスを指定し、ターゲットURLは絶対パスを指定することです。
また、プラグインを活用したリダイレクト設定は初心者でも簡単に設定できますが、Googleは.htaccessの設定を推奨しているため、インデックスに時間がかかる点に注意が必要です。
\質問や不明点がありましたら、お気軽にナイルまでご連絡ください!/
301リダイレクトの確認方法
出典:ohotoku.jp リダイレクトチェック
301リダイレクトが適切に設定されているかを確認するためには、ステータスコード確認ツールを活用するのがおすすめです。
リダイレクト設定を確認できるツールは複数ありますが、ohotuku.jpの「リダイレクトチェック」が簡単に使用できます。旧URLを入力して「チェックする」をクリックするだけで、リダイレクト設定の状況を判別できます。
301リダイレクトを設定する際の注意点
301リダイレクトは以前のページの評価を引き継ぐため、正しく実装すれば順位を下げることなく移転できます。しかし301リダイレクトの対応は複雑なため、知らない間にミスをしている場合もあります。
特に以下のポイントに気をつけて、実施しましょう。
301リダイレクト設定時の注意点
注意点1 対応するページにリダイレクトを設定する
301リダイレクトを実施する際には、対応するページにリダイレクトを設定しましょう。
例えばドメイン変更やURLを変更する際に、同等のページが移転先にもあるのであれば、
- ◯記事A→記事A’
- ✕記事A→TOP
のように、関連性の薄いページにリダイレクトしないようにしましょう。このような適切ではないリダイレクトを実施すると、ページの評価が引き継がれず順位下落の要因となります。少々時間がかかりますが、リダイレクト対応表を作成することで、ミスを防ぐことができます。
何らかの理由で、新規サイトで該当するページが無くなる場合には、近しいカテゴリーページへのリダイレクトや、ステータスコード404の使用も検討※2しましょう。
※2…そのページがセッションを多く獲得していたり、多くの外部リンクの参照先になっていたりする場合には、なるべく404ではなく新サイトでも残せないか検討するのがおすすめです。
404について知りたい方は、こちらの記事も参照下さい。
注意点2 内部リンク、canonicalの設定などを更新する
リダイレクトを実施する場合は必ず合わせて内部リンクや、canonical、alternateタグ、構造化データで使用しているURLの記載も変更しましょう。
特にcanonicalなどは検索エンジンの正規URLの認識にも悪影響を及ぼすため確実に対応します。
注意点3 XMLサイトマップを使用している場合、新旧両方のXMLサイトマップを用意する
新旧サイト両方でサイトマップを用意しておくことで、検索エンジンがリダイレクトを検出しやすくなり、スムーズに移転ができます。
旧XMLサイトマップに関しては、旧サイトのインデックス数がほとんどなくなるなど、サイトの移転が完了したタイミングで削除して構いません。
注意点4 robots.txtの仕様を確認する
robots.txtは検索エンジンに該当URL、ディレクトリへクロールさせないように指示を出せますが、そのために301リダイレクトを設定しても検索エンジンがクロールせず、リダイレクトが進まない場合があります。
よって、基本的にはリダイレクト時にはrobots.txtの記載を削除し、すべてのURLをクロールできる状態にするのがおすすめです。
上記のポイントを押さえず、適切なリダイレクトを実施できないと、順位の下落、インデックスの削除などのマイナスの影響が起きてしまいます。
robot.txtについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【気をつけて設定しよう】robots.txtの設定目的や書き方について
注意点5 サーバーの環境を事前に確認する
意外と見落としがちなのは、サーバー環境の事前確認です。サーバーによっては「.htaccess」の変更ができなかったり機能制限がかかっていたりする場合があります。
事前にサーバー環境を確認せずに301リダイレクトの設定を進めると、コードを記述した「.htaccess」ファイルをアップロードしても反映されず、それまでの労力が徒労になりかねません。どうしても「.htaccess」でリダイレクト設定ができない場合は、meta refreshやJavaScriptを活用してリダイレクト設定をするのがおすすめです。
こちらの記事で詳しく紹介します。
meta refreshとは?SEOにおけるデメリットと使用時の注意点
注意点6 設定期間を確認する
リダイレクト設定が正しく完了し、旧URLから新URLへの遷移ができても301リダイレクトの設定をすぐに解除するのはおすすめできません。URLの遷移そのものはすぐに完了しても、SEOの評価に時間がかかるケースもあるからです。
特に、ページ数が多いサイトの場合は、評価を引き継ぐまでに時間がかかります。そのため、301リダイレクトは最低でも1年は設定しておきましょう。
詳しくはGoogle公式YouTubeチャンネル「Google Search Central」やGoogleジョン・ミューラー氏のXをご覧ください。
注意点7 一時的な順位変動は心得ておく
評価のすべてを引き継ぐ301リダイレクトによる転送であっても、多くの場合、一時的に順位変動が起こります。
これは検索エンジンがクロール・リダイレクトの認識に時間がかかるためです。すぐに順位が元通り反映されるわけではないことは事前に心得ておきましょう。
正しくリダイレクト処理を行えている場合、目安として1〜2週間程度で順位は以前の推移に戻ります。それ以降も順位が戻らない場合は、リダイレクトの実装にミスがある可能性がありますので、設定を確認するようにしてください。
正しく301リダイレクトできないと...
301リダイレクトを使用すれば、検索エンジンの評価を失うことなく、速やかにサイトの移転、URLの変更などを行うことが可能です。
また、リダイレクトを伴うサイト移転の際には内部リンクの変更や、新旧XMLサイトマップの準備などを行う必要があります。
では、ここまで301リダイレクトについて説明してきましたが、301リダイレクトを適切に実装できないとどうなるのでしょうか?
答えは、
- それまでページが獲得してきた評価が引き継がれない
- 順位が大きく下落する場合がある
- 表示キーワード数が減少することもある
- セッション数を始めとした、様々な自然検索に紐づく指標が悪化する
です。(書いていても恐ろしい)
301リダイレクトの処理はとても難しく、気をつけていてもミスが起きやすいです。
実際にかつてナイルのSEO相談室でも、リダイレクトのミスが原因で
- 自然検索セッション数マイナス20%
- 問い合わせ完了数マイナス35%
と大打撃を受けたことがあります。
こうした苦い経験から、我々はリダイレクトに対して、リスクと失敗してしまうポイントを十分に理解しております。
もし、チーム内に経験者がいない場合、大規模サイトを移転する場合には専門家のサポートを借りることをオススメします。
もしリダイレクトをご検討の方がいらっしゃいましたら、ナイルのコンサルタントが過去の失敗したポイントを押さえ、サポートいたします。お気軽に問い合わせください。
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