【2024年最新】SEOとは?SEO対策の基本や施策をプロがわかりやすく解説

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【2024年最新】SEOとは?SEO対策の基本や施策をプロがわかりやすく解説
細山 武揚(ほそやま たけあき)

著者情報

コンサルティングユニット|細山 武揚
人材系の支援会社で大規模BPOセンターのマネージャーに従事する傍ら、独学でWEBサイトを運営・グロースさせ独立。独立後は様々な企業様のWEBコンサルタントを経験し、ナイルへ入社。自身のメディア運営経験を活かした、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティングを得意とする。

SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」を意味し、検索エンジンのランキングで上位表示を目指す施策のことです。SEO対策を実施することで、広告に頼ることなく、Googleなどの検索エンジンからの集客を増やし、売上やリード獲得を促進できます。

この記事では、SEO業界に15年以上携わり、2,000社以上の企業を支援してきたナイルの知見をもとに、SEOの基本的な知識や概念から、具体的な施策までを初心者向けに解説します。

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この記事のまとめ

  • SEOとは「検索エンジン最適化」を意味する言葉
  • SEO対策を実施することで、広告に頼らずにWebで集客できる
  • SEOは成果が出るまで時間はかかるが、長期的に利益を生み出してくれる

 

SEO対策とは?

SEO対策とは、検索エンジン最適化施策を意味する言葉です。具体的には、Googleなどの検索エンジンで、自社サイトのコンテンツを検索上位に表示させるための取り組みを指します。

 

SEO対策にはさまざまな手法がありますが、大きくは下記の2つに分類できます。

SEO対策は内部対策と外部対策に分かれていることを表す図 / 特に内部対策はテクニカルSEOとコンテンツSEOに分かれる

 

内部対策 サイト内で実施できる施策の総称。検索エンジンが理解しやすいサイト構造に整える施策や、検索ニーズを満たすコンテンツを制作する施策などがある。
外部対策 外部のサイトに働きかける施策の総称。自社サイトを外部サイトやSNSで取り上げてもらい、信頼性を高める施策などがある。

 

どちらの施策をどのようなバランスで実施すべきかは、集客したいユーザー層や、訴求したいサービスによって変わります。

 

SEO対策を効果的に実施するには、まずはSEOの強みと弱みを正しく理解することが重要です。

特に、広告とSEOにおける役割の違いを理解すると、SEO対策の方針も自然と定まってきます。

 

本章では、SEO対策の軸を決めるために重要となる、SEOの強みと弱みを解説します。

SEOの強み

SEOの最大の強みは、コンテンツが長期的に資産となることです。

広告で継続的に流入を獲得するには、広告を出稿し続ける必要があり、一定の費用が継続的に発生することになります。

 

一方、SEO対策を行って、自社のコンテンツを検索上位に表示させることができれば、費用をかけずに流入を増やすことができます。

SEOはリスティング広告と違い、流用に直積的な費用がかからない

 

そのため、検索上位に表示される期間が長くなるほど、SEOの費用対効果は高くなります。

長期的なスパンで見ると、広告よりも費用対効果が大幅に良くなることも珍しくありません。

 

また、SEOは自社ブランドの認知向上、見込み顧客の育成にも寄与します。

ユーザーの検索ニーズを満たした有益なコンテンツを継続的に発信することで、より多くのユーザーと接点を持つことができます。

 

例えば、職場で着るジャケットを購入するユーザーは、下図のような検索行動を取ることが考えられます。

職場で着るジャケットを購入するユーザーの検索行動

ジャケットを購入する直前に検索する、「ジャケット (ブランド名)」という検索キーワードでは、ファッションECサイトの「ジャケット×ブランド名 商品一覧ページ」が検索上位に表示される可能性が高いです。

▼「ジャケット ユニクロ」の検索結果

「ジャケット ユニクロ」で検索したGoogleの検索結果画面

一方、「ビジネスカジュアルとは」という検索キーワードでは、「ビジネスカジュアルとは何か?」を説明したコンテンツページが検索上位に表示されます。

▼「ビジネスカジュアルとは」の検索結果

「ビジネスカジュアルとは」で検索したGoogleの検索結果画面

また、「ビジネスカジュアル メンズ」では、メンズのコーディネート例を紹介したコンテンツが検索上位に表示されるでしょう。

▼「ビジネスカジュアル メンズ」の検索結果

「ビジネスカジュアル メンズ」で検索したGoogleの検索結果画面

ファッションECサイトを運営する企業であれば、「ビジネスカジュアルとは」「ビジネスカジュアル メンズ」という検索キーワードに対応したコンテンツを作ることで、ジャケットの購入検討に入る前の段階から、ユーザーと接点を持つことができます。

