ブログを更新することで得られたメリットと、逆に大変だと思っていること
※本記事は、2014年に執筆した記事です。
土居です。2014年に入って、特に3月くらいから割とまじめにこのブログを更新しています。
目的はいくつかありますが、色んな人にこのサイトとかうちの会社のことを知ってほしいとかいうこともありますし、もちろんサービスに関する問い合わせとか個別の相談とかが増えれば嬉しいなとも思っています。トラフィックを増やすとかSEOを強化するとかいうのももちろん狙いには入ります。
あとコンテンツ大事ですよという提案してる身ですので自分たちが最低限は実践してそれなりの結果を見せていないと説得力がないよなというのもちょっとあります。
あとは、「ああこの会社はこういう感じでSEOやってるのね」という印象を持ってほしいというのがあります。少なくとも「どんな依頼内容、どんな条件でも喜んでお受けします!」とはいきませんので、ある程度は自分たちの特徴を知ってもらえると良いことがたくさんあります。
ということで、色々とメリットはありますが、一方でそんなに「みんなとにかく書いたらいいよ!」とは決して思っていません。ということで「ブログ論」みたいでどうかなとも思いましたがブログ論にならないようにこのあたりまとめてみました。
集客・コンバージョン数を増やしたい方へ
目次
ブログを書くことでメリットと感じていること
もちろんSEOとかWebとか企業向け、っていう条件に依存する部分も大きいのですが、半分くらいは汎用的に参考にできる内容ではないかと思います。
トラフィックが増えて知ってもらえる機会が増える
まあ、これはもう言うまでもなく、というか記事を作って告知すれば人が見に来てくれますし、検索エンジンに認識されれば検索結果にも表示されるようになりますし、何にしてもトラフィックが増えます。
そして、トラフィックが増えるということはリンクやシェアも得られる可能性が増えます。誰も見てくれないコンテンツは誰からもリンクもシェアもされません。
言いかえればトラフィックが増えたら増えた分だけ、検索やらソーシャルやら色んなところからトラフィックが更に増えやすくなるということです。リンクが増えればリンクを通じたトラフィックも得られます。という正のサイクルが出来ますので通常ではトラフィックが増えることのデメリットは特にありませんね。
コンテンツを公開していくことでの直接的に最も分かりやすい成果地点はここです。実際にはブログ含めて月10~15くらい(3月以前は月2~5くらい)の地味なコンテンツ更新ですがトラフィックはこんな感じでちょっとずーーつ伸びております。
数字は自慢できるほどの規模ではありませんので内緒にしておきますが、更新を頑張り出した3月以降は検索トラフィックも検索以外トラフィックも増えていることはなんとなく分かっていただけるかと思います。
問い合わせとかセミナー参加が増える
トラフィックが増えるので、集まるユーザーが自社のターゲットと大きくズレていなければ、当然何かしらより深い接触を持つ機会も増えます。具体的にはうちで言えば、SEOのお仕事の相談とかセミナーへの参加とかです。
ここが少しずつでも目に見えて増えてくると、ビジネスインパクトという大義名分だけではなく単純なモチベーションの維持と会社として一定のコストを割く根拠付けになります。
ブログ更新においては「どういう記事が人気が出てPVを稼げるか、バズらせられるか」ではなくて「自分のサイトを見に来てほしいと思う人たちが日常的に調べそうな話題、あるいは今まさに困っていそうなこと」にスポットを当てて情報を更新していくのがおそらく誰にでも出来て、ターゲットとしたいユーザー層にリーチできて、しかも効果に繋げられる考え方です。
前者は慣れとかセンスとかにも依存する部分が多いと思いますが、後者は実際にお客さんと触れ合う機会が多い人であれば、時間さえ取れれば絶対無理!ってことはないでしょう。
僕は派手なコンテンツのプロモーションとか全く得意ではありませんので後者みたいな考え方を推奨しています。前者がダメとかでは決してありません。前者みたいなことをやるのも選択肢に入れ、やるならそういうことが得意な人に頼む方が良いと思います。
リンクがもらえるのでSEOもちょっとずつ良くなる
ただブログ記事を作って告知するだけではなくて、短期的な反響を得るだけでもなくて、「リンクをもらう」ことももちろん視野にいれないといけないのですが、一応そういうときに頭の片隅でいつも考えていることは
- 人気とか影響力のあるサイトにリンクされたい
- なるべく多様なサイトからリンクされたい
- できれば継続的にリンクを得たい
