【文字数で考えるのはNG】SEOと文字数の関係性について
※本記事は、2018年公開当時の情報を基にした記事です。
SEOというと、コンテンツの文字数は多ければ多いほどいいというイメージがある方も多いかもしれません。しかし結論からいうと、文字数そのものが検索順位に影響を与えることはありません。
抽象的な検索キーワードなどの場合は、文字数が多いと検索順位が上位に表示される傾向はありますが、文字数が与えるのはあくまで間接的な影響です。
この点を誤解すると、「とにかく文字数を増やせばいい」という間違ったSEO対策をしてしまい、場合によっては検索エンジンからの評価が下がることもあります。
今回の記事では、SEO観点では文字数をどのように捉え、どういった点を意識する必要があるのか、これまでのSEOの歴史における文字数の重要性の変化と共に説明します。
また、コンテンツ(記事)をメンテナンスする際に役立つ資料をご用意しました。
上位表示やコンバージョン獲得といった成果を生み出すために、単に文字数を増やすのでは無く、どのように考えて、どうメンテナンスをするのかを解説しています。
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目次
【結論】SEO的に文字数が多ければ良いは間違い
結論からお伝えすると、文字数が多ければ多いほど良いというのは間違いです。
文字数とコンテンツの評価の関係については、Googleのジョン・ミューラー氏が「無関係」だと述べています。つまり、文字数が多いからといってGoogleはそのページを高く評価するわけではないということです。
参考:Google Says Word Count Not a Quality Factor(Search Engine Journal)
この回答はSEOの専門家に大きな衝撃を与えました。以前は、文字数が多ければ多いほどSEO的に有利だと思われていましたし、そのために1万字も2万字も書いた記事があふれかえっていたからです。
文字数が多いとSEO的に良いといわれている理由
とはいえ、実際に検索上位に表示されるページをチェックしてみると、文字数が多いページのほうがより上位に表示される傾向があるようにも思えます。
これはどういうことかというと「間接的な影響」が表れているのです。
Googleは文字数ではなく、コンテンツの内容を見て品質の評価をし、高い品質のものを上位表示します。「品質が高い」というのは、ユーザーの知りたい情報を網羅していて、読んだ人が理解しやすいように丁寧な解説がなされているということです。
ユーザーが求める情報がすべて網羅されている高品質なコンテンツは、結果的に文字数も増える傾向があります。ミューラー氏が述べるように文字数が多いから評価されるわけではありませんが、Googleが評価するようなコンテンツは結果として文字数が多くなるのです。
つまり、文字数を増やすことを目的にしてはいけないということです。例えば、他サイトのテキストをコピペして文字数を稼いだとしても、Googleのロボットには見抜かれてしまいます。また、テーマによっても適切な文字数があることには注意しなければいけません。
重要なのは、コンテンツの「品質が高い」ことであり、文字数が多いことではないのです。シンプルに説明できるキーワードについてだらだらと長文で解説するページは、むしろ低品質だといえます。テーマに応じた適切な文字数を意識することが大切です。
長文なだけで評価されたのは昔の話
文字数がとにかく多いだけのコンテンツは、世の中にはまだまだたくさんあります。
文字数が多いコンテンツは、上位表示されやすいと思われていた時代の遺物です。低品質で文字数が多くても意味がないことはこれまでに述べてきた通りですが、文字数が多いことが評価されていた時期があったのもまた事実です。
2016年頃までのGoogle検索では、内容だけではなく長文であることが評価され、上位に表示されやすい傾向が確かにありました。上位のウェブサイトはどれも文字数が多く、長いもので1万字を超えるようなコンテンツも珍しくありませんでした。
こうした流れに終止符を打ったのが、Googleが立て続けに行った「パンダアップデート」や「ペンギンアップデート」と呼ばれるアルゴリズムアップデートです。
パンダアップデートは2011年に実施されたアップデートです。低品質なコンテンツを検索結果から除外する目的で行われ、多くのウェブサイトが影響を受けました。
