「SEOに優れたサイト」と、「上手なSEOを行っているサイト」は全然違うという話
※本記事は、2014年に執筆した記事です。
土居です。今月は色々あって(ないですけど)更新が滞っておりました。
さて突然ですが、自社で運営しているApplivっていうメディアがありまして。2012年のリリースから2年もたち(マジか)、少しずつ知名度が出て参りまして、一般ユーザー以外でもアプリ業界の方々とSEOに関する方々にもたまに見てもらう機会はあるのではないかなと思います。
それなりにランキングも付いているように見えるからか「ApplivのSEO良いですね」的なことを言われるケースも出てきておりまして、それについて色々思うところを書きます。
目次
ApplivのSEOって普通のことをやってるだけ
結論としては、自分が言うのもなんですけど、ていうかDVD売ったりしていながらアレ(現在完売)なんですけど、そんな特別優れているわけじゃないですよ。むしろ「特別なことをやらなくてもできるSEO」を一生懸命やってきたつもりです。
もちろんその分、参考にして頂けることもそれなりにはあるとは思っておりますが「SEOに優れているサイトの代名詞」とは程遠いものという認識でいます。
誤解を生まないために:SEOは上手にできてると思います
誤解を生みそうなので予め弁解しておくと、あのサイトのSEOはうまい事やっているほうだと思っていますし、今のところ、自然検索トラフィックを中心にPVも収益も良い感じに伸びています。検索結果においても全体的には良いポジションです。
少なくともはアプリ系の検索ではおそらく国内ではかなり高いポジションにいるサイトの1つだと思いますし、日常的にアプリを検索サービスを使って探す方には高確率で見てもらえる機会があるサイトだとは思います。
※参考:2014年時点でのメインワード群の順位
SEOが上手い、とSEOに優れている、というのはちょっと違う
しかし「SEOをうまい事やってる」のと「SEOに優れている」というのは個人的には別ものだと思っておりまして、今のApplivの場合は前者という感じなのですね。
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ApplivのSEOの核となっているもの
今のApplivのSEOの核は、「スマホアプリの情報を網羅して、探しやすいように整理して掲載する」ことです。逆に言えば大半の検索トラフィックはこれを日々繰り返しているだけで獲得しているものとも言えます。
あとはクローラビリティだとか内部リンクだとかっていうところとか、あとはテンプレート毎にどうテキスト吐くかとかそのくらいで、サイトのSEO要件のお話ですので決して”核”ではありません。
“機能”や”特徴”は何の差別化でもない
ここがけっこう勘違いされがちなのですが。
カテゴリ切り分けてる、内部リンク頑張ってるとかを挙げる方もいらっしゃるかと思いますがそれはぶっちゃけやろうと思えば誰でもできるので何の差別化でもなく、サイトの仕様です。
それらはSEOやユーザビリティといった点で良いこともあるのかもしれませんが、他に真似できない強みかと言われれば決してそうではありません。それは強みでも差別化でもありません。
ApplivのSEOにおける強みって?