 

このように、SEOはユーザーの潜在的ニーズを捉えて、早い段階から多くの見込み顧客にアプローチすることができます。

SEOの弱み

SEOの弱みは、成果が出るまでに時間がかかることです。

コンテンツを制作してから、すぐに検索上位を獲得することは難しいため、成果が出るまで半年から1年程度はかかると認識しておきましょう。

 

そのため、直近で売上を上げなければならない場合などは、自社コンテンツをすぐに露出できるリスティング広告やSNS広告を検討するべきです。

 

また、購入や契約に繋がりやすい検索キーワードは競争が激しく、サービスの認知度が低い状態では検索上位を獲得することは困難です。

サービスの立ち上げ初期などは、少しでも認知度を上げるために、広告に予算を回したほうがよいでしょう。

 

とはいえ、広告だけに集客を依存すると、広告出稿を止めた瞬間に流入が途絶えてしまうことになります。

短期的には広告に頼りつつ、並行してSEO対策に取り組むことで、継続的かつ安定した流入獲得を目指しましょう。

SEO対策の基本となる検索順位が決まる仕組みを理解しよう

SEOの具体的な施策を説明する前に、GoogleがどうやってWebサイトを認識し、検索順位を決めているのかを理解しましょう。

この検索順位が決まる仕組みは、軽視されがちですが非常に重要です。

 

Googleが検索順位を決める工程は、大きくは以下の3つに分かれます。

Googleが検索順位を決める工程はクロール→インデックス登録→ランキング

 

クロール クローラーと呼ばれるロボットが、Webサイトを巡回し、ページの情報を読み取る。
インデックス登録 クローラーがクロールしたページを、検索エンジンのデータベースに登録する。
ランキング インデックスされたページが、検索エンジンのアルゴリズムに従って分析され、検索順位が決定する。

 

最初に、検索エンジンはサイトを発見し、サイト内のページをクロールして情報を読み取ります。

クロールしたページは、データベースに登録するべきかを判定され、必要と判断されたページはインデックスに登録されます。

クローラー(ロボット)がコンテンツをデータベースに回収する

 

インデックスに登録されたページは、検索エンジンのアルゴリズムで分析・ランク計算され、検索順位が決定します。

検索結果が生成される仕組み

 

この、「クロール」「インデックス登録」「ランキング」の順番と流れをしっかり理解しましょう。

 

そのサイトにマッチした有効なSEO対策を検討するためには、この3つの工程のどこで問題が発生しているのかを把握することが重要です。

 

例えば、サイトの技術的な問題でコンテンツがクロールされていない状態では、いくらコンテンツを改善しても検索結果には表示されません。

 

サイトのページ数が増えて、規模が大きくなるほど、クロールやインデックス登録に問題が発生しやすくなる傾向にあります。

特に、ページ数が膨大になるECサイトやデータベース型サイトは、多くのページにクロールが行き渡らないことが多々あります。

【データベース型サイト】

保有する大量のデータにもとづいてページが自動生成されるサイト。求人サイト、不動産サイトなどが多い

SEO対策を検討する際は、まずは検索エンジンの仕組みに立ち返り、どの工程で問題が発生しているのかを切り分けるようにしましょう。

そうすることで、無駄な施策に時間を取られるリスクを下げることができます。

 

検索エンジンのどの工程で問題が発生しているかを切り分けるには、Googleサーチコンソールを使って確認するのが有効です。

Googleサーチコンソールの使い方は、以下の記事を参考にしてください。

SEOの基礎的な部分を押さえたい!という方には下記の無料資料も用意していますので、ぜひご参考ください。

SEO対策の種類

本章からは、SEO対策の具体的な施策内容について解説します。

SEO対策はさまざまな手法がありますが、大きくは下表の2つに分類されます。

内部対策 サイト内で実施できる施策の総称。検索エンジンが理解しやすいサイト構造に整える施策や、検索ニーズを満たすコンテンツを制作する施策などがある。
外部対策 外部のサイトに働きかける施策の総称。自社サイトを外部サイトやSNSで取り上げてもらい、信頼性を高める施策などがある。

 

内部対策と外部対策を並行して実施することが理想ではありますが、リソースの関係で同時並行させるのは難しいのが実情です。

そこで重要となるのが、施策の優先度決めです。

 