パンダアップデート以前は、薄い内容にも関わらずドメイン評価の高さやウェブサイトの規模の大きさが理由で、上位に表示されているページが多く見られました。パンダアップデートでそうしたウェブサイトは一斉に姿を消すこととなったのです。
そして、2012年頃から2016年頃にかけて継続的に実施されたペンギンアップデートでは、外部から意図的に被リンクを調達するなど、過剰なSEO対策を施したウェブサイトの評価を下げる措置が主に行われました。
これら2つのアルゴリズムアップデートにより、低品質でガイドラインに違反したウェブサイトは検索結果から排除され、高品質なコンテンツを提供するウェブサイトが真っ当に評価される時代がやってきたのです。
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SEOに強いコンテンツにするための要素5つ
では、Googleに評価されるSEOに強いコンテンツを作るには、どうすればいいのでしょうか。
検索エンジンに評価されるコンテンツにするための要素は、大きくわけて以下の5つが挙げられます。それぞれ詳しく解説していきます。
【要素1】適切な文字数
適切な文字数とは、そのコンテンツが狙うキーワードによって異なります。
ここで実際にキーワードを検索して検索上位結果のページを見てみましょう。下の画像は2022年6月に「SEO」とGoogleで検索して、その上位結果を抜粋したものです。
1ページ目の検索結果の内容を見てみると、コンテンツの平均文字数は1万字を越えています。これは「SEO」というキーワードが抽象的であり、ユーザーの検索ニーズが多様であるためだと考えられます。
例えば、SEOという言葉の意味を知りたいユーザーもいれば、SEOの施策を学びたいユーザーもいるでしょう。また、企業のマーケティング担当者がSEOを外部に委託しようとして検索しているかもしれません。
実際に「SEO」の検索結果で4位(2022年6月時点)に表示されている当サイト「【2022年最新】SEOとは?SEO対策の仕組み、技術対策、キーワード調査方法まで解説(ナイルのSEO相談室)」のエントリーでも、SEOの目的からSEOの簡単な歴史、SEOによって得られる成果や検索エンジンについてまで幅広く触れております。
こうしたユーザーが求めている情報が特定しにくい場合には、網羅的なコンテンツ=文字数の多いコンテンツが評価されることもあるでしょう。
では、次にSEOと内部リンクを組み合わせて「SEO 内部リンク」と検索してみましょう。以下の画像が検索結果です。
先程の検索ワード「SEO」には、サイト内部に関する施策だけではなく、サイト外部の施策もSEOの言葉の意味など多様なニーズを含んでいました。
一方、「SEO 内部リンク」はSEOの中でも、内部リンクのSEOへの影響や効果について知りたいという具体的な検索意図があると想定されます。
実際に検索結果を見てみると、主に「内部リンク設計の事例や改善方法」といった内容の記事が上位表示されていて、検索結果上位の平均文字数は3,000字後半となっています。「SEO」の検索結果の記事内容と比較すると、具体的な施策の説明などが多い傾向です。
以上のことから、検索するキーワードの抽象度合いでユーザーのニーズは違うことがわかります。ユーザーのニーズが違えば、評価されるコンテンツの内容や文字数も異なります。そのために、キーワードのニーズに応える情報量・文字数でコンテンツを作成することが重要というわけなのです。
SEOに強いタイトルの文字数とは
本文の文字数以外に、タイトルにも適切な文字数があります。
例えば、短すぎるタイトルでは、どんな内容の記事かがわかりませんし、長すぎるのも途中までしか表示されないため内容が伝わりづらくなってしまいます。
そのため、タイトルの文字数は、検索結果で省略せずに表示される30〜32文字前後で読者に記事の内容が伝わるタイトルをつけるのがおすすめです。
SEOに効果的なタイトルの付け方は、以下の記事にて詳しく紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
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SEOに強いディスクリプションの文字数とは