などのことです。話題とか自分たちに書けることによってどういうポイントに重きを置くかは変えています。「あーこのテーマだと多分キツイな」とか「この記事なら継続的にリンクもらえるな」とかそういうのは何となく想像しています。さすがに自分が得意な分野では6割くらいは想像通りになります。
得意な分野だと上手く言って不慣れな分野だとうまくいかないのは、読者のことをよく知ってるかどうかが分かれ目だと思っています。読者のことをある程度でもわかっていれば読者の反応は予想できますし、分かっていなければ予想するのは難しいですよね。という理屈です。
だからこういうのは自分個人の提案というよりも色々勉強したりクライアントから教えてもらったりとにかくユーザーを知ることから始めないとなかなかいい提案できないです。だからこういうコンサルはとても大変で、ジャンル問わずうまく出来る人はすごい人だと思っています。
リンク数の推移としては、ahrefsという調査ツールだとだいたいこんな感じです。
まあ特段多くはないですけど、書いた分だけ少~しずつ増えているくらいの感じでしょうか。本音を言えばもっと爆発的にガツーンと行きたいのですがまだそこまでのサイトでもなければ僕の文章力もないので仕方ないのでしょうが。
ちなみに、人気とか影響力のあるサイトに掲載されるためには、そういうサイトを運営してる人とかその周辺にリーチして読まれて「へーこいつ中々いいこと言ってんじゃん」という評価をもらえることを前提に記事を書くのですが、そのためにまずはその人が好みそうなテーマで記事を書いてみたり。話の主旨をその人の好みに合わせたり。とか少しは工夫しています。
また、多様なサイトからリンクされるには、SEO関係者しか興味ないマニアックなネタばかりを公開しても仕方ない(リーチできる属性が限られる)のでいくつか工夫が必要で。
例えば、「SEOだけどめっちゃ業者向けに書く」とか「すごい初心者向けに書く」とか「制作とかの仕事をしてる人向けに書く」とか「リスティングの人に興味持ってもらえそうな話題を書く」とか「アクセス解析とかの人に向けて書く」とか、関連業界だけどちょっとSEOの記事じゃないところに向けて書きます。
例えば
- Webサイト高速化・表示速度改善のために知っておきたい基礎知識
- よく見るHTTPステータスコード一覧とその意味を理解する
- ユニバーサルアナリティクスって何が違うの?その機能や移行方法など徹底解説
- GTM(Googleタグマネージャー)とは?できることやGA4の設定方法を解説
この辺りの記事はまさにそんな感じですね。
高速化、とかステータスコード、とかユニバーサルアナリティクス、とかタグマネージャ、とかその辺はSEOにも関わる話題ですが、それを本業としている人達にもリーチしやすくなります。こういう記事はトラフィックと普段もらえない層からのリンク集めが主な目的です。
公開後の情報拡散がある程度うまくいくとそれなりに反響があり、反響があると検索結果が向上して、その後そのテーマで調べてくれた人がちょくちょくリンクしてくれたりが継続的に発生します。ただこのあたりはこのブログのテーマ的にもブログとかソーシャルとかの利用者層が多いのでそうなりやすいという側面があるのは間違いないのですが。
1つのコンテンツで何十本も毎回リンクがもらえるわけではありませんが(そういうコンテンツだけを価値とするのであれば、ほとんどのコンテンツの価値が適性に評価されなくなってしまう)、5本のリンクを10回集められれば50本のリンクなので、そう考えれば難しい感じではないですね。これはいつも自然リンク集めに困っている企業さんにアドバイスしている内容でもあります。
- 情報源としてそれなりに信頼しても良さそう
- ある程度まとまって網羅された情報 or 細かく具体的なニーズにこたえる内容
- 検索結果で上位表示されている
- 見てくれる人がブログとかソーシャルメディアを日常的に利用してる
この条件が満たされることだけ考えて運営していけば割と継続的にリンクは伸ばせそうですね。先ほど紹介したような、「出遅れた感ある話題をけっこう大げさに網羅してまとめたりしてる」ような記事ってぶっちゃけこの辺が目的だったりします。断片的な情報はめちゃくちゃ多くても、網羅してる記事は割と限られているのでそこを狙ってるだけといえばそうなのですが。
本筋から外れますが一番最後の要件だけ、そのサイトのジャンルに大きく左右される要素だったりしまして。
自然リンク<<ブラックハットなリンクなキーワード市場、かつそもそも自然リンクを貼ってくれる人が比較的少ない、という条件ですと頭をひねらないとホワイトハットでは今はまだ厳しいです。