内部対策と外部対策の主な施策内容を把握し、施策ごとに実装難易度と重要度をランク付けするのがおすすめです。

本章では、内部対策と外部対策の概要と、主な施策例を紹介します。

内部対策

SEOの内部対策とは、サイト内で実施できる施策の総称を指します。そして、内部対策は「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」の2つに大別されます。

テクニカルSEO 検索エンジンが、Webサイトの構成やコンテンツを正しく理解できるように、サイトの内部構造を最適化する施策。
コンテンツSEO 質の高いコンテンツを発信し続けることで、検索エンジンからの評価を上げ、集客するための施策。

 

テクニカルSEOは、前述の<検索順位が決まる仕組み>をもとに、クローラーがサイト内を巡回しやすい構造を作り、適切にコンテンツを評価してもらうことを目的とした施策です。

 

代表的な施策例は下表の通りです。

施策例 概要
XMLサイトマップの設置 検索エンジンに、クロールしてほしい重要なページを伝えるファイルを設置する
robots.txtの設置 検索エンジンに、クロールする必要がないディレクトリやページを伝えるファイルを設置する
サイト構造の最適化 トップページから各ページに、3クリック程度で到達できるよう、サイトのカテゴリー構造を整理する
内部リンクの最適化 Webサイト内の関連するコンテンツをリンクで結ぶ
パンくずリストの設置 Webサイトのページ階層をリスト化したナビゲーションを設置する
URLの正規化 内容が重複するページが存在する場合に、どちらかにページを統合する
ページ表示速度の改善 技術的な改善や取り組みで、ページが表示されるまでの時間を短縮する

 

内部施策を実施するにあたり、必ず理解しておきたいポイントは以下の2点です。

  1. クローラーはリンクを辿ってサイトを巡回する
  2. 検索エンジンはリンクが集まっているページを重要ページと判断する傾向にある

サイト内に適切なリンクを張り巡らせることで、クローラーはサイトの隅々まで巡回してくれるようになります。

また、検索エンジンはリンクが集まっているページを重要ページと判断する傾向にあるため、内部リンクを戦略的に構築することで、検索上位に表示したいページの評価を押し上げることができます。

 

一方で、クローラーは無限にページをクロールしてくれるわけではなく、クロール数に上限があります。

そのため、何百万ページもあるような大規模サイトにおいては、robots.txtでクロールする必要がないページをブロックし、クローラーのリソースを節約することも重要になります。

【クロールする必要がないページ】

サイト管理者向けのページ、会員向けのマイページなど

もう1つの施策であるコンテンツSEOは、質の高いコンテンツを発信し続けることで、さまざまなキーワードで検索上位を獲得し、検索エンジン経由の流入を獲得する施策を指します

 

代表的な施策として、自社でオウンドメディアを運営し、幅広いお役立ちコラムを展開する手法などが挙げられます。

【オウンドメディア】

企業が、自社で独自に運営するメディアのこと

コンテンツSEOで重要なことは、ユーザーの検索ニーズを的確にとらえることです。

訴求したいサービスが決まっている場合は、見込み顧客のペルソナカスタマージャーニーマップを作成し、検索行動を予測するのがおすすめです。

▼ターゲットとペルソナ

ターゲットとペルソナの違い。ターゲットは対象の情報粒度が粗く、ペルソナは細かい

 

また、昨今のGoogleの検索アルゴリズムでは、以下の点が重視される傾向にあります。

項目 概要
E-E-A-T 「経験」「専門性」「権威性」「信頼」の4つの要素を表す略語。ページの品質評価では、この4点を満たしているかを重視する
一次情報 「そのページでしか得られない独自の情報」を指す言葉。一次情報が盛り込まれたコンテンツは評価が高くなる傾向にある
情報の鮮度
(フレッシュネス)
最新の情報にアップデートされたコンテンツは評価が高くなる傾向にある

 

特にYMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる、「お金や健康など、人々の生活に大きく影響するジャンル」では、高いE-E-A-Tが求められる傾向にあります。

 

例えば、医療情報に関する記事であれば、専門医が執筆・監修していることを明記するなど、情報の専門性・信頼性を担保していることを明示することが重要です。

昨今では、インターネットが普及したことにより、検索ニーズも多様化しており、コンテンツSEOの難易度は年々上がっています。

 