現時点評価では、これまでの運用実績がほぼ全てだと思います。
- 社内のライターさんや編集スタッフが頑張ってレビューコンテンツをためてきたこと
- レビューを掲載して紹介していく中で多くのアプリ開発者さんや広告代理店さん、メディアさんとのアカウントを築けたこと
- 彼らと関係を築いていく過程で数多くのリンクをもらえてきたこと。
- 次第に一般ユーザーに知ってもらう機会も増えて、少しずつサイトの認知が広まってきたこと
- 結果として定常的に自然リンクを集められるサイトになったこと
このように、企画や運営の地道な活動に、いわゆる検索エンジン最適化の視点をアドオンしたオペレーションを取り入れることで、初めてSEOの有機的なサイクルが回っているのですね。
参考:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します
これは「SEOのやり方を知っている」だけでは同じことは出来ないことだと思うのでその辺のSEO屋さんで同じことやろうとしてもそんなに簡単にはできないでしょう。
ここの部分がうちの媒体の今のところの強みというか、同じことやろうとした人が簡単にマネできない点であって、それはSEOの最新テクニックとかなんとか言われるような胡散臭いものでは決してありません。
検索エンジンの仕様を根拠にサイト運営しない
繰り返しですがSEOに強いメディア、というのを事業にしているのではなくて、事業を営む上で行われる様々な活動の中にSEOの戦略を組み込むことによって、それが結果的に検索トラフィックに転換されるように設計しているのです。インハウスSEOの基本はここにあると思います。
一昔前「SEOしないことがSEO」という禅問答のようなフレーズがちょっと流行りましたが、「検索エンジンの今の仕組みをサイト運営の根拠にしない」はやっぱり大切です。その上でもちろんSEOはちゃんとしますけど。
事業としてSEOに注力するのであればこうしたことは常に念頭においておきたいものです。
「独自の付加価値を持った情報」が重要な理由
よく言われる話ですが、「独自の情報」と「独自の付加価値を持った情報」は異なります。前者はただ独自性があるだけですが、後者はそれがどれだけ良いものなのですか、ということです。
Googleのような検索サービスはもともとユーザーが(自分にとって価値ある)情報を発見するために利用されるサービスです。
もちろん現時点では、独自の情報を持たないWebサイトこそ検索結果からおおよそ姿を消しつつありますが、一方で本当に価値のある情報を持っているWebサイトが必ずしも優先表示されるような性能では今のところありません。
しかし、Googleの性能が向上すればするほど、ユーザーは求める情報にダイレクトに辿り着ける確率が高くなるはずです。
従って「情報を見つけるためのサイト」の色が強いサイトは将来的にはGoogleの検索結果における価値を失っていくことになり、その一方で、独自の付加価値を持つ情報を多く保有するサイトこそSEOにおける優位性を獲得してくるようになるでしょう。
今すぐの話では到底なさそうですが、そう遠くない将来、ここから何もしなければApplivも他人ごとではありませんし、他の縦型検索系媒体も同じような課題に直面することになると思います。
参考:UIやユーザビリティという問題とSEOは「別物」として切り離して考える
「検索結果に優先表示される理由」を持っているサイトこそ、SEOに優れているサイトだと思う
結論というか、今回の記事で言いたいことはここで、皆さんに強く意識されたいポイントです。
今は何かしらの方法で大量のデータを集めて、それらをコンテンツとして一度にWebに公開してインデックスさせることが比較的容易にできてしまう時代です。
それを分かりやすく整理して掲載してあげることで、それらしきサイトの体裁が成り立ちます。テーマにもよりますが、その上である程度のプロモーションを行っていけばそうしたページが検索にヒットすることも出てくるでしょう。
でもそれでは決して十分ではないはずです。何故ならばそのサイトは「多くのコンテンツをWebに掲載している」だけで、「自分たちで価値ある情報を生み出している」わけではないためです。
それであれば「他のサイトで良いじゃない」とか「Googleが検索結果で直接提示してあげれば良いじゃない」ってことになってしまいますね。検索結果にそのサイトが提示されなくても困る人はほとんどいないでしょうし。
結論としては、検索結果に他のサイトより優先して表示される理由を生み出すこと、それがSEOの基本であり、同時に奥義となり得ると思っております。そういう理由をたくさん有しているサイトこそ、「SEOに優れたサイト」と言えるのではないでしょうか。
もちろんまだまだテクニカルな対処で改善させられることはたくさんあるのですけど、SEOのテクニックというのは、あくまでも保有している情報の価値が前提にあって、それを最大限活かすためのテクニックですので。
参考:「SEOノウハウ」って何だろうね、という話
まとめ
とりあえず今後Applivはどのような施策を打つのですか、ということについては僕がここで語ることではないので割愛しますけど、まぁ色々試行錯誤しながらきちんと今よりも独自の価値を持つサービスとして成長できるように頑張っていっている感じです(多分)。
少なくとも「検索したらよく見かけるサイトを作る」をゴールにするつもりはありませんので、そのあたりは是非温かく見守っていて頂けると幸いです。
(勝手に色々話しましたけどまぁ外からみて分かる人には分かってる情報だと思いますので大丈夫でしょう。)
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