サイトの利用者そのものがリンクを貼ってくれることを期待できないのであれば、リンクを張ってくれそうな人(属性?)に焦点をあてて、その人たちに情報をリーチしていくような取り組みが必須になります。「集まる」よりも「集める」にフォーカスするわけですね。
例えば、賃貸物件の一般的なポータルサイトを立ち上げて自然なリンク集めをしようと思っても、「この物件マジ良かったよ!おすすめ!」「品川区のILDKの新築マンションは、例えばこういう物件があるようです。」なんてリンクはまず期待できませんね。
でもそういうサイトに自然リンクを集めたいのであれば、リンクのターゲットを変えて、彼らがリンクをくれる理由をあの手この手で作らないといけないのですね。特に小規模な事業者であればあるほど、この辺のリンクを取りに行く工夫と貪欲さが必要になります。
そして正直に言えば、どんなジャンルでも工夫すればある程度までは行けると思いますが、それだけで検索結果の面取り合戦でバチバチ戦えるかと言えばそれはテーマ次第かなあと思います(少なくとも僕のスキルだとそうです)。
既にある程度知ってもらえている分、営業コストは下がる
これは、「いつもブログ見させて頂いてます」とか「ちょくちょくセミナー行かせてもらってます」っていうところから始まる商談がどれだけ話が早くてお互いに助かるかというのを体験している人は分かると思いますが。
受注が決まる、だけではなく出来ること出来ないこと、得意不得意が割と明確な状態をスタートラインに仕事の話ができるので、仕事受ける受けないの話も早いということです。
相談いただくサイトも、「あーこれなら自分らが上手いことアドバイスできそう」みたいなサイトが割合として多くなります。ココらへんは表面的な数字で現れにくいのですが、確実にそういう効果もあるとは感じます。
大変だなと思っていること
ここからは、ありきたりな内容かもしれませんが。
書くのにめっちゃ時間かかる
まあ一番のネックはここですよね。僕が書く場合ですとだいたい1記事あたり3~6時間くらいです。他の人が3~4時間くらいかけて書いたものを校正するには、内容によりますが1~5時間程度です。まあどのみち平均5時間くらいかかるんですね、きっと。
大半の時間は構成考えるのと内容のチェックと、場合によっては記事を書くにあたっての調査や事実確認です。書くことが決まれば書くのはそんなに時間かかりません。
その割には記事は大したことないね、と感じる方も多いかもしれませんが、結構色々気をつけて書いたりまとめたりすると、僕だとこれくらいかかってしまったりします。完全にそれのみに集中できればもっと短縮できると思いますが他業務の合間を使って書いているのでなおさらですかね。
例えば、意見や見解なのか事実なのかの区別とか、明確な因果関係とか根拠があるのかないのかとかも分かるようにしたいです。あとは曖昧な場合とか断言できない場合はそういう表記を心がけています。「誤解を恐れずに言えば」とか言い回したまに使いますが、正直言えばかなり誤解を恐れています。
このサイトの記事全般がちょっと回りくどくて読みづらかったり補足説明だらけの文章になっているのは、文章力が欠如している以外にもそのせいもあると思います(多分)。
一応、ポリシー的なところで言えば、簡潔でキャッチーでライトで読みやすい文章よりも、ちゃんと読んでくれたら役に立つ、とか逆に誰かの迷惑にならない、みたいな文章にすることを優先しています。まあこの辺は運営者の意図次第なので僕が無駄に気にしすぎなのは間違いないと思います。「生」が付くほど真面目な性分なのが玉にキズですね。もっと言えば「は」がつくほど緻密なのも玉にキズです。
専門分野なので記事の品質を担保するのが大変
ある程度は話せる、実務ではちゃんとやってる、というのと、ブログという形式のアウトプットとして一定以上の品質で出せるというのはスキルとして全然違うと思っています。つまりそれなりの文章を安定して書き続けられる人はどこの会社も限られていると思うのです(スキルだけではなく業務的な事情も含めて)。もっとライトなテーマなら別ですけどね。
ですので社内の他の人に書いてもらう場合でも、テーマを決めたり、予め骨格を決めたりして、あとは書く人の得意分野に合わせて書いてもらって、文章とか表現でちょっと気になるところから修正したり、事実に反することが書いてないか、とか誰かが誤解してしまう表記になってないか、とかそういうところも基本的にはけっこう細かく見ます。妥当なツッコミや指摘を頂いたらその旨追記したり引用させて頂いたりします。
ということで、とにかく分担してみんなで書こうぜ!というのがそんなに簡単にできないというのもまあひとつの悩みですね。現場のメンバーはやっぱり実務を優先しないといけないのでここにリソース割きまくるとかも出来ないですし。