以下の記事では、コンテンツSEOについてより詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。


外部対策

SEOにおける外部対策とは、外部のWebサイトから自社サイトを取り上げてもらい、信頼性を高める施策を指します。

具体的には、「被リンク」と「サイテーション」を継続的に獲得することが重要です。

項目 概要
被リンク 外部のWebサイトに自社サイトのリンクが掲載されること
サイテーション 外部のWebサイトやSNSに「企業名」「サービス名」などが掲載されること

 

価値の高い論文がさまざまな場所で引用されるように、価値の高いコンテンツも、外部サイトやSNSで紹介されるであろうという考え方から、被リンクやサイテーションはポジティブなシグナルとして評価されます。

 

一方で、昔のように被リンクをかき集めれば評価されるということはなくなりました。

現在の検索アルゴリズムでは、被リンクやサイテーションをどういったサイトから獲得しているのかが重要です。

 

SEOに良い影響を与えるとされている被リンクは、以下のようなものです。

  • 信頼性や権威性の高いサイトに掲載されている
  • 掲載された自社ページと掲載元サイトの関連性が高い
  • 掲載されたリンクを経由し、たくさんのユーザーが自社サイトに流入している

信頼性や権威性が高いサイトというのは、公的機関や大手企業などが例として挙げられます。

自社サービスと関連性の高い大手企業のサイトでリンク掲載されると、質の高い被リンクを獲得したといえるでしょう。

 

一方で、最も価値のある被リンクとは、たくさんのユーザーに利用されるリンクであることを忘れてはいけません。

独自性がある価値の高いコンテンツを制作することで、自然と外部のサイトで紹介され、そのリンクを経由してたくさんのユーザーが流入するのが理想的です。

 

そういった意味では、外部対策は内部対策と密接した関係にあるといえます。

コンテンツSEOと外部対策を掛け合わせて施策検討できると、効率的にサイト評価を高めることができます。

SEO対策はサイトの種類によって変わる

SEO対策は、サイトの種類によって取るべき戦略が大きく変わります。

有効な施策を検討するためには、サイトの種類と特性を正しく理解する必要があります。

 

SEO対策を実施する上で、理解しておきたいサイトの種類は下表の4つです。

サイトの種類 概要
サービスサイト 商品やサービスなど、企業の事業をPRするサイト
オウンドメディア 企業がさまざまな情報を発信するメディアサイト
ECサイト Web上で商品を販売するためのサイト
データベース型サイト 保有する大量のデータにもとづいてページが自動生成されるサイト。求人サイトや不動産サイトが代表例。

 

【memo】

サイトの種類はもっとたくさんありますが、本記事ではSEO対策を実施することが多いサイトに絞って紹介しています。

サービスサイトは、自社の商品やサービスを紹介し、購入やお問い合わせに繋げることを目的としたサイトです。

SEO対策を実施するページは、商品やサービスの紹介ページなどが中心となるため、必然的にコンテンツSEOが主軸となります。

オウンドメディアも、検索ニーズを満たす記事コンテンツが主役となるため、サービスサイトと同様にコンテンツSEOを主軸に進めることになるでしょう。

ただし、サービスサイトとオウンドメディアでは、対策する検索キーワードが異なります。

この違いはファネルで整理するとわかりやすいです。

ユーザーの行動変容と対応するメディア:オウンドメディアは認知~興味、サービスサイトは検討~申込、サービスサイトは継続~紹介、SNS/口コミサイトは発信

 

オウンドメディアは、「認知」「興味」といった購入行動における前半部分を対策するのが主な役割です。

ユーザーの行動変容と対応するメディア:オウンドメディアは認知~興味

対してサービスサイトは、「検討」「申込」などの購入行動の後半部分と、購入後のサポート部分が主な役割になります。

ユーザーの行動変容と対応するメディア:サービスサイトは検討~申込、継続~紹介

それぞれのサイトの役割を理解した上で、コンテンツSEOを実施することが重要です。

役割を整理するためには、カスタマージャーニーマップを作成し、購入行動の全体像を可視化するのがおすすめです。

ECサイトやデータベース型サイトは、保有する大量のデータにもとづいて、ページを自動生成するタイプのサイトです。

▼データベース型サイトのサイト構造

数百万以上のページを保有する大規模サイトも少なくありません。

■各ジャンルの代表的なサイト名とインデックス数

ジャンル 代表的なサイト インデックス数
ECサイト Amazon 約5,330万件(co.jpのみ)
求人サイト タウンワーク 約398万件
不動産サイト SUUMO 約1,370万件
グルメサイト 食べログ 約5,780万件
旅行サイト JTB 約110万件
美容サイト ホットペッパービューティー 約1,580万件

