CMSとは?CMSの特長と選定のポイントを解説
専門的な知識はないけれどWebサイトを制作したい!という場合に便利なのがCMSです。
CMSを使うと、HTMLやCSSといった専門的なWebサイト構築スキルがなくても簡単にWebサイトを制作、運営できます。
Webサイトの制作を外注する場合も、CMSを導入することによって、更新作業などの運用に関しては自社で行えるようになります。スピード感を持ってWebサイトを運用するのに、CMSは必須のソリューションといえます。
ここではCMSの概要と特徴の紹介、選定のポイントなどについて解説していきます。
この記事のポイント
-
CMSはコンテンツを管理するためのシステムで、導入することで記事やお知らせの投稿が簡単になる
-
CMSは専門知識がなくても使用することはできるが、サーバー管理やドメイン取得などある程度の知識が求められる
- 代表的なCMSはWordPressで、全Webサイトの約4割で使用されており、ノウハウなども豊富である
\SEO内製化支援プランの資料ダウンロードはこちらから/
目次
CMSとは
CMSとは「Contents Management System」の略称です。すなわち、「コンテンツを管理するためのシステム」のことを指します。CMSを活用すると何ができるのかを簡単に説明します。
一般的にWebサイトはHTMLやCSSなどの言語で制作します。CMSを活用しない場合は、HTMLやCSSで用いて、ページのデザイン、画像の配置、画像のサイズ、テキストの装飾や改行、テキストの回り込み、リンクといったあらゆる要素を自分自身で設定していく必要があります。
一方、CMSを使うと、こうした設定をいちいちHTMLやCSSで記述することなく、テンプレートを活用したり、わかりやすいインターフェースを使ったりして、簡単に行えるのです。
一例を挙げましょう。
「このWebサイトはCSSを活用して制作しています」というテキストを、「このWebサイトは」で改行を入れて記述するとします。
CMSを使わずHTMLで直接書く場合、改行を表す<br>というタグを使って「このWebサイトは<br>CSSを活用して制作しています」のように記述しなければ改行できません。仮にエディタ上で改行できていても、Webサイトには反映されないのです。
一方、CMSを使うと<br>のようなタグを使う必要がなく、Wordで文書を作成するのと同じ感覚でテキストを入力できます。「このWebサイトは」でエンターキーを押して改行すれば、Webサイト上の見た目にもちゃんと改行が反映されるのです。
もちろん、<br>タグが不要というわけではなく、Webサイトのソースには<br>というタグが自動的に挿入されています。CMSを使うことで、よりわかりやすいインターフェースでWebサイトのコンテンツ管理ができるというわけです。
WordPressについて
CMSにも様々なソリューションがありますが、中でも圧倒的に高いシェアを誇るのが「WordPress」です。W3Techsの調査によると、2021年4月現在実に世界中のWebサイトの約4割がWordPressで制作されているとのことです。(2位のShopifyは3.4%であることを考えると、そのシェアの高さがわかります。)
参考:Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems, April 2021
WordPressはWebサイトやブログの制作によく用いられており、特にブログ用のCMSとして有名です。しかし、ブログ専用というわけではなく、コーポレートサイトからECサイトまであらゆる分野のWebサイト制作で活用されています。
WordPressは無料で利用できます。なお、プラグインを利用する場合は有料になりますが、それでも月3~4,000円程度と非常に低価格で利用することができます。
デザインの自由度も高く、使いこなせば凝ったWebサイトも作れます。オープンソースということもあり、サードパーティー製の豊富なプラグインが提供されているので、便利な機能を簡単に使えるのも魅力です。SEO対策やSNSとの連携などもプラグインを追加すれば、簡単に行えるようになります。
その一方で、完全に初心者向けとはいえない点もあります。はてなブログのような企業が提供するブログサービスとは異なり、WordPressでサイトを制作してもそれだけでは公開したことになりません。サーバーをレンタルし、ドメインを取得するなどの作業はユーザー自身で行う必要があります。
一度制作して公開してしまえば、更新や編集作業にはそこまでの専門知識は不要ですが、制作段階では多少知識はあった方がスムーズでしょう。
もっとも、初心者でも調べながら進めれば、そこまで難しいことではないですし、高いシェア故にノウハウはWeb上にたくさん公開されています。この点もWordPressの強みといえます。
\オウンドメディアを成功に導く!資料ダウンロードはこちらから/
CMSの種類から考える選定のポイント
WordPress以外にも様々なCMSがあります。WordPressは万能なCMSですが、Webサイトの種類によっては、WordPress以外のCMSを採用した方が運用が楽になる場合もあります。
特化型のCMSとしては「ブログ系」や「ECサイト系」のCMSがよく使われます。たとえばオウンドメディアを構築するのでしたら、ブログ系CMSが便利です。ブログ系CMSは記事の執筆や集客することに特化しており、WordPressにはない機能が充実しています。