逆にインターン生とかに勉強がてらSEO用語集とかまとめて記事にしてもらったりはしてますし(もちろん最低限は全てチェックします)、信頼できる方に寄稿して頂いていたりもありますので、現実的な運用に耐えうる体制を組んで更新量を担保することは工夫すれば出来るとは思います。
その人(その会社)の底が知れることのデメリットも考慮する
あんまり浅い内容の記事とか変な内容の記事ばかり出してしまうと、検索を中心にトラフィックは増えていくと思いますし一時的に成果と言われるようなものが出ると思いますが、やっぱり印象とかブランドとかいう意味でいうと長期的には何かしらは損ねてしまうんだろうなとは思います。
ある意味、自分の手の内を多少明かすことなんてのは別に問題ないと思いますが、読者から見てその人(とか会社)の底が知れるというのは微妙かなあと思います。さすがにある程度のリテラシーがある読者さんであればその辺りの分別はつくでしょうし。
僕個人としては、こういう商売で「広告」という形式ではなくて「情報発信」を通じてユーザーとの接点を増やしていく以上は、こういう目にみえない「読者が受ける何かしらポジティブな印象」みたいなものを少しずつ積み重ねていくことも大事にすべきと思っているんですね。もちろんこのサイトはまだまだですので今後もそういうのを積み重ねていくために頑張ろうと思います。
逆に、トラフィックがいくらあっても、自分たちにとって重要な読者層に「こいつら、微妙だわ」って思われたら、獲得したトラフィックの価値は激減します。数字だけ見ていたら見えない部分ですので、なおさら自分たちがそうなってしまわないかビクビクしてるという側面も少しあります。ドメイン名でのエゴサーチは欠かせません。
ですので、SEOについては全ての読者に一定のリテラシーや判断能力があるわけでは決してないテーマですので、企業としての情報発信にはそれなりの覚悟と責任を持ってやっています。特にWebコンテンツの場合はそれがずっと残ってしまい将来に渡り多くの人に見られる可能性があるのでなおさらかと。一対一でしゃべるのはそういう意味ではある程度気楽なのでいくらでもペラペラしゃべりますけどね。
ちなみに:「ブログとかでいろいろ情報公開しちゃって大丈夫?」みたいな話
そもそも本とかブログで書けるような、逆に言えば調べようとすればみんなが調べられる内容などは、ほとんどが一般論ですし手の内というほどのものでは決してないのでいくらでも放出して問題ないという認識です。受験勉強で言えば参考書読めば分かる、一般的な定理とか公式とか汎用的な解法とかが予備校や塾の重要なノウハウと言えないのと同じで。
本当に大事なのは一般論としての情報ではなく、個々のケースでの施策をどうプランニングするかと、その根拠となる知識と経験です。それは多くの場合で一般化して話せることでは決してありません。
運営してる母体やその規模、ビジネスモデル、掲載されている情報の性質、担当者のスキル、予算、時間的制限、事業的制約など色んな要素が同一でない限り、同じようなサイトでも優先して行う施策は変わるはずです。
なので一般的なこういう話題はいくらでも出して良いんじゃないかなと個人的には思います。少なくともなんの役にも立たない情報だとは思っていませんし。
まとめ
ということで、僕はSEOみたいなテーマでブログを更新する、それによって何かしらビジネス上の成果を得る、というのはけっこう大変なことだと感じています。成功例と失敗例でいえば後者が圧倒的かなと。うちもめちゃくちゃ成功しているかといえばまだまだこれからの積み重ねだと思いますし。
もちろん良い情報が増えることはとても良いことですので大歓迎ですが、SEOについては明らかに間違った情報(ちょっと違う、はもちろん、ぜんぜん違う、というレベルまで幅広く)が発信される可能性が極めて高いのと、一方でそれを誤った情報として認識できる人が少なすぎる点から、情報の流通はよりカオスになりがちなテーマだと認識しています。なので余計に気を遣います。
ただ、総合すれば、色々大変なことはあるけど、ちゃんとやれば得られるものは多いので、何だかんだやるべきで、やるならしっかりコストをかけてやるべきと思っています。ただ上記のような理由から、適当な情報をまき散らさないためにできる努力を怠らないことも、情報を積極的に出すことと同じくらい大事なことという認識でございます。
このブログもいつの間にかそろそろ40記事くらいになりますので、もっともっと成果に繋がると良いなと思います。ということで何かお仕事ありましたら是非くださいますと幸いです。
以上、今後共よろしくお願いします。
集客・コンバージョン数を増やしたい方へ
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