※検索フォームに「site:対象ドメイン」を入力しておおよそのインデックス数を調査

この規模感になると、SEO対策の中心となるのは「テクニカルSEO」です。

クローラーが重要ページを発見しやすいように、XMLサイトマップを設置したり、内部リンクを最適化する必要があります。

 

また、筆者の経験上では、自動生成されるページに技術的な問題があり、主要なページがインデックスされないケースも多いです。

検索エンジンの仕組みに立ち返り、どの工程に問題があるのか見極めた上で、施策を検討することが重要です。


初心者が自分でできるSEO対策 8選

ここまでは、SEO対策の全体像や施策例を紹介してきました。

この章では、初心者の方が自身で実施できるSEO対策を紹介します。

 

初心者でも実施できるものは、基本的に「コンテンツSEO」「外部施策」に関する施策です。

テクニカルSEOは、実装するためにHTMLの知識が必要となるものが多く、自身で実装するのはややハードルが高いです。

SEO対策は内部対策と外部対策に分かれていることを表す図 / 特に内部対策はテクニカルSEOとコンテンツSEOに分かれる

 

対して、コンテンツSEOはWordPressなどのCMSを利用しているサイトであれば、HTMLの知識がなくても実装できる施策が多くあります。

【CMS(Contents Management System)】

コンテンツを管理するためのシステム。HTMLやCSSの知識がなくともコンテンツの管理、編集や公開を行うことができるシステムのこと。

関連記事:CMSとは?CMSの特長と選定のポイントを解説

外部施策に関しても、SNSでの発信など専門的な知識は不要で実施できる施策が多いです。

これからSEO対策を実施していきたいと考えている方は、まずは本章の施策を試してみてください。

キーワード調査

SEO対策の基本であり、最も重要な工程と言っても過言ではないのがキーワード調査です。

SEOで流入を獲得するためには、多くの人の検索ニーズを満たすコンテンツを作る必要があります。

 

コンテンツを作る前の段階で、以下の点をしっかり調査することが重要です。

  1. 自社のサービスを利用するユーザーは、どういった検索ニーズを持っているのか
  2. その検索ニーズを表すキーワードはどれくらいの回数、検索されているのか

ユーザーの検索ニーズを把握するのに有効な手法は、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成し、ユーザー行動を深掘りすることです。

詳しくは下記の記事を参照してください。

ユーザー行動を深掘りして、軸となるキーワードを設定したら、次は軸となるキーワードをもとにサジェストキーワードを洗い出しましょう。

▼Googleの検索画面

Googleの検索画面

 

※サジェストキーワードとは検索エンジンが入力内容に沿って、自動で提案するキーワードのこと

サジェストキーワードの洗い出しでは、「ラッコキーワード」を利用するのがおすすめです。

ラッコキーワードは、軸となるキーワードを入力すると、サジェストキーワードを一括取得できるツールです。

ラッコキーワード

 

サジェストキーワードを洗い出すことで、関連するキーワードを効率的に見つけることができます。

 

サジェストキーワードを洗い出したら、次は検索ボリュームを確認します。

ここでは、Google広告のキーワードプランナーが役に立ちます。

キーワードプランナー

 

キーワードプランナーでは、入力した検索キーワードの月間平均検索ボリュームを確認することができます。

検索ボリュームが多いキーワードは、検索上位を獲得した際に多くの流入が期待できます。

 

キーワードの調査が完了したら、対策するキーワードの優先度を決めましょう。

この際に、安易に検索ボリュームを指標にすることはおすすめしません。

 

おすすめの方法は、自社のサービスと関連性の高いキーワードを選択することです。

自社のサービスと関連性の高いキーワードは、比較的検索上位を獲得しやすい傾向にあります。

タイトルタグのチューニング

タイトルタグとは、そのページのタイトルを表すタグです。

タイトルタグに設定した内容は、高い確率で検索エンジンの検索結果ページに表示されます。

タイトルタグの表示例

 

魅力的なタイトルタグを設定することで、検索順位の向上だけでなく、タイトルのクリック率を引き上げることができます。

タイトルタグをチューニングする際は以下の3点を意識しましょう。

  1. タイトルタグにキーワードを含める
  2. 文字数は30文字以内を目安とする
  3. タイトルだけでコンテンツの内容がわかるようにする

タイトルタグには、上位表示を狙う検索キーワードを入れましょう。

 

