スマートフォン版サイトがないのにスマホとPCで検索順位が全然違う、という事例を調べてみた

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スマートフォン版サイトがないのにスマホとPCで検索順位が全然違う、という事例を調べてみた
土居 健太郎(どい けんたろう)

著者情報

取締役 人事本部 本部長|土居 健太郎
2009年入社。SEO事業責任者、メディア責任者を経て2019年より人事本部を立ち上げ今に至る。著書に「10年つかえるSEOの基本」がある。

※本記事は、2013年公開当時の情報を基にした記事です。

6月に、「スマートフォンユーザーにとって著しくユーザーエクスペリエンスを損ねるような実装をしている場合、スマートフォン検索においてのみランキングを下げることがある」というような話題がありました。

※参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ: スマートフォン向け検索でのランキングの変更について

先日、うちのメンバーに頼まれてあるクライアント様のサイトを調査してみたところ、それに近い話題で、ただちょっと特殊っぽい事例にあたりましたので紹介しておきます。

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結論:スマホでは普通に見れるけどGooglebot-Mobileには不適切な転送設定されていた

ざっくり言いますと、「通常のスマホブラウザでは問題なくレスポンスが返されてサイトが閲覧できるのに、スマートフォンのUAを持ったGooglebot-Mobileに不適切なリダイレクト、具体的には『全てTOPページへ転送』のような設定がされていた」という状態でした。

と言われても何のこっちゃピンと来ないという方も多いと思いますので簡単に解説していきます。

解説

まず状況としては、

  • 少し前からスマホ検索でのみ検索結果に表示されなくなった
  • でもスマホサイトもないし、スマホでの閲覧も問題なく出来る
  • 変なリダイレクトがかかってたりする様子もない
  • PCサイトでは問題なく検索トラフィック伸びてるのにスマホだけ激減してる

という感じで、最初は検索結果のバグかテストか何かかな?とも思ったのですが、それなりの期間そういう状態だったのでそういうわけでもなく、何かしら致命的な問題があるはずと思って改めて調べてみたわけですがしばらくの間は良く分からんという感じでした。

ようやく思い立ってFetch as Googleで投げてみた

ちなみにFetch as Googleって何、という人のために言うと、「Googlebotがどういう風に情報を取得しているのかを確認できる、ウェブマスターツールの機能」です。こんな感じです。

ウェブマスターツール左メニュー「クロール」から「Fetch as Google」の機能を選び、URLを指定してクローラの種類を指定する
こんな風にURLとクローラーを指定すると、

Googlebotが受け取る情報がそのまま表示される
こんな風にクローラーが受け取る情報を表示してくれます。(↑はテストなので気にしないで下さい)

さて話を戻しますが、ChromeでUAとかいじくりながら色んなUAでアクセスしてみても全部通常に見れて、冒頭の記事にあるように「スマホ閲覧に苦しいくらい表示が遅い」なんてこともないし、何だろうなあと思いながら色々見てたのですが、「あ、Googlebotで見てない」と気付いてウェブマスターツールでFetch as Googleで投げたんですね。

そうしたら案の定、スマホUAを持ったGooglebot-Mobileでアクセスすると「リダイレクトループになる」とか「全てのURLがTOPページにリダイレクトされる」的な感じになっていました。Fetch as Googleで取得した情報は以下のようなものでした。

HTTP/1.1 302 Found
Date: Wed, 13 Nov 2013 11:36:07 GMT
Server: Apache
Location: http://www.**********.jp/
Keep-Alive: timeout=15, max=99
Connection: Keep-Alive
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: text/html; charset=iso-8859-1

<!DOCTYPE HTML PUBLIC “-//IETF//DTD HTML 2.0//EN”>
<HTML><HEAD>
<TITLE>302 Found</TITLE>
</HEAD><BODY>
<H1>Found</H1>
The document has moved <A HREF=”http://www.***********.jp/”>here</A>.<P>
</BODY></HTML>

※この辺りの見方についてはHTTPステータスコードについての記事を参考にしていただければと。

まとめ

「スマホ版のサイトを持ってないなら、変な仕様になってスマホ検索結果で変な結果になることはないはずなんだけどなあ」というところでちょっと先入観ありましたがあくまで情報を取得してるのはGoogleのクローラーなのですからそちらでチェックしないといけないですね。

あまり汎用的ではない話題だと思いますが、ここ最近だけでも数回、スマートフォン検索での検索結果が下がった、などの相談を頂きましたが、どれも不適切なリダイレクトなどの初歩的な設計ミスが何かしら発生しているという状態でした。

そもそも冒頭にあるような話題をキャッチアップしていなかった人は必ず知っておくべき事項ですし、こういう細かな設定ミスでもトラフィックに重大な影響を与える可能性もあるということで、きちんと予備知識として再確認をしておけると良いですね。

※追記※ 11/21

11月15日(金)にこのリダイレクトミスを修正した結果、20日(水)時点でスマートフォン検索のランキングが正常に戻りトラフィックも回復していることを確認いたしました。Googleのインデックスへの反映にはそこまで時間はかからないようですね。

ナイル株式会社 土居

 

こちらの記事も参考にご覧ください。

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編集者情報

ナイル編集部
ナイル編集部

2007年に創業し、約15年間で累計2,000社以上の会社にマーケティング支援を行う。また、会社としても様々な本を出版しており、業界へのノウハウ浸透に貢献している。(実績・事例はこちら

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