同様にECサイトを制作するなら、ECサイト用に提供されているCMSを使うのが便利です。ブログ系CMSにしろECサイト系SMCにしろ、WordPressのように無料で使えるというわけにはいきませんが、その分提供企業からのサポートも受けられますし、専門知識は制作段階から不要です。
いずれにせよ、CMSを適切に選ぶためには、「どんなWebサイトを作りたいのか、どのように運用したいのか」という点をしっかりと検討する必要があります。
CMS導入のメリット
CMSを導入するメリットは様々あります。まず、制作や運用コストを抑えられる点です。Web制作会社に依頼して一からサイトを構築すると数十万円から数百万円、時にはそれ以上のコストがかかってしまいますが、CMSを活用すればWeb制作会社に依頼する場合でも大きくコストを下げられます。さらに、前段でも紹介したWordPressを使って自社ですべての作業ができるなら、かかるのは人件費やサーバ費用だけです。
運用コストも同様に下げられます。CMSは専門知識がなくても更新や編集作業ができるので、Webサイトの運用をすべて自社内で行うことも難しくないからです。もし、Webサイトの更新や修正作業を毎回Web制作会社に投げてしまうと、運用コストは一気に跳ね上がってしまうでしょう。
運用が自社で行えると、Web制作会社とのやりとりや手戻りが発生しないので、Webサイトの運用スピードもアップします。また、テンプレートを用いて制作できるため、ページを増やしてもHTMLの表記揺れが発生せず、SEO対策の観点でもメリットがあります。
CMS導入の障壁
多くのメリットがあるCMSですが、「導入がうまくいかない」という声もしばしば聞かれます。ここではCMS導入でよくある障壁について紹介します。
まず、セキュリティによる制約です。CMSを導入するとは、他社のサービスを自社サイトに取り入れるということでもあります。行政機関や金融機関といった特にセキュリティに厳しい組織では、そもそも外部からサービスを導入すること自体が禁じられていることもあります。また、WordPressの場合、高いシェア故にサイバー攻撃を受けやすく、プラグインが脆弱性につながってしまうリスクもゼロではありません。
もう1つの障壁は担当者のリテラシー不足です。CMSは専門的な知識をそれほど必要としませんが、それでも社内で運用するなら多少のITリテラシーは必要です。少なくとも管理画面は扱えなければいけません。
社内のITリテラシーが低い場合は、CMSを導入したことで社員教育が必要になるなど、逆に運用コストが増えてしまう可能性もあります。
実体験! CMSを使用していて感じること
このブログもCMSを用いてコンテンツの管理を行っています。使用しているCMSはWordPressです。
使っていて「便利なこと」と「たまに困ること」を書き出してみます。
便利なこと
- とにかくコンテンツの追加、更新がしやすい
- 保守の依頼が行いやすい
たまに困ること
- プラグインの追加など変更がしやすく、定期的に管理しないと何のために実装したのかわからなくなる
どちらにも共通することとしては、「変更しやすい」ということです。
「変更しやすい」ことの便利な面としてはコンテンツの追加しやすさがありますが、それ故に「良かれと思って多数プラグインを導入してしまい、管理しきれなくなる」ということも発生します。
WordPress、プラグインも完璧ではないため不具合を起こすことや、外部の攻撃対象になることもあるため、現在では仕様の管理をドキュメントなどにまとめています。
企業の運用するCMSなどは担当者が定期的に変わることもあり、何のためのプラグインかわからなくなることも考えられるため、弊社同様に仕様などをドキュメント等にまとめることを推奨します。
CMSとSEOに関して
「どのCMSがSEOに強いのか?」という質問を受けることがあります。しかし、この質問をされる方は、CMSとSEOの関係性について誤解しています。
そもそも、検索順位はCMSを使っているから上がるというものではありません。検索順位を上げるには、Webサイトに高品質なコンテンツがそろっていて、適切な内部施策や外部施策が実施されていることが重要です。
単にCMSを導入したから検索順位が上がるわけではないのです。コンテンツの品質が低いCMSで制作したサイトは、コンテンツの品質が高いCMSを使っていないサイトに勝てません。
ただし、多くのCMSは最初からSEOフレンドリーな実装がしやすいよう設計されています。その意味では、CMSを導入することでSEO対策が多少楽になるといえます。
まとめ
CMSはコンテンツ管理のためのシステムです。最大のシェアを誇るCMSはWordPressで、その他にも様々なCMSがリリースされています。目的や自社の体制に応じてCMSを選択することが重要です。
CMSは直接的にSEO対策につながるわけではありませんが、導入することでWebサイト制作のコストを下げたり、運用を簡単かつスピーディーに行えたりするメリットがあります。スピード感を持ってビジネスを展開するためにも、WebサイトへのCMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
オウンドメディアを立ち上げるなど、CMSの導入が必要かお悩みの方は、まずは弊社にお気軽にご相談下さい。弊社は数多くのメディアの立ち上げ経験があり、CMSの導入もサポートしております。
また、ナイルでは成果を追求するSEOコンサルティングを提供しております。支援実績やコンサルティングの詳細は、ナイルのSEOコンサルティングサービスをご覧ください。
関連記事