以前は冒頭に対策キーワードを含むことが推奨されていましたが、現在の検索エンジンは文脈を理解できるため、そこまで意識する必要はありません。

キーワードを入れたいばかりに、不自然な日本語にならないようにしましょう。

 

また、タイトルの文字数は30文字程度に収めるのが理想的です。

これは、30文字以上になると検索結果に全文が表示されなくなるためです。

30文字を超える場合は、前半の30文字だけ表示されてもコンテンツの内容がわかるように意識しましょう。

メタディスクリプションのチューニング

メタディスクリプションとは、コンテンツの概要を説明するタグです。

メタディスクリプションに設定した内容は、検索エンジンの検索結果ページに表示されることがあります。

メタディスクリプションの表示例

 

メタディスクリプションは、検索順位に直接は影響しません。

しかし、検索結果ページでのクリック率には影響するため、コンテンツの内容がわかる適切な文章を設定するようにしましょう。

 

メタディスクリプションを設定する際に意識したいポイントは、以下の3点です。

  1. コンテンツ内容がわかる文章にする
  2. このコンテンツで得られる情報を明記する
  3. 文字数は80文字以内を目安とする

コンテンツ内容がわかることは大前提ですが、このコンテンツで得られる情報を明記することも重要です。

ユーザーは、自身の悩みが解決できるコンテンツであることがわかれば、高い確率でクリックします。

 

また、検索結果ページに表示される内容は、80文字前後までになることが多いです。

そのため、メタディスクリプションに設定する文章は、80文字以内を目安としましょう。

内部リンクを設置する

コンテンツ内に内部リンクを設置することは、手軽にできる上に効果的なSEO対策です。

関連するコンテンツ同士をリンクで繋ぐことで、クローラーがコンテンツを発見しやすくなります。

内部リンクはクローラーを巡回しやすくする

 

また、内部リンクが集中しているページは、検索エンジンから重要なページと認識されやすい傾向があります。

重要なページは関連するコンテンツだけでなく、トップページやカテゴリーページからもリンクを送りましょう。

 

加えて、グローバルナビゲーション、サイドバー、フッターといった共通パーツに掲載するリンクも、重要ページが含まれるように見直しましょう。

相談室の内部リンク:グローバルナビゲーション、サイトバー、フッター

 

1点気を付けていただきたいのは、不自然な形でリンクを掲載しないことです。

特定ページにリンクを集めるために、コンテンツの内容と関係がないリンクを設置するのは逆効果です。

 

自然な文脈で、ユーザーにとっても価値のあるリンクを設置することがポイントであることは覚えておきましょう。

E-E-A-Tを意識する

E-E-A-Tとは、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の4つの要素を表す略語であり、Googleがサイトの品質を評価するために設けている、「検索品質評価ガイドライン」で明記されている概念です。

 

E-E-A-Tの重要性を理解するために、医療に関する情報について解説したページの評価基準を考えてみましょう。

医療に関する情報は、人の命に影響する極めて重要な情報です。

自身で医療に関する情報を調べる際は、以下の点を重視するのではないでしょうか。

  • コンテンツを掲載しているサイトの信頼性
  • 執筆・監修している人の経験、専門性
  • 引用されている情報の権威性

具体的には、病院が運営しているサイトや、専門医が執筆・監修しているコンテンツを探すはずです。

Googleも同様に、情報発信者の経験、専門性、権威性、信頼性を重視しています。

 

逆にいえば、サイト運営者は以下の点を明示することで、ユーザーからの信頼を得られる可能性が高まります。

  • 運営会社情報、執筆者、監修者などのプロフィール
  • 情報源(ソース)の引用元
  • 経験にもとづく、独自の視点や見解

また、発信する内容によって、求められるE-E-A-Tが変わることにも留意しましょう。

医療情報では、執筆者の職業や経歴が重視されますが、一般的な商品の口コミでは、実際に商品を使った経験が重視される傾向にあります。

 

コンテンツの内容に適したE-E-A-Tを明示することで、ユーザーと検索エンジン双方の評価を高めることができます。

定期的にリライトする

リライトとは、既に公開しているコンテンツを修正し、改善することです。

昨今の検索アルゴリズムは情報の鮮度を重視する傾向にあるため、定期的にコンテンツを見直し、最新の情報に保つことで検索順位の向上が期待できます。

 