また、タイトルと同じく、タイトル下に表記されるディスクリプションにも適切な文字数があります。
ディスクリプションは、80〜100文字前後で表示され、長いと表示が省略されてしまいます。限られた文字数で、検索者がこの記事になら自分の探している答えが書いてありそうと思ってもらえる内容を検討しましょう。
以下の記事では、SEOに効果的なディスクリプションの作り方を紹介しているので、こちらもご参考にしてください。
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【要素2】網羅性を高める
「【要素1】適切な文字数」の中でもお伝えしましたが、検索されているキーワードによっては、網羅性を高める必要があります。
現状で上位に表示されているWebサイトで重複している内容(情報)は、検索者が求めている情報の表れといえます。そのため、上位に表示されている記事内容を網羅した上で、読者にわかりやすい文章に噛み砕いたり、図解を入れたりなどして差別化を図るのがおすすめです。
【要素3】ユーザーのニーズを満たしている
【要素1】と【要素2】に似ていますが、検索ユーザーのニーズを満たしていることも重要な点です。
網羅性を高めるのと同時に、ユーザーが求めているであろう内容も記載することで、SEOに強いコンテンツになります。
コンテンツを読み進めているうちに疑問が出てくると、記事の途中で離脱されてしまうことも少なくありません。そのため、単純に内部リンクの説明だけではなく、読者が実際に内部リンクを設置する際に出てきそうな疑問や問題の解決方法も合わせて紹介し、不安要素をなくせる記事にすることが重要です。
例えば、「SEO 内部リンク」のキーワードなら「内部リンクについての説明」や「内部リンクの設置の仕方」だけでなく、SEOに強いサイト構造や内部リンクを設置する場合の注意点なども解説するとよいでしょう。
【要素4】専門性が高いなど信頼度の高いコンテンツ
専門性の高い記事やユーザーの検索意図にあったコンテンツは、Googleの検索エンジンから高く評価されます。
実際に、2017年12月には信憑性が高く充実した情報がより評価されるような検索アップデートが行われました。以下がアップデートを発表したGoogleの公式ブログの抜粋となっています。
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
引用: 医療や健康に関連する検索結果の改善について(Google検索セントラルブログ)
具体的にどういったことをすれば専門性や信頼性を高められるのでしょうか。GoogleはE-E-A-Tという「検索品質評価ガイドライン」の評価基準でコンテンツの評価を行っています。
そのため、「検索品質評価ガイドライン」で定義されている内容を満たしていたり、公的なサイトからの被リンクを受けていたりすると信頼度が高いコンテンツと判断されやすいです。
簡単にE-E-A-Tについてお伝えすると、以下の点を意識するのがおすすめです。
- コンテンツに一定量の経験が織り込まれている
- 実体験をもつ人がコンテンツを作成している
- 専門知識がある分野を扱う
- 誰が書いているのかを明確にする
- 定期的に情報を新しいものへ更新する
- 誤字脱字やリンク切れをなくす
また、上記以外にも、国や自治体などの公的なサイトからのリンクも信頼度を高めるポイントになります。Googleからの評価だけではなく、読んでいる読者もどういった人が書いているのか、この記事は本当に信じても問題ない記事なのかを判断しやすくなるため、上記の点は積極的に満たしていくのがおすすめです。
E-E-A-Tについては、以下の記事にて詳しく紹介しています。
【要素5】検索エンジンに最適化されたサイト構造
コンテンツの質や量だけではなく、サイトの構造も検索結果を決める上で大切な要素です。
例えば、内部リンクがサイトの構造やページ毎の意味と情報を適切に伝える設計になっていれば、同じコンテンツでも検索エンジンがコンテンツが更新されたことを早く認識したり、コンテンツの内容を把握しやすくしたりします。
一方、いくらユーザーの検索ニーズに合ったコンテンツでも、技術的な要件が検索エンジンに最適化されていなければ検索上位を獲得する難易度は上がります。
コンテンツの質とサイト構造などの内部施策は、どちらが欠けてもSEOのパフォーマンスは最大化されないため、どちらもしっかり取り組む必要があります。
