SEOで本当によく見る”もったいない”内部リンク設計
SEOといえばコンテンツや外部リンクの話はしょっちゅう出てくるものの、内部リンクをどう作るかという話はあまり出てこないな、という気がしています。今回は実はとても大切な内部リンクの、よくありがちなミスとその対策について見ていきたいと思います。
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目次
内部リンクの作り方は大事なのにあまり話題にならない
最近良く、SEOでリンク買うのはダメ→良いコンテンツを作ればいいんだ!という論調の記事を見かけることがありますが、ただコンテンツを充実させればいいというわけではありません。
もし良いコンテンツがあって多くのリンクを集めていたとしても、それを検索エンジンが正しく評価できる設計でサイトが作られていなければ、十分にSEOの効果が発揮されない場合も多くあります。
逆にいえば、ある程度の地盤となるコンテンツやリンクといったSEOの資産があれば、テクニカルな改善によってパフォーマンスは大きく向上します。
その重要な技術のひとつが内部リンクの構築方法です。ユーザーにとって内部リンクはページからページヘ快適に移動するための手段でありナビゲーションですが、SEOの観点からすると
- クローラーがサイト内を巡回するための経路
- サイトの構造やページ毎の意味情報を伝える手段
などの役割を果たします。
検索エンジンはページ内にあるリンクのURLを読み取ってクロール対象を決定します。また、内部リンクも外部リンクと同様、より多くのリンクが集まっているページが評価される仕組みになっています。
サイト内で適切にリンクの受け渡しを行い、重要なページに評価を集めるという施策を行うのは基本なのですが、意外とこのあたりのことをしっかり考えて作られているサイトはそこまで多くないように思います。
この記事では、内部リンクに関して良くみられる、適切とは言えない実装について解説します。
SEOでよく見る”もったいない”内部リンクの事例
現場でよくあるケースとしてはこういうのでしょうか。
- 重要なコンテンツがクロールされにくくなっている
- 検索結果に表示させる必要のないページが大量にインデックス対象になっている
- 重要なページにリンクが集められていない
- アンカーテキストにキーワードが含まれない
- 正規のURLにリンクされていない
以下、順番に見て行きます。
重要なコンテンツがクロールされにくくなっている
例えば、求人検索や物件検索、ホテルの予約などを行うサイトでよくありがちなのがこのパターンです。
検索エンジンは、HTML上にURLが記載され、aタグでリンクされているものはクロールの対象としてページランクを受け渡しますが、Javascriptで構築されたリンクやフォーム形式で取得するコンテンツを必ずしも正しく処理できるとは限りません。
トップページにフォームがポンとおいてあり、ユーザーはそこから目的のページを探せるけれど、静的なリンク(aタグで記述されたリンク)が設置されていないがために検索エンジンはその先のページを上手く把握できないようになっているサイトが多くあります。
※静的なリンクはないけどユーザーはコンテンツを見つけられる形式の例
Javascriptやフォーム形式が悪いということではなく、それだけでは検索エンジン最適化としては不十分ということです。検索流入口としたい(orなり得る)ページを正しくクロール・インデックスしてもらうには、aタグでのリンクをきちんと設置する必要があります。
※検索エンジンもユーザーもコンテンツを見つけられる形式の例
※Javascriptやフォームのような形式であってもクローラーがユーザーに近しい動きをし、情報を取得するようにはなっていますが、それは「可能である」ということであって「何も問題がない」ということでは決してありません。この辺りは勘違いされている方が多いポイントですのでご注意ください。
検索結果に表示させる必要のないページが大量にインデックス対象になっている
サイト内のリンクを重要度の低いページにばかり流してしまっている、そもそも必要の無いページをクロールさせたりインデックスさせる要因になってしまっているという課題です。
様々パターンはあるのですが、制作担当者が良かれと思ってやっているのが裏目に出てしまっている例としてよく見るのが、インデックス数を増やすために細かくカテゴリを分けすぎている、などです。
例えば、検索できる求人ページが500あったとして、それを見つけるのに5000個のカテゴリはいらないわけですよね。一概には言えませんが、かなり細かく分けても数百もあれば検索条件としては十分なはずです(それで賄えないものはフリーワードなり他の探し方で補うなどが出来るはず)。
かつては、「インデックスされているページが多いほどSEOには良い」という理屈が実際に成り立ってしまっていた側面があり、その名残でとにかくページを増やすためだけに不要な(中身もなく、検索されることもないし、ユーザーも使用しないような)カテゴリを機械的に作りまくっている、というサイトを見かけます。
“コンテンツの品質”が評価として重要度を増して以降、こうしたほぼ存在意義を持たないページが量産されているようなサイトは検索結果で露出されにくくなっており、インデックスを整理するという意味でも内部リンクのコントロールは重要になっています。
重要なページにリンクを集められていない
先のパターンと表裏一体ではありますが、今度は上位表示されるべきページに対してリンクが集められていないというパターンです。
例えば、パンくずリストひとつを取り上げてみても、末端の詳細ページからいきなりトップページに戻ってしまっていて、SEOにとって重要な中間のカテゴリページにリンクが渡っていないというサイトはよくありますね。
パンくずリストはサイトの構造を検索エンジンが理解するためにシグナルとして使われる要素でもありますので、単に上位ページに戻れるという仕組みだけではなく、サイトの構造やコンテンツの従属関係を正しく伝えられなければなりません。
パンくずリストに限らず、図の良くない例のように重要なページに下位ページからリンクが返されていない場合、複合キーワードとしてヒットしてほしい重要なキーワードでの評価を高められないため、露出の可能性が大きく下がってしまいます。
ここでも、サイト設計の段階でSEOを考慮しなければ修正がなかなか大変な場合も多いです。
アンカーテキストにキーワードが含まれない
アンカーテキストのキーワードマッチという点で言えばSEO上の重要度は以前よりも下がっているとは言え、特に理由がなければアンカーテキストは極力リンク先のページが何のページかが分かるように記述するべきです。
画像でリンクする場合にはalt属性に代替テキストを記述しなければなりませんが、その場合「画像を外してページを見た場合にどういうテキストでリンクされているか」を考えて代替テキストを作ります。
正規のURLにリンクされていない
www.の有無や拡張子(index.html)やスラッシュ有無など基本的なURL正規化の処理は行われているのに、そのページに対するリンクは正規URLに向けられていないというケースもよく遭遇します。
余計なリダイレクトを挟むことはユーザーにも負担をかけSEO上もプラスにはなりませんので、面倒でもリンク先URLは書き換えておくべきです。
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まとめ
以上、SEO実務上よく出会う不適切な内部リンクのパターンをピックアップしてみました。どれも基礎的なお話でしかありませんが、こんなの全て完璧にできているよ、というサイトのほうが少ないのではないでしょうか。
こういったものは、必ずしも技術的に難易度が高いというものではなく、「知っていればそうしていたけど、特に気にしてなかったからそうしなかった」という理由で不適切な実装をされているケースが大半だと認識していますので、それは単純にもったいないですよね。MOTTAINAI。
とはいえ、規模が大きくなりサイトが複雑になればなるほど面倒なことが多いですし、どのページをインデックス対象にするか、どの部分を重要なページとみなしリンクを配分するかなどはサイトによって大きく変わってきますし、一概に「正解」を定義することはできません。
こういったところの微妙なニュアンスなどもセミナー等でコミュニケーションする中で知ってもらおうというような活動もやってます。こういうノウハウ系の記事もちょこちょこと更新していけるよう頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします。
ナイル株式会社 實川 節朗
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