また、特定の検索キーワードを狙ってコンテンツを作ってみると、思わぬところに大きな需要があることに気づくケースも多いです。

定期的に制作したコンテンツを効果測定するようにしましょう。

 

リライトするコンテンツを決める際は、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールで各種指標を確認します。

ツール 概要
Googleアナリティクス 各ページのアクセス数、コンバージョン数などを計測、分析できる無料ツール
Googleサーチコンソール Google検索におけるキーワード別の検索順位、クリック数などを確認することができる無料ツール

 

ここで、優先してリライトしたいコンテンツは、以下の2点に該当するものです。

  1. 対策キーワードの検索順位が11位~30位
  2. 申込などのコンバージョンが発生しているコンテンツ

対策キーワードで11位から30位程度にランクインしている記事は、リライトすることで10位以内を狙える可能性が高いです。

 

特に、申込などのコンバージョンが発生しているコンテンツは、順位が少し上がるだけで大きな成果に繋がる可能性があるため、優先的にリライトしていきたいところです。

 

リライトの際に具体的に見るべきポイントは、以下のYouTubeや記事で解説していますので参考にしてください。

 

被リンクを獲得する

被リンクとは、外部のWebサイトに自社サイトのリンクが掲載されることです。

 

ユーザーから見て価値のあるコンテンツは、多くのサイトで引用されるという考えから、継続的な被リンク獲得はSEOにおいてプラスに評価される傾向にあります。

 

外部のサイトにリンクを掲載してもらうことは、一見ハードルが高そうですが、以下のようなコンテンツは被リンクを獲得しやすいです。

  • アンケート調査など、独自のデータを発信したコンテンツ
  • サービスの導入事例など、顧客の生の声を掲載したコンテンツ
  • 一目で内容が理解できる図解など、魅力的な画像

ポイントは、そのページでしか得られない独自の情報が掲載されていることです。

 

独自性の高いエビデンスは、さまざまなサイトで引用されるため、継続的な被リンク獲得に寄与します。

また、複雑な内容を一目で理解できるように整理した図解は、SNSで引用されやすいです。

 

一方、こうした有益なコンテンツは、著作権侵害を受けやすいため利用規約やガイドラインで引用ルールを定めておくことも重要です。

知名度向上につながる活動を行う

自社サイトの評価を高めるには、SNS、YouTube、セミナーなど、さまざまなチャネルで情報発信することが重要です。

多くのチャネルで露出を増やすことは、新しいユーザー層の獲得に繋がります。

 

セミナーのようなオフラインイベントは、一見SEOには関係ないと思われがちですが、セミナー終了後にSNSで言及されたり、自社サイトを検索してもらえることがあります。

こういった行動は、SEOの面でもプラスの評価になります。

 

SEO対策のノウハウは下記の無料資料でも解説しています。

ぜひ併せてご覧ください。

SEO対策を外部に依頼する際の費用とポイント

SEO対策は、自身で実施することもできますが、専門の会社に依頼することも有効な選択肢です。

専門家の協力を仰ぐことで、自社サイトの状態を正確に把握し、課題に対して的確な施策を実施することができます。

 

また、SEO対策を外部に依頼することで、自社のメンバーは社内のコアな業務にリソースを集中できます。

本章では、SEO対策を外部に依頼する際の費用感や、依頼する会社を選ぶ際のポイントを解説します。

SEO対策にかかる費用

依頼する内容 費用の相場
総合型のSEOコンサルティング 月額 10~80万円程度
SEOの戦略設計コンサルティング 月額 10~100万円程度
コンテンツSEO対策 月額 5~30万円程度
テクニカルSEO対策 単発 10~50万円程度
外部SEO対策 1~15万円程度
※月額の場合と成果報酬型の場合がある

※2024年8月ナイル調べ

SEO対策にかかる費用は、依頼する内容によって変わりますが、おおよそは上表の通りです。

 

総合型のSEOコンサルティングは、サイト分析・競合調査から戦略の策定、施策の立案までを総合的に支援するものです。

企業によっては、コンテンツ制作を範囲に含める場合もあります。

 

対して、SEOの戦略設計コンサルティングは、サイトの立ち上げやリニューアルに際して業界分析・競合調査を行い、新サイトの戦略を設計するサービスです。

 

支援を依頼したい範囲が決まっている場合は、具体的な施策内容を指定して依頼することも可能です。

それぞれのサービス内容についての詳細は、以下の記事で細かく解説しています。併せて参考にしてください。

SEO会社を選ぶ際のポイント

SEO対策を依頼する際に最も難しいのが、自社に適したSEO会社を選ぶことです。

昨今では非常に多くの会社がSEOを支援しており、得意分野も会社によって異なります。

 