以下の記事では、内部リンク設計と内部SEO対策のチェックリストについてまとめています。サイト設計についてより知りたい方は、ぜひご覧ください。
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SEOで評価されにくいコンテンツの要素3つ
ここからは、反対にSEOで評価されにくいコンテンツの要素について紹介します。
それぞれ詳しくお伝えしますので、ぜひご参考にしてください。
【要素1】検索意図に適していない
まずは、検索意図に適していないコンテンツはSEOで評価されにくいです。
例えば、「SEO 内部リンク」の記事に対して、内容が内部リンクの話ではなく被リンクの話だった場合、検索意図に適していないため「SEO 内部リンク」の検索結果で上位に表示することは難しいです。
仮に、検索上位に上がりクリックされても、読者の求める情報ではないため、すぐに離脱されてしまいます。
このように、検索意図に適していないとSEOの観点から見ても読者の立場からしても良い評価はされません。
【要素2】内容が薄すぎる
内容が薄すぎる場合も、SEOで評価されづらい場合があります。
例えば、「SEO」のキーワードで単純にSEOの意味だけを解説したコンテンツの場合、SEOの意味だけを知りたい読者に対しては問題ないですが、SEOの施策を知りたい人には不十分になってしまいます。
「SEO」という抽象的なキーワードの場合、検索しているユーザーの意図は、意味を調べるユーザー以外にもさまざまな意図があることを仮定してニーズを満たすコンテンツにするのが重要です。
ただし、単純な単語など検索キーワードによっては、辞典や翻訳など単語の意味だけを解説したサイトが優先される場合もあるので、検索意図に合わせて必要な内容を満たしたコンテンツを作りましょう。
【要素3】ユーザビリティが優れていない
最後は、ユーザビリティが優れていないコンテンツがあげられます。
ユーザビリティ(使いやすさ)が優れていないコンテンツとは、以下の点が該当します。
- 文章が長く読みづらいまたは、理解しづらい
- 読み込みなどサイトの表示速度が遅く内容が確認できない
- リンク切れを起こしていて他のページへ移動できない
なかでも、サイト自体が重く表示速度が著しく遅いことやリンク切れが多いなどの場合は、Googleの評価に影響しやすい点です。
実際にGoogleのウェブマスター向けガイドラインを確認するとページの読み込み時間を速くすることはウェブ全体の質を向上するとして、表示速度の向上を進めています。
参考:Googleウェブマスター向けガイドライン(Google検索セントラル)
また、Googleが行った調査では、表示速度が遅ければ遅いほどユーザーの離脱率が上がる結果も出ていると発表しています。
参考:Find Out How You Stack Up to New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed(Think with Google)
このことから、ページの表示速度などのユーザビリティをあげることはSEOの観点からみても非常に重要な点といえます。
そのため、検索意図に合ったコンテンツを作成する以外にも、サイトへ訪れた読者が快適にコンテンツを確認できる環境を用意する点もしっかり意識しておきましょう。
SEOについて詳しく知りたい方はこの記事も読んでみてください。
動画でも2023年のSEOを紹介しています!
SEOは文字数よりユーザー目線に合った説明が大事
文字数が多いコンテンツを作成すれば、検索結果の上位を獲得できるわけではありません。
まとめるとコンテンツを作るときには、以下の3つの点に注意することが重要です。
- 検索結果から、ユーザーの検索意図を想定している
- 検索意図に沿ったコンテンツを、根拠を持って十分に説明している
- 検索結果でコンテンツの評価が表れるように、サイト全体の技術要件を整える
また、SEO対策はコンテンツの作成だけではなく、ほかにもさまざまな施策を行う多くの知識が必要です。「自社で行ってみても上手くいかない……」「今必要な施策はこの施策で合っているかわからない」など不安や心配なことがあれば、いつでもナイルへご相談ください。
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