ROI・ROASとは?それぞれのメリット・デメリットや違いを解説
ROI(投資対効果)とは、投資した資本に対してどれだけの利益が得られたかを知るための指標のことを、ROAS(広告費用対効果)とは、投入した広告費に対してどれだけの売上をあげられたかを計測するための指標です。
ここでは、ROIとROASの概要やメリット・デメリット、違いについて解説します。
この記事のポイント
- ROIは、利益ベースの投資対効果を測る指標
- ROASは、売上ベースの広告費用対効果を測る指標
- 広告運用では利益につながっているかを確認できるROIやCPAなどの指標を活用する
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目次
ROIとは
ROI(Return on Investment:投資対効果)とは、投資した資本に対してどれだけの利益が得られたのかを測るための指標です。広告運用の成果を測る際には、投資した資本を広告費と捉えることができます。つまり、ROIは広告費に対してどれだけの利益を得られたのかを明らかにする指標であるともいえます。
ROIをもとに広告運用の成果を測る際には、一般的に次の計算式で算出します。
ROI=利益額÷広告費×100(%)
実際に以下の例を使い計算してみます。
例①
利益額:60万円
広告費:40万円
ROIを測ると
ROI=60÷40×100=150%
ROIが150%となり、40万の広告費に対して150%の利益が出たことになります。
ROIのメリット・デメリット
ROIのメリットは、どの事業やプロジェクトの採算性が高いかを、投資した資本に対する利益ベースで計測することができる点にあります。
例えば、ROI=20%のプロジェクトAとROI=-10%のプロジェクトBが存在している場合を考えてみましょう。この場合、企業は利益が出ていないプロジェクトBへの投資を中止し、利益が出ているプロジェクトAに対してより多くの資本を投資するという判断を下すと考えられます。
このように、企業がより採算性の高い事業やプロジェクトへ効率よく投資をする上でROIは役に立ちます。
一方、デメリットとして、長期的な利益がないがしろになってしまうという点が挙げられます。
先ほどの例で考えると、1年後にプロジェクトAよりもBの方が利益を出すとしても、ROIの基準のみでプロジェクトを評価している場合、やはりBへの投資はされなくなる恐れがあります。
このように、ROIだけを事業やプロジェクトの評価基準に設定してしまうと、短期的な利益だけが追及されがちになってしまうため注意が必要です。
ROASとは
ROAS(Return On Advertising Spend:広告費用対効果)とは、投入した広告費に対してどれだけの売り上げをあげることができたかを計測するための指標です。
ROASをもとに広告運用の成果を測る際には、一般的に次の計算式で算出します。
ROAS=売上÷広告費×100(%)
実際に以下の例を使い計算してみます。
例②
売り上げ高:120万円
広告費:40万円
ROASを測ると
ROAS=120÷40×100=300%
ROASが300%となり、40万の広告費に対して300%の売り上げを獲得できたということになります。
ROASのメリット・デメリット
ROASのメリットとして、計測するために必要な過去の売上データや将来の売上予測の情報が入手しやすいことが挙げられます。
一方デメリットとして、ROASは広告効果をあくまで売上ベースで示す指標のため、投資した資本に対して本当に利益がでているのかどうかわからないという点があります。
ROIとROASの違い
ROIとROASはよく混同されがちなので注意が必要です。どちらの指標も、投資した資本に対して得られた成果を見るものという点では共通しています。
しかし、ROIが利益額をベースにした指標であるのに対し、ROASは売上高をベースに広告費の回収率を示す指標であるという違いがあります。また、ROIでは0%を基準に効果を判定、つまり利益が出ているかどうかを基準にするのに対し、ROASでは100%を基準に効果を判定、つまり広告費以上の売上げが上がっているかどうかを基準にします。
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ROASとROIどちらが重視されてるか
これらの二つの指標ですが、実際に企業で広告運用のプランを立てる際には、ROASよりもROIを重視する傾向があります。企業は売上が立っていても、利益が出ていなければ存続することができません。そのため、売上高をベースにしたROASよりも利益額をベースにしたROIを重視する必要があるのです。
以下の例を使い説明します。
例③
売上高:400万円
広告費:200万円
利益額:-100万円
ROASを測ると
ROAS=400÷200×100=200%
200万円の広告費に対して200%の売上が回収できたことになりますが
ROIを測ると
ROI=-100÷200×100=-50%
200万円の広告費に対してマイナス50%の赤字になっています。
ROASが200%で広告の効果は一見悪くないように見えますが、ROIは-50%で実際は赤字が出てしまっています。つまり、広告費が回収できていない状態になっています。
このような例のように、売上が立っていても利益になっていなければ、ビジネス上成果が出ているとは言えないので、ROIを意識しながら広告運用の施策を考えることが重要になります。
広告効果を測定できるそのほかの指標:CPA
ROIやROASに加え、広告効果を測定できる指標としてCPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)があります。
CPAとは、コンバージョン(CV)1件あたりにかかった広告費用を示す値で、「CPA=広告費用÷コンバージョン数」で求めることができます。
CPAについて詳しく知りたい方は、こちらのページを参考にしてください。
参考:CPAとは
ROIとROASは広告費用に対する利益や売り上げの割合を計測できるのに対し、CPAは1件のCVを獲得するのにかかった費用を計測できます。
そのため、これらの指標は広告で達成したい目標に応じて使い分けなければいけません。例えば問い合わせや資料請求を目標に設定している広告の場合はCPAを指標とするべきですし、利益や売り上げを目標にしている場ROIとROASの指標を使うのが良いと考えられます。
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まとめ
今回はROIとROASが「利益額を分子とするか、売上額を分子とするかの違いによって、数字の扱いが変わってくる」という点についてご紹介しました。それぞれの指標にはメリット・デメリットが存在しています。目的に応じてどの指標を利用するべきかを考えがら、今後の広告運用にご活用ください。
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