SEO会社を選ぶ際は、サービス内容や価格だけを見るのではなく、以下の2点をチェックしましょう。

  • 各業界での支援実績
  • 自社運営メディアのコンテンツ品質

多くのSEO会社は、公式サイトに実績や成功事例を掲載しています。

掲載されている事例の中に、自社と同じ業界や業種の実績があるか確認することで、その領域での専門性を測ることができます。

関連記事:ナイルの事例紹介

 

また、SEO会社は自社でオウンドメディアを運営していることが多いです。

運営メディアのコンテンツを確認することで、事前に品質をチェックすることができます。

 

上記の2点を確認し、候補がある程度絞れたら、実際に相談してみましょう。

相談する際は、「大まかな目標」「予算」「依頼したい内容」を事前に整理しておくとよいでしょう。

 

その上で、提案の具体性やコミュニケーションの取りやすさなどを勘案し、依頼する会社を決定しましょう。

ナイルのSEO対策支援事例

最後に、ナイルにSEO対策の支援をご依頼いただき、成功した事例をご紹介します。

 

ナイルでは、SEO業界に15年以上携わり、2,000社以上の企業を支援してきた実績をもとに、最適な施策をご提案いたします。

SEOに関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

ローンチから2年で月間100万セッション獲得 | 株式会社トライアルカンパニー様

株式会社トライアルカンパニー

 

最初に紹介する事例は、オウンドメディア「トライアルマガジン」を運営する、株式会社トライアルカンパニー様です。

SEOに取り組む以前はチラシをメインに情報発信を行っており、新聞の購読数が減っていく中で、自社商品の情報をより多くの方に届けられるように、オウンドメディアを新たに立ち上げました。

 

オウンドメディアの立ち上げに際しては、店舗で買い物をしているユーザーの動向や競合メディアの状況を調査し、メディアの目的とコンセプトを決定。

その上で、トライアルへの来店のきっかけとなるコンテンツを優先的に制作しました。

 

新規コンテンツを継続的に増やしつつ、既存コンテンツの見直しにも着手した結果、ローンチから2年で月間100万セッションを獲得

これまで接点が少なかった、20〜40代のユーザーにもアプローチできています。

SEO / CRO / 広告運用でCV数2.6倍 | 株式会社スクロール360様

株式会社スクロール360

 

次に紹介する事例は、2022年12月よりナイルとのSEO・CRO・広告運用の取り組みをスタートした株式会社スクロール360様です。

 

スクロール360様が運営されている「360通販note」は、記事制作や広告運用などを自社で実施されていましたが、社内のリソース不足で伸び悩んでいる状態であったため、弊社にご依頼いただきました。

初期調査を進めると、以下2つの傾向が見えてきました。

  1. 広告ありきでコンバージョンを獲得しているサイト
  2. スクロール360様を認知しているユーザーのコンバージョンが大半を占める

そこで、自然検索から流入したユーザーのコンバージョンを増やすべく、「既存コンテンツのリライト」「内部リンクの改善」「認知向上を目指すコンテンツの作成」に着手しました。

 

結果として、狙った検索キーワードでの上位獲得を実現し、セッション数は約9倍、コンバージョン数は2.6倍に増加しました。

正しい知識を身につけてSEOで成果を出そう

ここまで、SEOの基本的な概念から代表的な施策の内容までを解説しました。

SEOに関する環境は毎年変化しており、求められる要件や知識も時代に合わせて変わり続けています。

 

一方、Googleの理念として一貫しているのは「ユーザーファースト」であり、ユーザーに価値を提供できるコンテンツを作ることが、最も有効なSEO対策であることは変わりません。

 

小手先の手法に頼るのではなく、ユーザーの検索ニーズをしっかり把握し、悩みを解決できるコンテンツを作ることを意識しましょう。

また、Googleなどの検索エンジンがコンテンツを正しく認識できるように、サイト内部の構造を整理することも忘れないようにしましょう。

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編集者情報

金子 光(かねこ ひかる)
金子光

新卒で楽天グループ株式会社に入社。営業管理として40人規模のチームをマネジメント。その後社員3人のベンチャー企業に入社し新規事業立ち上げを経験。現在はナイルのSEO相談室編集長として、Webマーケティングに従事している。

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